2022/10/22 - 2022/10/22
248位(同エリア307件中)
まりも母さん
2016年 登山目的で 尾瀬国立公園内になる田代山へ向かった時
途中で茅葺き民家の集落脇を通りました。
それは 7軒の茅葺き民家が残る「水引集落」でした。
同じ 南会津町にもうひとつ 「前沢集落」があることを知り
いつか 見に行ってみたいと思いつつ6年越しでやってこられました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 自家用車
PR
-
最初 気になっていたのは「水引集落」でしたが
そちらは特に観光や見学者を受け入れるような施設は無く
「前沢集落」の方が 見学には良さそうだと
そちらを目的地に選びました。
3時間以上かかるので、早朝の出発です。 -
塩原温泉を抜け 日光市から南会津へ向かいます。
塩原界隈 木々がすこ~し色付き初めて来ていました。 -
山王トンネルを通り 南会津町に入ります。
国道121号を進んでるつもりです。
が、国道表示のおにぎりマークが三連!
121号と400号は手前から合流 なんでしょうが
352号って すでに鹿沼あたりで121号と重複しているのですね。
かなり長い重用区間・・・。
この先352号は檜枝岐方面
121号は会津田島方面へと分かれていきます・・・。 -
道の駅たじまで小休止。
さほど大きくない道の駅です。(最近の道の駅の規模は大きいですからねぇ)
建物前にテントがたち その下で地元の野菜や植物苗などが売られています。
会津西街道 山王峠の頂上付近になります。 -
山王川橋梁の所で352号 檜枝岐方面へ。
そのあたりから山の上の方の色づき具合が進んできているのが見えました。 -
又 長いトンネル 中山トンネル
1974年にできた対面通行のトンネルが狭かったため
新に上り専用トンネル 取り付け道路が整備され2015年に開通したものです。 -
トンネルを過ぎるとまもなく
道の駅番屋に。
今日は急ぐ道でもないし、と 寄ってみます。
ここもこじんまりした道の駅。
十割そばの食べられる食堂もあります。
この辺り 赤かぶが特産のようで、結構な量の束で売られていました。 -
道の駅番屋を過ぎれば 目的地の前沢曲屋集落もすぐ。
国道脇に 曲屋の建物とこの受付建物のある駐車場が見えます。
「前沢ふるさと公園」の看板も。
この建物で 集落見学の入場料を払います。大人300円 -
清らかな舘岩川の橋を渡ると集落内です。
-
水車小屋が見えたのでそちらへ行ってみます。
この先 今は草地になっていた場所が「前沢ふるさと公園」だそう。
初夏には菖蒲やアヤメが咲くそうです。 -
大きな桑の木の並ぶあたりから 集落の建物の方を。
手前の畑には 黒豆やネギ。コスモスも咲いていました。 -
ススキの穂が開き 秋の風情。
-
集落の道へ入ります。
ほとんどの建物は今も住居として使われています。
内部は当然 非公開でありますので、
見学できる建物として 「曲屋資料館」があります。 -
曲屋とは 主屋と馬屋である部分がL字型に接続した建物の呼び名です。
中門造りとも言います。
ここの曲屋建物はすべて茅葺き屋根です。
豪雪地帯であるこの地域 馬の世話に 屋外へ出入りするのが大変であった事
また、大切な馬でもあった事から 人の生活空間と繋がった部分に馬屋を設けたと言う事です。
馬屋の場所には かつて使われていた農機具や写真が展示してありました。 -
土間から一段あがった板の間の囲炉裏には火が入っていました。
茅を乾かすために必要な火入れです。
囲炉裏の煙越しに見える座敷の景色が 良い眺めです。
薪のはぜる音も心地良く。 -
茅屋根は定期的に葺き直されている事でしょう。
それでも こうして囲炉裏に火が入れられれば
小屋組みの縄は締まり、煤竹が出来上がっていきます。
反対側には たま~に農家の屋根の内側に見られる 子孫繫栄祈願?らしき
大きな木製の〇〇〇も下がっていましたねぇ。 -
ウワエンにも囲炉裏がありました。(火入れは無し)その脇に熊の開き毛皮の敷物もありましたよ。
箱階段をあがり 屋根裏へ。
屋根の下の方 案外隙間があるのにびっくり。
屋根裏で養蚕をしている家も多かったでしょうから
通気の為にあえて 開いているのかもしれませんが
豪雪地帯 寒いだろうなぁ。 -
一階に戻り 奥の間 座敷へ。
立派な仏壇のようなものが鎮座していました。
これは 町指定有形文化財 「不動明王立像及び二童子立像」
若松七日町の仏師により享保4年(1719)に作られたもの。
平成25年に戸中地区の星家より寄付され ここに保存公開されているものです。 -
現在 中は空になっていますが ここが仏壇スペースですね。
-
この部屋は竿縁天井。
この曲屋は元々ここにあったのではなく
平成2年(1992)伊南地区から移築されたものです。 -
天井が高いです。
梁や桁の太さもすごいです。
雪の重さに耐えられる屋根構造になっているのでしょうね。
各地で茅葺民家を見てきましたが
やはり 地方によっての違いは様々ですね。 -
積雪量1.5m越えの豪雪地帯ではありますが
合掌造りのような屋根の勾配はありません。
矩勾配(かねこうばい) と言う事なので45度の角度です。
外壁は真壁で上部は塗壁 下の方は板張りがスタンダードのようです。 -
まもなくやって来る雪のシーズンにむけて 既に雪囲いの板が嵌められた場所も見られました。
(一年中そのままかも?)
国道沿いの家や建物にも 雪囲いの板が嵌められているのを沢山見ましたね。
冬は一面銀世界の場所なのですね。 -
蔵の建物もあります。
蔵は漆喰塗りです。屋根は茅葺き。
庇の上に扉が見えます。
これは、積雪の時期の出入り口であるのかも。
庇まで雪で埋まる、なんてありそうですよね。 -
蔵の屋根は二重構造の置き屋根形式。
この画像で見れば どうなっているのか判ります。
蔵自体には漆喰塗りの屋根があり、
その上に茅葺きの屋根がもう一枚浮いて乗っています。
湿気の高い地域に多いタイプだと聞きましたが
単純に 湿度が高い ではなく 雪の多い地域で見かけると思います。
尾瀬のあたりで良く見ますし、福島県内でも見ます。
この屋根構造を知らなかった時は なんで浮いてるんだろう?どうなっているのか??と
不思議でたまりませんでした。 -
資料館の後ろに お社らしい建物が見えましたので
行ってみます。
こちらも茅葺きの建物。 -
お社の中には大きな木の切り株跡が。
史跡「前沢の大杉」根周り約11m 幹回り8m 高さ30mあまりの大杉であったそう。
推定樹齢800年と言う巨樹でありましたが
平成4年(1992)倒壊してしまいました。
後 集落のシンボルとして保存されています。 -
さぁ集落内を歩いてみます。
曲屋は 主屋が寄棟 中門が切妻の屋根になっているものがほとんどです。
中にはこちらのような一部が上がった兜型の形もありました。 -
こちらが典型的なスタイルの曲屋になります。
良い景色です。 -
集落には橋から伸びるメインストリートがあり その通りを中心に点在しています。
現在20棟の伝統的家屋があります。
実は根性が出なくて行かなかったのですが、
国道の向かいに入口があり 階段を10分ほど登ると 集落全体を眺められる展望台があるようです。 -
歩いていると 屋根の葺き替え中のお宅がありました。
今日の作業はお休みのようでした。
おろした茅の山や束のまま並べられた茅。
単管の足場こそありますが、茅葺き替え工事は 電動工具の音の無い
昔っぽい静かな現場なのですよねえ。 -
家の前 様々な形と色のかぼちゃが並べられていました。
ディスプレイじゃ~ないと思いますけど~かわいいですね。 -
馬小屋入口にあたる場所 建物 妻側に引き戸。
その上 庇の上にある戸板。これも開きそうですね。
昔は雪に入口が埋まったら ここから出入り、なんて事だったのでしょうか? -
軒下に干してあるのは豆。小豆か、黒豆か。
畑でも黒っぽい豆が残されたまま 収穫を待っていましたね。 -
建物脇に茅の束。
屋根の補修 差し茅に使う予定のものかも。
さて、この集落の屋根材の茅場はどこにあるのでしょうか?
これだけ茅葺き屋根の民家が多いと かなりの量の茅が必要なはずです。 -
ゆるりカーブした道の先に茅葺きの民家。
秋の花も咲き ここには静かな時が流れていました。
歩くのもゆっくりと。 -
集落の奥まで来ると 鳥居がありました。
外れの鎮守様でしょうか。
鳥居をくぐって石段をあがってみます。 -
狭い石段を登った先にお社が。
「鹿島神社」でした。 -
石の祠もありました。
とても静かです。 -
石段の途中から 集落が望めます。
が、樹が多くて なかなか視界が開けた所は無かったですね。 -
集落内のまだ歩いていない道を進みます。
実際 ここで生活されている家ですので、
窓や入口はアルミサッシになっています。
今は 馬はいないですから 中門部分も居室や 作業部屋になっているのでしょう。
出入り口も 妻側とは限らず(屋根の雪下ろしの関係で)色々のようです。 -
この家の屋根は少し他とはちがっていました。
古茅も葺き直し時に使ったのか ストライプ状に色違いのデザインが見られますし
入母屋のような意匠も見られます。
ついでに 大きなスズメバチの巣も残っていますね。 -
山を背負った茅葺きの大屋根。
里山の良い景色。 -
軒下のトウモロコシも良いアクセント。
そして、 近くで子供も遊んでいましたよ。 -
集落内に 見学に来たお客さん向けでしょう。
道端に 小さな無人販売コーナーがありました。
ここで採取された日本ミツバチの蜂蜜や
熊の爪でできたキーホルダーなどが売られていました。
帰りに 檜枝岐の道の駅でも同じような物が売られていました。
お値段は・・・たしか~こちらの方が、特に熊の爪の物は安かったような。
ミツバチの巣箱も集落内にあるのを見ましたね。 -
ぐるりと廻って集落中央の道へ戻ってきました。
ささっと歩けば30分程。
私たちは 歩けるところはほぼ歩き、約1時間でした。 -
橋の方へ戻りつつ 「交流館」と言う表示を見つけそちらへ行ってみます。
「いろり」と書かれたのれんと 「直売所」の旗も見えます。
こちらは中門の無い 直屋(すごや)の建物でした。 -
中には手作りのお土産っぽい物が少し。
集落の方の手作り民芸品などだそう。
藁細工は・・・蓑は今どき使わないから、展示品か?
いや、外国人とかならインテリア用に欲しがるかも。 -
座敷の方は古民家カフェいろり としてコーヒーや軽食が楽しめる場所だそう。
この日はコロナ禍でもあり、カフェは休業中のようでした。
残念ながら 欲しい物は無かったので、ご挨拶をして帰りました。 -
まだお昼の時間には全然早いです。
が、曲屋の建物の中が見たいのと
次、お昼を食べられる場所のあても無いので
駐車場にみえる大きな「そば処 曲屋」で食べていく事に。
営業は10時半からで もうやってます。 -
窓際の席に案内されました。
やはり ここも高い天井の内部空間。
奥の座敷は
竿縁天井、松皮菱の筬欄間に長押には釘隠しまで付いている
格式ある内装でした。
この曲屋の建物 前沢地区にあったのではなく 会津地方からの移築だそう。 -
清らかな水が流れる 舘岩川を色づき始めたカエデ越しに眺めての食事です。
川の水は 素晴らしくきれいです。
まったり 癒される景色です。 -
メニューは当然お蕎麦がメインです。
舘岩在来種 と言う蕎麦粉を石臼で製粉した蕎麦。
私は ざるそばと天丼のセット。
ダンナは おっと こんな組み合わせ?と言う ざるそばとローストビーフ丼のセット。
(どちらも税込み1200円)
お蕎麦も天丼も美味しかったです~。
前沢曲屋集落。 観光地化され過ぎていない 普段の暮らしの様子のままに見せて頂く事ができました。
そこにはとても静かな時間が流れていました。
茅葺屋根の維持が大変な事は理解しています。
どうか、この景観とゆったりした時の流れがいつまでも続きますように。
そう思わずにいられない 貴重な場所でした。
まだ、12時前。時間には余裕があるので もう少し先へ進んでみようと思います。
この日の旅行記は後半へ続きます。
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