2023/08/27 - 2023/08/28
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アザゼルさん
この旅行記スケジュールを元に
歴史をめぐるイギリスの旅。マイナー過ぎてこのブログに場所が表示されません…。
このブログを好んで読む皆様、きっとさぞや物好きな方であることでしょう。
さて、前回のロチェスターに続き、今回は第2弾「ラリングストーン Lullingstone」!
何処だそこ!ロンドンの近くじゃ!
【Rochester】
①ロチェスター。イギリスの中世の街並みが残る場所。大変立派なお城や大聖堂、そして中世の街並みが残る割に、ロンドンからサクッと電車1本30分で行けるという立地の良さ。
【Lullingstone】
②ラリングストーン。電車一本で簡単に家から行けるお城ないかなと探していて見つけた。公園とラベンダー畑の横にちょっこりお屋敷がある。
8月の数日間だけ超豪華なお屋敷の中に入る事ができるという。
これは…行くしかあるまい!
★今回はこれ!
【Chantilly】
③シャンティイ。フランスのパリから20分ほど電車で行ったところにある。
競馬とお城で有名な街。お城は駅から徒歩40分ほどと遠いが、中はとても豪華。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 3.0
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
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-
【ロンドンでの日常】
3ヶ月だけイギリスに滞在している。
日本パスポート保持者であれば合法的にビザなしでイギリスに半年間滞在する事が可能である。
ということで日本の仕事をそのままオンラインで持ってきて、イギリスで働きながら日本の会社からお給料をもらって生活している。
軽いノマドワーカーみたいなものだ。
イギリスには2017年から2年半滞在していたおかげで今でも日本以上に友人がいる。(悲しいかな)
そんな友人たちに会いに3ヶ月ロンドンのあちこちをウロウロしていた。
そんな日常にいると、こういうイギリスのウエストミンスターのビッグベンや国会議事堂なんて、風景の1つでしかなくなってしまう。ビッグベン 現代・近代建築
-
ロンドンでやることと言ったら…
日本では非公開のオッペンハイマーを映画館に見に行ったり… -
ブルーワ―ストリート Brewer St.にある太郎さん(日本食レストラン。太郎さんが頑張っている。)で日本より安くウナギを食べたり…
-
中華街に買い出しに行っては、あ、スラムダンクがロンドンでも公開されるんだなってチェックしている日々である。
-
8月というのはホリデイシーズンなので、常に人が移動している。
アメリカ英語だと休暇をバケーションというが、
イギリス英語ではホリデイ holiday という。
アメリカ英語ではホリデイは祝日という意味。
欧米では往々にして、祝日は聖人の日であることが多いので、
「私のお休み my holiday」ってイギリス英語で言うと、
アメリカ人には「私は聖人、私の祝日があるのである」っていうニュアンスに聞こえるってtiktokか何かで見た。
まあそんなで、友達に会いに来たものの、意外にみんな国の外に遊びに行ってしまっていて、なかなか捕まらない。
こっちでは日本と比べて至極簡単に国の外に出ていく。
ちょっと家族に会いにフランスへ。
ホリデイを過ごしにスウェーデンへ。
かくして8月最後の週末だけ、ぼっちの時間を持て余したので、家から電車でサクッと行けるお城に行ってみることにした。
それが今回のラリングストーン。
いつも通り6時に起きてしまったので、St. Mary's Clay駅から電車に乗る。
8月なのでストライキをしている。
これだよ。
かろうじて自分の乗る電車は下りなので生きていた。
乗り込む。
週末の早朝はびっくりするくらい人がいないロンドン。
皆 night owl("夜のふくろう"つまり、夜更かしさん)で、early bird("早朝に活動する鳥"、つまり早起きさん)は数少ない。
今回のLullingstone Castleラリングストーン城がある、Eynsford アインズフォードまですぐ。 -
駅について早々、車道の脇の小道を歩かされる。
これは歩道と呼べるのか?
こんなギリギリの細い道でも、ベリーやら茨やらが夏の間は茂っていて、邪魔で車道に降りざるを得ない。
そのくせ結構頻繁に車がすごいスピードで通り抜けていく。
それだけでも怖いのに、
こんな道をジョギングしている メン & ウィメン にすれ違う。
こんな車道でジョギングすんの???
本当、イギリス人たくましいな。 -
駅から城まで歩いて行けるそうなのだが、途中でpublic footpathを通り抜けるという。
パブリック・フットパス。
私有地だったり国有地だったりする土地のうち、他人がお散歩してもよい道のこと。
そんな感じで唐突に表れたこのサイン。見逃すところだった。 -
農場の間を突き抜けるように伸びるフットパス。
誰もおらん。平和。 -
お馬さんがそこらへんで放牧されている。
おとなしくてかわいい。
ふと脇を見れば「Your kindness can kill(あなたの親切が殺す)」の看板。
餌をあげると馬が死んじゃうから、あげないでね、ということらしい。 -
パブリック・フットパスを抜けるとそこには美しい小川が!
橋の雰囲気がまるでプーさんの世界のよう。
ここからロバのイーヨーを放り投げるんですね。 -
ここにはローマ時代の遺跡が残っており、展示されている。
その名も Lullingstone Roman Villaだ。
だがしかし今回は臨時閉館中。
イギリスではコロナ以後、そこかしこの観光地で解雇されたスタッフが戻って来ず、人手不足やらエネルギー高により閉館並びに営業停止においこまれている。
この場所も例外ではないように思われる。
とはいえ、周りには屋外用のテーブルや椅子が置いてあるのでピクニックには最適って感じ。 -
お城までの道が、すごくいい感じでした。
生活に余裕がありそうな、だけど別に裕福というわけではなく、おしゃれに生活を楽しんでいるんだなぁというお家がちらほらありました。 -
駅から25分くらい歩いたところで、着きました。ラリングキャッスル。
入れるのが11時からなので、今回はスキップして、その先に進んでお散歩します。 -
ラリングストーンキャッスル。
Google mapで見たところ、行き止まりのように見える。
だがしかし。
イギリスあるある。
池の周りにはお散歩用の道がある。
あるいは、畑や牧場の中にパブリック・フットパスがこっそりある。
さて、今回はどうかな。 -
あったーーー
お散歩コースの入口!
車両禁止のため門がある。
行ってみましょう。 -
道はこんな感じ。
森森(もりもり)している。 -
小川を前にして休めるベンチもある。
何という平和!
ただ湿気もすごいのでそこらかしこにさりげなくキノコも生えている。 -
小川沿いの道を通り過ぎると、Lullingstone Country Parkという公園に出る。
公園と言っても、ただっぴろい平原と、カフェと会館があるのみ。
ここでラリングストーン・キャッスルが飽くまでブランチを頂くことにしよう。 -
イギリスならとりあえずクリームティー。Cream Tea。
スコーンと紅茶のセットのことを、イギリスでこう呼ぶ。
スコーンには必ずストロベリージャムと、Rodda'sのクロテッドクリームがつく。
幸せ…
途中でミツバチに襲われまして、別にいいやと放っておいてもぐもぐしてたらどんどん集まってきて自分のテーブルだけ大変なことになったので、お皿と紅茶をもって逃げ回った。 -
公園の雰囲気はこんな感じ。
何処までも続く平原をただただ目的なくぶらつく。 -
麦…
麦だ… -
散歩の途中に座れる椅子。トンボの形がユニーク。
実用性はともかく、子供が喜びそう。 -
【ラベンダー畑のお店】
11時のラリングストーン・キャッスル開館を待つ間、すぐ近くのラベンダー畑に立ち寄る。
このラベンダー畑は収穫用のため、外部の人間が中に入る事はできないが、お店と一部のお庭には入る事はできる。
ラベンダー袋が£1.9でお手軽に売っている。
石鹸、キャンドル、オリジナルのパンからドライフラワーまで。
とってもおしゃれ。家主さん用にお土産を買う。 -
お店の外観はこんな感じ。
手前の車になっているのはブドウと思わしき蔓類の植物。装飾用で、いいお値段で売っていた。
こんなものが似合うお家に住めたらいいなぁ。 -
お店の敷地内には飾り物だけど水車もある。かわいい。平和。
-
【ラリングストーン・キャッスル】
ちょうど11時になったのでラリングストーン・キャッスルに入る。
キャッスルと言っても、お城というより貴族のお屋敷マナーハウスのようだ。
お屋敷の周りに城壁のような壁がめぐらされており、資料によると、現存しているこのお屋敷の敷地内ではこの壁が一番古いらしい。
お屋敷は昔の姿ではなく、建て直されたものということですね。
ふむふむ。歴史の匂いがしてきたぞ。 -
【歴史トーク】
ここでお得意の、お屋敷の歴史を紐解いてみよう!
中世から現存しているという、先ほどのゲートハウス(城門)。
何と、我が推しヘンリー7世の時代に建てられたものである事が判明。
ええぇええ知らんかった!!超うれしい!!!!!(ダンス
ここで歴史の不思議が。
このお屋敷と土地、薔薇戦争のあと、国王ヘンリー7世からヘンリー・パーシーHenry Percyという人物が賜り購入したものらしい。
ヘンリー・パーシー?
この人、前の旅行記でちょっと説明しました↓
「ヒッチハイクする羽目になった北イングランド古城巡り」
https://4travel.jp/travelogue/11550672
この人、ノーサンバランド伯っていう北部の貴族なんですよ。
今いるこのラリングストーン・キャッスルはロンドンから南に行ったところ。
つまり、東北の藩主が、東京から遠くない鎌倉にお屋敷を買ったみたいな感じ。
ロンドン訪問用のお家として所有していたんだろうか。 -
【城主様の名前の不思議】
このお屋敷、歴史を紐解けばひも解くほど興味深い。
お屋敷の敷地内に1つはある教会。教会の中に入ると、城主様のお墓があるので、大体のファミリーのようすがわかる。
これはPercival Hart(パーシヴァル・ハート)という人のお墓。
あれ?
城主様の名前はHenry Percyだったのだから、その子孫はPercyパーシーという苗字ではないのか?
ということで、ボランティアで来ているおばあさんを質問攻めした。
Percy家の後、Peache(ピーチ―)という家の者がこの家に住み、さらに結婚が進んでHartという苗字やDyke(ダイク、あるいはHart Dykeハートダイク)という家族の者になったのだそうだ。
今ここに住んでいる人も、Hart Dykeというらしい。 -
【血統オタクに優しいイギリスマダム】
実はこのお屋敷、8月の数日間しか開いておらず、この日を逃すと次の年まで見学できない。
なぜならここはそのハートダイク家の所有であり、企業や団体が管理しているわけではないからだ。
そのため、こういう「家族が所有している」タイプのお屋敷はたいていの場合、写真撮影ができない。
そんなお屋敷の中に、詳細な家系図family treeが飾ってあった。
Percyパーシー家が、どうやってハートダイクHary Dyke家になったのか、という図だ。
これがなかなか、歴史小説に登場するご立派な人物の名前がちらほら。
なかなかすごい血筋のお貴族様のようだ。
私はやんごとなき血統マニアなので、さきほどのボランティアのおばあちゃんにダメ元で尋ねてみた。
「私、日本から来たんですけど、この屋敷の家系がとても興味深くて資料を探しているんです。家系図をお見かけしたのですが、写真を撮らせてはいただけませんか?」
おばあちゃん、はるばるアジアから来た謎の女に感心してくれたのか、「本当はダメなんだけど、管理者に聞いてみる」と言ってくれた。
えっ
言ってみるものね
ウキウキ
聞いてもらったものの、答えはNG。
前代当主様の遺言だったり、現当主様のポリシーだったりで、写真撮影は残念ながら許可できないのだそうだ。
あ~~~~~
残念!
でもわざわざ聞いてくれるスタッフの方々、優しい! -
お屋敷は住居空間なので写真撮影不可ですが、教会の中は自由に写真撮影できます。
ステンドグラス~
文字を読もうと思ったけど、古すぎて読めなかった。 -
発見。
古い、元カトリック系のイギリスの教会によくある「復活」の文字。 -
お庭には大きな池も!
ボ―トで釣りを楽しむムッシューたち。
雰囲気いい~平和~ -
お屋敷の裏手は散歩コースになっている。
森の中に、唐突に表れる池。
これ、400年前にヘンリー8世の2番目の奥さんアン・ブーリンが療養のためにお風呂として使っていたらしい。
そのため、このお屋敷は定期的にヘンリー8世とアン・ブーリンが来訪していたのだそうな。 -
すんごい湿気。じめじめ。
よくこんなところでお風呂に入れるなぁとしみじみ。
人差し指と同じくらいの太さ・長さのナメクジがあちらこちらにいた。 -
実はこのお城、正式名称は「ラリングストーン・キャッスル&ワールド・ガーデン」という。
世界中の植物を育てて一般公開しているのだ。
お陰で変わった植物をお城のふもとで楽しむことができる。 -
もちろん、日本のコーナーもあります。
イギリスでは日本の植物は常に人気。 -
オーストラリアのコーナーもありました。
乾燥&暖気の国の植物。
ジメジメして寒いイギリスとは真逆の植物をどうやって屋外で育てているのか?
案の定「昨年の氷点下の天気のせいでオーストラリアの樹木が枯れました」という説明書きが。
そんな感じで一通り楽しみ、ロンドンに帰ります。 -
特に気に入ったリコリス。
-
【ラリングストーンまとめ!】
・ロンドンから簡単に来れる
・マナーハウスは8月の数日しか入れないので事前にチェックが必要
・お庭は夏はお花が咲き乱れ最高
・近くにはお散歩コースの森あり
・ラベンダー畑のお土産屋もオシャレ
・ロンドン住まいにお勧め
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