2012夏ベルギーとドイツの旅03：ゲント

2012/09/01 - 2012/09/01

　夫婦揃って13年ぶりの海外旅行。ベルギーをスタートして南ドイツへ周るコースです。観光２日目は、ブリュッセルを宿にゲントとブルージュの日帰り観光です（オランダ語のヘント、ブルッヘではなく、英語のゲント、ブルージュを使っています）。ゲント、ブルージュは４年ぶりの再訪で、初めての女房に案内をする旅です。

　旅行の日程は以下の通り：★印がこの旅行記です。
　8月30日(木)　10:30関空～15:25アムステルダム経由16:55～17:40ブリュッセル着（ブリュッセル泊)
　8月31日(金)　ブリュッセル、ディナン（ブリュッセル泊)
★9月01日(土)　ゲント、
　　　　　　　　ブルージュ（ブリュッセル泊)
　9月02日(日)　ブリュール、ケルン（アーヘン泊)
　9月03日(月)　アーヘン、ヴュルツブルク（ヴュルツブルク泊)
　9月04日(火)　ローテンブルク（ヴュルツブルク泊)
　9月05日(水)　バンベルク、ニュルンベルク（ヴュルツブルク泊)
　9月06日(木)　ミルテンベルク、アシャッフェンブルク、フランクフルト（フランクフルト泊)
　9月07日(金)　11:30フランクフルト～12:45アムステルダム14:40～（機内泊）
　9月08日(土)　8:50関空着

エリア ゲント(ベルギー)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 鉄道
• 航空会社: KLMオランダ航空

ここはゲント。いきなり、この場面からスタートします（途中の写真が無いものですから）。
8:59ブリュッセル中央駅発のICで9:36ゲント・セント・ピーターズ駅着。駅前から1番のトラムに乗りGent Gravensteene駅で下車しました。降り立った所は聖ヴェーレ広場Sint Veerleplein、目の間にはフランドル伯居城。昨日の曇り空と異なり、今日は快晴のようです。

広場から南に向かうとすぐにレイエ川に出ます。川沿いにはゼラニウムとペチュニアがぎっしり。

フレースホイス橋Vleeshuisbrugから眺めたクラーンレイKraanlei（川の北西側です）。

クラーンレイで小便小僧Manneken Pisを発見。おしっこはしていないようです。

あんな所からされたんじゃたまりませんね。クラーンレイ通りに入って西から5軒目の家です。

フレースホイス橋を渡って右手には大肉市場Groot Vleeshuisがあります。1407-19年にかけて建てられた屋内肉市場。

大肉市場の正面（南側）はグルーンテンマルクト広場Groentenmarktです。
貧しい庶民が売れ残り肉の臓物をもらっていたというのはこの辺りでしょうか。

大肉市場の屋内です。15世紀に肉市場として賑わっていましたが、現在は市場ではなく当時の内装を利用したカフェ・レストランとなっています。

天井の梁から吊るされているのは生ハムでしょうか。ガンダハムはフランドル地方の名産ですね。昔の肉市場の雰囲気作りのためのレプリカだと思いますが、本物そっくり（まさか本物？）。

再び橋を渡って聖ヴェーレ広場広場に戻ります。
橋から眺めた南西側の風景、コーレンレイの北端とグラス橋Grasbrugです。あとであそこに行きます。

聖ヴェーレ広場です。正面は17世紀バロック様式で建造された旧魚市場Oude Vismarkt、右は旧教済院Wennemaershospitaal。

旧魚市場の入り口の天辺にはネプチューンの像、その下の男性像はスヘルデ川、女性像はレイエ川を表しているそうです。フランスから北流したスヘルデ川はゲントでレイエ川と合流し、アントワープ方面に流れていきます。ゲントの名前はケルト語の「合流点Ganda」に由来しています。

再び広場の北側、フランドル伯居城Gravensteeneです。こちらは城の南側。
フランドル伯アルヌルフ1世が10世紀に建てた砦を1180年にフィリップ・ダルダスが城として完成させ、1353年まで代々フランドル伯の居城として使われました。その後は、学校、裁判所、造幣局、牢獄、紡績工場として使われたそうです。

城館部分です。
４年前に来た時は内部を見学しました。城内には騎士の装備やギロチン台、拷問器具などがあったのを覚えています。

（ゲント2008）https://4travel.jp/travelogue/11639909

城の前の通りを西て、ホーフト橋Hoofdburgを渡ります。この川はレイエ川から分岐したリーヴェ川です。

タイミングよく運河のクルーズ船が来ました。こういう組み合せがいいですね。

橋を渡って左折しヤン・ブライデル通りJan Breydelstaatを通ってコーレンレイへ向かいます。途中レイエ川対岸に見えた大肉市場の裏側です。建物が横に長いのがわかります。

コーレンレイKorenleiの北部分に出ました。コーレンレイはレイエ川の西側のエリアです。
写真は対岸のグラスレイGraslei（川の東側のエリア）です。かつてここでは貿易が盛んに行われ、多くの船が出入りをしていた地区です。

コーレンレイとグラスレイを結ぶグラス橋Grasubrug。

注目したのは橋の上での結婚式、おめでとうございます。

コーレンレイの南側には聖ミヒエル橋Sint-Michielsburg。橋の右手（西側）袂には聖ミヒエル教会が見えます。

聖ミヒエル教会Sint-Michielskerkの西側入り口です、といっても閉まっていました（４年前も閉まっていました）。

聖ミヒエル橋を渡ります。橋から見た聖ミヒエル教会です。高い尖塔はないものの、すごく重厚で立派な教会に思えます（中を見てみたいものです）。

聖ミヒエル橋の上から東の眺めです。

橋の袂、左手は旧郵便局。

ミヒエル橋の欄干には聖ミヒエル像の街灯が立っています。

ミヒエル橋から北の眺め。左手はコーレンレイのギルドハウス、中央奥にはフランドル伯居城が見えます。

橋を渡って東に進むと聖ニコラス教会Sint-Niklaaskerk。手前はコーレン・マルクトKoren Markt、旧市街の中心地です。

聖ニコラス教会の南側から。11世紀中頃に建てられるも12世紀に火災に遭い13世紀に再建されました。

教会の身廊。ゴシック様式の建築。

主祭壇は紛れもないバロック様式。何かここだけが違う雰囲気です。

後陣に周歩廊があり主祭壇の裏側が見えました。何と祭壇の裏側も表側に負けないくらいバロック装飾が見事なのに驚きました。祭壇裏側の彫刻です（全体像を撮り忘れ）。

この教会、ガラス窓は結構あってもステンドグラスの数は少なかったような気がします。でも色鮮やかなこのステンドグラスは印象的でした。

聖ニコラス教会がきれいに納まる東側から。こちらはエミール・ブラウン広場Emile Braunpleinですが、工事中で４年前と風景が変わっています。

こちらは４年前の訪問時の写真です（2008年9月撮影）。写真左下の鐘楼の鐘や写真手前の彫像がなくなっています。

彫像は広場の中央に移動していました。後ろの建物はゲント市ホールStadshalです。

さらに東に歩くと頭上に鐘楼Het Belfort van Gent。1313年起工で1380年完成、高さ91m、ギルド繁栄の象徴のようですね。これは世界遺産。

南東側の聖バーフ広場から見た鐘楼と繊維ホールLakenhalle。
繊維ホールは1425-44年の建造。事務所、会議場、ラシャの取引所として、18世紀には牢獄としても使われていました。

聖バーフ広場Sint-Baafspleinの北東側にはゲント市立劇場Nederlands Toneel Gent（1899年建築、1965年設立）。

聖バーフ広場の南東側には聖バーフ大聖堂Sint Baafskathedraal。起源は942年創設の聖ヤン教会、もともと木造だったものを11世紀にロマネスク様式、さらに13世紀にゴシック様式に改装。尖塔は1569年に完成、高さ89mです。

1540年から聖バーフ教会となり、1599年から司教座聖堂になっています。天井の高い聖堂内部は荘厳な雰囲気に包まれています。

内陣です。主祭壇はかなり奥にあります。

内陣の彫像。

内陣横のパイプオルガン。

真理の説教壇の彫刻（1741年、ローラン・デルボー作）。

この教会にはファン・アイク兄弟による「ゲント祭壇画Gents altaarstuk」があります。撮影禁止のため絵葉書を購入。祭壇画は12枚のパネルで構成されており、メインとなる「神秘の仔羊Het Lam Gods」の部分です。
この祭壇画は1941年ドイツによって押収されノイシュヴァンシュタイン城に置かれました（その後、オーストリアの岩塩抗に隠匿）。
※我々の訪問の翌月、2012年10月から「ゲント祭壇画」の五ヵ年修復計画がスタートしました。

この教会にも綺麗なステンドグラスがたっぷりありました。

ところで、これは４年前の訪問時の写真です（2008年9月撮影）。大聖堂南側のリンブルク通りLimburgstraat沿いの駐車スペース近くにあった道路標識。

（ゲント2008）https://4travel.jp/travelogue/11639909

ベルギーには変わった道路標識があるもんだな、いったい何の標識だろうかと本気で考えました。この顔からユダヤ人を連想したものですから、まさかユダヤ優先の駐車スペース？なんて連想してしまいました（あるわけないのですが）。帰国後もずっと気になっていたのですが。。。

４年後の今日、同じ場所で同じ標識に再会したとたん、騙されたことに気づきました。誰かのいたずらで、優先道路の警戒標識にシールを張っていたんですね。よく見たら何やら剥がした後も見えます。４年越しの謎が解けました。これが今回のゲント訪問の１番の収穫でした。

ここからほんの少し南東に進むとリンブルグ通りに面してファン・アイク兄弟の銅像があります。大聖堂を背景になかなか良い撮影スポットです。

たくさんの人の銅像が並んでいますが、ファン・アイク兄弟は中央の二人です。

どちらが兄か弟か? 右が若そうですね。

さて、今来たリンブルグ通りをコーレン・マルクト方向に戻ります。途中、馬車ともすれ違いました。

コーレン・マルクトに戻ってきました。広場の西側にある格調高い立派な建物は旧郵便局（1903年建造）、現在はショッピングセンターPost Plazaです。
周辺の土産物屋をしばらく覗いた後、トラム駅のGent Korenmarktから１番トラムに乗ってゲント・セント・ピーターズ駅に戻りました。

昼食は買い込んで列車内で。
13:00ゲント・セント・ピーターズ発のICでブルージュに向かいました。今回レイルパスは１等を用意しています。ここは主要観光路線のはずなのに、何と１等車はガラガラでした。

（ブルージュ）https://4travel.jp/travelogue/11593616

この旅行記へのコメント （2）

• Rolleiguyさん 2020/01/20 09:16:39

  落ち着いた色合いの街

  blumentalさん、今日は。
  ゲントのしっとりとした色合いの街並、建物を楽しく拝見しました。
  私はベルギーには仕事で何回か行きましたが、ゲントには行ったことがありません。
  この美しい色彩の街を見てみたいものだと思います。もう二十数年前ですが、ブリュッセルから日帰りで、ブルージュに行った時には、その色彩に驚いたことを思い出します。中世の街と一括りに出来ない、見慣れたドイツの街とも違う趣に感激しました。
  ゲントの色合いもそうだなと思いました。続きのブルージュも楽しみにしています。
  Rolleiguy

  blumentalさん からの返信 2020/01/21 19:23:33

  Re: 落ち着いた色合いの街

  Rolleiguyさん、
  　コメントありがとうございます。
  　ゲントの街並みは中世のギルドハウスが並んでいる姿からイメージされるのではないかと思います。私はベルギーの街と言えば、灰色と焦げ茶色のレンガの街並みが浮かんできます。私の見たドイツでいえばハンザ都市のヴィスマールやリューベック、そしてリューネブルクなどに似た印象がありますが、同じ中世の街でもドイツの街とは違う趣であることにRolleiguyさんと同感です。
  　中世の雰囲気を味わえる度合いはゲントよりブルージュの方が上だったように思いますが、ブルージュは観光客が多くてのんびりした気分は味わえなかったように記憶しています。でもゲントもブルージュも町中の主要箇所に川が流れている点が魅力ですね（ブリュッセルには川の風景がないのが不満です）。
  　パソコンの中に眠っていた古い写真データを引っ張りだして、記憶を呼び起こしながら何とか作成している旅行記です。今後もどうぞよろしくお願いします。
  　　　　　blumental