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メディチ家の新旧二つの住居「ピッティ宮殿」と「メディチリッカルデイ宮殿」を訪れました。広大なボーボリ庭園と名画に溢れたパラティーナ美術館を抱えるピッティ宮殿、メディチ家の人々が描かれた美しいフレスコ画のあるメディチリッカルディ宮、どちらも素晴らしかったです。メディチ家の菩提寺「サン・ロレンツィオ教会」にも行きました。<br /><br />※ ※ ※ ※ ※ ※ ※<br /><br /><br />一年後(2020年)に念願の自転車店を開業する予定で、二人同時に早期退職した58歳夫婦が心機一転する為に、パリ8泊フィレンツェ10泊の旅に出た記録のフィレンツェ編です。<br />二人ともパリは初めて、フィレンツェは夫は新婚旅行以来、私は娘との旅行を含めて4回目になります。<br />フィレンツェは同じ所に何度も行ったり、半日買い物にあてたりで、時系列に書いても面白くありませんのでピンポイントで書いていきます。<br /><br />その他の記事はこちらです。<br /><br />フィレンツェ編1【6回目のウフィツィ美術館】https://4travel.jp/travelogue/11623279<br /><br />フィレンツェ編2【自転車でオリーブの丘を走りフィエゾレへ】https://4travel.jp/travelogue/11624471?preview=true<br /><br />フィレンツェ編3【サント・スピリト広場の蚤の市&街で楽しいお買い物】https://4travel.jp/travelogue/11624679<br /><br />フィレンツェ編4【秘密の通路ツアーと見所いっぱいヴェッキオ宮殿】https://4travel.jp/travelogue/11624925<br /><br />フィレンツェ編5【大聖堂クーポラとジョット鐘楼の比較】https://4travel.jp/travelogue/11625564?preview=true<br /><br />フィレンツェ編7【今度はバスでフィエーゾレへ遠足】https://4travel.jp/travelogue/11626673?preview=true<br /><br />パリ編はこちらになります。<br />https://4travel.jp/travelogue/11568774<br /><br />      ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※<br /><br />おおまかな旅程は以下になります。<br /><br />10月25日 羽田発JAL45便でシャルルドゴール空港へ<br />★11月2日までパリのホテル34Bアストテルに滞在してパリ観光<br /><br />11月2日  エールフランス便でシャルルドゴール空港からフィレンツェへ<br />★11月12日までフィレンツェ、ルレ・ウフィツィに滞在してフィレンツェ観光<br /><br />11月12日 エールフランス便でシャルルドゴール空港に移動、JAL46便て13日羽田着。<br /><br />      ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

2019年 晩秋のパリ・フィレンツェ20日間 フィレンツェ編6【メディチ家の居城 ピッティ宮殿とメディチリッカルデイ宮殿】

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2019/11/03 - 2019/11/13

1247位(同エリア3770件中)

旅行記グループ 2019年パリ・フィレンツェ

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43

フェリーチェ

フェリーチェさん

メディチ家の新旧二つの住居「ピッティ宮殿」と「メディチリッカルデイ宮殿」を訪れました。広大なボーボリ庭園と名画に溢れたパラティーナ美術館を抱えるピッティ宮殿、メディチ家の人々が描かれた美しいフレスコ画のあるメディチリッカルディ宮、どちらも素晴らしかったです。メディチ家の菩提寺「サン・ロレンツィオ教会」にも行きました。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


一年後(2020年)に念願の自転車店を開業する予定で、二人同時に早期退職した58歳夫婦が心機一転する為に、パリ8泊フィレンツェ10泊の旅に出た記録のフィレンツェ編です。
二人ともパリは初めて、フィレンツェは夫は新婚旅行以来、私は娘との旅行を含めて4回目になります。
フィレンツェは同じ所に何度も行ったり、半日買い物にあてたりで、時系列に書いても面白くありませんのでピンポイントで書いていきます。

その他の記事はこちらです。

フィレンツェ編1【6回目のウフィツィ美術館】https://4travel.jp/travelogue/11623279

フィレンツェ編2【自転車でオリーブの丘を走りフィエゾレへ】https://4travel.jp/travelogue/11624471?preview=true

フィレンツェ編3【サント・スピリト広場の蚤の市&街で楽しいお買い物】https://4travel.jp/travelogue/11624679

フィレンツェ編4【秘密の通路ツアーと見所いっぱいヴェッキオ宮殿】https://4travel.jp/travelogue/11624925

フィレンツェ編5【大聖堂クーポラとジョット鐘楼の比較】https://4travel.jp/travelogue/11625564?preview=true

フィレンツェ編7【今度はバスでフィエーゾレへ遠足】https://4travel.jp/travelogue/11626673?preview=true

パリ編はこちらになります。
https://4travel.jp/travelogue/11568774

      ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

おおまかな旅程は以下になります。

10月25日 羽田発JAL45便でシャルルドゴール空港へ
★11月2日までパリのホテル34Bアストテルに滞在してパリ観光

11月2日  エールフランス便でシャルルドゴール空港からフィレンツェへ
★11月12日までフィレンツェ、ルレ・ウフィツィに滞在してフィレンツェ観光

11月12日 エールフランス便でシャルルドゴール空港に移動、JAL46便て13日羽田着。

      ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

旅行の満足度
5.0
同行者
カップル・夫婦
旅行の手配内容
個別手配

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  • ボンジョルノ!<br />ピッティ宮殿はウフィツィ美術館方向からアルノ川を渡って、少し行った所にあります。元々は銀行家であったピッティ家が建築したものを、後にメディチ家のコジモ1世が買い取りました。<br />ここには2つの美術館と4つの博物館、ボーボリ庭園が含まれています。とにかく広いので、一日で全部制覇するのは無理な位です。それにしても、いくらお金持ちでも個人で建ててしまうピッティ家、すごい!<br />

    ボンジョルノ!
    ピッティ宮殿はウフィツィ美術館方向からアルノ川を渡って、少し行った所にあります。元々は銀行家であったピッティ家が建築したものを、後にメディチ家のコジモ1世が買い取りました。
    ここには2つの美術館と4つの博物館、ボーボリ庭園が含まれています。とにかく広いので、一日で全部制覇するのは無理な位です。それにしても、いくらお金持ちでも個人で建ててしまうピッティ家、すごい!

    ピッティ宮殿 城・宮殿

  • 上の写真の右手の方にチケット売り場があります。中に入るとこうなっています。正面の入り口はボーボリ庭園へ通じています。左手からパラティーナ美術館へ。<br />前年に娘と来た時は迷って、パラティーナ美術館に行かずに出てきてしまいました。「あれ、ラファエロなかったねぇ?」と不思議に思い、もう一度入館しました。その時はフィレンツェ・カードを利用していて、本当は二度は入れないのですが、窓口の人に事情を話すと「いいよ、入っちゃいな」と特別に入れてくれました。<br />フィレンツェカードとは78か所の施設に72時間予約なしで、それぞれ1回優先的に入場できるフリーパスです。お値段85ユーロ。この時はウフィツィ美術館、アカデミア美術館も予約なしで優先レーンに並べば入れたのですが、現在は両方とも予約しないといけなくなりました。使い勝手は良かったですが、それなりにお値段がするので、スケジュールを考えて購入されると良いと思います。今回の旅では利用しませんでした。

    上の写真の右手の方にチケット売り場があります。中に入るとこうなっています。正面の入り口はボーボリ庭園へ通じています。左手からパラティーナ美術館へ。
    前年に娘と来た時は迷って、パラティーナ美術館に行かずに出てきてしまいました。「あれ、ラファエロなかったねぇ?」と不思議に思い、もう一度入館しました。その時はフィレンツェ・カードを利用していて、本当は二度は入れないのですが、窓口の人に事情を話すと「いいよ、入っちゃいな」と特別に入れてくれました。
    フィレンツェカードとは78か所の施設に72時間予約なしで、それぞれ1回優先的に入場できるフリーパスです。お値段85ユーロ。この時はウフィツィ美術館、アカデミア美術館も予約なしで優先レーンに並べば入れたのですが、現在は両方とも予約しないといけなくなりました。使い勝手は良かったですが、それなりにお値段がするので、スケジュールを考えて購入されると良いと思います。今回の旅では利用しませんでした。

  • まずボーボリ庭園へ。コジモ1世家族はヴェッキオ宮に住んでいましたが、妻のエレオノーラに庭が欲しいと言われて、ここを買い取ったとか。いや、庭ってレベルじゃないから。奥さんに言われてポーンと買っちゃうコジモ1世も、すごい。<br />この池は庭園の灌漑用に造られたもので、中央の像はネプチューンです。

    まずボーボリ庭園へ。コジモ1世家族はヴェッキオ宮に住んでいましたが、妻のエレオノーラに庭が欲しいと言われて、ここを買い取ったとか。いや、庭ってレベルじゃないから。奥さんに言われてポーンと買っちゃうコジモ1世も、すごい。
    この池は庭園の灌漑用に造られたもので、中央の像はネプチューンです。

    ボーボリ庭園 広場・公園

  • 庭園から宮殿を振り返ると、こんな噴水が見えます。通りからでは、まさか中がこんなすごい事になっているとは分かりません。

    庭園から宮殿を振り返ると、こんな噴水が見えます。通りからでは、まさか中がこんなすごい事になっているとは分かりません。

  • オベリスクもあります。このずっと奥まで庭園が続きます。雨模様なのが残念。

    オベリスクもあります。このずっと奥まで庭園が続きます。雨模様なのが残念。

  • こちらもクーポラと鐘楼の見えるビューポイントなのですが、緑の衝立が邪魔してます。

    こちらもクーポラと鐘楼の見えるビューポイントなのですが、緑の衝立が邪魔してます。

  • バッカス像と呼ばれる「亀に乗った小人モルガンテ」です。モルガンテは実際にコジモ1世に使えた人だそうです。これはレプリカで、本物は庭園内にあるカフェハウスに展示されています。<br /><br />なぜか皆様、同じポーズで写真を撮りたくなるのですよね~。それでは夫のマヌケな姿をどーぞ!

    バッカス像と呼ばれる「亀に乗った小人モルガンテ」です。モルガンテは実際にコジモ1世に使えた人だそうです。これはレプリカで、本物は庭園内にあるカフェハウスに展示されています。

    なぜか皆様、同じポーズで写真を撮りたくなるのですよね~。それでは夫のマヌケな姿をどーぞ!

  • 庭園の一角にある「ブォンタレンティの洞窟」(グロッタ・デル・ブォンタレンティ)<br />イタリア語で洞窟をグロッタと言うのですが、これが「グロテスク」の語源になりました。上部の装飾が言われてみればグロテスクです。<br />

    庭園の一角にある「ブォンタレンティの洞窟」(グロッタ・デル・ブォンタレンティ)
    イタリア語で洞窟をグロッタと言うのですが、これが「グロテスク」の語源になりました。上部の装飾が言われてみればグロテスクです。

  • 前年来た時は中に入れたのですが、今回は柵があって入れませんでした。奥に3部屋あって、結構広いです。ミケランジェロ作の彫像(レプリカ)があります。日本語でグロテスクと言うとあまり良い感じがしませんが、これはこれですごい感性だと思います。

    前年来た時は中に入れたのですが、今回は柵があって入れませんでした。奥に3部屋あって、結構広いです。ミケランジェロ作の彫像(レプリカ)があります。日本語でグロテスクと言うとあまり良い感じがしませんが、これはこれですごい感性だと思います。

  • 洞窟の横には小さな扉があります。映画「インフェルノ」では、こちらの扉からラングドン教授達が逃げていきました。ボーボリ庭園とウフィツィ美術館、ヴェッキオ宮はポンテヴェキオのを上を通る「ヴァザーリの回廊」という通路で繋がっていますが、実はここが終点です。洞窟はこの終点に人工的に造ったものです。<br /><br />本当はもっと先まで進みたかったのですが、生憎この後雨が強くなってしまい、諦めてパラティーナ美術館に移動しました。<br />庭園内には他にも洞窟や噴水が幾つもあり、糸杉の大通り、カフェハウスもあります。晴れた日なら半日以上かけても周る価値があります。特に春は花が咲き乱れて美しいでしょうね。なぜか秋にしか来ないので、今度は春に来たいな。

    洞窟の横には小さな扉があります。映画「インフェルノ」では、こちらの扉からラングドン教授達が逃げていきました。ボーボリ庭園とウフィツィ美術館、ヴェッキオ宮はポンテヴェキオのを上を通る「ヴァザーリの回廊」という通路で繋がっていますが、実はここが終点です。洞窟はこの終点に人工的に造ったものです。

    本当はもっと先まで進みたかったのですが、生憎この後雨が強くなってしまい、諦めてパラティーナ美術館に移動しました。
    庭園内には他にも洞窟や噴水が幾つもあり、糸杉の大通り、カフェハウスもあります。晴れた日なら半日以上かけても周る価値があります。特に春は花が咲き乱れて美しいでしょうね。なぜか秋にしか来ないので、今度は春に来たいな。

  • ピッティ宮は、外観は粗削りで武骨な感じがしますが、一歩中に入るとまさに宮殿。

    ピッティ宮は、外観は粗削りで武骨な感じがしますが、一歩中に入るとまさに宮殿。

    パラティーナ美術館 博物館・美術館・ギャラリー

  • 夫が「ヴェルサイユ宮殿みたい」と言い出しました。本当にそうです。

    夫が「ヴェルサイユ宮殿みたい」と言い出しました。本当にそうです。

  • ラファエロ 「大公の聖母」<br /><br />今回は迷わずにラファエロの絵を見る事ができました。<br />額の右下隅が壁から離れているのがお分かりですか?これは外れているのではなく、見て欲しい作品にはこうして目立つような仕掛けがしてあるのです。注目マークです。どういう基準で選んでいるのか分かりませんが、有名な作品の他にも、こうなっているものがかなりありました。

    ラファエロ 「大公の聖母」

    今回は迷わずにラファエロの絵を見る事ができました。
    額の右下隅が壁から離れているのがお分かりですか?これは外れているのではなく、見て欲しい作品にはこうして目立つような仕掛けがしてあるのです。注目マークです。どういう基準で選んでいるのか分かりませんが、有名な作品の他にも、こうなっているものがかなりありました。

  • ラファエロ 「小椅子の聖母」<br /><br />幼いキリストの足のムッチリ感、聖母の愛らしさといい、この絵を見ると「ラファエロを嫌いな人なんている?」という気持ちになります。

    ラファエロ 「小椅子の聖母」

    幼いキリストの足のムッチリ感、聖母の愛らしさといい、この絵を見ると「ラファエロを嫌いな人なんている?」という気持ちになります。

  • ラファエロ 「自画像」<br /><br />ここは「ラファエロ美術館」と別名があるほど彼の作品が多いです。<br />女性に大モテだったと言われるラファエロですが、ちょっと儚げな雰囲気とか母性本能をくすぐられるものがありますね。それにしても37歳で亡くなるとは早逝です。もっと沢山作品を見たかったです。<br /><br />

    ラファエロ 「自画像」

    ここは「ラファエロ美術館」と別名があるほど彼の作品が多いです。
    女性に大モテだったと言われるラファエロですが、ちょっと儚げな雰囲気とか母性本能をくすぐられるものがありますね。それにしても37歳で亡くなるとは早逝です。もっと沢山作品を見たかったです。

  • フィリッポ・リッピ 「聖母子」<br /><br />ぱっと見た時ボッティチェリの作品かな?と思いました。リッピはボッティチェリの先生でしたので、似ているのですね。清楚なマリア様の表情が好きです。リッピのこのような丸い形の絵はこれしかないそうです。

    フィリッポ・リッピ 「聖母子」

    ぱっと見た時ボッティチェリの作品かな?と思いました。リッピはボッティチェリの先生でしたので、似ているのですね。清楚なマリア様の表情が好きです。リッピのこのような丸い形の絵はこれしかないそうです。

  • ボッティチェリ 「若い婦人の肖像」<br /><br />シモネッタ・ヴェスプッチ像という説がありますが、ボッティチェリの他の作品から見て疑問です。絶世の美女シモネッタとは違うかなぁ。

    ボッティチェリ 「若い婦人の肖像」

    シモネッタ・ヴェスプッチ像という説がありますが、ボッティチェリの他の作品から見て疑問です。絶世の美女シモネッタとは違うかなぁ。

  • カラヴァッジョ 「眠るキューピッド」<br /><br />カラヴァッジョの手にかかると、キューピッドも普通の子供のお昼寝に見えます。

    カラヴァッジョ 「眠るキューピッド」

    カラヴァッジョの手にかかると、キューピッドも普通の子供のお昼寝に見えます。

  • 床にもご注目下さい。

    床にもご注目下さい。

  • 注目マークはありませんが、上の小さな女性の肖像画をご覧ください。<br />ティツィアーノ作、ビアンカ・カペッリです。コジモ1世の長男のフランチェスコ1世(ベッキオ宮殿で秘密の書斎を作った人)の愛人で、後に正妻になったビアンカはヴェネツィアの大貴族のお姫様でした。フィレンツェから出稼ぎに来ていたピエトロと恋愛し、駆け落ちしてフィレンツェのピエトロの貧しい実家に身を寄せます。<br />美しいビアンカの事はすぐに噂になり、フランチェスコの耳にも入ります。そしてピエトロに金と仕官の職を与え、ビアンカを自分ものにしてしまいました。(後にピエトロは何者かに殺されてしまします)<br />正妻の死後ビアンカは大公妃となりますが、フランチェスコの弟フェルディナンドもビアンカの虜になってしまったのです。ビアンカは相手にしませんでした。その事をフェルディナンドは長年恨み、愛情は憎しみに変わります。<br />フランチェスコとビアンカは二人同時に病に倒れ、先にフランチェスコが、その二日後にビアンカも亡くなります。マラリアという事になっていますが、フェルディナンドの毒殺説もあります。<br />ビアンカは夫と一緒に葬って欲しいと遺言しましたが、兄に代わり新大公になったフェルディナンドは許さず、ビアンカの遺体を共同墓地に投げ込んでしまいました。<br /><br />コジモ1世の家族は不幸な亡くなり方をしている人が多いのですが、ビアンカもその一人かなと思います。美しいだけでなく、教養もあり非常に聡明な人だったようです。天正の少年使節団の少年たちも、フィレンツェで彼女に謁見した記録が残っています。500年前に日本からやってきた彼らは、フィレンツェの街をどう見ていたのでしょうか。ビアンカに会って、日本女性とは違う美しさを感じただろうなとか、想像が膨らみます。<br /><br />

    注目マークはありませんが、上の小さな女性の肖像画をご覧ください。
    ティツィアーノ作、ビアンカ・カペッリです。コジモ1世の長男のフランチェスコ1世(ベッキオ宮殿で秘密の書斎を作った人)の愛人で、後に正妻になったビアンカはヴェネツィアの大貴族のお姫様でした。フィレンツェから出稼ぎに来ていたピエトロと恋愛し、駆け落ちしてフィレンツェのピエトロの貧しい実家に身を寄せます。
    美しいビアンカの事はすぐに噂になり、フランチェスコの耳にも入ります。そしてピエトロに金と仕官の職を与え、ビアンカを自分ものにしてしまいました。(後にピエトロは何者かに殺されてしまします)
    正妻の死後ビアンカは大公妃となりますが、フランチェスコの弟フェルディナンドもビアンカの虜になってしまったのです。ビアンカは相手にしませんでした。その事をフェルディナンドは長年恨み、愛情は憎しみに変わります。
    フランチェスコとビアンカは二人同時に病に倒れ、先にフランチェスコが、その二日後にビアンカも亡くなります。マラリアという事になっていますが、フェルディナンドの毒殺説もあります。
    ビアンカは夫と一緒に葬って欲しいと遺言しましたが、兄に代わり新大公になったフェルディナンドは許さず、ビアンカの遺体を共同墓地に投げ込んでしまいました。

    コジモ1世の家族は不幸な亡くなり方をしている人が多いのですが、ビアンカもその一人かなと思います。美しいだけでなく、教養もあり非常に聡明な人だったようです。天正の少年使節団の少年たちも、フィレンツェで彼女に謁見した記録が残っています。500年前に日本からやってきた彼らは、フィレンツェの街をどう見ていたのでしょうか。ビアンカに会って、日本女性とは違う美しさを感じただろうなとか、想像が膨らみます。

  • バルダッサーレ・フランチェスキーニ 「金で買われる愛」<br /><br />この絵は珍しい雰囲気で目を引きました。作者はあまり聞いたことのない画家ですが17世紀のイタリアの人です。いかにも悪そうな二人組。子供も狡賢い顔でお金を女の手に流しています。ルネサンス絵画ではこの年頃の子供は、天使かキリストが多いのに異色です。はだけた胸から女性は娼婦でしょうか?この二人はどういう関係なのでしょうか。タイトルから考えると、子供がだれか男性を騙してお金を巻き上げて、女性に渡しているのでしょうか?調べたのですが情報がないので、逆に興味が湧いてきます。

    バルダッサーレ・フランチェスキーニ 「金で買われる愛」

    この絵は珍しい雰囲気で目を引きました。作者はあまり聞いたことのない画家ですが17世紀のイタリアの人です。いかにも悪そうな二人組。子供も狡賢い顔でお金を女の手に流しています。ルネサンス絵画ではこの年頃の子供は、天使かキリストが多いのに異色です。はだけた胸から女性は娼婦でしょうか?この二人はどういう関係なのでしょうか。タイトルから考えると、子供がだれか男性を騙してお金を巻き上げて、女性に渡しているのでしょうか?調べたのですが情報がないので、逆に興味が湧いてきます。

  • この部屋の主役は壺なのか絵なのか分かりません。どれもすごいです。

    この部屋の主役は壺なのか絵なのか分かりません。どれもすごいです。

  • 今回の旅は天井ばかり撮ってる気が......天井はあまり注目されませんが、よく見るとデザインが凝っていて面白いです。<br /><br />銀器博物館や衣装博物館にも行きたかったのですが、夫がお腹の調子が悪いと言い出しました。実はラファエロどころではなかったと。改めて出直そうという事になって最終日11日に再度行ったのですが、なんとお休み!<br />まだまだ不完全燃焼なピッティ宮殿なのでした。

    今回の旅は天井ばかり撮ってる気が......天井はあまり注目されませんが、よく見るとデザインが凝っていて面白いです。

    銀器博物館や衣装博物館にも行きたかったのですが、夫がお腹の調子が悪いと言い出しました。実はラファエロどころではなかったと。改めて出直そうという事になって最終日11日に再度行ったのですが、なんとお休み!
    まだまだ不完全燃焼なピッティ宮殿なのでした。

  • メディチ家の住居でいえば、こちらの方が古いです。メディチ・リッカルディ宮殿。ピッティ宮殿がアルノ川を渡るとドーンという感じで現れるのに対し、こちらは街中に溶け込むように建っています。なんかちゃっかり車も停められてるし。<br />外観はそれほど華美ではありません。<br />コジモ1世はここからヴェッキオ宮殿、ピッティ宮殿へと居を移しました。後にリッカルディ家に売却されたので、二つの名前になっています。

    メディチ家の住居でいえば、こちらの方が古いです。メディチ・リッカルディ宮殿。ピッティ宮殿がアルノ川を渡るとドーンという感じで現れるのに対し、こちらは街中に溶け込むように建っています。なんかちゃっかり車も停められてるし。
    外観はそれほど華美ではありません。
    コジモ1世はここからヴェッキオ宮殿、ピッティ宮殿へと居を移しました。後にリッカルディ家に売却されたので、二つの名前になっています。

    メディチ リッカルディ宮 城・宮殿

  • 中に入る前にまず中庭へ。1482年に建築された時と同じ様式のままだそうです。

    中に入る前にまず中庭へ。1482年に建築された時と同じ様式のままだそうです。

  • あちこちにレモン?の実がたわわに実っていました。

    あちこちにレモン?の実がたわわに実っていました。

  • 宮殿内部も良いのですが、私はこの中庭が好きです。しっかりメディチ家の紋章もあります。メディチ家の皆様も子供時代はここで遊んでいたのだろうなと想像すると楽しくなります。ボッティチェリやレオナルド、ミケランジェロも歩いたはずです。私としてはその点で、ピッティ宮殿よりもポイントが高いです。

    宮殿内部も良いのですが、私はこの中庭が好きです。しっかりメディチ家の紋章もあります。メディチ家の皆様も子供時代はここで遊んでいたのだろうなと想像すると楽しくなります。ボッティチェリやレオナルド、ミケランジェロも歩いたはずです。私としてはその点で、ピッティ宮殿よりもポイントが高いです。

  • 中庭の反対側が入場口部分です。中心に飾られているこの像、個人的には微妙だな~と思います。じゃ、おまえが作れよと言われたら困るのですが、ちょっとモッサリしてるっていうか?ミケランジェロもいたんだから、彼に作ってもらえば良かったのに。まあ、色々な事情があるのでしょう。

    中庭の反対側が入場口部分です。中心に飾られているこの像、個人的には微妙だな~と思います。じゃ、おまえが作れよと言われたら困るのですが、ちょっとモッサリしてるっていうか?ミケランジェロもいたんだから、彼に作ってもらえば良かったのに。まあ、色々な事情があるのでしょう。

  • こちらも中に入ると豪華絢爛、外からは想像もつきません。

    こちらも中に入ると豪華絢爛、外からは想像もつきません。

  • 客用寝室。チェーザレ・ボルジアもロレンツィオ・デ・メディチが存命だった時にここを訪れたので、もしかしたらこの部屋に泊まったのかも!(チェーザレ大好き)

    客用寝室。チェーザレ・ボルジアもロレンツィオ・デ・メディチが存命だった時にここを訪れたので、もしかしたらこの部屋に泊まったのかも!(チェーザレ大好き)

  • リッカルディ家の時代に造られた「鏡の間」<br />以前この部屋で弦楽四重奏のリハーサルをしているのを見ました。ここでコンサートも行われるのでしょう。

    リッカルディ家の時代に造られた「鏡の間」
    以前この部屋で弦楽四重奏のリハーサルをしているのを見ました。ここでコンサートも行われるのでしょう。

  • フィリッポ・リッピ 「聖母子」<br /><br />リッピの聖母子には本当に温かさを感じます。祖国の父コシモと仲が良く、修道士なのに修道女ルクレツィアと駆け落ちして教会追放になった時も、コシモが取りなして一件落着となりました。<br />メディチ家と交流が深かった彼も、亡くなる2年前にスポレートに居を移し、そこで亡くなりました。墓もスポレートにあります。少し寂しいですね。

    フィリッポ・リッピ 「聖母子」

    リッピの聖母子には本当に温かさを感じます。祖国の父コシモと仲が良く、修道士なのに修道女ルクレツィアと駆け落ちして教会追放になった時も、コシモが取りなして一件落着となりました。
    メディチ家と交流が深かった彼も、亡くなる2年前にスポレートに居を移し、そこで亡くなりました。墓もスポレートにあります。少し寂しいですね。

  • 礼拝堂の主祭壇にある絵です。<br />プセウド・ピエル・フランチェスコ・フィオレンティーノの「フィリッポ・リッピ作『森の聖母』の複製画」<br /><br />ん?一瞬意味が分からなかったのですが、元々はリッピが描いたものを置いていたのを、プセウド......という人が複製したものが現在は置かれているという事です。肝心のリッピのものはベルリンにあります。その経緯は分かりませんが、プセウドさんの手になったとしても、素晴らしいですし、リッピ作と言われれば信じてしまいます。<br />

    礼拝堂の主祭壇にある絵です。
    プセウド・ピエル・フランチェスコ・フィオレンティーノの「フィリッポ・リッピ作『森の聖母』の複製画」

    ん?一瞬意味が分からなかったのですが、元々はリッピが描いたものを置いていたのを、プセウド......という人が複製したものが現在は置かれているという事です。肝心のリッピのものはベルリンにあります。その経緯は分かりませんが、プセウドさんの手になったとしても、素晴らしいですし、リッピ作と言われれば信じてしまいます。

  • 礼拝堂天井の装飾はジュリアーノ・ダ・サンガッロによるものです。金の細工がさすがフィレンツェ。

    礼拝堂天井の装飾はジュリアーノ・ダ・サンガッロによるものです。金の細工がさすがフィレンツェ。

  • やはりメディチリッカルデイ宮殿でのメインは、礼拝堂にあるこのフレスコ画でしょう。べノッツォ・ゴッツォリ作「東方三賢王の旅」です。残念ながら写真撮影禁止でしたので、こちらの画像はフリー素材からお借りしたものです。<br />小さな礼拝堂の三方がこのフレスコ画で埋め尽くされています。私達が行った時は幸い誰もいませんでしたが、混雑すればまさに「三密」状態になってしまうでしょう。保存状態が大変良く、色鮮やかな色彩は現代に描かれたもののようです。<br /><br />画面左側の白馬に乗った王様は豪華王ロレンツォがモデルです。他にもメディチ家の人達が描かれています。右手にはイスラム風の衣装の王様が。この絵が面白いと思うのは、こうした異国の人や動物も描かれていることです。写真がないのが残念ですが、黒人や豹も描かれていて、当時既にそちらの方面とも交流があった事がわかります。<br />

    やはりメディチリッカルデイ宮殿でのメインは、礼拝堂にあるこのフレスコ画でしょう。べノッツォ・ゴッツォリ作「東方三賢王の旅」です。残念ながら写真撮影禁止でしたので、こちらの画像はフリー素材からお借りしたものです。
    小さな礼拝堂の三方がこのフレスコ画で埋め尽くされています。私達が行った時は幸い誰もいませんでしたが、混雑すればまさに「三密」状態になってしまうでしょう。保存状態が大変良く、色鮮やかな色彩は現代に描かれたもののようです。

    画面左側の白馬に乗った王様は豪華王ロレンツォがモデルです。他にもメディチ家の人達が描かれています。右手にはイスラム風の衣装の王様が。この絵が面白いと思うのは、こうした異国の人や動物も描かれていることです。写真がないのが残念ですが、黒人や豹も描かれていて、当時既にそちらの方面とも交流があった事がわかります。

  • せっかくなので、いただいたパンフレットの表紙を載せておきます。このロレンツォは300%美化して描かれているそうです。図鑑で見た時「お金持ちで仕事ができ、明るくて人柄も良い、しかも美男!」と惚れ込んだのですが、美男というのは間違っていて、どちらかというと醜い風貌だったようです。それでも彼が魅力的な人間であるのに変わりはありません。

    せっかくなので、いただいたパンフレットの表紙を載せておきます。このロレンツォは300%美化して描かれているそうです。図鑑で見た時「お金持ちで仕事ができ、明るくて人柄も良い、しかも美男!」と惚れ込んだのですが、美男というのは間違っていて、どちらかというと醜い風貌だったようです。それでも彼が魅力的な人間であるのに変わりはありません。

  • メディチ家の菩提寺サン・ロレンツィォ教会もすぐ近くなので行ってみました。質素なファザードは未完のまま終わってしまったからなのですが、それにしても一見何という事もない教会です。

    メディチ家の菩提寺サン・ロレンツィォ教会もすぐ近くなので行ってみました。質素なファザードは未完のまま終わってしまったからなのですが、それにしても一見何という事もない教会です。

    サン ロレンツォ教会 寺院・教会

  • いや~ここも外観と内部が違いすぎでしょ?と言いたくなります。メディチ家は王様でも貴族でもなくあくまで一市民です。それ故同じ市民達の反感や嫉妬を買わないよう、建築物の外観は質素に、見えない中は煌びやかにしたのだとも。祖国の父コシモは一時期フィレンツェを追放された時期があるので、市民の気持ちの移ろいやすさは身に染みていたのでしょう。<br />左下に見えているのはドナテッロ作の説教壇です。

    いや~ここも外観と内部が違いすぎでしょ?と言いたくなります。メディチ家は王様でも貴族でもなくあくまで一市民です。それ故同じ市民達の反感や嫉妬を買わないよう、建築物の外観は質素に、見えない中は煌びやかにしたのだとも。祖国の父コシモは一時期フィレンツェを追放された時期があるので、市民の気持ちの移ろいやすさは身に染みていたのでしょう。
    左下に見えているのはドナテッロ作の説教壇です。

  • 礼拝堂は洗練された美しさです

    礼拝堂は洗練された美しさです

  • 天井部。

    天井部。

  • どの作品も上品で美しいです。

    どの作品も上品で美しいです。

  • 地下の宝物庫には祖国の父と呼ばれるコシモの棺がありました。豪華王ロレンツォの祖父にあたる人です。でも、驚いた事に右手にある棺は空で、左にある柱の中にご遺体はあるそうです。どういう事なのでしょう?棺はダミーって事?<br />隣にあるメディチ家礼拝堂にはミケランジェロ作の墓にロレンツィオとジュリアーノの兄弟が眠っています。その豪華さと比べると大変質素で寂しい気もします。けれど生涯フィレンツェの一市民という立場を崩さず、メディチ家繁栄の礎を作り、芸術家の育成に努めた祖国の父に相応しいものだとも感じました。

    地下の宝物庫には祖国の父と呼ばれるコシモの棺がありました。豪華王ロレンツォの祖父にあたる人です。でも、驚いた事に右手にある棺は空で、左にある柱の中にご遺体はあるそうです。どういう事なのでしょう?棺はダミーって事?
    隣にあるメディチ家礼拝堂にはミケランジェロ作の墓にロレンツィオとジュリアーノの兄弟が眠っています。その豪華さと比べると大変質素で寂しい気もします。けれど生涯フィレンツェの一市民という立場を崩さず、メディチ家繁栄の礎を作り、芸術家の育成に努めた祖国の父に相応しいものだとも感じました。

  • 中庭の一角に、ランレンツィアーナ図書館があります。ミケランジェロの設計です。パッツィ家の反乱で亡くなったジュリアーノの息子が教皇クレメンス7世になり、彼がメディチ家の蔵書を収納する為に造らせました。うっかり中には入れないと思い込んでいたのですが、3ユーロで入館できます。この次にフィレンツェに行ったら絶対中も見よう!<br /><br />フィレンツェはメディチ家絡みの場所ばかりですが、この3つは特にメディチ家が偲ばれます。お時間があれば是非入ってみてくださいね。

    中庭の一角に、ランレンツィアーナ図書館があります。ミケランジェロの設計です。パッツィ家の反乱で亡くなったジュリアーノの息子が教皇クレメンス7世になり、彼がメディチ家の蔵書を収納する為に造らせました。うっかり中には入れないと思い込んでいたのですが、3ユーロで入館できます。この次にフィレンツェに行ったら絶対中も見よう!

    フィレンツェはメディチ家絡みの場所ばかりですが、この3つは特にメディチ家が偲ばれます。お時間があれば是非入ってみてくださいね。

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2019年パリ・フィレンツェ

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