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ChapⅠ,32nd 2days driving of visit to P.O. in KAGA,without sightseeing.<br /><br />せこせこと貯めたJALマイルが1月末で切れてしまう。そんなことから急遽行くことが決まった新潟・佐渡。シーズンオフではあったものの年を取るにつれ〝寒い場所〟へ好き好んで行かなくなった私にとっては、人の行きたがらない佐渡島はなかなか興味深いものであった。<br /><br />本来遠出をしない時期に出かけたこともあり、〝今年は出歩けるぞ~〟と意気込んだはずだが、まさかのコロナ騒動による〝外出自粛〟を強いられる羽目となった。日帰りの〝郵便局巡り〟や〝なにげに関西街歩き〟のレベルでも、県境を越えることができなければ行くこともできない。結局休みの日はゴロゴロするしかなく、その結果身体が鈍ってしまい歩くことすらしんどくなる始末。外出規制は5月15日を以って解かれるが、あくまで県内移動のこと。それがやっと6月19日に越県を含めた外出規制が解除される。しかし計画的な行事に対しては、既に中止や規模縮小が決定されていた。<br /><br />6月23日の沖縄慰霊の日を含めた数日間は、平成25(2015)年の戦後70年以降沖縄で過ごすことが〝当たり前〟となっていた。しかし追悼式を含めた行事や宿泊先等の手配は不可能であり、手配済みの航空券だけが〝奇跡〟を待っている私であった。しかし自分自身越県する県外ナンバーを良くは思わなかったりしたこともあり、泣く泣く今年は沖縄行きを断念した。しかしこの日のために連勤を続けて連休を入れていることから4連休を取ることは意地を張り通した。しかしどこへ行こうか…すら決まっていない。さすれば…ハルを巻き込んだ。お手軽郵便局巡りに行きましょうと誘う。即答のなかったハルだったがどうやら〝ひとつの想い〟がある様子。母が生きていた時分からあちらこちらへと走ってくれたイスト君が13年目の車検を前にリタイアが決まり、そのラストランに華を持たせようと考えているようだ。私自身も郵便局巡り以前から借りてあちらこちらへと走ってきた。古い車だが意外とよく走ってくれる車だった。それならば…ということでイストラストランの旅が決まり、行先は加賀となった。<br /><br />前置きが長くなったがいつもの郵便局巡りとは違うものになるかも知れない旅が始まる。<br /><br />令和2(2020)年6月22日月曜日<br /><br />いつもならば沖縄にいる筈であるが、コロナ禍によって取りやめとなった。代わりと言えばランク落ちしてハルの郵便局巡りのために福井・石川県を目指すことになった。勤務日との間に1日あるため比較的朝も楽だった。しかし余裕があるとまたコースを弄りたくなる悪い癖、回る局順を変えて効率を上げてみたりした。その知らせをしないまま出発する。月曜日の朝ということでいつもの通勤路が混雑していた。<br /><br />家を出てから渋滞区間を走り、予定から遅れること10分で瀬田東インターチェンジへと到着、名神高速道路を東進する。高速に入ってしまえば比較的スムーズに流れるようになり、最初の休憩を賤ヶ岳サービスエリアで取ることにする。しかし広い分だけ時間を費やしてしまうサービスエリアの利用は避けたいものである。コーヒーを飲みながら一服するだけでも時間はすぐに過ぎてしまう。<br /><br />走り始めると勢いがつき再び小一時間走って女形谷パーキングエリアに到着する。ここは福井県坂井市に位置し、一部は石川県加賀市と接している。未だ空走区間であるため最寄り局が遠くなった感が強くなっている。金津インターチェンジ迄は福井県だが、北陸自動車道から一般道に下りた加賀インターチェンジは石川県となる。石川県最初の訪問局になる塩屋郵便局を済ませると、港を回るように走り福井県あわら市に入る。吉崎郵便局はあわら市に位置する。ここで福井県はコンプリートした。<br /><br />この吉崎界隈は本願寺中興の祖と称される蓮如上人所縁の土地のようだ。蓮如上人が浄土真宗本願寺派の布教拠点として設けた吉崎御坊にその歴史が始まっている。真宗と言えば北陸一帯に拡がった一向一揆と結びつけられがちだが蓮如当人は一向一揆に加担はしていないという説が今では主流となっている。<br /><br />面白そうだとも感じたが、特定の宗教信者でもなく、また時間もないので〝行ければ〟リストに加えて先を急ぐことにする。<br /><br />大聖寺聖南通・大聖寺中央通局と〝大聖寺〟の名が冠した曲を巡る。大聖寺と言えば加賀支藩の大聖寺藩と繋がり、地元の方ですら〝大聖寺というお寺はありません〟と言われるようだが、実際には〝現在はない〟というのが答えである。歴史は奈良時代に遡り修験道の僧泰澄が白山を開山し、白山信仰が始まった。信仰の拠点となる白山寺の流れを汲む白山五院のひとつとして錦城山に大聖寺が建立された。これが北陸エリアに仏教が伝来したとされる時である。しかしその後鎌倉時代に浄土真宗・曹洞宗・日蓮宗等の新興宗教が伝わるに連れて衰退し、戦国時代に朝倉氏と一向一揆の争いで焼失したとされている。<br /><br />しかしその後錦城山には加賀支藩の大聖寺藩が置かれ明治維新に至っている。推測の域ではあるが白山信仰の拠点であり大聖寺城跡でもあるこの場所に陣屋を構えたことは、山岳信仰を抜きにできなかったものではないかと考える。大聖寺というお寺は無く大聖寺の名の由来は大聖寺藩だと信じて疑わない方の数の多さからふと感じたことではあるが。<br /><br />まあ蘊蓄はこれくらいにして加賀市の中心部へと向かって走ることにする。集配局の加賀局、大聖寺菅生・大聖寺春日簡易局をこなすと日本海へと向かう。北前船の里近くの橋立局を済ませ駐車場でひと息つく。そこから一挙に南進して加賀松が丘・加賀南郷簡易・河南・塚谷・山中局は名湯山中温泉街に所在している。最初宿泊先が山中温泉がリクエストされているが時間的な問題から却下した。<br /><br />山代桔梗ケ丘局に立ち寄った後ローソンゆのまち山代桔梗ケ丘でひと息入れる。山に山代・勅使局に次いで小松市の那谷局に到着する。前後が加賀市の局にも関わらずなぜ小松市の局に行くのかは単なる行程上の都合でしかない。また局名の那谷は〝那谷寺〟に由来しているのだが、こちらに参拝すると西国三十三所札所巡りをコンプリートしたのと同じご利益があるとされている。もっとも一ヶ所を訪れただけで満願したと思うのは個人次第ではないかと私は考えているのであるが・・・。<br /><br />ハルの待ち時間を利用して那谷寺を見学し先を急ぐ。難読地名のひとつである動橋(いぶりはし)局は駅の前にあった。今では普通列車しか止まらない無人駅であるが、その昔は加賀温泉郷の玄関口として特急停車駅のひとつであった。今では加賀温泉駅が玄関口となり、駅前には郵便局しかない閑散とした景色が広がっている。しかし地元有志の手によって動橋駅の歴史が旧窓口付近に掲げられており、清掃も行き届いていることにちょっと嬉しくなった私であった。<br /><br />続いて到着した片山津局。言わずと知れた温泉地ではあるが、各地の温泉地同様廃業旅館等廃れ感が漂っている。月津,佐美簡易を済ませて御幸局へと向かう。ATMホリデーサービス実施店でありさぞかし大きな場所だと思いきや、まさかのスーパー内にある局であった。そして粟津駅前局は粟津駅チカであるが、やはり加賀温泉駅に拠点を奪われたことで賑わいはない。そして矢田野局を経て粟津温泉街手前の粟津郵便局と巡って行く。木場潟近くの木場簡易局から再び逆方向へと進み瀬領・金野と一部行程を変更したルートを走って行く。ここに来てハルがトイレとほざき出し、仕方なしにファミリーマート小松千木野店に立ち寄ることにした。一局でも済ませておこうと考えるドライバーは拍子抜けする。結局残り小松軽海・中海局と小松市の南側エリアを回ったところでタイムアウト。一日目は31局の実績で終わった。<br /><br />実は本日もう1局回る筈であった。イオンモール新小松内郵便局がそれだが、最近ショッピングモールに入っている郵便局は開店が10:00からということもあり、17:00迄は貯金窓口が開いているところが増えている。それを見越しての訪問だったが、到着してまさかの16:00閉店と言うことを知る。このあたりは個別の局別HPには〝時短営業中〟としか書かれていない。こちらの局で知ったことだが石川県内全ての郵便局に於いて貯金窓口が10:00開店16:00閉店となっているそうだ。このことを知らず予定を組んでいたために計画が狂ってしまった。まぁイオンモール新小松内局はリカバーが可能だが、一時間遅れのスタートで回るために後半回る予定だったところは諦めねばならない。また実績を上げるには回り方も変わってしまう。予定の組み直しにはパソコンが欲しいがどうなるかわからない。しかし悩んでも始まらないので先へと進む。そう言えば給油ランプが点灯したことを思い出し、付近の格安スタンドを探してみた。キグナス石油セルフ今江SSが抽出されたので立ち寄るが、LINE会員になると10円引きと書いてあるため早速試す。結果111円/Lとなった(驚)。恐るべしキグナス石油!<br /><br />とイストくんを満腹にさせ、ホテルへと向かう途中にザ・ダイソー&アオヤマ小松店に立ち寄る。宿泊用グッズを丸ごと忘れたためにその調達をする。あまり品揃えも豊富とは言えないために用件を済ませれば即出発する。10分少々で本日の宿である小松グリーンホテルに到着した。<br /><br />今回の宿泊先は間際まで決まらなかった。というのもハルが温泉宿を主張するが、加賀温泉郷だと翌日目的地までの空走距離が増えてしまう。郵便局が10:00開店だということを知っていれば問題ではないが、出発前にはそんなことは知らなかった。小松辺りまでは回れるとすれば、山中温泉に宿泊すればそれなりの時間はかかってしまう。結局小松のビジホで良いと妥協させるが、まぁ温泉位はあっても良いかと考え、値段も安かった小松グリーンホテルを選んだ次第である。敢えてヤフートラベル経由の一休.comで手配したのは割引率の高さから。一泊二食付きツインルームで10,716円。一人当たり5,358円は超格安宿レベル!建物の古さは否めないが食べて寝るだけならば十分だ。おまけに天然温泉も引かれている。正しく私好みの宿だった(笑)。前払いで宿泊代金を精算し、4階430号室が本日の寝床になった。ベッドにはスタッフからのメッセージカードと折り鶴が置かれていた。心配りを感じる宿であると改めて感じた。<br /><br />夕食は一階のレストランで頂く。海鮮亭陣笠は外部に食事も提供しているが、このコロナ禍で定員42名のところ18名までと規制されている。業務宿泊が多いホテルゆえお昼時は分からないが朝夕は不可能ではないかと思えてしまう。2人掛けのテーブルは1人使用、4人掛けは衝立を挟んで斜めに2名での利用となっていた。ここまで制約があるにも関わらず食事提供をして貰えることにありがたみを感じてしまう。連れと話をするにも・・・というのは身勝手であろう。そんな中で出された夕食のセットメニューは中々のもの。宿泊代金の安さを踏まえるとコスパの高過ぎるホテルである。<br /><br />お腹も膨れ部屋に戻り先ずはハルに風呂に行かせる。その間に明日の予定を見直そうと考えたが、Googleのマイマップはスマホで開けないために、地図にプロットしながら順序を決めなければならず効率が悪い。風呂を終えたハルが帰ってきたが、ロビーに共用のパソコンがあることを聞いてきた。試しに使ってみるが固まりながらも既訪局・未訪問局の区分けができたので、そこから明日の行程を組み直した。どこまで回れるかまでは未定だが、なんとか最低限の曲巡りができそうで安心する。そしてこちらではExcelを利用した表のプリントアウト迄無料で利用できるため、即興で作成した時間取りまでもが手に入った。ビジネスユースもできるホテルはやはり便利だと改めて感じた。<br /><br />その後飲み物を購入するために近くのファミリーマート新小松インター店に向かう。念のため鍵は持って行ったが、コーラを飲みながら一服していると、よく分からない虫が大発生しており服の中に入ってくる。咬まれることはないように思うが、足の部分で皮膚を引っ掻かれると結構痛い。ちなみに私は虫は大の苦手であり触ることができない。その上アンダーシャツの上で動き回る虫の感触はなんとも言えない感触だ。とてもじゃないが一服する気分も失せホテルへと戻る。客室に入るや否やシャツを脱ぎ虫を叩く。一匹だと思っていたら実は2匹いたようだ。一匹はティッシュで包んでトイレ行きにしたが、もう1匹はハルによって踏み殺されたようだ。<br /><br />虫騒動も一段落し大浴場に向かう。貴重品は持って行かないので部屋の鍵も置いて行くが実はこのことはやりたくないのが私の本音である。今まで同じことで何度も締め出されているからだ。いつもよりは早めの時間だったので大丈夫かと思いきややはり甘かった。温泉に浸かり綺麗さっぱりして部屋に戻るとやはり寝ている。1日ハンドルを握り続けたのは私である。それがこんな目にあって良いのかと常々思うが仕方がない。ケータイを鳴らしっぱなしにしてノックを続けること数分でやっと鍵が開く。疲れがどっと出てくる一瞬は毎回変わることはない・・・。<br /><br />部屋に入るとさすがに眠い。スマホナビに取り敢えず行き先を投入して出発時間を算出しベッドに横になる。勝負は10:00から16:00迄の6時間である。自短営業を知らなかったのは不覚であったが今更言っても仕方がない。明日も一日中走るだけである。そんな思いを持ちつつ眠りにつく。明日は明日の風が吹くと信じて・・・zzz。<br /><br />   《翌日に続く》

ChapⅠ,32nd 2days driving of visit to P.O. in KAGA,without sightseeing.

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2020/06/22 - 2020/06/22

50位(同エリア270件中)

たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。

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2020/06/22

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ChapⅠ,32nd 2days driving of visit to P.O. in KAGA,without sightseeing.

せこせこと貯めたJALマイルが1月末で切れてしまう。そんなことから急遽行くことが決まった新潟・佐渡。シーズンオフではあったものの年を取るにつれ〝寒い場所〟へ好き好んで行かなくなった私にとっては、人の行きたがらない佐渡島はなかなか興味深いものであった。

本来遠出をしない時期に出かけたこともあり、〝今年は出歩けるぞ~〟と意気込んだはずだが、まさかのコロナ騒動による〝外出自粛〟を強いられる羽目となった。日帰りの〝郵便局巡り〟や〝なにげに関西街歩き〟のレベルでも、県境を越えることができなければ行くこともできない。結局休みの日はゴロゴロするしかなく、その結果身体が鈍ってしまい歩くことすらしんどくなる始末。外出規制は5月15日を以って解かれるが、あくまで県内移動のこと。それがやっと6月19日に越県を含めた外出規制が解除される。しかし計画的な行事に対しては、既に中止や規模縮小が決定されていた。

6月23日の沖縄慰霊の日を含めた数日間は、平成25(2015)年の戦後70年以降沖縄で過ごすことが〝当たり前〟となっていた。しかし追悼式を含めた行事や宿泊先等の手配は不可能であり、手配済みの航空券だけが〝奇跡〟を待っている私であった。しかし自分自身越県する県外ナンバーを良くは思わなかったりしたこともあり、泣く泣く今年は沖縄行きを断念した。しかしこの日のために連勤を続けて連休を入れていることから4連休を取ることは意地を張り通した。しかしどこへ行こうか…すら決まっていない。さすれば…ハルを巻き込んだ。お手軽郵便局巡りに行きましょうと誘う。即答のなかったハルだったがどうやら〝ひとつの想い〟がある様子。母が生きていた時分からあちらこちらへと走ってくれたイスト君が13年目の車検を前にリタイアが決まり、そのラストランに華を持たせようと考えているようだ。私自身も郵便局巡り以前から借りてあちらこちらへと走ってきた。古い車だが意外とよく走ってくれる車だった。それならば…ということでイストラストランの旅が決まり、行先は加賀となった。

前置きが長くなったがいつもの郵便局巡りとは違うものになるかも知れない旅が始まる。

令和2(2020)年6月22日月曜日

いつもならば沖縄にいる筈であるが、コロナ禍によって取りやめとなった。代わりと言えばランク落ちしてハルの郵便局巡りのために福井・石川県を目指すことになった。勤務日との間に1日あるため比較的朝も楽だった。しかし余裕があるとまたコースを弄りたくなる悪い癖、回る局順を変えて効率を上げてみたりした。その知らせをしないまま出発する。月曜日の朝ということでいつもの通勤路が混雑していた。

家を出てから渋滞区間を走り、予定から遅れること10分で瀬田東インターチェンジへと到着、名神高速道路を東進する。高速に入ってしまえば比較的スムーズに流れるようになり、最初の休憩を賤ヶ岳サービスエリアで取ることにする。しかし広い分だけ時間を費やしてしまうサービスエリアの利用は避けたいものである。コーヒーを飲みながら一服するだけでも時間はすぐに過ぎてしまう。

走り始めると勢いがつき再び小一時間走って女形谷パーキングエリアに到着する。ここは福井県坂井市に位置し、一部は石川県加賀市と接している。未だ空走区間であるため最寄り局が遠くなった感が強くなっている。金津インターチェンジ迄は福井県だが、北陸自動車道から一般道に下りた加賀インターチェンジは石川県となる。石川県最初の訪問局になる塩屋郵便局を済ませると、港を回るように走り福井県あわら市に入る。吉崎郵便局はあわら市に位置する。ここで福井県はコンプリートした。

この吉崎界隈は本願寺中興の祖と称される蓮如上人所縁の土地のようだ。蓮如上人が浄土真宗本願寺派の布教拠点として設けた吉崎御坊にその歴史が始まっている。真宗と言えば北陸一帯に拡がった一向一揆と結びつけられがちだが蓮如当人は一向一揆に加担はしていないという説が今では主流となっている。

面白そうだとも感じたが、特定の宗教信者でもなく、また時間もないので〝行ければ〟リストに加えて先を急ぐことにする。

大聖寺聖南通・大聖寺中央通局と〝大聖寺〟の名が冠した曲を巡る。大聖寺と言えば加賀支藩の大聖寺藩と繋がり、地元の方ですら〝大聖寺というお寺はありません〟と言われるようだが、実際には〝現在はない〟というのが答えである。歴史は奈良時代に遡り修験道の僧泰澄が白山を開山し、白山信仰が始まった。信仰の拠点となる白山寺の流れを汲む白山五院のひとつとして錦城山に大聖寺が建立された。これが北陸エリアに仏教が伝来したとされる時である。しかしその後鎌倉時代に浄土真宗・曹洞宗・日蓮宗等の新興宗教が伝わるに連れて衰退し、戦国時代に朝倉氏と一向一揆の争いで焼失したとされている。

しかしその後錦城山には加賀支藩の大聖寺藩が置かれ明治維新に至っている。推測の域ではあるが白山信仰の拠点であり大聖寺城跡でもあるこの場所に陣屋を構えたことは、山岳信仰を抜きにできなかったものではないかと考える。大聖寺というお寺は無く大聖寺の名の由来は大聖寺藩だと信じて疑わない方の数の多さからふと感じたことではあるが。

まあ蘊蓄はこれくらいにして加賀市の中心部へと向かって走ることにする。集配局の加賀局、大聖寺菅生・大聖寺春日簡易局をこなすと日本海へと向かう。北前船の里近くの橋立局を済ませ駐車場でひと息つく。そこから一挙に南進して加賀松が丘・加賀南郷簡易・河南・塚谷・山中局は名湯山中温泉街に所在している。最初宿泊先が山中温泉がリクエストされているが時間的な問題から却下した。

山代桔梗ケ丘局に立ち寄った後ローソンゆのまち山代桔梗ケ丘でひと息入れる。山に山代・勅使局に次いで小松市の那谷局に到着する。前後が加賀市の局にも関わらずなぜ小松市の局に行くのかは単なる行程上の都合でしかない。また局名の那谷は〝那谷寺〟に由来しているのだが、こちらに参拝すると西国三十三所札所巡りをコンプリートしたのと同じご利益があるとされている。もっとも一ヶ所を訪れただけで満願したと思うのは個人次第ではないかと私は考えているのであるが・・・。

ハルの待ち時間を利用して那谷寺を見学し先を急ぐ。難読地名のひとつである動橋(いぶりはし)局は駅の前にあった。今では普通列車しか止まらない無人駅であるが、その昔は加賀温泉郷の玄関口として特急停車駅のひとつであった。今では加賀温泉駅が玄関口となり、駅前には郵便局しかない閑散とした景色が広がっている。しかし地元有志の手によって動橋駅の歴史が旧窓口付近に掲げられており、清掃も行き届いていることにちょっと嬉しくなった私であった。

続いて到着した片山津局。言わずと知れた温泉地ではあるが、各地の温泉地同様廃業旅館等廃れ感が漂っている。月津,佐美簡易を済ませて御幸局へと向かう。ATMホリデーサービス実施店でありさぞかし大きな場所だと思いきや、まさかのスーパー内にある局であった。そして粟津駅前局は粟津駅チカであるが、やはり加賀温泉駅に拠点を奪われたことで賑わいはない。そして矢田野局を経て粟津温泉街手前の粟津郵便局と巡って行く。木場潟近くの木場簡易局から再び逆方向へと進み瀬領・金野と一部行程を変更したルートを走って行く。ここに来てハルがトイレとほざき出し、仕方なしにファミリーマート小松千木野店に立ち寄ることにした。一局でも済ませておこうと考えるドライバーは拍子抜けする。結局残り小松軽海・中海局と小松市の南側エリアを回ったところでタイムアウト。一日目は31局の実績で終わった。

実は本日もう1局回る筈であった。イオンモール新小松内郵便局がそれだが、最近ショッピングモールに入っている郵便局は開店が10:00からということもあり、17:00迄は貯金窓口が開いているところが増えている。それを見越しての訪問だったが、到着してまさかの16:00閉店と言うことを知る。このあたりは個別の局別HPには〝時短営業中〟としか書かれていない。こちらの局で知ったことだが石川県内全ての郵便局に於いて貯金窓口が10:00開店16:00閉店となっているそうだ。このことを知らず予定を組んでいたために計画が狂ってしまった。まぁイオンモール新小松内局はリカバーが可能だが、一時間遅れのスタートで回るために後半回る予定だったところは諦めねばならない。また実績を上げるには回り方も変わってしまう。予定の組み直しにはパソコンが欲しいがどうなるかわからない。しかし悩んでも始まらないので先へと進む。そう言えば給油ランプが点灯したことを思い出し、付近の格安スタンドを探してみた。キグナス石油セルフ今江SSが抽出されたので立ち寄るが、LINE会員になると10円引きと書いてあるため早速試す。結果111円/Lとなった(驚)。恐るべしキグナス石油!

とイストくんを満腹にさせ、ホテルへと向かう途中にザ・ダイソー&アオヤマ小松店に立ち寄る。宿泊用グッズを丸ごと忘れたためにその調達をする。あまり品揃えも豊富とは言えないために用件を済ませれば即出発する。10分少々で本日の宿である小松グリーンホテルに到着した。

今回の宿泊先は間際まで決まらなかった。というのもハルが温泉宿を主張するが、加賀温泉郷だと翌日目的地までの空走距離が増えてしまう。郵便局が10:00開店だということを知っていれば問題ではないが、出発前にはそんなことは知らなかった。小松辺りまでは回れるとすれば、山中温泉に宿泊すればそれなりの時間はかかってしまう。結局小松のビジホで良いと妥協させるが、まぁ温泉位はあっても良いかと考え、値段も安かった小松グリーンホテルを選んだ次第である。敢えてヤフートラベル経由の一休.comで手配したのは割引率の高さから。一泊二食付きツインルームで10,716円。一人当たり5,358円は超格安宿レベル!建物の古さは否めないが食べて寝るだけならば十分だ。おまけに天然温泉も引かれている。正しく私好みの宿だった(笑)。前払いで宿泊代金を精算し、4階430号室が本日の寝床になった。ベッドにはスタッフからのメッセージカードと折り鶴が置かれていた。心配りを感じる宿であると改めて感じた。

夕食は一階のレストランで頂く。海鮮亭陣笠は外部に食事も提供しているが、このコロナ禍で定員42名のところ18名までと規制されている。業務宿泊が多いホテルゆえお昼時は分からないが朝夕は不可能ではないかと思えてしまう。2人掛けのテーブルは1人使用、4人掛けは衝立を挟んで斜めに2名での利用となっていた。ここまで制約があるにも関わらず食事提供をして貰えることにありがたみを感じてしまう。連れと話をするにも・・・というのは身勝手であろう。そんな中で出された夕食のセットメニューは中々のもの。宿泊代金の安さを踏まえるとコスパの高過ぎるホテルである。

お腹も膨れ部屋に戻り先ずはハルに風呂に行かせる。その間に明日の予定を見直そうと考えたが、Googleのマイマップはスマホで開けないために、地図にプロットしながら順序を決めなければならず効率が悪い。風呂を終えたハルが帰ってきたが、ロビーに共用のパソコンがあることを聞いてきた。試しに使ってみるが固まりながらも既訪局・未訪問局の区分けができたので、そこから明日の行程を組み直した。どこまで回れるかまでは未定だが、なんとか最低限の曲巡りができそうで安心する。そしてこちらではExcelを利用した表のプリントアウト迄無料で利用できるため、即興で作成した時間取りまでもが手に入った。ビジネスユースもできるホテルはやはり便利だと改めて感じた。

その後飲み物を購入するために近くのファミリーマート新小松インター店に向かう。念のため鍵は持って行ったが、コーラを飲みながら一服していると、よく分からない虫が大発生しており服の中に入ってくる。咬まれることはないように思うが、足の部分で皮膚を引っ掻かれると結構痛い。ちなみに私は虫は大の苦手であり触ることができない。その上アンダーシャツの上で動き回る虫の感触はなんとも言えない感触だ。とてもじゃないが一服する気分も失せホテルへと戻る。客室に入るや否やシャツを脱ぎ虫を叩く。一匹だと思っていたら実は2匹いたようだ。一匹はティッシュで包んでトイレ行きにしたが、もう1匹はハルによって踏み殺されたようだ。

虫騒動も一段落し大浴場に向かう。貴重品は持って行かないので部屋の鍵も置いて行くが実はこのことはやりたくないのが私の本音である。今まで同じことで何度も締め出されているからだ。いつもよりは早めの時間だったので大丈夫かと思いきややはり甘かった。温泉に浸かり綺麗さっぱりして部屋に戻るとやはり寝ている。1日ハンドルを握り続けたのは私である。それがこんな目にあって良いのかと常々思うが仕方がない。ケータイを鳴らしっぱなしにしてノックを続けること数分でやっと鍵が開く。疲れがどっと出てくる一瞬は毎回変わることはない・・・。

部屋に入るとさすがに眠い。スマホナビに取り敢えず行き先を投入して出発時間を算出しベッドに横になる。勝負は10:00から16:00迄の6時間である。自短営業を知らなかったのは不覚であったが今更言っても仕方がない。明日も一日中走るだけである。そんな思いを持ちつつ眠りにつく。明日は明日の風が吹くと信じて・・・zzz。

   《翌日に続く》

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
5.0
グルメ
5.0
ショッピング
5.0
交通
5.0
同行者
家族旅行
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
自家用車 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
利用旅行会社
Yahoo!トラベル
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