白山・白峰温泉・一里野温泉旅行記(ブログ) 一覧に戻る
ChapⅢ,32nd 2days driving of visit to P.O. in KAGA,without sightseeing.<br /><br />コロナ禍の影響で例年にない外出自粛要請が出された。そんな令和2(2020)年に於いて〝罹患者が出た〟と言われたのは2月の半ばのことだったと記憶している。クルーズ船の乗客であれば、一般人には無関係だと思われていた時期に於いて私達も例に漏れず期限を迎えるマイル消化の意味を込めて第31回目の郵便局巡りの旅として〝佐渡島〟を目的地として選び行ってきた。その後の展開は言うまでもない。<br /><br />県境を越える移動が一応認められ、計画を立てるに時間がかからない場所を巡る位しかできなかったのがここ数日のことであり、ハルを巻き込んで福井・石川の郵便局巡りの旅第32弾を遂行することとなった。訪れるエリアによって回ることができる局数は大きく異なるが、今回に限って言えば福井県あわら市の1局、加賀市の17局、小松市27局の計45局がハルの中ではリストアップされていたようだ。この辺りはエリアで括るハルに対し、私は通り道で臨局を結びつけるため〝ハルノート〟以外にも能美市10局、白山市22局をリストアップしておいた。実はここで〝お見合い〟で1局が漏れてしまった。旧能美郡が能美市になった時に全ての町が合併したと思っていたのだが、実は川北町が能美郡に残ったまま現在に至っていた。エリアでリストアップしているハルなら分かったことなのだが、能美市のリストは私が作成したものであった。そんな経緯から川北郵便局を回り損ねてしまった。ただ白山市のうち6局を回ることができたために、実績としてはあわら市1局・加賀市17局・小松市27局・能美市10局・白山市6局の計61局であった。今までの実績を見ると2日間では最も訪問局数が多い記録となった今回の旅路だが、日御子郵便局でタイムアウトとなり、時間の柵を受けることは無くなった。せっかく白山の麓まで来ているのだから適当に散策しながら帰ろうと思う。取り敢えずひと息つくために立ち寄ったシメノドラッグ鶴来店かの帰り道である最終章を始めることにする。さあどのようにして無事帰って行ったのであろうか…?<br /><br />【令和2(2020)年6月23日火曜日-後編】<br />時間の柵から解き放たれ、シメノドラッグ鶴来店で一息つく。せっかくここまで来たのなら…ということで白山市の名前の由来にもなっている白山比咩神社に立ち寄ることにする。〝しろやまひめじんじゃ〟というのが正式名称らしい加賀一之宮白山比咩神社、白山山頂の御前峰に鎮座する奥宮に対し〝下白山〟〝白山本宮〟と呼ばれているが、一般の観光客が言う〝白山さん〟はこちらの場所を指す。<br /><br />北参道に車を停め参拝する。歩くことを渋るハルに対し〝自由参拝〟を告げて行く。最初に潜った鳥居や付近の狛犬様を含めて新しいものになっている。どうやら信者の寄付によるもののようだ。社号標は育った木々に隠れて見えなくなっている。霊峰白山からの伏流水が汲める〝白山霊水水汲場〟。有名処ではあるが〝生水〟のため、飲用には煮沸してからと書かれてあった。気づかなかった私は少量口にしたがお腹は壊さなかったので、多量に飲み過ぎない限りは大丈夫のようである。そしてやはりその水を用いた手水屋がある。やはり霊水だけあって厳かな雰囲気が漂っている。〝風かをる 越しの白嶺を 国の華〟と白山の素晴らしさを詠んだのは奥の細道途次の松尾芭蕉。人工的な建物がなかった当時は、今以上に白山のきれいな姿が望めただろうと思う。神門を潜り幣拝殿へと向かう。本殿へは通常では行くことができないと書かれているためにこちらで参拝をする。その隣には御神木の三本杉が植えられている。これは石川県で行われた植樹祭の折昭和天皇がまかれた〝スギの種〟を採取したスギの苗木を植えたものである。どれ位でこの高さまで育つのであろうか…と思いつつ歩いて行く。神馬社には御祭神菊理媛尊を霊峰白山頂上まで運んだ〝神馬〟が祀られている。この派手に飾った神馬を乗りこなす菊理媛尊とはどんな神だったのか知りたくなるのは私の悪い癖だ。荒御前神社は三韓征伐の際の守り神として崇めた後に赴いた神功皇后がお腹に誉田別尊(後の応神天皇)を宿したまま戦って勝利した逸話から、どんな苦境にも勝つ(且つ)ご利益があるとされている。盤持石・陸軍省の戦勝品奉納碑は、そんな逸話に肖っての物だろうと思えるものであった。幾多の〝守り神〟に関する奉納品が並び、白山奥宮遥拝所へと至る。大汝峰・御前峰・別山という〝白山三山〟を模した大岩が祀られているこの場所は、易々とは行くことができない白山奥宮を拝むために設けられたものである。境内一番奥にある新しい社は禊社・禊場となっており、平成18(2006)年にできた新しい社のようだ。ここでは〝禊体験〟ができると書かれてあった。煩悩の塊を自称する私にはもってこいの場所ではあるがやめておいた方が良いと神様のお告げがあった。〝お前のような煩悩の多さでは、禊により体が溶けてしまうであろう〟と。ヘタレの性格とお告げの内容がもっともだと思った私はある意味信心深くなり〝やめておこう〟…と判断した場所でもあった。<br /><br />この禊社・禊場の頂上付近には境内末社のひとつ住吉社がある。住吉三神を祀る社は禊払いの神であることは初めて知った。<br /><br />そろそろ車へと戻ることにする。参集殿はお祓いや結婚式などが行える場所として利用されているもののようだ。参の鳥居前にある大ケヤキは樹齢1,000年と言われ、平安時代の白山信仰のために訪れた多くの旅人を見てきた比咩神社の〝生き証人〟のひとつだという風格を呈して静かに佇んでいる。境外社にあたる河濯尊大権現堂は〝カハスソンサマ〟を祀るという。伝泰澄大師作の石仏が納められ病魔退散の御利益神と云うそうだ。ただ特に〝下半身の諸病を救う〟とはどう解釈して良いのかはわからない。<br /><br />駆け足ではあったが白山比咩神社を参拝できた。北参道駐車場には自転車で来る方用の〝サイクルラック〟も設けられている。ここまで自転車で来る自信は毛頭ない私ではあるが。その前には白山市の観光マップが建てられている。白山市とは響の良い名前であるとは思うもののなんせ広過ぎる…。石川県随一の広さを持った上に険しい山岳部分も含まれている。観光マップを眺めただけでため息をついてしまった私であった。<br /><br />喉が渇いたのでお土産物屋のくろゆりの里に立ち寄った。ただ既に閉館している様子であった。灰皿は置かれていたのでペットのジュースを購入し一服する。閉山時間が決まっている神社仏閣だとだいたいの時間はわかるのであるが、入山が24時間だというと予測がつかないのが難点だ。1時間ちょっとかけて私は参拝してきたが、ハルは入口付近だけしか言っていないと見え既に車に戻っている。この後は帰るだけだが私にはひとつ企みがあった。今いるのは白山市鶴来であるが、ここから国道157号線を南下し福井県大野へと向かうルートを取る。<br /><br />福井県の郵便局は全て訪問済みとなっている。また今回の行程で回り切れなかった旧河内村の河内局、鳥越村の別宮局+1、吉野谷村の吉野局、尾口村の尾口局+1、白峰村の白峰局の〝局舎だけ〟を来た記録としてカメラに収めたいのであった。多分そう簡単に来られる場所でもないと感じたので…。<br /><br />先ずは河内郵便局、別に特徴はない局舎のようだ。次いで別宮局、山小屋風の建物はやはり白山に肖っての物だろうと思うが、界隈の郵便局では唯一国道沿いにはなく少し奥まった集落内にある。吉野局はコンビニチック、便利さを出しているのかも知れない。尾口局もやはり特徴ある建物になっている。ただこの尾口村というのは石川県イチ人口の少なかった村だったようだ。利用者はどうなんだろうかと少し心配になった。最後に訪れたのは白峰局。旧白峰村に属する局は期間営業の白山山頂郵便局があるが、貯金は預かっていないことを理由に行かないことにしておこう(笑)。<br /><br />ちなみに今回立ち寄った局の外に旧鳥越村に鳥越簡易郵便局、尾口村には尾添(おぞう)簡易郵便局というのがあるようだ。しかし前者は一時閉鎖中、後者は契約解除となっており、利用することはできない。運営が厳しい簡易局に於いて郵政省だった頃はともかく、民営化は死活問題だろう。この辺りのことは過疎問題のひとつとして国や都道府県で論議することが必要だと私は思う。<br /><br />間もなく19:00となりナビを自宅にセットする。国道157号線を走り石川県から福井県勝山市に入る。ここからは中部循環自動車道を勝山ICから利用するものだと思いきや、ナビは旧道にあたる国道416号線を走れという。土地勘がないのでナビに従うが、どうやらこの区間が開通していなかった頃の地図が反映されたようだ。結局上志比ICから中部循環自動車道に入り、松岡ICで下りることにする。専用区間はそれなりに飛ばせるがナビの様子とは異なっている部分があり注意が必要である。松岡ICで下りたのは、次の福井北ICではそのまま北陸自動車道に入ってしまうためである。後はナビの勧めるまま走りファミリーマート福井神保町店に立ち寄ってひと息つく。山道を中心に約50km走ってきたことになる。出発するが食事のことが話題になる。私的にはお腹が減ったのでなんでも良いのだが、ここはハルに任すことにする。それで出てきた言葉が〝ビックリドンキー〟。こんなところにあるのかと思いきや、近くにあることを知る。10分もかからず到着できたのはラッキーだった。<br /><br />福井市開発、何か以前に聞いたことがある。勿論福井市内の郵便局巡りをすましている方当たり前なのだがそれ以外にも…と思えば場所を見てすぐにわかった。滋賀県でお馴染みの平和堂〝フレンドマート開発店〟の敷地内だ。確かフレンドタウン福井って言っていたような気がする。ドンピシャだ。<br /><br />その一角にびっくりドンキーがあった。建物は万国共通、入場の仕方も然りだった。案内されたテーブル席には衝立は置いていなかった。あまり深く考えていないのかな~とも思ったが、テーブル間の隙間にはしっかりとビニールシートが張られていた。まあ一般の飲食店ではこの程度で良いのではないかと思う。いつもならバーグディッシュというところだが、お腹が空いていたこともあり初バーグステーキをオーダーする。チーズバーグステーキ300gと和風セット+久しぶりにメロンソーダーが本日のメニューとなった。ハルも真似してエッグバーグステーキ150g和風セット+ノンアルときた。ドライブ時の食事は〝アルコール〟を頼むかどうかが社会問題にもなっている。ハルはノンアルを注文したが元々あまり飲まない人だ。でも気分はビールなのかも知れないが、私の前では酒を含めてど~ぞ…なのである。私は下戸である。だからアルコールも飲まないというより飲めない。付け加えれば味覚はおこちゃまレベルなのでノンアルも嫌い。つまりall of OK!なのであった。<br /><br />ただ出てきたお料理のボリュームを見てびっくり。こんなに多かったかな…と思いつつ食べまくる。品はなかったろうが残さず食べられるように思ったのでそうなった。結果はなんとか完食。時間がかかりながらもハルも完食、調子に乗るものじゃないな~と改めて感じた夕食であった。<br /><br />ひとつこのお店で思ったことは、長居をさせないように心掛けていることだ。そこそこの客がいる中ではテーブルを片付けるのは後回しになることが多い。そんな中で食事が終わるとすぐにお皿を下げに来ることだった。記録を見ても目を白黒させながら完食したにもかかわらず滞在時間は1時間程となっている。食べ終わったら出て行ってもらうことによって〝密〟を避けることはできると思う。従業員不足のファミレス系では決して楽なことではないが、それを実行していることに店としての心がけを感じた。<br /><br />お腹も膨れ帰り道を急ぐ。いつもならば1時間刻みで休憩を入れながら走って行くが、今回に限っては一定のペースで走って行く。福井市内を出て道の駅・コンビニもすっ飛ばしながら敦賀を経て滋賀県高島市へと入る。道の駅マキノ逢坂峠に到着するまでは1時間40分、81.2kmをノンストップで走った。ひと息ついたらまた走る訳だがここからもバイパスが完備している区間が多いこともあり、テンポよく走って行く。陽が出ているならば琵琶湖の美しい景色が広がっている区間でもあるが、私が通るときはいつも夜、なので脇見をすることもない。40分強で湖西道路和迩和邇ICに付属する道の駅妹子の郷へと立ち寄った。ここは京都方面に向かう最後のパーキングエリアの意味合いもあり、24時間営業のローソンがあり利用客も多かったのだが、コンビニ従業員の減少とコロナの影響があり、当面の間6:00~23:00となっている。また道の駅妹子の郷といえば~と私が勝手に思っている〝Welcome to SHIGA,IMOKONOSATO〟の看板ロゴであるが、いつも西暦とシーズンが書かれているにも拘らず、今回見たものは西暦のみ2020と入っていただけだった。たわいもないことだが、これをカメラに収めると間もなく自宅に着くんだな…と感じている私にとっては寂しい限りであった。最終経由地を出発し、藤尾南ランプを経て国道1号線に入ると大津の市街地を掠めて走る。カンで入った迂回路が間違いだったようで少し回り道をしたものの無事自宅に辿り着いた。道の駅を出たときに既に日が変わっていたが1泊3日に渡る石川・ちょっと福井も入った郵便局巡りの旅第32回は今回も無事に終わった。これから外出する頻度や距離が増えては行くと思うのだが、予定を組む時間がまともに取ることができるかどうかという心配を残した今回の旅路であった。<br /><br />最後に一言だけ残しておきたい。我が家にやって来てから13年、主にハルのお供をしてきた〝istクン〟が今回の長丁場を持って引退する。ぶつけたこともあり外観は結構傷んではいたが、良く走ってくれる相棒だった。13万キロ以上走ってくれたイストくん、ありがとう、そしてお疲れさま!<br /><br />《おしまい》

ChapⅢ,32nd 2days driving of visit to P.O. in KAGA,without sightseeing.

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2020/06/23 - 2020/06/24

34位(同エリア199件中)

たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。

たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん

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ChapⅢ,32nd 2days driving of visit to P.O. in KAGA,without sightseeing.

コロナ禍の影響で例年にない外出自粛要請が出された。そんな令和2(2020)年に於いて〝罹患者が出た〟と言われたのは2月の半ばのことだったと記憶している。クルーズ船の乗客であれば、一般人には無関係だと思われていた時期に於いて私達も例に漏れず期限を迎えるマイル消化の意味を込めて第31回目の郵便局巡りの旅として〝佐渡島〟を目的地として選び行ってきた。その後の展開は言うまでもない。

県境を越える移動が一応認められ、計画を立てるに時間がかからない場所を巡る位しかできなかったのがここ数日のことであり、ハルを巻き込んで福井・石川の郵便局巡りの旅第32弾を遂行することとなった。訪れるエリアによって回ることができる局数は大きく異なるが、今回に限って言えば福井県あわら市の1局、加賀市の17局、小松市27局の計45局がハルの中ではリストアップされていたようだ。この辺りはエリアで括るハルに対し、私は通り道で臨局を結びつけるため〝ハルノート〟以外にも能美市10局、白山市22局をリストアップしておいた。実はここで〝お見合い〟で1局が漏れてしまった。旧能美郡が能美市になった時に全ての町が合併したと思っていたのだが、実は川北町が能美郡に残ったまま現在に至っていた。エリアでリストアップしているハルなら分かったことなのだが、能美市のリストは私が作成したものであった。そんな経緯から川北郵便局を回り損ねてしまった。ただ白山市のうち6局を回ることができたために、実績としてはあわら市1局・加賀市17局・小松市27局・能美市10局・白山市6局の計61局であった。今までの実績を見ると2日間では最も訪問局数が多い記録となった今回の旅路だが、日御子郵便局でタイムアウトとなり、時間の柵を受けることは無くなった。せっかく白山の麓まで来ているのだから適当に散策しながら帰ろうと思う。取り敢えずひと息つくために立ち寄ったシメノドラッグ鶴来店かの帰り道である最終章を始めることにする。さあどのようにして無事帰って行ったのであろうか…?

【令和2(2020)年6月23日火曜日-後編】
時間の柵から解き放たれ、シメノドラッグ鶴来店で一息つく。せっかくここまで来たのなら…ということで白山市の名前の由来にもなっている白山比咩神社に立ち寄ることにする。〝しろやまひめじんじゃ〟というのが正式名称らしい加賀一之宮白山比咩神社、白山山頂の御前峰に鎮座する奥宮に対し〝下白山〟〝白山本宮〟と呼ばれているが、一般の観光客が言う〝白山さん〟はこちらの場所を指す。

北参道に車を停め参拝する。歩くことを渋るハルに対し〝自由参拝〟を告げて行く。最初に潜った鳥居や付近の狛犬様を含めて新しいものになっている。どうやら信者の寄付によるもののようだ。社号標は育った木々に隠れて見えなくなっている。霊峰白山からの伏流水が汲める〝白山霊水水汲場〟。有名処ではあるが〝生水〟のため、飲用には煮沸してからと書かれてあった。気づかなかった私は少量口にしたがお腹は壊さなかったので、多量に飲み過ぎない限りは大丈夫のようである。そしてやはりその水を用いた手水屋がある。やはり霊水だけあって厳かな雰囲気が漂っている。〝風かをる 越しの白嶺を 国の華〟と白山の素晴らしさを詠んだのは奥の細道途次の松尾芭蕉。人工的な建物がなかった当時は、今以上に白山のきれいな姿が望めただろうと思う。神門を潜り幣拝殿へと向かう。本殿へは通常では行くことができないと書かれているためにこちらで参拝をする。その隣には御神木の三本杉が植えられている。これは石川県で行われた植樹祭の折昭和天皇がまかれた〝スギの種〟を採取したスギの苗木を植えたものである。どれ位でこの高さまで育つのであろうか…と思いつつ歩いて行く。神馬社には御祭神菊理媛尊を霊峰白山頂上まで運んだ〝神馬〟が祀られている。この派手に飾った神馬を乗りこなす菊理媛尊とはどんな神だったのか知りたくなるのは私の悪い癖だ。荒御前神社は三韓征伐の際の守り神として崇めた後に赴いた神功皇后がお腹に誉田別尊(後の応神天皇)を宿したまま戦って勝利した逸話から、どんな苦境にも勝つ(且つ)ご利益があるとされている。盤持石・陸軍省の戦勝品奉納碑は、そんな逸話に肖っての物だろうと思えるものであった。幾多の〝守り神〟に関する奉納品が並び、白山奥宮遥拝所へと至る。大汝峰・御前峰・別山という〝白山三山〟を模した大岩が祀られているこの場所は、易々とは行くことができない白山奥宮を拝むために設けられたものである。境内一番奥にある新しい社は禊社・禊場となっており、平成18(2006)年にできた新しい社のようだ。ここでは〝禊体験〟ができると書かれてあった。煩悩の塊を自称する私にはもってこいの場所ではあるがやめておいた方が良いと神様のお告げがあった。〝お前のような煩悩の多さでは、禊により体が溶けてしまうであろう〟と。ヘタレの性格とお告げの内容がもっともだと思った私はある意味信心深くなり〝やめておこう〟…と判断した場所でもあった。

この禊社・禊場の頂上付近には境内末社のひとつ住吉社がある。住吉三神を祀る社は禊払いの神であることは初めて知った。

そろそろ車へと戻ることにする。参集殿はお祓いや結婚式などが行える場所として利用されているもののようだ。参の鳥居前にある大ケヤキは樹齢1,000年と言われ、平安時代の白山信仰のために訪れた多くの旅人を見てきた比咩神社の〝生き証人〟のひとつだという風格を呈して静かに佇んでいる。境外社にあたる河濯尊大権現堂は〝カハスソンサマ〟を祀るという。伝泰澄大師作の石仏が納められ病魔退散の御利益神と云うそうだ。ただ特に〝下半身の諸病を救う〟とはどう解釈して良いのかはわからない。

駆け足ではあったが白山比咩神社を参拝できた。北参道駐車場には自転車で来る方用の〝サイクルラック〟も設けられている。ここまで自転車で来る自信は毛頭ない私ではあるが。その前には白山市の観光マップが建てられている。白山市とは響の良い名前であるとは思うもののなんせ広過ぎる…。石川県随一の広さを持った上に険しい山岳部分も含まれている。観光マップを眺めただけでため息をついてしまった私であった。

喉が渇いたのでお土産物屋のくろゆりの里に立ち寄った。ただ既に閉館している様子であった。灰皿は置かれていたのでペットのジュースを購入し一服する。閉山時間が決まっている神社仏閣だとだいたいの時間はわかるのであるが、入山が24時間だというと予測がつかないのが難点だ。1時間ちょっとかけて私は参拝してきたが、ハルは入口付近だけしか言っていないと見え既に車に戻っている。この後は帰るだけだが私にはひとつ企みがあった。今いるのは白山市鶴来であるが、ここから国道157号線を南下し福井県大野へと向かうルートを取る。

福井県の郵便局は全て訪問済みとなっている。また今回の行程で回り切れなかった旧河内村の河内局、鳥越村の別宮局+1、吉野谷村の吉野局、尾口村の尾口局+1、白峰村の白峰局の〝局舎だけ〟を来た記録としてカメラに収めたいのであった。多分そう簡単に来られる場所でもないと感じたので…。

先ずは河内郵便局、別に特徴はない局舎のようだ。次いで別宮局、山小屋風の建物はやはり白山に肖っての物だろうと思うが、界隈の郵便局では唯一国道沿いにはなく少し奥まった集落内にある。吉野局はコンビニチック、便利さを出しているのかも知れない。尾口局もやはり特徴ある建物になっている。ただこの尾口村というのは石川県イチ人口の少なかった村だったようだ。利用者はどうなんだろうかと少し心配になった。最後に訪れたのは白峰局。旧白峰村に属する局は期間営業の白山山頂郵便局があるが、貯金は預かっていないことを理由に行かないことにしておこう(笑)。

ちなみに今回立ち寄った局の外に旧鳥越村に鳥越簡易郵便局、尾口村には尾添(おぞう)簡易郵便局というのがあるようだ。しかし前者は一時閉鎖中、後者は契約解除となっており、利用することはできない。運営が厳しい簡易局に於いて郵政省だった頃はともかく、民営化は死活問題だろう。この辺りのことは過疎問題のひとつとして国や都道府県で論議することが必要だと私は思う。

間もなく19:00となりナビを自宅にセットする。国道157号線を走り石川県から福井県勝山市に入る。ここからは中部循環自動車道を勝山ICから利用するものだと思いきや、ナビは旧道にあたる国道416号線を走れという。土地勘がないのでナビに従うが、どうやらこの区間が開通していなかった頃の地図が反映されたようだ。結局上志比ICから中部循環自動車道に入り、松岡ICで下りることにする。専用区間はそれなりに飛ばせるがナビの様子とは異なっている部分があり注意が必要である。松岡ICで下りたのは、次の福井北ICではそのまま北陸自動車道に入ってしまうためである。後はナビの勧めるまま走りファミリーマート福井神保町店に立ち寄ってひと息つく。山道を中心に約50km走ってきたことになる。出発するが食事のことが話題になる。私的にはお腹が減ったのでなんでも良いのだが、ここはハルに任すことにする。それで出てきた言葉が〝ビックリドンキー〟。こんなところにあるのかと思いきや、近くにあることを知る。10分もかからず到着できたのはラッキーだった。

福井市開発、何か以前に聞いたことがある。勿論福井市内の郵便局巡りをすましている方当たり前なのだがそれ以外にも…と思えば場所を見てすぐにわかった。滋賀県でお馴染みの平和堂〝フレンドマート開発店〟の敷地内だ。確かフレンドタウン福井って言っていたような気がする。ドンピシャだ。

その一角にびっくりドンキーがあった。建物は万国共通、入場の仕方も然りだった。案内されたテーブル席には衝立は置いていなかった。あまり深く考えていないのかな~とも思ったが、テーブル間の隙間にはしっかりとビニールシートが張られていた。まあ一般の飲食店ではこの程度で良いのではないかと思う。いつもならバーグディッシュというところだが、お腹が空いていたこともあり初バーグステーキをオーダーする。チーズバーグステーキ300gと和風セット+久しぶりにメロンソーダーが本日のメニューとなった。ハルも真似してエッグバーグステーキ150g和風セット+ノンアルときた。ドライブ時の食事は〝アルコール〟を頼むかどうかが社会問題にもなっている。ハルはノンアルを注文したが元々あまり飲まない人だ。でも気分はビールなのかも知れないが、私の前では酒を含めてど~ぞ…なのである。私は下戸である。だからアルコールも飲まないというより飲めない。付け加えれば味覚はおこちゃまレベルなのでノンアルも嫌い。つまりall of OK!なのであった。

ただ出てきたお料理のボリュームを見てびっくり。こんなに多かったかな…と思いつつ食べまくる。品はなかったろうが残さず食べられるように思ったのでそうなった。結果はなんとか完食。時間がかかりながらもハルも完食、調子に乗るものじゃないな~と改めて感じた夕食であった。

ひとつこのお店で思ったことは、長居をさせないように心掛けていることだ。そこそこの客がいる中ではテーブルを片付けるのは後回しになることが多い。そんな中で食事が終わるとすぐにお皿を下げに来ることだった。記録を見ても目を白黒させながら完食したにもかかわらず滞在時間は1時間程となっている。食べ終わったら出て行ってもらうことによって〝密〟を避けることはできると思う。従業員不足のファミレス系では決して楽なことではないが、それを実行していることに店としての心がけを感じた。

お腹も膨れ帰り道を急ぐ。いつもならば1時間刻みで休憩を入れながら走って行くが、今回に限っては一定のペースで走って行く。福井市内を出て道の駅・コンビニもすっ飛ばしながら敦賀を経て滋賀県高島市へと入る。道の駅マキノ逢坂峠に到着するまでは1時間40分、81.2kmをノンストップで走った。ひと息ついたらまた走る訳だがここからもバイパスが完備している区間が多いこともあり、テンポよく走って行く。陽が出ているならば琵琶湖の美しい景色が広がっている区間でもあるが、私が通るときはいつも夜、なので脇見をすることもない。40分強で湖西道路和迩和邇ICに付属する道の駅妹子の郷へと立ち寄った。ここは京都方面に向かう最後のパーキングエリアの意味合いもあり、24時間営業のローソンがあり利用客も多かったのだが、コンビニ従業員の減少とコロナの影響があり、当面の間6:00~23:00となっている。また道の駅妹子の郷といえば~と私が勝手に思っている〝Welcome to SHIGA,IMOKONOSATO〟の看板ロゴであるが、いつも西暦とシーズンが書かれているにも拘らず、今回見たものは西暦のみ2020と入っていただけだった。たわいもないことだが、これをカメラに収めると間もなく自宅に着くんだな…と感じている私にとっては寂しい限りであった。最終経由地を出発し、藤尾南ランプを経て国道1号線に入ると大津の市街地を掠めて走る。カンで入った迂回路が間違いだったようで少し回り道をしたものの無事自宅に辿り着いた。道の駅を出たときに既に日が変わっていたが1泊3日に渡る石川・ちょっと福井も入った郵便局巡りの旅第32回は今回も無事に終わった。これから外出する頻度や距離が増えては行くと思うのだが、予定を組む時間がまともに取ることができるかどうかという心配を残した今回の旅路であった。

最後に一言だけ残しておきたい。我が家にやって来てから13年、主にハルのお供をしてきた〝istクン〟が今回の長丁場を持って引退する。ぶつけたこともあり外観は結構傷んではいたが、良く走ってくれる相棒だった。13万キロ以上走ってくれたイストくん、ありがとう、そしてお疲れさま!

《おしまい》

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
グルメ
5.0
ショッピング
5.0
交通
5.0
同行者
家族旅行
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
自家用車 徒歩

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この旅行記へのコメント (1)

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  • Mauricioさん 2022/07/10 09:51:42
    交際中に行ったら絶対に別れるジンクス付きの神社
    たかティムさん
    ここは交際中には絶対に行ってはいけない場所です。
    と言いながら行ったんですがね。笑
    お相手さんから絶対100%と言われたけど強引に行って、別れました。
    ということで、別れたいと思ってるなら是非行くことをお勧めします。
    と言ったら罰が当たるかな?

たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さんのトラベラーページ

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