2024/04/18 - 2024/04/28
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j-ryuさん
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★福島の四季折々の花や自然風景を紹介している
“福島・四季・彩々”は回を重ね丁度Part,121になりました。
単独ネタにするには写真が少なかったり
あまり脈絡がないネタだったりですが、
それらを強引につなぎ合わせたのが“福島・四季・彩々”で
福島県の自然のネタと言う事以外にはあまり共通点はありませんが
今回は旧・岩瀬村と天栄村の晩春の花をご紹介します。
旧・岩瀬村は平成の大合併により現在は須賀川市になりましたが
合併前は岩瀬村と天栄村も当町も同じ岩瀬郡に属していました。
どちらの村も西側に奥羽山脈が連なり
天栄村の羽鳥湖高原以外はこれと言った観光地はなく
インバウンドやオーバーツーリズムとは無縁の自然豊かな山村地域です。
有名な観光地が無いお陰で渋滞や混雑とは無縁で
のんびりと自然を享受しながらストレスフリーの生活が楽しめるのが
私にはありがたい村々です。
若い人には刺激が無くてつまらない所かもしれませんが、
歳を重ねる事にその“つまらなさ”が次第に魅力になってくるのですから
人生は奇想天外摩訶不思議です。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
-
★旧・岩瀬村&天栄村 ルートマップ (※Google mapに加筆)
https://www.google.co.jp/maps/@37.2984253,140.2453268,15628m/data=!3m1!1e3?hl=ja&entry=ttu
我が家から最も近い渓谷の一つ、
旧・岩瀬村(現・須賀川市)の奥羽山中にある大滝川渓谷へ
春の山野草の花を見に行ってきました。
まずは大滝川渓谷最奥の駐車場まで車で砂利道の林道を進みます。
最奥に車3台分くらいの駐車場があり、
『幻の大滝』へはここから徒歩で約1時間ほど。 -
★大滝川渓谷~幻の大滝 (※2020/08/18 撮影)
“幻の大滝”は発見されたのが昭和61年(1986年)と比較的新しく、
それまでは山奥に大きな滝があると言われながら道はおろか
地図や写真などの資料が無かったため”幻の大滝”と言われました。
須賀川市の最高峰・八幡岳(1102m)を源流とし
滝の落差は約80mと言われ
須賀川市(旧岩瀬村)では一番落差のある滝です。
水量は多くありませんが滝の直下まで行けるので写真で見る以上に
大きく迫力を感じます。
水量の多い時に来られればもっと雄大な滝なのでしょうが
峡谷を遡行しなくてはならないので致し方無いです。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ミヤマキケマン
さて、今回は『幻の大滝』へは行かず、周辺の野の花を観賞します。
まず出迎えてくれたのはミヤマキケマンです。
余談ですが、大滝川渓谷の車で行ける最奥の駐車場で
4年前にツキノワグマと遭遇しました。
https://4travel.jp/travelogue/11643843
以前から『熊出没注意』の看板はありましたが
まさか自分が遭遇するとは思いませんでした。
この時は熊の方が私を見つけて逃げていきましたが
やはり油断は大敵です。
いつも熊避け鈴は携帯して行きますが
これ以降、『音だけピストル』も携帯するようにしています。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ミヤマキケマン
◎ミヤマキケマン(深山黄華鬘/ケシ科キケマン属)
ミヤマキケマンは近畿以北の
日当たりの良い山地の崩壊地,谷川の礫地,林の縁などに生え越年草で
関東以南でよく見られるキケマン(黄華鬘)に似ていますが
全体に小ぶりで寒冷地適応型です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ミヤマキケマン
今年は既に白河天狗山のミヤマキケマンを紹介済みですが
春の渓谷で見られる花の定番なので悪しからず(^-^;。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ミヤマキケマン
葉っぱはセリ科の植物のようすでが
ケシ科特有のアルカロイド・プロトピンを含み有毒なので
誤食すると嘔吐・酩酊・心臓麻痺などを起こすので注意が必要です。
花が咲いていればまず山菜のセリと間違う人はいないと思いますが
やはり芽出しの頃は要注意です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ミヤマキケマン
ミヤマキケマンは種がこぼれ発芽し年を越し
翌春に花を咲かせる越年草なので
いくらキレイだからと言って採って自宅に植えても
この株は今年で枯れてしまいます。
種ができない内に採ってしまうと
翌年は花が咲かなくなる恐れがあるので
くれぐれも現地でお楽しみ下さい。 -
★我が家のキケマン (※2023/4/15 撮影)
福島県でミヤマキケマンは自然豊かな山間の渓谷沿いや崩落地などで
見ることができますが、残念ながら母種のキケマンの野生種は
自生していません。
山野草好きとしては自生していないからと言って
そう簡単に諦めるわけにはいきません。
でも今はメルカリやヤフオクなどで種類によっては
山野草の種や苗を買うことができるので
自宅で栽培することも可能です。
一昨年6月、メルカリにキケマンの苗が1苗499円(税送料込み)で
出品されていたので迷うことなく即ポチし、
6月下旬に我が家の庭に植えました。
キケマンの分布地は関東以西なので果たして福島県中通りの我が家で
厳冬を越せるのが心配でしたが、地植えでも問題なく越冬できました。
今年は昨年蒔いた種が芽生えて無事外で越冬しまた花を咲かせました。
東北に自生していないのは寒さが原因では無さそうです。 -
★我が家のキケマン
◎キケマン(黄華鬘/ケシ科キケマン属)
キケマンは関東地方以西、四国、九州、沖縄に分布する越年草。
明るい林内、林淵、海岸沿いに多く見かける。
草丈は30~60㎝位。葉は長柄があり、2~3回3出羽状複葉。
花は黄色い唇形の小さな花を茎の頂に総状花序に着く。
全草に毒を含み、特に根に毒成分が多い。
我が家の種から育ったキケマンも草丈60cmほどまで育ちました。 -
★町内里山林縁のナガミノツルキケマン (※9/20 撮影)
キケマン属の花は殆どが春に咲きますが
ナガミノツルキケマンだけは晩夏から初秋にかけて開花します。
◎ナガミノツルキケマン(長実の蔓黄華鬘/ケシ科キケマン属)は
北海道~九州に分布しますが西日本では稀でなようで
山梨、愛知、山口、福岡では絶滅危惧種に
福島県でも準絶滅危惧種に指定されていますが
この里山の谷地やあまり直射日光の当たらない林縁では雑草並に生えています。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~コミヤマカタバミ
大滝川渓谷の春を象徴する花と言えばこのコミヤマカタバミ。(個人的に)
花の形も花色も白一色でとてもシンプルな花ですが
清楚さを絵に描いたような花です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~コミヤマカタバミ
◎コミヤマカタバミ(小深山傍食/カタバミ科カタバミ属)
コミヤマカタバミ(小深山傍食/カタバミ科カタバミ属)は北海道~九州の山林や渓流沿いのやや湿り気のある半日陰に自生します。
大滝川渓谷ではあちこちで見られますが
ニリンソウのようにどこの渓谷でも見られるわけではありません。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~コミヤマカタバミ
コミヤマカタバミも平地の道端などで良く見かける黄色いカタバミの
仲間ですが黄色いカタバミは抜いても抜いても生えてくるやっかいな雑草で
コミヤマカタバミは山あいの限れれた場所にしか自生しない貴重な山野草です。
白と黄色で正反対の生き方なのが不思議です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~コミヤマカタバミ
コミヤマカタバミやミヤマカタバミの花色は基本的には真っ白ですが
自生地によってはピンクタイプもあります。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~コミヤマカタバミ
コミヤマカタバミは白く透明感ある花なので
背景が暗く花には陽射しが当たるようなシュチュエーションだと
透過光効果で花の魅力がより発揮されると思います。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~コミヤマカタバミ
ここは背景が暗い森で、
土手状の部分に陽が射し
並んで咲いているコミヤマカタバミがスポットライトを
浴びたようなロケーションなのでとてもフォトジェニックです。 -
★天栄村:立矢川渓谷・晩春の候~コミヤマカタバミ
こちらのコミヤマカタバミは奥羽山地でも分水嶺を越えた
日本海水系の立矢川渓谷に自生しているコミヤマカタバミ。
多くのコミヤマカタバミのハナビラは丸みを帯びていますが
ここのコミヤマカタバミは細長いハナビラです。
ハナビラの形による分類は無いようなので
こちらも一応コミヤマカタバミです。 -
★天栄村:立矢川渓谷・晩春の候~コミヤマカタバミ
-
★天栄村:立矢川渓谷・晩春の候~コミヤマカタバミ
日本海水系のコミヤマカタバミのナハビラがみな細長いかと言えば
そんな事はなく、大滝川渓谷のコミヤマカタバミと同じ形です。
なぜ立矢川渓谷のコミヤマカタバミのハナビラだけが
細長いのか不明です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ルイヨウボタン
大滝川渓谷沿い明るい林床では
ルイヨウボタンも見頃を迎えていました。
◎ルイヨウボタン(類葉牡丹/メギ科ルイヨウボタン属)は、
北東アジアと北海道~九州の深山広葉樹林下に自生します。
名前の由来は、葉の形状がボタンに似ているため、類葉牡丹です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ルイヨウボタン
外萼片数枚と内萼片が6枚あります。 外萼片は開花後すぐ落ち、
花弁のように見えるのは内萼片です。
花弁は萼片より著しく小さく萼片の基部に重なるようにつき、
扇状に広がった先端は蜜腺状になります。
花後には、1つの花に2つずつの種子ができ緑色から、
秋には黒紫色の種子になります。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ルイヨウボタン
ぱっと見は地味(渋い)花ですが
ハナビラを逆光で見ると澄んだライムグリーンに見え
渋さの中に美しさを秘めた花だと思います。 -
★ルイヨウボタンの葉&ボタンの葉
ルイヨウボタンの葉(左)とボタンの葉(右)を並べてみました。
ボタンの葉の葉先の方が鋭角ですが
確かに雰囲気は良く似ていますよね。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ルイヨウボタン
外萼片数枚と内萼片が6枚あります。
外萼片は開花後すぐ落ち、花弁のように見えるのは内萼片です。
花弁は萼片より著しく小さく萼片の基部に重なるようにつき、
扇状に広がった先端は蜜腺状になります。
花後には、1つの花に2つずつの種子ができ緑色から、
秋には黒紫色の種子になります。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ルイヨウボタン
このような花色なので森の中に咲いていても
緑の中に溶け込んでしまい
初めての場所だと中々見つけにく花です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ルイヨウショウマ
◎ルイヨウショウマ(類葉升麻/キンポウゲ科ルイヨウショウマ属)
ルイヨウつながりで金喰川渓流沿いに咲いていた
ルイヨウショウマ(類葉升麻/キンポウゲ科ルイヨウショウマ属)をご覧下さい。
北海道~九州の深山の湿った谷間や林床に自生しますが
西日本では数が少ないようで絶滅危惧種に指定している県が多数あります。
ルイヨウを漢字では『類葉』
ショウマはサラシナショウマ『晒科升麻』のことで(下記)
葉がボタンの葉に
花がサラシナショウマに似るところによります。(そっくりでは無いかな) -
★羽鳥湖高原のサラシナショウマ(晒菜升麻/ キンポウゲ科 サラシナショウマ属)
◎サラシナショウマ(晒菜升麻/ キンポウゲ科 サラシナショウマ属)は
全国の低山帯から亜高山帯の草原や林中に自生し、
所によっては大群生を形成します。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ニリンソウ
大滝川渓谷では渓谷で見られる花の定番、
ニリンソウもたくさん咲いていました。
前回の旅行記で紹介した天狗山のニリンソウ大群落が特別で
一般的にはこのくらいの群生が並みです。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ニリンソウ
◎ニリンソウ(二輪草/キンポウゲ科イチリンソウ属)は
日本各地の主に山地の湿潤な林床や川沿いに自生します。
そう珍しい花ではありませんが
その清楚で気品のある姿はいつ見ても心洗われる花です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ニリンソウ
当地でニリンソウの若葉を山菜として食べる人は殆どいませんが
地域によっては食べるそうです。
でもニリンソウの若葉とトリカブトの芽出しは
良く似ているので細心の注意が必要です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ニリンソウ
ニリンソウの中で少しだけ突出している植物は猛毒のトリカブトです。
この位の大きさになればニリンソウとトリカブトを間違うことは
無いと思いますが、草丈が同じ頃だと間違い恐れがあるので
ニリンソウを山菜として食べる際はくれぐれも間違わないよう
採取しなくてはなりません。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ミヤマタチツボスミレ
◎ミヤマタチツボスミレ(深山立坪スミレ/スミレ科スミレ属)
コミヤマカタバミの群生地ではミヤマタチツボスミレ(深山立坪スミレ)も
咲いていました。
里地でよく目にするタチツボスミレ(立坪スミレ)と良く似ますが
ミヤマタチツボスミレの距(蜜壺)は白ですが
タチツボスミレの距は水色です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ヤマエンゴサク
◎ヤマエンゴサク(山延胡索/ケシ科キケマン属)は
本州~九州の
山あいのやや湿った場所に自生し、花色は薄紫や水色、青など様々です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ヤマエンゴサク
山延胡索は中国に同じ仲間の生薬“延胡索”があり
日本の野生の延胡索と言うことで山延胡索と名づけられたそうです。
漢方のエンゴサクは鎮痙、鎮痛作用があり、
大正中薬胃腸薬、太田漢方胃腸薬などにも配合されていますが
残念ながら日本のヤマエンゴサクの薬効は劣るそうです。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ヤマエンゴサク
ヤマエンゴサクの亜種にササバエンゴサク(笹葉延胡索)があり、
葉の形以外はほとんど同じです。
ヤマエンゴサクの小葉は丸みのある楕円形ですが
ササバエンゴサクは名前のように小葉が細長い笹の葉形です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ヤマエンゴサク
ヤマエンゴサクは上記で紹介したミヤマキケマンと同じ
キケマン属ですが、ぱっと見はあまり似ていません。
でも花の一つ一つは色こそ違え形は似ています。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ラショウモンカズラ
大滝川渓谷沿いの草むらではラショウモンカズラも
咲き始めていました。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ラショウモンカズラ
-
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ラショウモンカズラ
ラショウモンカズラ(羅生門蔓/シソ科ラショウモンカズラ属)は
本州~九州の山間部の少し湿った川沿いなどに自生し
草丈は30cmくらい花の大きさは3~4cmほど、
シソ科の中では最大級の花です。
ランナー(匍匐・ほふくけい)で増え群生を作り、
ラベンダー(シソ科)に似たいい香りがします。
花色は紫がほとんどですが稀に桃色もあります。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ラショウモンカズラ
-
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~新緑
ラショウモンカズラ咲く渓谷沿いの草むらの上には
青空が広がり新緑が目に眩しく萌えていました。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ラショウモンカズラ
-
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ラショウモンカズラ
ラショウモンカズラの名前の由来は
平安中期の頃、京都朱雀大路南端にあった羅生門に棲みついた鬼が
夜な夜な悪さをし人々を困らせていたので
源頼光(みなものよりみつ)の家臣の渡辺綱(わたなべのつな)が
その腕を斬り落とし鬼を退治したそうな。
その鬼の腕に似た花というので羅生門蔓と名づけられたそうです。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ラショウモンカズラ&クルマバソウ
少し離れた場所では
ラショウモンカズラとクルマバソウのコラボレーションが
見られました。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ラショウモンカズラ&クルマバソウ
◎クルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)は
葉っぱが車輪状なので見たまんま車葉草と呼ばれます。
全国に分布しますが北海道以外は高地のやや湿った林内に群生します。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~クルマバソウ
クルマバソウ属の仲間にはオククルマムグラやキヌタソウ、ヤエムグラ、
カワラマツバ、クルマムグラ、ホソバヨツムグラなど良く似た花があります。
どの花もかなり小さいのですが
これでもクルマバソウはその中でも一番大きな花です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ラショウモンカズラ&クルマバソウ
-
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~クルマバソウ
良く似たオククルマムグラも星型ですが平な形で
クルマバソウの花は朝顔のようなロート型です。
葉っぱも
クルマバソウは放射状に8枚で葉の表面に毛は生えていません。
オククルマムグラの葉も放射状ですが6枚で
葉の表面には細かい毛が密に生えています。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~薄紅ラショウモンカズラ
青紫色のラショウモンカズラから少し離れた場所に
薄紅色したラショウモンカズラが咲いていました。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~薄紅ラショウモンカズラ
-
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~薄紅ラショウモンカズラ
ラショウモンカズラの名前の由来がらみで
渡辺(渡部、渡邊)姓は節分に豆まきをしなくてもいいそうな。
都の鬼とは酒呑童子との説があり
酒呑童子は渡辺綱(わたなべのつな)らに成敗され
酒呑童子配下の鬼・茨木童子が仇をとるために渡辺綱らをを襲撃したものの
返り討ちに遭い、腕を切り落とされてしまった。
それで渡辺綱らの強さに驚愕し、2度と渡辺綱の前には姿を現さなかったとか。
それ以来、渡辺一族は鬼にめっぽう強く鬼が逃げるので
節分に豆まきは必要なくなったのだとか。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~薄紅ラショウモンカズラ
-
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ウラシマソウ
大滝川渓谷沿いの草地ではウラシマソウも咲いていました。
◎ウラシマソウ(浦島草/サトイモ科テンナンショウ属)
ウラシマソウは北海道南部から本州、九州の一部も分布する球根植物で、
主に山間の林床や人里近い林下に多く見られます。
苞の中から伸びた付属体の先端部が細く糸状に伸び、
その姿を、浦島太郎が釣り糸を垂れている姿に見立てて
浦島草と名付けられました。
地下にはサトイモに似た大きな球根があり、春にめを出し10枚前後の葉を
傘のように広げ、黒褐色の苞を開きます。
この苞は水芭蕉と同じように「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれます。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ウラシマソウ
本来の花は、付属体(釣り糸)の下につき、そのままの状態では見えません。
成長や栄養の状態によって、雄花から雌花に変化する性転換植物として
知られています。
雄花から雌花への花粉の受粉は虫媒でキノコバエの仲間よって行われます。
雄性の仏炎苞の開口部から進入したキノコバエは
雄花群から出された花粉を身にまとい、
仏炎苞下部にある隙間から脱出することができるが、
雌性の仏炎苞ではキノコバエが脱出できる隙間がなく、
開口部から進入したキノコバエは雌花群をうろつく間に授粉させられ、
最後は脱出できずに死んでしまう恐ろしい植物です(^^;)。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ウラシマソウ
葉は秋までには落葉し、タネができた花茎は、
房状に赤く完熟した果実をつけて、そのまま晩秋のころまで残り、
冬には倒れて、球根の状態で休眠します。
秋に球根のわきに小さな球根をたくさんできて増えますが、
元の親球根は5年程度で枯れるようです。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ウラシマソウ
ウラシマソウはテンナンショウ属の一つで
下記で紹介するマムシグサの仲間です。
この仲間は半日陰のジメジメしたような、それこそマムシが
出てきそうな林床に自生しているので不気味だと忌嫌う人も多い植物です。
でも山野草好きの間ではけっこう人気のある植物で
同じ品種でも色違いとか、斑入りとか、
ちょっとした違いでも集めている収集家は多いんですよ。 -
★我が家のカラスビシャク
我が家に庭のカラスビシャク(烏柄杓/サトイモ科ハンゲ属)です。
植えたものでは無く毎年勝手に現れます(^-^;。
カラスビシャクは北海道~九州まで広範囲に自生し稲作伝来の頃、東アジアから伝わった史前帰化植物の可能性が強いそうです。
形状はテンナンショウ属のウラシマソウに似ますが
苞の中の柱状の花序がその背面で苞と癒合する点などが
違うので別属になるようです。
テンナンショウ属やハンゲ属の中では最も丈夫で、
一度進出するとムカゴで増えるので抜いても抜いても毎年顔をだすほど
生命力旺盛です。 -
★我が家のフイリオオハンゲ
カラスビシャクの仲間にオオハンゲがあります。
野生の自生地は関東以南で福島県に野生種は自生していないので
メルカリで種を買って育てました。
◎フイリオオハンゲ(斑入大半夏/サトイモ科ハンゲ属)
オオハンゲ は、明るい半日陰の林床などに生える多年草です。
関東地方以南に分布し、カラスビシャクより大きく、
葉の高さは30cmほどになります。
葉は1~4個が根生して、葉身は3深裂の単葉形から、
ほとんど全裂して3小葉になることもあります。
花期は6~8月で、花茎に肉穂花序を頂生します。
花序の下側に雌花群、上側に雄花群があり、
上方の付属体はくねりながら直立して、大きいと高さ50cmになるそうでが
我が家のオオハンゲはそれほど大きくはなりません。
仏炎苞は、緑色で紫を帯びることもあり、開口部は、
縁が外側に開いてやや反転します。 仏炎苞の舷部先端は、
凹んで付属体を抱きます。
名前の由来ははカラスビシャク ( 半夏 ) より大きいことから。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~テンナンショウ(マムシグサ)
ウラシマソウ咲く草地の近くではマムシグサも咲いていました。
テンナンショウ属はマムシグサとも呼ばれ、世界に150種、
日本には30種ほどあるそうですが分類の仕方や呼び名が
未だ確定していないようです。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~テンナンショウ(マムシグサ)
ミミガタテンナンショウと一般的なマムシグサは外観は瓜二つですが
ミミガタテンナンショウの仏炎苞は葉より上にありマムシグサは
同じくらいの高さです。
マムシグサはテンナンショウ(天南星)とも呼ばれ
「仏炎苞(ぶつえんほう)」は黒紫や赤茶色、黄緑と様々で
縦縞も特徴ですが黒系の場合縦縞は目立たないこともあります。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~テンナンショウ(マムシグサ)
花(仏炎苞)の色は暗めの小豆色から黄緑まで様々で
個体差がありうます。
名前から忌み嫌らわれがちですが
ようく観察すると芸術的で美しい山野草だと思います。 -
★久慈川渓谷~ミミガタテンナンショウ
福島県の南部や茨城県境周辺ではマムシグサの仲間の
ミミガタテンナンショウ(耳形天何星/サトイモ科テンナンショウ属)が
自生しています。
葉が展開する前に花=「仏炎苞」が展開するのが
大きな特徴です。
「仏炎苞」はエンジ色が多い感じです。
仏炎苞の中程が外側に少し反っている部分をも耳に見立てた命名のようです。 -
★天栄村立矢川渓谷~ヒトツバテンナンショウ&ヒロハテンナンショウ
左◎ヒトツバテンナンショウ(一葉天南星/サトイモ科テンナンショウ属)は
本州中部以北の湿り気のある山中の半日陰に自生。
大きな葉が1枚(小葉は7~9)で仏炎苞は白緑色。
内面の中央近くに八の字濃紫色の斑紋があるのが最大の特徴で仏炎苞の中の付属体は細い棒状で、先は斜め前に曲がっています。
右◎ヒロハテンナンショウ(広葉天南星/サトイモ科テンナンショウ属)は
主に日本海側の湿り気のある落葉樹林下や川沿いなどに自生。
大きな葉が1枚でヒトツバテンナンショウに似ますが
小葉に柄がなく葉が広めです。
最大の違いは内面の中央近くに八の字濃紫色の斑紋がありません。
また仏炎苞の中の付属体はヒトツバテンナンショウよりは太く真っ直ぐです。 -
★我が家のムサシアブミ
これは我が家の
◎ムサシアブミ(武蔵鐙/サトイモ科テンナンショウ属)
多くの資料には関東以西~四国、九州、沖縄に自生するとありますが
福島県でもいわき市などに自生します。
ただ私はまだ出会ったことが無いのでメルカリで苗を買って植えたものです。 -
★我が家のムサシアブミ
地面から立ち上がる第一の葉柄の途中から二番目の葉柄が分岐し、
その途中から花柄が伸びる。
葉柄上端には先が細くなった三枚の葉(小葉)をつける3出複葉です。
花柄は葉柄よりも短い。
花(仏炎苞)の形が鐙に似ていること、
武蔵の国でつくられた鐙が良質であったことから武蔵鐙と
呼ばれるようになったそうです。 -
★我が家のムサシアブミ
まるでアールヌーボーのような芸術的なムサシアブミの縞模様。
テンナンショウ属の中でも大好きな花(仏炎苞)です。 -
★我が家のユキモチソウ
テンナンショウ属ついでに我が家のユキモチソウ(雪餅草)も
ご覧ください。
ユキモチソウは世界的に見ても日本の三重、奈良、四国の
限られた地域に自生するとても貴重な山野草です。
環境省のレッドデータカテゴリでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。
ユキモチソウは図鑑やNetで見るだけの憧れの山野草でしたが、
何と3年前にヤフオクで種(小球根)が出品されいて、
10球で1700円(送料込み)だったので
迷わずポチしました。 -
★我が家のユキモチソウ
図鑑やNet情報で栽培の仕方を調べ昨年(2022)3/13に
小指の爪の半分にも満たない小さな球根を大事に植えました。
情報では早い場合は翌春、普通は2年後に開花するとのことなので
大切に見守りました。
関西以南の植物なので福島の冬は寒かろうと
室内で冬越しさせました。
3月になり他の植物が次々新芽を出し始めたのに
我が家のユキモチソウはうんともすんとも言いません。
もしかしたら寒さに耐えられず枯れたのかもと心配が過ぎり
少し土を掘り起こしてみたら
球根は無事でまだ冬眠中でした(^-^;。 -
★我が家のユキモチソウ
春の目覚めが遅い我が家のユキモチソウにやヤキモキさせられましたが
3月下旬にようやく小さな芽が出始め
4/19になんと10球のうち5球に花が咲きました。
今年の開花は期待していなかったので
思いがけない開花に嬉しさMaxです(^^♪。
残りの5球も元気なので、おそらく来年は花を咲かせることでしょう。
昔なら中々手に入れられなかった珍しい山野草が
ヤフオクやメルカリなどで手に入れれるのですから良い時代になりました。
でも出品の出所が怪しいものはなるべく買わないで
種や球根から育てるようにしています。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ミツバアケビ
一般の人からはあまり注目されないミツバアケビも花盛りでした。
◎ミツバアケビ(三葉土通草/アケビ科アケビ属))
ミツバアケビは北海道から九州、中国に分布する落葉性ツル植物。
よく似た仲間には下記で紹介する小葉が5枚のアケビがあります。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ミツバアケビ
-
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ミツバアケビ
5月頃、濃紫色の花を咲かせ、先端に雄花を多数咲かせ、
基部に数個の大型の雌花が咲きます。
雌花の花弁に見えるものは顎片で、雌しべは3~6本。
雄花の顎片は長さ2mmと小さく、表からはあまり見えません。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ミツバアケビ
-
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ミツバアケビ
アケビの仲間は、秋に果実が熟すと割れて中の果肉が見えるようになり
その姿を「開け実」とよんでいたことが名前の由来。
果肉は甘く子供の頃は競うように採って食べたものです。 -
☆アケビ(木通/アケビ科アケビ属)
里山の林縁でアケビの花が咲き始めていました。
そう注目される花ではありませが、とても可愛い花だと思います。
本州~九州の山野にふつうに見られる落葉つる性木本。
花序は散房状または総状で下垂し、先の方に数個の雄花
基部に1~2個の雌花をつけます。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ヤマブキ
ヤマブキも花盛りでした。
全国どこでも見られ珍しく無いので
あまり有難られませんが
日本、中国、朝鮮など東アジア原産で欧米には自生しない花です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ヤマブキ
野生種でありながら華やかで寒さや病害虫にも強く
手間いらずなので欧米ではとても人気のある花です。 -
★旧・岩瀬村:大滝川渓谷・晩春の候~ヤマブキ
山吹と言えば太田道灌にまつわる『山吹伝説』が有名ですよね。
山吹伝説道灌が父を尋ねて越生の地に来た。
突然のにわか雨に遭い農家で蓑を借りようと立ち寄った。
その時、娘が出てきて一輪の山吹の花を差し出した。
道灌は、蓑を借りようとしたのに花を出され内心腹立たしかった。
後でこの話を家臣にしたところ、それは後拾遺和歌集の
「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」の
兼明親王の歌に掛けて、山間の茅葺きの家であり貧しく
蓑(実の)ひとつ持ち合わせがないことを奥ゆかしく答えたのだと教わった。
古歌を知らなかった事を恥じて、それ以後道灌は歌道に励み、
歌人としても名高くなったという。豊島区高田の神田川に架かる面影橋の近くにも山吹の里の碑があり、1kmほど東へ行った新宿区内には山吹町の地名があり、伝説の地に比定されている。また、埼玉県越生町にも「山吹の里」と称する場所が存在し、この地が伝説の地であるという説もある。ただしいずれも真偽は不明。また、落語にこの故事をもとにした『道灌』という演目がある。
※Wikiより
たいした学もないであろう農家の娘が
後拾遺和歌集の兼明親王の歌を知っていて
遠まわしに山吹を差し出したとは俄に信じがたいが
あまり無粋な突っ込みは止めておきましょう(^_^;)。 -
★旧・岩瀬村:大滝川公園・晩春の候~ヤエザクラ&タンポポ
大滝川渓谷への入り口には大滝川公園があり
キャンプ場では八重桜とタンポポが満開を迎えていました。 -
★旧・岩瀬村:大滝川公園・晩春の候~ヤエザクラ&タンポポ
まるで栽培したかのように
見事な花の絨毯の西洋タンポポ。
自然豊かな山間なので日本在来種のエゾタンポポが
群生しても良さそうな環境ですが
なぜかエゾタンポポはもっと奥山に追いやられいます。 -
★旧・岩瀬村:大滝川公園・晩春の候~ヤエザクラ&タンポポ
-
★旧・岩瀬村:大滝川公園・晩春の候~ヤエザクラ&タンポポ
エゾタンポポは年1回しか開花しませんが
西洋タンポポは春から秋まで開花するので
繁殖力(増殖力)が全然違います。
なので西洋タンポポは陽当たりの良い環境でまずます増殖し
エゾタンポポは西洋タンポポが侵出しないような場所で
細々と命をつないでいます。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
大滝川渓谷の次は車で15分ほど離れた
天栄村のレンゲソウ畑に向かいました。
1週間前に直ぐそばの国道294号を通った開花状況をチラ見し、
今週がそろそろ見頃だろうと訪れました。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
予想通り先週2分咲きだったレンゲソウ畑は満開になっていました。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
向こうに見える山並みは旧・大信村(現・白河市)と
天栄村の境にある権太倉山(976m)です。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
-
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
レンゲ草畑は2015年までここの直ぐ近くにある『涌井の清水』そばの
レンゲ草畑を撮影していたのですが、
そのレンゲ草畑はその後花畑になることはありませんでした。
レンゲは土地を耕し毎年種を蒔かないとキレイなレンゲ草畑にはなりません。
畑を放棄しても数年はこぼれ種で数年は咲きますが
次第に薮に覆われ完全に見られなくなります。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
-
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
レンゲソウは日本の原風景の一つですが実際は彼岸花と同じように
中国大陸が原産で日本へは17世紀ごろに渡来し、
明治以後になって急速に広まったそうです。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
レンゲは通称名でゲンゲ(紫雲英)というのが標準和名です。
レンゲソウ(蓮華草、紫雲英/マメ科ゲンゲ属)
昭和30年代頃までは、どこの田んぼでも緑肥として栽培されていましたが
今は化学肥料に取って替わりほとんど見ることがなくなりました。
現在見られるレンゲ畑の多くは観光や地域興しのレンゲ畑で緑肥用に栽培されている所はまずないそうです(福島県の場合)。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
-
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
-
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
ポツンと白花レンゲソウが咲いていました。
レンゲソウは基本的にはピンク色で
稀に白花があります。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
-
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
一面ピンク色のレンゲソウ畑でレンゲソウと競演するかのように
黄色い花も咲いていました。
何? -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
昨年までは黄色いウマゴヤシ(馬肥/マメ科ウマゴヤシ属)が
咲いていたのですがウマゴヤシでは無さそうです。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
黄色い花が集中して咲いている個所がありました。
その正体はイヌナズナでした。
◎イヌナズナ(犬薺/アブラナ科イヌナズナ属)は
ほぼ全国に分布しますが北国に多い傾向があるそうです。
道端や農地周辺などに多い越年草で
ナズナに似ているが,花が黄色いことのほか短角果の形もちがいます。
イヌとは植物界で否定形として使われ
似ているけど偽物、使い物にならないもの、まがいもの、
などの意味合いです。
つまりイヌナズナはナズナに似ているけど、まがいもってことですね。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
-
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
一昨年、裏磐梯からの帰り道、猪苗代湖東岸を通り、
勢至堂トンネルを抜け国道118号と国道294号の重複区間から
294号に入って間もなく車窓右手にピンク色した
花の絨毯がちらっと目に入りましたがスピードが出ていたので
あっと言う間に通り越してしまいました。
でも、もしかしたら久しく見ていないレンゲ草畑かも?と気になり、
車をUターンさせました。
そしたらどうでしょう、やはり憧れのレンゲソウ畑だったのです。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
私が子供の頃(何年前?)はレンゲソウは田んぼの緑肥として
あちこちで栽培されていましたが、
安価で効力の高い化学肥料が普及すると
緑肥として栽培されることはまず無くなり
当地ではほとんど見られなくなりました。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
-
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
レンゲ草畑は奇しくも2015年までここの直ぐ近くにある
『涌井の清水』そばのレンゲ草畑を撮影していたのですが、
そのレンゲ草畑はその後は花畑になることはありませんでした。
レンゲは土地を耕し毎年種を蒔かないとキレイなレンゲ草畑にはなりません。
畑を放棄しても数年はこぼれ種で数年は咲きますが
次第に薮に覆われ完全に見られなくなります。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
レンゲソウは日本の原風景の一つのイメージがありますが
実際は彼岸花と同じように中国大陸が原産で日本へは17世紀ごろに渡来し、
一般に普及したのは明治以後になってからだそうで、
イメージの割には歴史はあまりありません。
それが昭和の高度成長期には殆ど見られなくなったのですから
短い間に日本人の脳裏に焼き付くほど広まったってことですね。 -
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
でもレンゲソウ畑を日本の原風景だと感じる人は
おそらく昭和世代やその前の世代の人達で
少なくとも平成生まれ以降の人はレンゲソウじたいを
見たことが無いかも(^-^;。 -
★鏡石町・成田北・晩春の候~ホトケノザ
-
★天栄村:八十内・晩春の候~レンゲソウ
一昨年はレンゲ草脇ではおじいちゃんが草刈りをしていたので
レンゲ草畑に入る許可をもらい、7年ぶりに撮影しました。
でも昨年も今年もお爺ちゃんの姿も見えません。
(お元気だといいのですが)
万が一、お爺ちゃんが手入れしなくなると
このレンゲソウ畑もやがて消えてしまうかも知れません。 -
★鏡石町・成田北・晩春の候~ホトケノザ
ピンク色のお花畑つながりで当町郊外の休耕地を
薄紅に埋め尽くすホトケノザもご覧ください。 -
★鏡石町・成田北・晩春の候~ホトケノザ
郊外里山にルリソウを撮影しに行ったとき
一面ピンク色の絨毯が目に飛び込んできました。
車窓からでもこれはホトケノザの群生だとすぐ分かりました。 -
★鏡石町・成田北・晩春の候~ホトケノザ
ホトケノザ自体は農家からすれば雑草扱いされるほどポピュラーですが
さすがにこれほ大きな群生は初めて見ました。
昨年まではこの畑には切り花出荷用のユキヤナギが植えられていましたが
ユキヤナギは寒い頃に根ごと掘り起こされてから
温室に運び込まれ、開花を早める促成栽培されます。
蕾が膨らんだユキヤナギは正月用や早春用の切り花として出荷されます。
その掘り起こされた畑でホトケノザが一斉開花したわけです。 -
★鏡石町・成田北・晩春の候~ホトケノザ
◎ホトケノザ(仏の座/シソ科オドリコソウ属)は
稲作の頃に大陸から渡来した自然帰化植物と言われ
全国に広く分布します。
春の七草のホトケノザと同じ名前なのでややこしいですが
春の七草のホトケノザ(写真下)は
タビラコ(田平子/キク科ヤブタビラコ属))というニガナのような花で、
まったく似ていないのにどうして同名になったんでしょうね(ーー);。 -
★ホトケノザ(仏の座)=タビラコ
◎タビラコ(田平子/キク科ヤブタビラコ属)
春の七草のホトケノザの正式名は
コオニタビラコ(小鬼田平子/キク科ヤブタビラコ属)です。
湿地を好み、田や周囲のあぜ道などに多く自生します。
早春の田んぼではロゼット葉を広げて地面にはいつくばった姿に見えるので
この姿を仏の座に例えたようですが、
こんな姿の草は何もコオニタビラコに限った訳ではなく
今やホトケノザの正式名はシソ科オドリコソウ属のホトケノザに
奪われてしまいました。 -
★鏡石町・成田北・晩春の候~ホトケノザ
ホトケノザは種を蒔かなくてもこぼれ種で勝手にたくさん生えてくるので
雑草扱いされていますが、花は超可愛いと思います。
花を逆さまから見るとウサギのようでもあるし
耳の部分だけ見るとキツネにも見えてきます(^^ゞ。 -
★天栄村:牧の内・晩春の候~ハナズオウ
上記で紹介したレンゲソウ畑から国道294号を南(白河市方面)に
1kmちょっと進むと右手に再びピンク色の絨毯が見えてきます。
今度の絨毯はハナズオウです。
もう十数年前からハナズオウ(花蘇芳)が植えられていたのは
知っていましたが、国道沿いに駐車できるスペースが無いので
いつも花を横目で見ながら遣り過ごしていました。 -
★天栄村:牧の内・晩春の候~ハナズオウ
昨年、初めて少し離れた場所に車を止め撮影し、
今年は2回目です。 -
★天栄村:牧の内・晩春の候~ハナズオウ
◎ハナズオウ(花蘇芳/マメ科ハナズオウ属)
ハナズオウは中国北中部が原産のマメ科の落葉樹。
日本へ渡来したのは1695年以前と言われ、
春に咲く紅紫の花を観賞するため、庭木として公園や庭園に植栽されます。
花の色が、同じマメ科の熱帯植物スオウで作る染料「蘇芳」に
似ていることから、ハナズオウと名付けられました。 -
★天栄村:牧の内・晩春の候~ハナズオウ
ピンクの蘇芳色(マゼンダ)の中央の白いラインは
ハナズオウの白花です。
ピンクのハナズオウは我が家にもあるくらいですから
全然珍しくありませんが、白花はあまり見ることはありません。 -
★天栄村:牧の内・晩春の候~ハナズオウ
ハナズオウの花は葉が展開する前の4~5月頃に開花します。
花は蝶形で浅く五つに裂け、上側中央にある「旗弁」は立ち上がるが、
両側で後方へ反り返る2枚の翼弁より小さく、見付けにくいです。 -
★天栄村:牧の内・晩春の候~ハナズオウ
葉は長さ5~8センチの円形あるいはハート型で、
花が終わりきらないうちに展開し始める。
葉の縁にギザギザはなく、枝から互い違いに生じ、
質厚で表面には光沢があるが、
裏面は半透明の白い葉脈5本が放射状に広がります。 -
★天栄村:牧の内・晩春の候~ハナズオウ
花の後にはキヌサヤのような豆果ができます。
長さ5~8cmで、でき始めは緑色だが徐々に赤みを帯びた後、
10月頃、黒褐色に熟します。
中には光沢のある濃褐色の種子が5~8粒入る。
豆果は熟しても自然には裂けません。
繁殖は実生や挿し木によります。 -
★天栄村:牧の内・晩春の候~ハナズオウ
幹は直立するがそれに沿って複数の細い幹が出て株立状になる。
原産地では樹高15mに達するそうですが、
日本では最大でも4~5mほど。幹も直径10センチほどにとどまる。
樹皮は白っぽい灰色で、紅紫の染料、漢方では薬用にします。 -
★天栄村:牧の内・晩春の候~ハナズオウ
毎年春には美しい花を見せてくれますが
もう十数年も植えっ放しで
植木として出荷する様子も
切り花として出荷する様子も見られず
いったい何のために植えているのだろう? -
★天栄村:涌井の清水・晩春の候~モクレン
涌井の清水近くまで来たので涌井の清水にも立ち寄りました。
この時期はハルリンドウが咲く頃です。
涌井の清水の入口でまず迎えてくれたのは
モクレン(シモクレン)です。 -
★天栄村:涌井の清水・晩春の候~モクレン
◎シモクレン(紫木蓮/モクレン科モクレン属)=モクレン
モクレンは春に葉が展開するのと同時期に紫紅色の花が上向きに咲く。
花が紫色であることからシモクレン(紫木蓮)ともよばれます。
ハクモクレン(下記)とは別種です。 -
★福島・四季・彩々・陽春の候~隣り村のハクモクレン
◎ハクモクレン(白木蓮/モクレン科モクレン属)
ハクモクレンは中国原産で、樹高が15mほどになる落葉高木。
春に葉が展開する前に開花、花弁は6枚、萼3枚で、
全体で9花弁の様に見えます花径18cmほどの、
芳香のある白い花を咲かせます。 -
★天栄村:涌井の清水・晩春の候~モクレン
シモクレン(紫木蓮/モクレン科モクレン属)は元々は中国原産なので
自然に芽生えたのではなく誰かが植えたのでしょう。
周囲に馴染んでキレイはキレイですが
涌井の清水のような大自然の中には帰化植物ではなく
元々この周辺に自生している植物を植えて欲しいものです。 -
★天栄村:涌井の清水・晩春の候
前回、リュウキンカが満開の頃に比べると
大分緑が濃くなってきました。
しかしわずかながらリュウキンカもまだ咲いていました。 -
★天栄村:涌井の清水・晩春の候~リュウキンカ
名残りのリュウキンカ(立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)です。
早い花は3月上旬からポツポツ咲き始め
4月半ば頃まで咲き続ける花期の長い花です。 -
★天栄村:涌井の清水・晩春の候
◎涌井の清水
その昔、成務天皇のころ(4世紀半ば)、この沼に住む大蛇が水を湯の如く熱し人々に害を与えるので、
この池を治めた石背国造初代の建美依米命がこれを憂え、
沸湯御前神社を祀り、人々の平和を願ったといわれています。
江戸時代には、この沼が雨乞いの霊地として領主の白河藩主の耳にも入り、
慶安元年(1648年)の大早魃のときに藩主榊原忠次の命により、
また、宝永元年(1704年)の旱魃には
藩主松平基知らが領民を救済するために、大祈祷を行わせた記録があります。
(現地案内板より) -
★天栄村:涌井の清水・晩春の候~ハルリンドウ
ハリリンドウもわずかに自生していますが
今年は藪に覆われたせいかあまり成績は良くありません。
◎ハルリンドウ(春竜胆/リンドウ科リンドウ属)
ハルリンドウは本州~九州の平地や山あいの
湿地など湿った場所に自生しますが生育地の開発や環境悪化などで
見かける機会がかなり少なくなってきました。 -
★天栄村:涌井の清水・晩春の候~ハルリンドウ
◎ハルリンドウ(春竜胆/リンドウ科リンドウ属)は
本州~九州の平地や山あいの
湿地など湿った場所に自生します。
同じ天栄村の羽鳥湖高原の湿地では多く自生していますが
中通りではあまり見る機会はありません。 -
★天栄村:涌井の清水・晩春の候~ハルリンドウ
ハルリンドウやフデリンドウは越年草で美しいからと言って
持ち帰って植えても来年再び開花することはありません。
越年草は種がこぼれ発芽し、冬越しし翌年に開花するサイクルを
繰り返す植物のことで
ハルリンドウは自生地から種を持ち帰り採り蒔きしても容易に発芽せず
栽培がかなり難しいそうです。 -
★鏡石町:ふれあいの森・晩春の候~フデリンドウ
リンドウは秋のイメージですが
春に咲くリンドウとしては
ハルリンドウ、タテヤマリンドウ、フデリンドウ、コケリンドウなどが
ありますが、春に咲くリンドウはなぜかみな小型です。
◎フデリンドウ(筆竜胆/リンドウ科リンドウ属)
フデリンドウをハルリンドウと混同しがちですが
フデリンドウは北海道~九州まで広く分布し、
里山や林のやや乾いた明るい草地に自生し
草丈は5~7cm、根生葉がなく1本の茎の先で枝分かれし花が咲きます。 -
★鏡石町:里山・晩春の候~コケリンドウ
こちらはコケリンドウ(苔竜胆/リンドウ科リンドウ属)
フデリンドウと似たような環境に自生しますが自生地は稀です。
花はフデリンドウの半分あるか無いかと小さく
見るからに華奢な印象です。
花色は淡い青や白があります。 -
★南会津町駒止湿原~タテヤマリンドウ (※2009/05/26撮影)
ハルリンドウの高山型をタテヤマリンドウと言い
中部以北の亜高山や高山の湿地などに自生します。
全体にハルリンドウと良くにますが、草丈は10cmほどで
ハルリンドウよりやや細長く印象がします。(自生地により差があります)
これで◆福島・四季・彩々・Part121~晩春の候はお仕舞です。
いつも最後までご覧下さりありがとうございます。
そして、いいねもありがとうございます。
ではまた。 j-ryu
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この旅行記へのコメント (2)
-
- yamayuri2001さん 2024/06/12 15:21:19
- 福島・四季・彩々・Part121!
- j-ryuさん、こんにちは。
お花を愛してやまないj-ryuさんは、
ご自宅でも様々な植物を育てられているのですね。
ハナズオウや木蓮などは、
もちろん横浜でも見る事が出来ますけれど、
その他の花々は、
北の方に行かないと見られない植物もたくさんあり、
いつもお写真で癒されています。
食虫植物の数数は、ちょうど1週間前に
日比谷花壇で経営している
大船フラワーセンターで見てきたところでしたが、
やはり自生しているものが、迫力がありますよね。
植物でありながら、
昆虫を捕食してしまう、
この面白さがまた魅力です。
ご自宅で育てられていて、
枯れてしまう事はないのでしょうか?
湿度や温度管理などが、
とても大変なのではないかと思いますが、
植物愛が強いj-ryuさんなら、
お調べになって、いつも適切な管理をなさっているのでしょうね。
それにしても、シリーズパート121!
脱帽です。
yamayuri2001
- j-ryuさん からの返信 2024/06/12 20:36:11
- Re: 福島・四季・彩々・Part121!
- yamayuri2001さん,こんばんは。
いつもご来訪&いいね&コメントありがとうございます。
>ご自宅でも様々な植物を育てられているのですね。
≫当初は私の親が石組みの和風庭園にしたのですが
私の代になってから山野草をたくさん植えたので
まるでジャングル状態です(^-^;。
>食虫植物の数数は、ちょうど1週間前に
日比谷花壇で経営している
大船フラワーセンターで見てきたところでしたが、
やはり自生しているものが、迫力がありますよね。
≫ウラシマソウは虫を栄養にしているわけではありませんが
虫をおびき寄せ、利用するだけ利用し、死に至らしめる作戦は
食虫植物以上に残酷で非情かも知れませんね。
動物も植物も生きるのに必死と言うことなのでしょう。
>ご自宅で育てられていて、
枯れてしまう事はないのでしょうか?
湿度や温度管理などが、
とても大変なのではないかと思いますが、
≫ある程度知識はあっても植物は人間(私)の思い通りには
中々ならず、心ならずも枯らすことなどしょちゅうです。
その失敗が成功の元になれば良いのですが
同じ失敗を何度も繰り返すこともあります。
特に生育条件や生育環境が違う植物の取り扱いは難しいです。
>それにしても、シリーズパート121!
脱帽です。
≫毎年のように同じ植物を取り上げて
その植物のポテンシャルを前回よりもっと上手く伝えたいと
思ってはいますが、あまり進歩が無いのが現実です(^-^;。
体力と気力がある内は続けたいと思いますが
あと何年が頑張れるか・・・(^-^;。
ではまた。 j-ryu
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