2021/11/17 - 2021/11/17
2384位(同エリア2860件中)
ちふゆさん
2021年11月17日(水)11時半過ぎ、中御茶屋から最後の上御茶屋へ向かう。上御茶屋は大きな池を中心とした庭園で、他の御茶屋より一段高いところにある。離宮の完成は1659年とされているが、その後も造成は続けられ、最終的には1663年に終了したと考えられている。
下御茶屋の東から辿って来た松並木を戻り、来る時に右折した三差路を今度は右手、東に進む。左手先に浴龍池の大刈込が見えて来る。高さ13mで長さ200mあり、大きな3段の階層になっている。内部は石垣の堅牢な構造となっているが、武骨にならないよう生垣で覆われている。
松並木を登りつめると広場があり、南西に面して柿葺の上御茶屋の表門になる御成門がある。下御茶屋の御幸門とよく似た簡素な造りの門で、欄間には大きい花菱紋様の透かし彫りが施されている。
御成門を抜けて浴龍池の南端から右手の山道を登って行くと一気に視界が開け、大刈込の先の池に島が浮かび、紅葉が美しい。正面奥が松ヶ崎辺り。なお、大刈込とは多数の樹木を混植し、大きなひとつの形になるように刈り込んだもの。
後水尾院は1639年に岩倉に幡枝離宮(幡枝御殿、幡枝山荘)を造り、比叡山を借景とした庭園を造園したが、枯山水で実際の池がないことが不満だったそうで、新たに作ったのが修学院離宮。そして、出来たのがここからの眺望。若い頃に来た時も、ここからの眺めにはインパクト受けたことを覚えている。なお、幡枝離宮は現在は圓通寺となり、庭園も残っており、公開されている(行ったことないなあ~)。
本来の拝観コースはここから石段を上がり、離宮内の最高所にある隣雲亭を見学できるのだが、残念ながら工事中でこの日は行けなかった(下の写真1)。隣雲亭は浴龍池から10mほど上がった海抜約150mの丘の上に立っており、現在の建物は江戸後期の1824年の再建。
離宮造営前の1655年3月の後水尾院の圓照寺行幸の際に隣雲亭が既に存在したと云う資料が残っているが、1677年に焼失し、その後に再建されたものが荒廃したため、再度建て直したと考えられている。隣雲亭からは池だけでなく京都市内も見通せるそうで、登れなくて残念。
先に進むと、滝見燈籠があり、その先に南の音羽川から引かれた渓流が流れている。石橋の上流に落差6mの雄滝があるが、水量が少なく写真でははっきりとは分からない。渓流は浴龍池に流れ込んでいるが、ここの紅葉も見事!
石橋を渡り、浴龍池の東側を北に歩く(下の写真2)。この道も紅葉が気持ちいい。浴龍池は後水尾上皇の構想で造られたもので、比叡山からの谷川の水流を堰き止めた広大な人工池。池には中央に中島、北側に三保島、南側に万松塢(ばんしょうう)と云う3つの島がある。
左手に芝生に覆われて緑や赤や黄色の木々が植えられた万松塢が見えるが、この島は元は岩も露わな荒々しい小島だったそうで、そのごつごつとした様子が水面に背を表した龍に似ていたことから浴龍池と命名されたらしい。この池の完成は1661年と云われる。
先に進むと万松塢と中島の間に架かる千歳橋が見えて来る。この離宮を代表する景観。この橋は後水尾上皇の時代にはなかったもので、江戸後期の1824年に、徳川家斉が光格天皇の行幸のために寿月観や隣雲亭の再建した際に、京都所司代の内藤信敦(のぶあつ)が床部分を、その3年後に老中の水野忠邦が屋形部分を寄進したもの。
切り石を組んだ橋脚の上に一枚石の橋板を渡し勾欄でつなぎ、屋根を架けて廊橋としている。橋は左右対称ではなく、万松塢側は寄棟造の屋根で、外側に張り出して腰掛けが設けられた四阿風、中島側は宝形造の屋根で、天皇の乗り物である鳳輦(ほうれん:屋形の上に金銅の鳳凰を飾った輿)をイメージして屋根の頂部に瑞草を加えた金銅の鳳凰が立っている。
千歳橋の横を過ぎてさらに北に進むと中島に架かる楓橋があり、拝観コースはこの橋を渡る。楓橋は長さ2間余りの欄干の付いた板橋。元々尾根だったところを深く切り通した掘割に架けられた橋で、橋脚が非常に長い。周辺の楓の紅葉が見事で、橋の名の由来にもなっている。橋を渡って中島の丘を登って行くと一気に浴龍池の眺望が広がる。万松塢や千歳橋が赤や黄色の紅葉と共に見える光景は絵のような美しさ。
中島の一番高いところに窮邃亭(きゅうすいてい )がある。後水尾院によって造営された上御茶屋と下御茶屋の建物のほとんどが滅失または再建されている中、本建物は唯一、創建当時の物とされている。ただ、幕末頃には相当に荒廃していた様で、江戸時代後期の文政年間(1818年~30年)に大幅な修理が加わえられている。
柿葺きで宝形造りの屋根頂部に瓦製の露盤を置き、その上に切子頭の宝珠を乗せている。南面と東面は縁及び土間庇を巡らせ、三間四方で十八畳の一室と板間の水屋から出来ている。この建物は、壁で塞がれているのはその水屋部分のみで、他は4面共に明障子の戸または窓となっている。
南側上がり口の軒下の「 窮邃 」の扁額は後水尾院の宸筆。右奥に水屋があり、板間が突出し水屋となっており、水屋には流し、天袋、地袋を設けている。座敷には床、棚などの座敷飾りは全くないが、池に面する北面から西面にかけて鉤の手に六畳分は框(かまち)一段分高くなった上段としている。西側窓際には幅一尺長さ二間の欅の一枚板の肘掛板があり、変形の書院造とも考えられる。
窮邃亭を出て、中島から北側の浜に土橋で渡る。木橋に土を盛った橋で、長さは日本一と云われる。欄干は栗の鐇(ちょうな)削りで、緩く反りがある。旧記に長さは九間(16.2m)、巾一間二尺(2.4m)とあり、現在より橋の幅が広かったようだ。橋の右手奥に三保島。比叡山を富士山に見立てて、名付けられた。紅葉が見事。左手の西浜も池面に空や木々が写り、奥には修学院の街並みが見え、これも素晴らしい。
土橋を渡った北側の浜には止々斎と云う建物があったが、1709年に仙洞御所に移築され、1788年の天明の大火で仙洞御所が焼失した際に失われてしまったそうだ(下の写真3)。
西に進んで行くと池際に御舟屋がある。舟遊びの船の保管場所で、屋根は杉皮葺を竹組で押さえた独特のものになっている。現在は小舟が繋がれているが、かつては大きな屋台船が使われていたそうだ。この辺りで少し振り向くと、渡って来た土橋や千歳橋と紅葉のコントラストが素晴らしい。
池の北西の角は船着き場になっている。舟を繋ぐのに綱を掛けるための船止め石があり、石段状の船着き場がある。池の向こうには千歳橋、さらに工事中だが隣雲亭が臨める。ここから西浜と呼ばれる大刈込の上の浴龍池の西を南に進むが、大刈込越しの京都市中心部や松並木、はたまた浴龍池越しの土橋、千歳橋、万松塢、隣雲亭などと紅葉のコラボレーションが素晴らしすぎるほど素晴らしい。この時期を選び、おまけに天気に恵まれて最高!
25分ほどで上御茶屋周遊終了し、御成門に戻る(下の写真4)。帰り道は来た道を戻るが、下御茶屋には入らずに北側に回り込んで降りる。ここも紅葉がいい(下の写真5)。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.8297184733684811&type=1&l=223fe1adec
12時15分、この日のメインの修学院離宮の参観を終了しお昼に向かうが、続く
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