![旅行7日目(5月4日)、前編。<br />何度も候補に挙がっていたのに長らく機会に恵まれなかったものの、山口市から高速を利用して1時間で行けるので今回の旅行でようやく叶った津和野観光。<br />江戸時代から続く財間酒蔵の築200年以上の蔵を利用した酒蔵資料館“高砂酒蔵資料館(財間酒場)”を見学した後は、本格洋食が食べられる店だけど特にステーキが大人気の“田舎もん”でブランチを済ませてから、車を置いて徒歩で津和野観光をスタート。<br />室町時代から続く禅宗寺院で、吉見氏・坂崎氏・亀井氏といった歴代津和野城主の菩提寺にもなっている“永明寺”を訪ねると、境内には森鴎外の墓がひっそりと佇み、巨大な茅葺き屋根のどっしり構える本堂は威厳に満ちていて、宝物館や書院も見どころに溢れていた。<br />コンシェルジュが常駐する“津和野町日本遺産センター”で津和野の面白い話を聞いてからと風情漂う殿町通り散策に向かう。<br />](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/11/83/90/650x_11839072.jpg?updated_at=1712371229)
2023/04/28 - 2023/05/06
324位(同エリア370件中)
RiEさん
旅行7日目(5月4日)、前編。
何度も候補に挙がっていたのに長らく機会に恵まれなかったものの、山口市から高速を利用して1時間で行けるので今回の旅行でようやく叶った津和野観光。
江戸時代から続く財間酒蔵の築200年以上の蔵を利用した酒蔵資料館“高砂酒蔵資料館(財間酒場)”を見学した後は、本格洋食が食べられる店だけど特にステーキが大人気の“田舎もん”でブランチを済ませてから、車を置いて徒歩で津和野観光をスタート。
室町時代から続く禅宗寺院で、吉見氏・坂崎氏・亀井氏といった歴代津和野城主の菩提寺にもなっている“永明寺”を訪ねると、境内には森鴎外の墓がひっそりと佇み、巨大な茅葺き屋根のどっしり構える本堂は威厳に満ちていて、宝物館や書院も見どころに溢れていた。
コンシェルジュが常駐する“津和野町日本遺産センター”で津和野の面白い話を聞いてからと風情漂う殿町通り散策に向かう。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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9:30前にHOTELを出発してちょうど1時間で津和野に到着し、最初に目指したのは津和野に構える3酒蔵の1つ、1791年創業の老舗“高砂酒蔵資料館(財間酒場)”。
高砂酒蔵資料館(財間酒場) 美術館・博物館
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一部が資料館になっていて「ご自由に御覧下さい」と看板にあった。
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店内には誰もおらず、何度か声をかけたけど物音1つしなかったのでどうするか迷っていたら、暖簾の奥から「にゃぁ」と猫が1匹出てきて、ウニャウニャ喋りかけてきて「着いてこい」とでも言うように何度も振り返りながら暖簾の奥に進んでいくので従う。
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暖簾の奥が資料館になっているようで、大釜や創業当時の店頭の様子が再現されていた。
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酒造りの工程が描かれた壁画を通り抜けると…
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背丈よりも大きな樽がズラッと並んでいて、かつて使われていた酒造りの道具も展示されている。
猫が呼んできてくれたのか、その後ヒョコっと御主人が登場したので話を伺いつつ、店頭で購入できる日本酒を尋ねたら「ほとんど捌けてしまって、今あるのは1種類でラスト4本」と言われたので1本購入。 -
津和野観光前に腹ごしらえをするため、ブランチに向かおうとしたけど、津和野名物料理を調べると蕎麦・うずめ飯の店が出てくるけどピンとこなかったので、津和野で人気のランチの店を探したら意外なところがヒット。
店は津和野市街地よりも高い場所にあり、この大鳥居の斜め向かいに位置する。 -
先客はもう1台の車だけで、11:00オープンと書いてあるけど10分経っても開店せず、徐々に人が増え始めた頃にやっと“田舎もん”の扉が開いた。
田舎もん グルメ・レストラン
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店内は懐かしさ漂うレトロな洋食店といった雰囲気で、テーブル席が中心だけど1番奥の半個室に通してもらった。
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Menu。
品数が多くて迷うけど、店の口コミを見ると1番多いのがリーズナブルな価格で提供されるステーキランチで気になるから、私たちも噂のステーキを味わうことに。
ちなみに店はシェフ1人と接客担当の女性で回しているので、3-4組目以上からは「結構時間が掛かるけど良いですか?」と注文時に確認される。 -
【鉄板ビビンバステーキ】1860円
【グラス赤ワイン】480円
ステーキは肉厚でとても柔らかく、軽く歯を立てると簡単に噛み切れる。
味付けはシンプルだけど胡椒がしっかり効いていてパンチがあり、肉の旨味が存分に感じられたので私だけ途中で赤ワインを注文。
最後まで脂っぽさが無くて肉質のシットリさがキープされていたし、脂が溜まっていなかったので私好みのステーキで大満足。
ビビンバは辛さ控えめでリーフに乗せられたコチュジャンで調整出来るようになっていたけど、辛い物好きな私は全部混ぜてちょうど良く、豆もやしの歯ごたえが美味しかった。 -
【ステーキ丼】1188円
夫が頼んだステーキ丼にはサラダが付いていて、肉汁がごはんに染みて箸が進むのに、脂っぽさが無いから飽きずに食べることができてたそう。
合計:3448円。 -
店を出るとまだ正午前なのに貼り紙がしてあり、人気の高さが窺える。
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津和野の街並み内にある駐車場に停めようかと思ったけど、GW真っ只中なので開いていない可能性を考え、街並みから少し離れた永明寺から観光しようと向かってみると、月極駐車場の一角に無料の観光用区画が設けられていて、私たち以外誰も利用していなかったので車を置かせてもらうことにした。
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“永明寺”は1420年に津和野城主:吉見頼弘が創建し、吉見・坂崎・亀井の歴代城主の菩提寺として栄え、曹洞宗の石州本山と称され修禅の道場として多くの雲水(禅宗修行僧)たちが修行に励んだそうで、勾配の激しい砂利道をのぼっていく。
永明寺 寺・神社・教会
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苔むした石段は背の高い木々に囲まれ、鬱蒼とした雰囲気が漂う。
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欅造りの立派な山門をよく見ると、一般的な山門に無いはずの扉が付いていることに気付く。
山門はなまこ壁に囲まれていて寺院ぽくないと思っていたら、山門は津和野城の総門を移したものらしく、この後に立ち寄った津和野町日本遺産センターで津和野の裏話として教えてもらった。 -
境内に入ればトンビや鶯の声が響く静かな世界が広がっている。
山門をくぐって右側が本堂だけど、先に左側の墓所を訪ねることにした。 -
長い月日を経て苔に覆われた墓石の間を通って奥まで進むと…
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「森林太郎墓」と刻まれた墓石があった。
この墓は本名を林太郎こと明治の文豪である森鴎外の墓であり、11歳の時に上京して以降津和野に戻ることはなかったものの「森林太郎として津和野で死にたい」という希望が叶えられここに安置された(東京三鷹にも同じく森林太郎墓があるそう)。森鴎外(森林太郎)の墓 名所・史跡
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中雀門は通れないので、鐘楼の下を通って中へ。
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茅葺き屋根の本堂は明治時代につくられたもので、素朴な雰囲気がこの山寺によく合っていた。
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通路には禅寺らしく口に中が赤い木魚が吊るされている。
途中が拝観受付になっており、拝観料大人1人:300円を納めた。 -
茅葺屋根のピシッと揃えられた軒裏。
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靴を脱ぐと左右に分かれているので、まずは左の本堂へ。
「みんなお寺に来てほしい」と書いてある案内には、曹洞宗の寺院全体の活動として寺院をもっと開かれた場所としていきたいという活動内容が記されており、この永明寺も寺院内の撮影は自由で、色々な人に興味を持ってもらいたいという意思が感じられた。 -
本堂の外陣は畳3枚分の幅があって開放感がある。
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扁額手前からの参拝じゃなく…
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内陣で参拝出来るお陰で、本堂の荘厳な雰囲気がヒシヒシと感じられた。
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左の脇間は結界が張られているので入室出来ないけど覗くことは可能。
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腰付き障子には入口の襖絵同様に大島松渓筆:花鳥図が描かれていた。
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脇間横の畳通路を真っすぐ進むと…
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津和野藩主:亀井家の位牌が並ぶ位牌堂があり、独特の空気が流れていたのでチラッと覗いて退散。
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角を曲がった突き当りは寺賓館になっていて、こちらも撮影OKという太っ腹さ。
永明寺 寺宝館 美術館・博物館
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室町初期写の県指定「絹本著色十六羅漢像図」や、初代亀井茲矩木像などが展示されている。
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どれも貴重なお宝だけど、永明寺宝賓館の目玉は私は森鴎外の本物の遺書(友人による代筆)だと思う。
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伝桃殿司筆「釈迦涅槃図」。
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拝殿前を戻って玄関を通過し、建物右側へ行くと書院へ。
岡野洞山筆「唐獅子図」。 -
書院は回遊できる造りになっており、こちらも生きた美術館のようだった。
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多胡逸斎筆「人物図」。
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岡野洞山筆「山水図」。
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池泉鑑賞式庭園は凛とした美しさがあり、石見屈指の名園と言われている。
永明寺庭園 公園・植物園
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岡野洞山筆「花鳥図」。
真っ白なオウムを思わせるフンワリした羽根が美しい鳥が描かれていて目が奪われる。
私たち以外の観光客は1組だけで、静かな世界観を存分に鑑賞でき期待以上に楽しめた。 -
無料なので駐車場が混んでいたら移動させようかと思って覗いてみると、相変わらず私たちのレンタカーだけだったので引き続き置かせてもらう。
結局、津和野の街並み観光から戻ってきても独占状態だったので意外に知られていないのかも。
ピンクのエリアは重要伝統的建造物群街並み保存地区に指定されている。 -
本町通りを観光する前に情報収集しようと思って立ち寄った“津和野町日本遺産センター”は、津和野をより深く知ることができる2階建てのガイダンスセンターになっており、映像やパネル展示だけじゃなく、津和野を知り尽くしたコンシェルジュが津和野の歴史やより楽しめる話を教えてくれる。
津和野町日本遺産センター 美術館・博物館
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1階の目玉は百景図(複製)の展示。
最後の藩主:亀井茲監の側に仕えた栗本里治が藩内を巡り、名所・風俗・食文化などをスケッチし約4年の歳月をかけて100枚の絵を描いたもので、詳細な解説を加えてまとめたものだから見応えがあった。 -
階段で2階に上がると、弥栄神社の神事「鷺舞」の衣装をまとったマネキンが展示されており、鷺舞についてのパネル展示が壁面を飾る。
鷺舞神事は1542年疫病を鎮める目的で始まったものでで、毎年7月20日の「行き」に町内11か所で、27日の「帰り」に9か所で舞われるそうで、くちばしを閉じているの手前が雌、この写真だとわかりにくいけど開いているのが雄で求愛の様子を表現している。 -
島根県西部・石見地方に古くから伝わる「石見神楽」の面とパネル展示。
石見神楽は重さ十数キロの豪華な衣裳を纏いながら、表情豊かな面を着けてお囃子に合わせて激しく舞うのが見どころで、古事記や日本書紀の物語をベースにした演目が楽しめる。 -
演目の中でも石見神楽の代名詞といえるのが、日本神話でも有名な八岐大蛇退治を題材にした「大蛇」で、17-18m近くある竹と和紙で製作された大蛇を1人で1匹操作し、スサノオを相手に火花を散らしながら暴れるシーンが特に人気が高い。
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本町通りを歩いて行くと津和野3酒造2つめ、江戸中期1730年創業の“俵屋華泉酒店”が見えたので寄ってみると、この後行く予定の太皷谷稲成神社のキツネに化かされたような美味しい日本酒が試飲出来るというので私が味見した。
華泉酒造 専門店
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購入したのは赤いラベルの<漢字の“七”が3個並んで“き”>津禰(きつねと読む)純米酒 紅狐と、白いラベルの<漢字の“七”が3個並んで“き”>津禰(きつね)純米吟醸酒 白狐。
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少し歩いて3つ目の酒蔵、1878年創業の“古橋酒造”へ。
ここでは代表銘柄「初陣」の2本を購入して…古橋酒造 グルメ・レストラン
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最初に購入した財間酒造の1本・華泉酒造の2本・古橋酒造の2本を古橋酒造でもらった段ボールに詰め、本町通り端にある街並みに馴染んだヤマト運輸に持ち込んで自宅配送手続きを済ませて身軽になった。
この後は掘割を優美に泳ぐ鯉の姿が代名詞ともいえる殿町通りを散策する予定。
続きは09へ。
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