２０１９年　晩秋のパリ・フィレンツェ２０日間　パリ番外編【メトロでドキッとした事、気候など】

2019/10/25 - 2019/11/13

前回まで７回にわたって「２０１９年　２０日間の夫婦自由旅行・パリ、フィレンツェ」の前半パリについての旅行記を書かせていただきました。４travelに投稿するのは初めてでしたが、読んで下さったり「いいね」を押して下さった方がいらして、とても嬉しかったです。この場を借りてお礼申し上げます。
今回はその中で書き逃した事や、もし今後またパリに行ける時の忘備録として、おまけを書いておこうと思います。

エリア パリ(フランス)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 鉄道 観光バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

☆ホームでぼーっとしてメトロを待つ夫☆

【メトロ乗り換え地下道で夫を置いて逃げた話】

初めてのパリでしたのでメトロは不安はあったのですが、街を周るのにメトロは欠かせないと感じました。
一律1.5ユーロで、だいたいの名所に効率良く行く事ができます。さいわいスリには逢わず、案外普通の電車じゃないか、と思ったのですが、たまたま運が良かっただけかもしれません。
ルーブル美術館のある駅では日本語で「お手回り品には十分ご注意下さい」というアナウンスが流れていました。それから、混んでいる時には見逃して次に乗るようにはしていました。

ある日、乗り換える為に地下通路を歩いていると、先方にコワモテの大きな体の男性が数人集まっています。そこを抜けなければ乗り換えできません。
なんとなーく、嫌な雰囲気を感じた私は夫に「走った方が良いよ！」と言い残して一目散に走り抜けました。
ふと振り返ると、夫が彼らに捕まっています。
やれやれ......
見捨てるわけにはいかないので、恐る恐る近づくと夫が「なんかこの人達、切符見せろって言ってる」と。
人相が悪いと思っていた人達は駅の係員だったのです。
メトロは入場してしまえば出口で切符を通さないので、やろうと思えば無賃乗車ができます。なのでたまに車内に検札が回ってきたり、通路で調べられるという話を思い出しました。
切符を見せると「マダム、逃げ足早いね～」とニヤリと笑われました。
でもね、逃げるという行為は、この場合危険だったかもしれません。無賃乗車したから逃げたと思われて、取り押さえられたらパニックになってしまったでしょう。
でも本当に怪しい人達という可能性もあります。地下通路は暗いですし、私達だけという時もありましたので、逃げないとダメな事もあるかもしれません。
「切符拝見中」とか看板を立ててくれれば良いのに。まあ、それだと無賃乗車の人はサッと戻ってしまうから意味はないですね。難しいです。

【メトロのホームレス】

本当は物乞いと書いた方が分かりやすいのですが、差別用語にあたるようですのでホームレスと書かせていただきます。
メトロの中で私達は座っていたのですが、遠くの方から声が聞こえてきます。何を言っているのかはまだ分かりませんが、かなり大きい声です。だんだん近づいてきて、後ろの車両にその主が現れました。初老の男性で、足を引きずりながら、小皿を差し出しています。
「ムッシュー、マダム、シルヴプレー」は聞き取れました。その後も何か言っていますが分かりません。
恵んであげる人は誰もいません。私の前に皿が出された時、そっと目を伏せて知らないふりをしたら、そのまま去っていきました。
夫は「足が悪そうだけど、この揺れる車内で転ばずにずっと歩けるのはすごい。それにかなり大きな声だよね。お腹が空いていたらあんな声は出せない」とか妙な感心をしていました。確かに。私も立っている時は必ず何かにつかまっていましたから。もしかしたら演技だったのかもしれません。

ホームレスの人ではありませんが、観光客の多い１号線では演奏家？をよく見かけました。アコーディオンを弾きながら軽快な曲を歌います。終わると近くの人に皿を出してチップを頼みます。決してしつこいわけではありません。
結構楽しめたので、私もポケットに小銭がある時は渡しました。駅につくと次の車両に移ってもう一曲。
だいたい１回３人位の人が小銭を渡しています。演奏時間５分で多ければ３ユーロ位にはなるのかも？日本のアルバイトの時給は1000円位でしょうから、これは良い商売なのかも、と前職銀行員の私は計算してしまったのでした。

【良かった、病気の子犬はいなかったんだ】

ホームレスの話のついでにもう一つ。
ホテル近くの歩道で、ほぼ毎日じっと座っている男性がいました。釣り竿の先に空き缶をぶら下げていて、ゆらゆらしているので邪魔だなぁと思っていました。
目を引くのは隣で寝ている子犬です。チワワとダックスフントのミックスのような感じで可愛い。ボロい毛布をかけられていて、ぺったりと寝ています。大きな目は熱でもあるようでウルウルしています。元気は全くありません。
可哀そうに......飼い主も何でも良いから働けば良いのに。まだ３０代位で健康そうなのに。
そう思いつつ、お金をあげた事はありませんでした。

ある日オペラ座近くを歩いていると、この男性と子犬が歩いているのを見ました。
子犬は元気に男性の足元にまとわりついています。「雪やこんこん」の歌のようです。男性もいつもの覇気のない様子とは全く違います。
夫と思わず顔を見合わせました。
その晩、私と夫はこの物乞いを観察する事にしました（パリまで来て何やってるんだろう）
やはりいつもの場所にいました。反対の歩道に立って見ていると、子犬はずっと寝ているわけでなく、起きている事がわかりました。人が近づいてくると、男性が子犬の頭をサッと撫でます。すると子犬はぺったりと横になります。しばらくするとまた起きて、人が来ると......を繰り返していました。まさにベストパートナー。ずっとこんな事をさせられる子犬は可哀そうですが、逃げ出すわけでなく飼い主に従っています。昼間の楽しそうな様子を思うと、飼い主に虐待されているわけではなさそうです。村上春樹さんもローマで似たような経験をされた話を書かれているので、「体が不自由なふり」「可哀そうな動物をつれている」というのは定番なのかもしれませんね。
ともかく良かった。病気じゃなさそうで。
帰り際、その子犬の演技に対して、１ユーロ、釣り竿の先の缶に入れました。

【10月末のパリの気候について】

旅行に行く前はその土地の気候が気になります。調べてはみるものの、その月の平均気温とか降水量といわれても今一つピンとこない。
昨年10月中旬にイタリアに行った時は晴天で暑い程の日が多かったです。11月初頭のスペインもブラウス一枚で良かった日もありました。だいたい薄手のジャケットで足りたのですが、パリはどうなのかな、と持っていく服に悩みました。イタリアに比べれば寒いだろうとは思いましたが、実際かなり寒かったです。そして雨が多かったです。
この写真は10月26日のモンマルトルですが、こんなに良く晴れたのはこの日だけだった気がします。なので旅行記の写真がだいたい暗い......

総じて朝起きると雨。でも日中は曇り、運が悪いと雨、たまに日が射す時があるという感じでした。逆に一日中土砂降りの日はなかったので良かったです。
ベルサイユ宮殿では庭園で自転車に乗りたかったので、雨は嫌だなと思っていたのですが、一日薄曇りでまあ良しとします。
パリの後で行ったフィレンツェも雨が多く、天候には恵まれませんでした。４回フィレンツェに行って、なぜか全て10月か11月でしたが、いつも晴れて暖かかったんですけどね。そしてイタリアの天気予報は晴れ、雨、曇りマークがすべて付いている時が多く、そりゃどれか当たるよね？と笑えます。
そんな中で持って行って良かったのは、ユニクロの薄手のライトダウンジャケット（正式名称は忘れてしまいました）2枚です。一枚は昨年のイタリアで重宝したので、今回もう一枚買いました。
これの良い所は二枚重ねて着られる所です。すごく寒い時は二枚重ね着＋薄手のニットコート。その時の感じで組み合わせ自由です。
黒と白を持っているので、どちらを上にするかで着回しの幅も広がります。
そして着ない時は専用収納袋に丸めて入れてバックにポン。美術館などで暑くなれば簡単にしまえます。この状態で飛行機の中では枕にしたり腰に当てたりしてました。軽いのも良いのですが、昨年機内で毛布代わりに掛けて寝ていたら、知らないうちにかなり前の席まで流されていたようです。客室乗務員の方が「これ、どなたのですか？」と回って来られて気が付きました。
家でもカーディガンとして着られるし、洗濯機で洗えるし（ここは大切）イイとこずくめです。
キャンセル日記に書いたのですが、来年の10月にローマのホテルの予約を変更したので、もし行くときにはまたお供になると思います。