1998/01/13 - 1998/01/17
195位(同エリア216件中)
まさとしさん
ユーラシア大陸を横断している際、せっかく南インドまで行くのだからその横にある島にも足を延ばしてみたい。そんなわけでスリランカへ足を運ぶことにした。しかしスリランカへ行くには空路を使わなくてはならない。かつて海路で結ばれていたが場所はタミル人ゲリラによって占領されているので船は運休している。
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ニューデリーにいる時この島へ渡ることを決心したのでまずガイドブックを購入した。それによるとスリランカ北部及び東部はゲリラの拠点となっているので入ることは出来ず、その他の地域もかなりやばいらしい。
コロンボへの航空券を買ったのはインド中部の都市アウランガバードでのことだった。利用航空会社はインドの国内航空「インディアン・エアラインズ」だ。そして出発直前にトゥリヴァンドラムで予約再確認に行ったらいきなりフライトキャンセルになっていたというハプニングがあった。
結局1日遅れでスリランカの航空会社「エア・ランカ」を使うことになった。
トゥリヴァンドラムの空港を出発。今回の旅行で初めての飛行機だ。
再び同じ場所に戻るのでユーラシア大陸横断の際「一度も飛行機に乗らずに」というスタンスに影響はない。スリランカへの旅は一風変わった機内の雰囲気から始まった。インド人(スリランカ人)の客層はサンダル履きにルンギーをまとい、インドの二等列車に乗っていそうなおやじが結構目立つ。食後げっぷを連発する奴はいるわで最悪だ。飛行機はきれいだが、客層は今まで(発展途上国で)乗った飛行機の中で一番庶民的な感じがした。確かに空路が唯一の足なので無理もない気はするが。
コロンボに到着。空港はランプバスなどもあり新しく、インドとは少し雰囲気が違う。さすが首都の空港だ。
しかし入国審査で割り込む奴はいるはスリランカはかなりレベルが低そうな気がしてきた。タクシーの客引きは無視し、とりあえずミニバスで市内へ向かった。
空港からコロンボの中心部まで約1時間。空港から同じバスだったイギリス人とタクシーをシェアしてフォートにあるYMCAに行ってみた。でも僕は少し高いが隣のホステルに泊まることにした。
ドミトリーが1泊150ルピー(300円)とインドの感覚からするとかなり高いがコロンボでは最も安い宿の一つだ。 -
街へ出た。コロンボの中心部はかなり狭い地域に固まっているので、すべて歩いて回ることが出来る。
コロニアル調の建物にそびえる高層ビルは一見モダンな近代都市のように感じる。 -
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しかし中心部のビジネス街は爆弾テロの傷跡は凄まじい。中央銀行も旧セイロン銀行本店ビルもマリオットホテルも高層ツインビルの貿易センタービルもみんな爆弾によって破壊され、窓ガラスは吹き飛ばされ、ベニア板が張られている。
近づくとその無惨な姿があらわになる。
思った以上にこの国の治安状況は深刻のようだ。爆弾テロに修復が完全に追いついてないようだ。
街へ出たが活気がない。どうも今日は祝日らしくフォートの店は全滅だ。スーパーも閉まっていた。でも航空会社は営業していたのでリコンファームに向かった。しかしまたインディアン・エアラインズはフライトキャンセルだ。どうも水曜日以外飛んでいないらしい(通常週3便)。またエアランカに変更してもらうことになった。しかしエアランカは満席で明日まで待つことになった。スリランカに来てまでインドに惑わされてしまうとは。いい加減にしてもらいたい。 -
翌朝、エアランカのオフィスへ行って席をもらってから、両替をすませた後、歩いてマラダーナ駅に向かった。
周辺の市場は活気がある。 -
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コロンボ・マラダーナ駅からスリランカ最南端の街マータラへ行くためチケットを買った。三等が最下層だが二等を買うことにした。
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アンティークな車両
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コロンボ・マラダーナ駅。
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13:40発に出発。列車は次のコロンボ・フォート駅で満員になり海岸線を快走しながら南を目指した。
ゴール駅で進行方向が変わり、再びマータラを目指した。
腹が減ってのども乾いて気分が悪くなってきた。
マータラに着いたときは脱水症状になっていた。車内販売がまったく来なかったのは誤算だった。フラフラしながらホームにおり、駅前の食堂でコーラを飲み回復した。 -
スリランカ最南端の町・マータラでは自転車に乗った宿の客引きについていくことにした。
1泊200ルピー(440円)とは思えないほど豪華な部屋にスリランカで初めて感激した。 -
翌日、スリランカ最南端へバスで行ってみた。
マータラのバスターミナル。 -
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デウンダラ岬と呼ばれる場所だが、バスを降りて2キロ。歩いた先には灯台しかなかった。
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ガキんちょども
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一度ホテルに戻り昼寝したあと今度は西にあるボルヘナビーチへ向かった。3キロぐらいだと思っていたらかなり距離があり道にも迷ってしまった。何とかたどり着いたがこのビーチは小さくてほとんど河原といった感じだ。白人と数人のスリランカ人が遊んでいる。
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周辺の住人はフレンドリーだが、このビーチたいしたことない。
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朝マータラを出発し、バスでゴール郊外のウナワトゥナビーチを目指すことにした。
ウナワトゥナで宿はすぐ見つかった。値段は安く、ロケーションは抜群だ。 -
ウナワトゥナの中心部。
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ビーチにて
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しかし宿の水道が海水というのが少し難点だ。
シャワーの仕上げは真水をペットボトルでかぶることになる。少し面倒だがなれればたいしたことなくなった。このエリアでは仕方ないようだ。
ビーチは広く、コヴァラムのような騒がしくもなく、人もまばらで何よりも砂浜がきれいだ。辺りには高級リゾートホテルは皆無でまさに素朴な純白のビーチといった感じだ。海の中には珊瑚の欠片が多く、それほど遠浅ではないということが唯一の欠点だが、浜辺で寝そべるぶんには問題ない。ここは今までで一番すばらしいビーチだ。 -
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少しビーチを離れてゴールの街へ出ることになった。バスで数分走り、小さなゴールの街に到着。
小さな街と言ってもゴールはスリランカ南部最大の都市だ。城壁があり、その内部が中心街になっている。 -
最南部には砦がありそこから黒い珊瑚が見渡せた。
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牛
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いったんコロンボに戻り、北部のアヌラーダプラへ向かうことにした。
アヌラーダプラ駅に到着。 -
アヌラーダプラの遺跡は世界の仏教遺跡のなかでかなり重要な存在。ここにも菩提樹があった。
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アヌラーダプラの仏教遺跡。
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猿
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菩提樹
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遺跡にいた女学生
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アヌラーダプラの仏教遺跡。
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現地の観光客
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巨大な水瓶のあと
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地元の子供たち
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アヌラーダプラを出発しようとした日の朝、宿の人が僕たちに「次はどこへ行くんだ」と慌ただしく聞いてきた。
写真はアヌラーダプラで滞在した宿の従業員たち
僕はキャンディで行く事になっていた。しかし宿の人の話によると今朝キャンディの仏歯寺で爆弾テロが発生したらしく6人死んだらしい。(日本の新聞を後日、在テヘランの大使館の図書館で見たら11人死亡になっていた)。キャンディの仏歯寺といえばラサにあるポタラ宮くらい重要な場所だ。キャンディに行けば真っ先に行く場所となる。そこがタミル人ゲリラ「イラーム・解放のトラ」によって吹っ飛ばされてしまったようだ。やはりテロは日曜日に集中する。
キャンディーに行くのは断念し、コロンボへはスリランカで一番快適な乗り物「インターシティ-バス」を利用した。クーラーが利いて快適だ。4時間後コロンボに到着した。 -
再びコロンボに戻ってきた。
コロンボ・フォートを散歩することにした。一見スリランカは「ずいぶん発展してるなあ。辺りは建設ラッシュだ」と思ってしまう。でもそれらは単なるテロの修復工事だ。街を歩いているとどこを見てもそういった光景が広がっている。 -
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コロンボにおける爆弾テロの傷跡には凄まじいものがある。それらはタミル人ゲリラ「イーラム解放のトラ」によるもので、コロンボフォートでひときわ目立つ高層ツインビル。シンガポール資本によって建設されたワールドトレードセンターだ。どことなくシンガポールのラッフルズプレイスの面影がある。
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コロンボを象徴するビルであるのは確かだ。このビルは昨年10月中旬、華やかにオープンした。
しかし数日後、爆弾と積んだワゴン車が突っ込みビルの下層階は無惨に穴が開いてしまい、未だにこのビルは復旧のメドはたっていないみたいだ。 -
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隣の旧セイロン銀行ビルも再開のメドは立っていないようだ。
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マリオットホテルには日本航空が入っていたらしいがどうなったのだろうか。とにかくスリランカでは毎週爆弾テロが発生しているらしい。
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中心部は至る所にバリケードが張られ、不審な車の突入を警戒している。
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でも外国人は比較的に自由に街を歩き回ることができる。
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コロンボの中心部。新市街はテロの標的になりやすくバリケードが多い。
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その反面、旧市街はあまりテロがないようで厳戒な雰囲気はなく、車の往来も激しい。
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海岸沿いを走りコロンボ南部へ向かう列車。
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南のゴール通り沿いから見たコロンボ中心部の摩天楼。
スリランカでの滞在期間は2週間。
インドに戻ることにした。トゥリバンドラム行きの飛行機は早朝出発なので前日の夜空港へ向かうことにした。朝タクシーで行くとかなり高くなるので今夜は空港に泊まるつもりだ。
最終バスに間に合うように宿を出発しバスターミナルへ向かった。途中犬が吠えかかってきたので鼻を蹴飛ばしてやったら、奇怪な声で吠えはじめた。不気味だ。
空港までの公共バスをさがしに中央バスターミナルへ行ってみた。
すると2人組の男が空港行きのバスへ案内してくれた。彼らはキャンディで店を経営しているらしく、目的は僕から住所を聞くことだった。そんなことならおやすいご用だ。するとうれしそうに僕に握手したかと思うと「私は空手をやっている」と言いながら手のひらを見せてきた。彼らはなんと僕の空港までのバス運賃を出して帰っていった。そんなわけで空港に無事に来ることが出来たのだった。
スリランカ人はフレンドリーでインド人より親切だと思う。最後にスリランカの良い面に出会えてこの国を去ることが出来よかった。
バスは空港に着いたらしいが、降ろされた場所は空港へのジャンクションでここから歩くことになった。バスは空港ゲートの外までしか行かないようだ。約500メートル歩いて検問所を二カ所通り、そして空港ターミナルにたどり着いた。
出発は明日の8時だ。24時間空港なので出発ロビーで夜を明かすことにした。
3:00発AMS/LON行き、3:10発ROM/ZRH行き、3:40発BKK/HKG行きなど深夜も結構出発はあるが客は少ない。
やがて5時半になりエアランカ・トゥリヴァンドラム行きのチェックインが始まった。入国審査を終え搭乗口に向かったらすごい数の免税店が並んでいた。インドには免税店がなかったのでなおさらそう感じたのかもしれない。搭乗口前のロビーは座り心地が良かったのでついうとうとしてしまい、すぐに出発時間となった。
約1時間のフライトで2週間ぶりにインドのトゥリヴァンドラムに戻ってきた。この汚さが妙に懐かしい。
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