2019/11/03 - 2019/11/13
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大好きなフィレンツェは今回4度目の旅になります。その中でも特に好きなウフィツィ美術館について、個人的なお勧めなどお話しています。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
一年後(2020年)に念願の自転車店を開業する予定で、二人同時に早期退職した58歳夫婦が心機一転する為に、パリ8泊フィレンツェ10泊の旅に出た記録のフィレンツェ編です。
二人ともパリは初めて、フィレンツェは夫は新婚旅行以来、私は娘との旅行を含めて4回目になります。
フィレンツェは同じ所に何度も行ったり、半日買い物にあてたりで、時系列に書いても面白くありませんのでピンポイントで書いていきます。
その他の記事はこちらです。
フィレンツェ編2【自転車でオリーブの丘を走りフィエゾレへ】https://4travel.jp/travelogue/11624471?preview=true
フィレンツェ編3【サント・スピリト広場の蚤の市&街で楽しいお買い物】https://4travel.jp/travelogue/11624679
フィレンツェ編4【秘密の通路ツアーと見所いっぱいヴェッキオ宮殿】https://4travel.jp/travelogue/11624925
フィレンツェ編5【大聖堂クーポラとジョット鐘楼の比較】https://4travel.jp/travelogue/11625564?preview=true
フィレンツェ編6【メディチ家の居城 ピッティ宮殿とメディチリッカルデイ宮殿】https://4travel.jp/travelogue/11625568
フィレンツェ編7【今度はバスでフィエーゾレへ遠足】https://4travel.jp/travelogue/11626673?preview=true
フィレンツェ編8【フィレンツェ街歩き、バルジェッロ国立博物館ほか3つ】https://4travel.jp/travelogue/11625567?preview=true
フィレンツェ編ラスト【フィレンツェの美味しいものまとめ&セントマークス教会でのオペラの夜】https://4travel.jp/travelogue/11625578?preview=true
パリ編はこちらになります。
https://4travel.jp/travelogue/11568774
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
おおまかな旅程は以下になります。
10月25日 羽田発JAL45便でシャルルドゴール空港へ
★11月2日までパリのホテル34Bアストテルに滞在してパリ観光
11月2日 エールフランス便でシャルルドゴール空港からフィレンツェへ
★11月12日までフィレンツェ、ルレ・ウフィツィに滞在してフィレンツェ観光
11月12日 エールフランス便でシャルルドゴール空港に移動、JAL46便て13日羽田着。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ボンジョルノ!
フィレンツェに美術館は沢山ありますが、やはり一番人気なのはウフィツィ美術館ではないかと思います。私もフィレンツェに来る度に必ず行くので、今回の旅で6回目になります。
あれ?4回の旅行で6回?と計算が合わないのは、今回3回行けたからです。なぜかというと......
11月3日 日曜日 無料開放日 (毎月第一日曜日)
11月6日 水曜日 無料開放日 (各施設が独自に決めた日)
11月7日 木曜日 日本からオンライン予約
無料開放日はオンラインや電話で予約する事はできません。入り口の「DIGITAL KIOSK」と書かれた看板の所の発券機で、人数を指定して発券します。言語の設定もできますし、難しいものではありません。(パリのメトロ自販機で切符を買うより簡単)入館時間が指定された予約票が出てきますので、その時間になったら入館できます。ただ時間の指定は出来ないので、早く行っても好きな時間を取る事はできません。ディズニーリゾートのファストパスみたいなものです。
上の写真は3日午前7時頃です。すでに沢山の人が並んでいますが、この最後尾から30分程で8時半からの発券ができました。 -
一度ホテルに戻って朝食にしました。ホテルは昨年と同じ「ルレ・ウフィツィ」です。シニョーリア広場に彫像の並ぶ回廊がありますが、そこと隣の建物の間の小道を入った所にあります。ウフィツィ美術館まで3分です。小さなホテルですが、最高の立地とスタッフ様がとても親しみやすい事でお気に入りのホテルです。
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朝食のテーブルからシニョーリア広場を見下ろすと、ぐるっと広場を一周する程並んでいます。あっという間に人が増えますので、もし第一日曜日に行くなら、7時頃には並んだ方が良いかも。
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ちなみに6日も無料開放日だとは知らなかったのです。午前中フィエゾレへサイクリングに行く予定が雨で中止になり、どうしようかな~とウフィツィ美術館前を歩いていたら、なんだか人が少ない。不思議に思って入り口に行くとまた無料開放日なのを知った次第です。翌日も予約していましたが、せっかくだから今日も行こう!というわけで入館しました。10時頃でしたが待ち時間なしで、午後1時の発券ができました。
ちなみに過去6回のうち、一番空いていたのがこの11月6日でした。このような日は意外に皆様知らなくて穴場なのかもしれません。
さて慌ただしく朝食をとって再びウフィツィ美術館へ。入り口にはその時入館できるチケットの時間が表示された看板が出ています。15分の遅刻は許されるみたいです。そこにいる係員さんにこの予約票を見せると入館できます。
ここからは3日分のウフィツィ美術館の作品をまとめてご紹介します。6回来ていても、自分の好きな作品は決まっているので、そこにばかり留まってしまいます。なので全然精通していません...... -
セキュリティチェックを受け大きな階段を上ると、いよいよ展示物のあるいよいよエリアになります。この入り口から入ったら、まず右に行ってみます。
ウフィツィ美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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ファブリアーノ 「東方三博士の礼拝」
輝くばかりにキリストの誕生が描かれています。
入館して一番先に入るのが、これらの初期ルネサンス、というか中世から脱却したばかりの作品の部屋だと思います。聖書を題材にした祭壇画が多いです。 -
ジョット 「荘厳の聖母」
ジョットはルネサンス美術の先駆けとして有名な芸術家です。荘厳という言葉がふさわしい聖母子ですが、まだゴシックの様式を残しているような感じがします。 -
フィリッポ・リッピ 「聖母子と天使」
リッピはボッティチェリの先生でもありました。
上の2枚と比べてみて下さい。同じ宗教画でも全く違う雰囲気です。聖母も美しい生気があり、天使も愛嬌があって可愛い。これがルネサンスなんだなと感じられる一枚です。
リッピは修道士でしたが、画家としての才能も認められていました。けれど修道女だったルクレツィアと恋人になり、駆け落ちしてしまいます。二人は教会から破門されますが、やがて許しを得て還俗して結婚しました。
この聖母は妻ルクレツィア、天使は長男フィリピーノ、キリストは長女がモデルだそうです。フィリピーノも画家になっています。
聖母の額が広いでしょ?当時女性は広い額が美人だとされていたので、前髪を抜くのが流行っていたそうです。服も当その頃フィレンツェの女性が着ていた服です。このような所にも人間味が投影されているのを感じます。
この美しく温かな雰囲気の絵の前で、いつも大勢の人が魅入っています。 -
ボッティチェリ 「プリマヴェーラ・春」
ウフィツィ美術館で特に人気があるのは、こちらでしょう。私も一番好きな絵です。
一つの絵の中に沢山の人物が描かれていて、思えば不思議な絵です。辻邦夫氏の「春の戴冠」はボッティチェリの生涯を書いたものですが、そちらの解釈が好きなので簡単に引用させていただきます。
右の三人は古代ギリシアの詩人オヴィディウスの詩「春来たり、我野を行けば西風はまとわりつきぬ。逃げんとて森を走れば......」をモチーフにしています。長い詩ですが、要約すると「森を歩いていたら西風に捕まって結婚させられた少女が花の女神になった」話です。右端が西風の神ゼフィロスです。女性は二人いますが、ゼフィロスの花嫁になった乙女が花の女神に変身していく様子を描いているので実は一人の人物です。
中央のヴィーナスは当時フィレンツェで一番の美女と讃えられたシモネッタ・ヴェスプッチがモデルです。というか、ボッティチェリの描く女神の姿はほとんどが彼女です。お腹がふっくらしているのは妊娠しているから。赤ちゃんというより、何者かを生み出す力の象徴です。
三人の踊っているような女性は右から「美」「憧れ」「快楽」の女神です。面白いのは左端の「快楽」の女神が一番若く愛らしく描かれているところでしょうか。繋いだ手が一番高く揚げられているのは、愛における至上の高みは快楽であるというボッティチェリのメッセージという解釈です。
左端はヘルメスです。右手で木の上の実を突いているように見えますが、これはギリシア神話で最高の美女に与えられる黄金の林檎です。ヘルメスは死と再生を司る神ですので、この絵自体が左のヘルメスから右のゼフィロスへと再生を繰り返して、永遠の春を謳っています。この絵を描いている時、シモネッタは病気で死期が近く、ボッティチェリがなんとか彼女の姿と魂を永遠に留めようと表現したのがこの絵である、となっています。
ヘルメスの姿はジュリアーノ・ディ・メディチ。シモネッタと恋愛関係にありましたが、シモネッタが22歳で肺結核で亡くなった数年後、パッツィ家による反乱の際、サンタマリア・デル・フィオーレで刺殺されてしまいます。26歳でした。 -
ボッティチェリ 「ヴィーナスの誕生」
「春」と対になっているのがこちらです。
ボッティチェリを知らなくても「あの貝に乗った女神の絵の作者」と言えば分かる程の代表作ですね。
ヴィーナスの顔のモデルはもちろんシモネッタ・ヴェスプッチです。髪は金を混ぜて描いているので、本当に内側から輝くようです。
ボッティチェリはシモネッタと同じ教会に埋葬してほしいと言い残した為、オニサンティ教会に一緒に眠っています。本当に彼女の中に永遠の美を見出していたのでしょうね。レオナルドもシモネッタが亡くなった時の顔を素描していますが、とても綺麗です。
実は日本にもボッティチェリのシモネッタ肖像画があるんですよ。東京の丸紅本社の役員室に飾ってあるそうですが、2016年1月から4月に東京都美術館で開催された「ボッティチェリ展」に来ていました。 -
こちらがそうです。ポスターを購入して自宅に飾ってあるものです。ウフィツィ美術館のものでなくてすみません。
服の、甘味を感じさせるような赤、複雑に結った金髪。「シモネッタに似せたヴィーナス」ではなく、まさにシモネッタ自身を渾身の力で描いたのがわかるようです。
丸紅の社員様も簡単には見る事はできないようですが、役員室に通されたお客様は「どうしてここにボッティチェリが!」と驚かれるとか。そりゃそうでしょう、私もまさか日本の一企業がボッティチェリを持ってるなんて知りませんでしたもの。なかなか展覧会に出される事がなく、私も高校生の時図鑑で見て、いつか本物を見たいと思っていましたが、叶ったのは40年後でした。
なので、今後もしどこかで展示される事があれば、是非ご覧になってください。イタリアに行かなくても日本でボッティチェリの傑作に出会えます。決して損はさせません! -
ボッティチェリ 「大天使とトピアス」
「春」「ヴィーナスの誕生」に比べるとこの絵の前で足を止める人は少ないのですが、、ヴィーナス作品とは違う魅力があります。目を悪くした父親の代わりに旅に出たトピアスという少年を、三人の大天使が守っている絵です。トピアスが持っている魚の内臓から薬を作って、父親の目は治ります。当時は子供でも親の代わりに旅立つ事があり、そのお守りとして描かれたものです。天使としっかり繋いだ手や荒れ地のような大地に、少年の健気さと不安、旅の過酷さ、そして天使達の優しさが伝わってくる良い絵だと思います。 -
ボッティチェリ 「ラーマ家の東方三博士の礼拝」
ボッティチェリ自身メディチ家から庇護されていましたし、当時のフィレンツの繁栄にはメディチ家の力によるところが大きかったです。この絵にはそのメディチ家の人々が描かれています。
左端の赤い服の人が豪華王と言われたロレンツィオ、中央の背中を向けているオレンジのマントの人はその父ピエロ、生まれたばかりのキリストを祝福している老人がロレンツィオの祖父で「祖国の父」と呼ばれたコシモです。
さらに右側の一団の中で黒髪、黒い服を着てちょっと寂しげな感じの人がロレンツィオの弟ジュリアーノ、一番右でこちらをみている人がボッティチェリ自身です。
この位置、結構目立ちますね。それにドヤ顔にも思えます(笑)彼の自信の表れでしょうか? -
ボッティチェリ 「アペレスの中傷」
これまでのボッティチェリの作風とは一転します。主題も難解で「ボッティチェリ、どうしちゃったの!」と初めてこの絵を見た時はショックでした。
彼の晩年の絵は最盛期とは一線を画しています。それには理由があります。
フィレンツェの事実上の支配者ロレンツィオ・デ・メディチの病気が悪化し、政情的にも不安定になったフィレンツェにジロラモ・サヴォナローラという修道士が現れます。サンマルコ修道院の院長になった彼は「フィレンツェは堕落している、見せかけの美しさばかり追い求め、信仰を忘れた。芸術も然り。神への道に立ち返らなければ天罰が下るであろう」と贅沢や華やかさを激しく戒めます。
一定数彼に賛同する人達がいて、ボッティチェリもそうだったとされます。作風が変わったのはそれが原因だったのでしょうか。
「虚飾の焼却」としてシニョーリア広場に巨大な焚火を焚いて、芸術作品や豪華な衣装、宝飾品が投げ込まれた時に、自らの絵を投じたともされています。 -
一時は勢いのあったサヴォナローラですが、だんだん禁欲生活に不満を抱くフィレンツェ市民も増えてきます。さらにローマ教皇庁の事まで堕落していると批判したものですから、当時の教皇アレッサンドロ6世から「このままサヴォナローラの言うなりになるならフィレンツェ市民全員破門な!」とまで言い渡されてしまいます。「破門=天国に行けない」ですから、これには皆、慌てふためいた事でしょう。
民衆の心は移ろいやすいもの。ついにサヴォナローラは火刑にされてしまいます。
シニョーリア広場の一角にある火刑の跡がこれです。下を見ながら探さないといけないのですが、すぐに分かります。サンマルコ修道院にはサヴォナローラの椅子や服、ロザリオなどが展示されています。私は以前はサヴォナローラが嫌いだったのですが、それらを見た時は彼の信仰の深さと一途さを感じました。 -
レオナルド・ダ・ヴィンチ 「受胎告知」
ボッティチェリが好きなもので、つい彼の作品で足が留まりますが、そろそろ先に進みましょう。
レオナルドはボッティチェリよりも年下です。あまり仲が良くなかったとも言われますが、実際どうだったのでしょう。伝記を読むと性格は全然違うなとは感じますが。まあ天才同士は上手くいかないのかも?
この絵もあまりに有名で、さまざまな解釈がなされています。その中で面白いのは主役はマリアでも大天使でもなく、後ろに薄っすら見えている山だという説。なんでも視点はすべて山に向かう構図だそうです。私は大天使のお顔がちょっと怖い......
レオナルドは意外にも残した絵の数は少ないです。「モナ・リザ」は亡くなるまで手元に置いて加筆していたそうですが、レオナルドといえば「モナ・リザ」でしょうか。この数日前にルーブル美術館で「モナ・リザ」を見ましたが、まあ、人のすごい事、すごい事!でも、私が一番好きな作品はこちらです。 -
ヴェロッキオ、レオナルド・ダ・ヴィンチ 「キリストの洗礼」
こちらはレオナルドの師でもあったヴェロッキオと若干20歳のレオナルドとの共作です。どの部分がレオナルドの筆かわかりますでしょうか。
ズームしますね。 -
この左の天使がレオナルドが描いたものです。個人的な好みなのですが、「モナ・リザ」や「受胎告知」よりもこの天使が好きです。
もうあからさまに他の部分と違います。主役はキリストなのでしょうが、この天使に目が行きます。右の天使も「なんか君、すごいね!」なんて目で見てる気が。
立膝をついている服のラインとか、薄っすら血色のある肌の風合いなどの技法は勿論素晴らしいですが、素敵なのはその表情です。
写真が下手なので分かり難いのですが、キリストを見上げる瞳が澄んでいて、天使のキリストへの思いが伝わってくるようです。こんな表情を描けるなんて、やっぱりレオナルドはすごいな、とボッティチェリ一押しの私も脱帽です。 -
ミケランジェロ 「聖家族」
この時代のフィレンツェがすごいのは、ボッティチェリ、レオナルド、ミケランジェロが同時に存在した事です。
ミケランジェロが創った「ダヴィデ」をどこに飾るかの審議会にボッティチェリとレオナルドもいたなんて信じられません。
レオナルドに比べてミケランジェロは彫刻も絵画も沢山残していますが、私はミケランジェロは彫刻の方が好きです。この絵は少し聖母が逞しいなと感じます。筋肉大好きなミケランジェロらしいですね。
そしてこの額縁、なぜか人の頭が飛び出てて面白いですよね。これもミケランジェロがデザインしたそうです。彫刻家魂がこんなところにも!
当初現代の金額で700万円程で請け負ったのですが、依頼主が完成後に半額に負けてくれないかと言った所、怒ったミケランジェロは倍の1400万円にしてしまったとか。値切らなきゃよかったのにねぇ。 -
ふう、三巨匠の作品を見てきて少し疲れたら、回廊の窓から外を眺めましょう。ポンテベッキオが良く見えます。
穏やかに見えるアルノ川ですが、たびたび氾濫を起こしています。1966年11月4日にも氾濫し、ポンテベッキオに軒を連ねる宝石店は高額なものをまとめて逃げ出しましたが、持ち切れなかった宝飾品は流されたり泥に埋まったり。美術品にも多くの損害がでました。今回の旅でも雨が多く、アルノ川の水位が例年より高くなっている気がして心配でした。 -
是非天井を見上げて下さい。そこも素晴らしい天井画でいっぱいです。今回天井に目覚めて、たくさん写真を撮ってしまいました。
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これもお気に入り。繊細でレースみたいです。
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サンタマリア・デル・フィオーレとベッキオ宮殿のビューポイントですが、工事のクレーンが。何の工事をしていたのか、10日間ずっとクレーンがありました。
ウフィツィ美術館は込み入った作りではありませんが、54部屋もあり広いので、お目当ての作品があれば事前に場所を調べておくことをお勧めします。前年娘と来た時は、迷ってボッティチェリの部屋に行けずに係員さんに尋ねて、ようやく辿り着けました。そこでなんと、2年前イタリア旅行した際の添乗員さんにバッタリお会いしてびっくりしました。もし迷わなければすれ違っていたでしょうから、迷って良かったのですが。 -
2階の端にカフェもあります。飲み物を買わなくてもテラスに出る事ができます。この日は風が強かったので、椅子とパラソルが畳まれていました。サンタマリア・デル・フィオーレをバックに写真が撮れるので、人気のスポットです。
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ラファエロ 「ひわの聖母」
ラファエロの描く女性はとにかく可愛い&綺麗&優し気です。
向かって右側がキリスト、左が幼い洗礼者ヨハネです。ひわ、って何だろう?と疑問だったのですが、差し出している小鳥が「ひわ」で、キリストの後の受難を表しているそうです。そう思うと可愛らしい絵ですが、悲しい気持ちにもなります。 -
ラファエロ 「洗礼者ヨハネ」
ラファエロの女性も素敵なのですが、私が好きなのはこちらです。ルーブル美術館にあるレオナルドの「洗礼者ヨハネ」も好きで見たかったのですが、ルーブルに行ったのに特別展のチケットを買い忘れて見逃した大バカ者です。(あー、思い出しちゃった......)レオナルドのヨハネは少し不敵な笑みを浮かべていますが、こちらは初々しく真摯な感じがします。 -
ブロンズィーノ 「マリア・ディ・メディチ」
ウフィツィ美術館には、ブロンズィーノによるコジモ1世の家族の肖像画の並ぶ一角があります。
コジモ1世は豪華王と呼ばれたロレンツィオの時代より後、一度フィレンツェを追放されたメディチ家が再び権力を握った時代の大公です。
こちらは長女のマリアです。とても愛らしく聡明で、両親から大変愛されて育ちました。けれど政略で婚約者が決まった頃、別の男性と恋愛し、それを知った父により殺されてしまいます。マラリアで亡くなったという説もありますが、どちらにせよ短命です。その運命を知っているかのような、どこか寂しげな表情です。 -
2016年4月から7月にかけて東京都庭園美術館で「メディチ家の至宝」という展覧会がありました。その時にはこの絵がメインでポスターやカタログの表紙を飾っていました。美術展の主役が張れる絵ということですね。写真が残っていたのであげておきます。
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ブロンズィーノ 「エレオノーラ・ディ・トレドと息子ジョバンニ」
コジモ1世の奥様と息子ジョバンニですが、他の息子という説もあります。この衣装、まるで触れたら質感が分かるようです。ズームしましょう。 -
いかがですか?束ねた真珠の硬質な輝き、重々しく豪華な模様を織り出した布地。これ、絵なんですよ。触ってみたくなってしまいます。
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ブロンズィーノ 「ビア・ディ・メディチ」
可愛い女の子ですが、コジモ1世がエレオノーラと結婚する前に愛人との間にできた子供です。この子が2歳の時にエレオノーラがスペインから嫁いできました。
この絵が描かれてほどなく、5歳で亡くなってしまいます。 -
ブロンズィーノ 「ガルツィア・ディ・メディチ」
何ともやんちゃそうなこの子はコジモ1世の5男ガルツィアです。上の二人が産まれてすぐ亡くなったので3男とする人もいます。
絵の通り、陽気で暴れん坊、悪く言えば好戦的な性格でしたが、母親からは溺愛されていたそうです。
中田耕治氏「メディチ家の人びと」によると「ある日ガルツィアと兄ジョバンニが狩りに出かけた。ジョバンニがガルツィアの狩りの腕前をからかったところ、激高したガルツィアは兄を刺して殺してしまった。母エレオノーラは夫のコジモ1世に懇願したが、コジモ1世は許さずガルツィアを殺害した。表向きはマラリヤで亡くなった事にしたが、二人の息子を同時に失ったエレオノーラもしばらくして亡くなってしまった」とあります。
コジモ1世はたくさんの子に恵まれましたが、他にも夫に殺されてしまったり、嫁ぎ先で早世した女性など、子供達はこれでもか!という程の悲劇に見舞われています。その多くが政変ではなく家族間の憎悪というのが恐ろしいです。 -
ティベーリオ・ティティー 「ヴィットリア・デッラ・ローベレ」
ブロンズィーノの作ではありませんが、この女の子はコジモ1世の孫にあたります。3歳の時の姿ですが、すでに婚約者がいました。犬は従順の証、手にしたカーネーションは結婚を表しています。
この絵も前述した東京都庭園美術館に来ていました。 -
ティツィアーノ 「フローラ」
こちらも大変美しい女性です。フローラは花の女神ですが、ボッティチェリのフローラと比べると写実的です。この頃になるとルネサンスも後期に分類されるそうです。 -
ティツィアーノ 「ウルビーノのヴィーナス」
初めて見た時「なんでヴィーナスが人間の家のベッドにいるのだろう?」と余計な事を考えてしましました。後で知ったのですが、ヴィーナスではなく人間の女性です。依頼主で後にウルビーノ公となった人が自宅に飾るために「裸婦を描いて欲しい」とだけ頼んだそうです。
モデルはウルビーノ公の妻という説もありますが、だとするとこの絵が描かれた時は婚約中でまだ10歳。いや、いくらなんでも10歳の姿じゃないでしょ?というわけで愛人?でも自宅に堂々と愛人のこんな姿を飾れるのか?という話になります。側にいる犬は貞節の象徴として描かれるので、やっぱり愛人説は否定、結局分からないようです。美しい事だけは確かですね。このポーズが西洋美術の「横たわる裸婦像」の原型になったそうです。
そういえばオルセー美術館でモネの「オランピア」を観ましたが、ポーズが良く似ています。でもオランピアは娼婦です。なので側に犬ではなく黒い猫が描かれていました。猫、特に黒は不吉とか、あまり良い意味の象徴ではないそうです。 -
カラバッジョ 「バッカス」
神というより、居酒屋に普通にいそうなお兄さん。けっこう出来上がっちゃってますねー。美術史には全く詳しくないのですが、カラバッジョをもってバロックに移行したと考えるそうです。なんで?と思う所ですが、ワインや果物、頭の花などが精密により本物に近く描かれている事。レオナルドもこれを目指していましたが、この時代程ではないそうです。そして人物が一層写実的になった事。なので「居酒屋のお兄さん」と思ってもバチは当たらないのでは...... -
彫刻ではこの「ラオコーン像」が人気ですが、実はコピーです。本物は1506年にローマで発掘され、今でもヴァチカン美術館にあります。創られたのは紀元前160年から紀元前20年まで諸説あります。
ヴァチカン美術館で見た時は「なんでウフィツィ美術館のコピーがここにあるのだろう?」と思ったのですが、逆でした(笑)
コピーといっても、その由来は面白いんですよ。1515年に戦争でローマに勝ったフランスが戦利品としてこの像を要求しました。当時の教皇レオ10世(ロレンツォ豪華王の次男)は彫刻家にコピーを作らせます。結局コピーも送らず、それがウフィツィ美術館にあるというわけです。一時期ミケランジェロが創ったのでは?という説があったようですが否定されました。なので紀元前にこの出来栄え、すごいです。 -
こちらは、なんだかおもしろいなと思ってパチリ。
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ピエロ・ディ・コジモの「アンドロメダを救うペルセウス」
芸術作品の解釈や見方は沢山ありますし、知っておくとより楽しめるのは確かなのですが、あまり深く考えずに美術館をのんびり回って、有名な作品以外にもお気に入りが見つかると嬉しいものです。
その意味で今回気に入ったのがこちら。
なにより怪物が怖い。そして呑気に楽器を弾いている人や、走って逃げれば良いのに留まって震えてる人がいたり。助けが飛んできてるので、頑張れと応援したくなったり、なんていうかゲームの挿絵みたい。ウフィツィ美術館では珍しい絵に感じました。
帰国後作者について調べてみると「幻想的な作品が多く、ルネサンスでは異色の画家」で「人嫌いの変わり者、自宅も自然のままが良いと雑草が生い茂っていた」そうです。分かる気がする!
面白いのはシモネッタ・ヴェスプッチの肖像画も残していて、すでに彼女は亡くなっていたので想像で描いたものです。なかなか風変りな絵なので、興味のある方は検索してみてください。 -
部屋自体が展示品という場所もあります。こちらは「トリブーナ」という八角形の部屋です。中には入れないので、三か所ある扉から覗き見るだけです。中にはメディチ家のコレクションが飾られています。写真を撮り忘れてしまったのですが、その一つに「メディチ家のヴィーナス」があり、18世紀位まではウフィツィ美術館の一番人気だったそうです。ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」のモデルにもなっています。
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天井は真珠貝でモザイクされています。養殖なんてできない時代なので、全部天然モノ。しかも大きさが揃っていてびっくり。
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とくに展示物はありませんが、床のモザイク、壁のタイルがすばらしいです。ここも中には入れませんでした。ひっそりとして、名画続出で高ぶった気持ちが落ち着きます。
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天井のデザインも品があって素敵です。
メディチ家は1743年に最後の女当主アンナ・マリア・ルイーザが亡くなった事により断絶します。でも彼女は遺言で「メディチ家の財宝は国外に持ち出してはいけない。見たい人すべてが見られる状態にする」という条件でトスカーナ大公国に寄付したのです。これがなければフィレンツェの宝は離散して、ウフィツィ美術館も今の姿ではなかったでしょう。本当に素晴らしい遺言を残して下さったと思います。
コロナ禍でしばらく閉館していたウフィツィ美術館ですが、6月3日より再開されるようです。日本から行けるにはまだ時間がかかりそうですが、是非また訪れてみたいです。長い話にお付き合いいただいてありがとうございました。次回はフィエゾレのオリーブオイル工場でお会いしましょう。
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旅行記グループ 2019年パリ・フィレンツェ
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