2023/04/27 - 2023/04/27
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おやじさん
名駅東側に鎮座し徒歩圏内で参拝できる神社巡り?柳里神社・白鷹龍神から続きとなります。
今回は中村区名駅南2に鎮座する須佐之男神社と名古屋四季劇場を横目に二筋目を左に入った秋葉神社を取り上げます。
- 旅行の満足度
- 2.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 徒歩
-
前回の柳里神社から須佐之男神社へは南に5分程の距離にあります。
上は明治31年(1898)とほぼ現在の地図。
この辺りに来ると南に下広井町線があるお陰か、圧迫感のあるビルの森もなくなり、見上げると空が広がる。 -
社地周辺には西に住友生命名古屋ビル、北には特徴のあるスパイラルタワーが聳えている。
-
須佐之男神社社頭の一区画東には青空のような外壁の名古屋四季劇場がすぐ近くにある。
基準がもとめるのか、冷たい色合いのビルばかりですが、こうした色合いのビルがあってもいいと思うのだが。 -
須佐之男神社社頭全景。
ここまでの2社に比べると大きなビルが迫る事もなく、南向きの社頭の前と左がパーキングのため境内は明るく風が良く通る。
社頭は右に「村社須佐之男神社」の社号標と一対の燈籠があり、石の神明鳥居の先の参道右が社務所、中央に社殿、左に小さな建物ある。 -
燈籠は明治33年(1900)に寄進されたもの。
須佐之男神社の由緒について地史や愛知県神社庁など調べて見ましたがこれといったものは見当たらなかった。 -
上は大正4年に出版された名古屋市史社寺編、そこに須佐之男神社の沿革が記されていた。
内容は以下。
「下笹島町東側に鎮座し、勧請の年月は不明。
当初は中笹島に氏神として祀られていたもの。
明治12年(1879)、村社に列格。
明治19年(1886年)、鉄道敷設に伴い米屋町と堀内町の境の徳川家所有地に遷座。
明治23年(1990)頃、下笹島町の西、約110㍍の地に再遷座。
明治32年(1899)、現在地に遷座、神殿を改造し遷宮。
大正元年(1912)、神殿、神饌所、社務所を建設、境内の築地を落とす。
祭神は須佐之男命。
境内社
秋葉社、金刀比羅神社は同町の氏神で明治23年(1990)頃本殿域に遷座、境内に須佐之男社が鎮座していたが移設の際に本社に合祀。
例祭は10月17日」
これによれば、一面葦が茂る湿地帯だったこの辺り、明治19年に笹島停車場の完成以降、鉄道整備や名古屋駅の開発に伴い目まぐるしく鎮座地を求め彷徨ったのが窺われます。
それはこの地に住む氏子達も同様だったはず。
現在も笹島再開発やリニア中央新幹線建設に伴う開発の波が収まる事はない。
石灯籠は再遷座後に寄進され、ここに移設されたもののようです。 -
社殿全景。
参道は須佐之男社の門に続き、そこから左右の門に続きます。 -
参道脇を守護する狛犬。
-
狛犬の寄進年は昭和3年(1928)。
戦火を経験した狛犬達だ、上の石灯籠やこの狛犬の一部に欠損や罅があるのは空襲によるものなのか。 -
本殿域は板塀で囲まれ、三つの門は手前が金刀比羅神社、中央は須佐之男神社、左が秋葉社の門。
-
本殿域の全景(2枚貼り合わせ)。
左から銅葺流造の秋葉社、神明造の須佐之男神社、銅葺流造の金刀比羅神社。
須佐之男神社本殿は6本の鰹木と水平カットの千木が付く、女神も祀られているのか?。 -
境内右手の社務所と左の石灯籠。
右手の鳥居の柱には大正7年(1918)と刻まれており、現在地に鎮座後に寄進されたもの。 -
社務所横の石燈籠の竿には大正元年(1912)の寄進年が刻まれ、社殿再建時に寄進されたものようです。
今も変貌を続ける名駅周辺。
この神社も文明開化と高度成長期の荒波に翻弄されて来た神社のひとつ。
それらを支え、今に繋げられているのも氏子をはじめとする熱心な崇敬者によるものだろう。
須佐之男神社
創建 / 不明
祭神 / 須佐之男命
境内社 / 秋葉社、金刀比羅神社
参拝日 / 2023/04/27
所在地 / 名古屋市中村区名駅南2-11-26 -
須佐之男神社を後にして、名古屋四季劇場を横目に二筋目を左に進み、秋葉神社に向かいます、徒歩で5分くらいだろうか。
-
上は秋葉神社の鎮座地になります。
-
二筋を左に進み間もなく、上の様に住居と駐車場が左手に見えてきます。
目的地「秋葉神社」到着、所在地で云えば名駅南2にあたります。
所在地の名駅南2。
調べて見ると、元は廣井の一部で1901年(明治34)下笹島町となり、その後1981年(昭和56)に現在の名駅南2に編入された様で、この右手はかつての禰宜町で、こちらも廣井村の一部から1878年(明治11)禰宜町として成立し、1981年(昭和56)に名駅南1に編入され廃止された。
全国各地に禰宜町と付く町名は残ります、昔の地名はその地を端的に表して分かりやすく、この辺りに泥江縣神社の禰宜職が住んでいた事に由来するという。
都市化にともない、景色は立派なビルやお洒落な住宅に置き換わり、地名もお洒落に変っていき、嘗てのその地を語るものは消えていく。
秋葉神社の社地は住居と駐車場の僅かなスペースに作られ、歩道際に社標と石の神明鳥居が立っています。
周囲の都市化の波に飲み込まれるものか、そんな佇まいで鎮座します。 -
社頭から境内全景。
左の「秋葉神社」社標は昭和10年(1935)に寄進されたもので、その先の鳥居は見慣れた縦横の比率とは違い、特徴のある縦長のもの。
狭い間口ながら、それでも「鳥居は建てる」当時寄進された方の思いが形に現れている。 -
小さな神社ですが、その思いは鳥居に留まらず、一通りのものが備わっています。
境内左の手水鉢、「回り込んで寄進年を見よう」なんて気にもなれない程限られたスペースに配置されています。 -
境内から社殿の眺め。
常夜灯、本殿域を玉垣で囲い、狛犬が守護する先の覆屋の下に板宮造りの社殿が建つ。
基壇の下に賽銭を上げて参拝させて頂きました。
悪い云い方をすれば、小さくて窮屈な神社として捉えられるかもしれないが、特徴のある鳥居でも感じたように、下笹島に住む氏子達の思いが凝縮されている。 -
覆屋と社殿。
片流れの覆屋も個性的で、間口の柱の梁には獅子の木鼻、その梁には彫が施され、覆屋を支える左右の柱に懸魚の付いた破風板、桁の上には大きな龍の彫飾りが付けられています。
この覆屋の部材は嘗ての社殿の名残を伝えているのか?
そうだとすると、立派な社殿だったのかもしれない。
この神社の創建や遷座の履歴を調べて見ても定かではありません。
ただ火を司る秋葉さんが祀られていることだけは間違いない。 -
隣の駐車場から境内の眺め。
秋葉神社は過去の地図にも印は見当たらず、境内の寄進物は概ね下笹島時代の昭和10年のものが多く、大正・明治に遡るものか想像もできない。
昭和10年にはここに鎮座し、この町を見守ってきた神社。
境内の狛犬が黒ずんでいるのは、その後戦禍に見舞われたこの地を物語っているのだろうか。
今も変貌を続けるこの地にあって、荒波のなかの僅かな安住の地に佇む狛犬は、耳も垂れ、吽形の横顔も幾分穏やかな表情にも見える。
秋葉神社
創建 / 不明
祭神 / 火之迦具土神
所在地 / 名古屋市中村区名駅南2-10
参拝日 / 2023/04/27
須佐之男神社から徒歩アクセス / 東へ5分
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