Go north！ノルウェー冬旅【Day 06】

2019/12/07 - 2019/12/19

夏にほぼ白夜を体験して、その反対の極夜も体験したくなり、この冬は北をめざして旅してきました。
緯度のわずかな違いで明るさが大きく違っていて、やっぱり地球は面白い！

Day 01　　 Tokyo → Oslo
Day 02　　 Oslo
Day 03　　 Oslo → Longyearbyen
Day 04　　 Longyearbyen
Day 05　　 Longyearbyen
Day 06　　 Longyearbyen
Day 07　　 Longyearbyen → Oslo
Day 08　　 Oslo → Bodo ～ Svolver etc. ～
Day 09　　 ～ Tromso etc. ～
Day 10　　 ～ Honningsvag etc. ～
Day 11　　 ～ Kirkenes → Tromso
Day 12-13　Tromso → Tokyo

〇 交通手段
　 成田 ⇒ コペンハーゲン ⇒ オスロ （SAS）
　 オスロ ⇔ ロングイェールビェン （SAS）
　 オスロ ⇒ ボードー （Norwegian）
　 ボードー ⇒ キルケネス （Hurtigruten）
　 キルケネス ⇒ トロムソ （Wideroe）
　 トロムソ ⇒ コペンハーゲン ⇒ 成田 （SAS）

昨日の午後から強まった風雪は夜通し嵐となって続きました。
天気予報を見ても、雪で風速16m。ホテルのフロント脇にある気温予想は、マイナス18℃、ただし体感温度はマイナス34℃と想像を絶する数値が表示されており、あ、今日はアクティビティ無理かも、と思いました。
しかし、中止なら連絡来ると思うんだけど来ないなー、行くのかなー、どうかなー、とホテルのロビーで待っているとピックアップが来ました。

エリア ロングイェールビーン(スヴァールバル諸島)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

今日参加したアクティビティはこちら。
https://seeandexplore.no/wildlife-photo-tour/

もともとのキツネ好きのため、アクティビティ紹介ページのホッキョクキツネの写真にノックアウトされました。
宮城のキツネ村にもホッキョクギツネはいますが、日本が暑すぎるせいか、覇気のない眠そうな姿しか見たことがなかったのに、この神々しさ、凛々しさはまるで神様のつかいのよう！と思った瞬間、申し込んでいたという。
フルに滞在できる日程の最終日にしたのは、基本的にはそれほど体力が必要ではなさそうなので、前日の山登りでヘタっていても行けそう、と思ったからなのですが、まさかこのような荒れ模様のお天気だとは。
ホッキョクギツネがマイナス70℃でも生きていける生物なのは知っていますが、わざわざこんな悪天候を選んで外遊びすることもないだろうし、まあ、生息地がどんなところなのか連れて行ってもらうだけでもまあいいや、という気分で参加しました。
今日の参加者はデンマークから来た女性と私の二人です。
連日のアクティビティにそれぞれまったく異なった国の方と一緒になる、さすがは国際都市ロングイェールビェン！

車でロングイェールビェンの市街地から少し外れた荒野に行きます。
街中を出た途端、どの方角に行っても同じにしか見えません。本当にどこにいるかわからない…。
キツネちゃんたちの生息地に近づくと車を降りて、しばらく道なりにまっすぐ歩いていきました。
夏とかなら、このベンチとかでキツネ待ちでもするのでしょうか、キツネちゃんマーク入りのベンチです。ただし今の季節はとても無理…！

どんどん道なりに進んでいきます。本当に何にもないところで左手側が山、右手側が平原となっていました。
昨日は、この辺でキツネ見たんだ、とガイドさんが話しますが、私はもう半分諦めモードです。だって昨日の午前中は気温は低かったけど無風でいいコンディションだったの知ってる（笑）。
しかし、ガイドさんは時折口笛を吹いたり、石を投げてみたりといろいろ試していました。
この辺りには結構いて、出てきたのが男の子だとまあその子が一人で遊んでいることが多いけど、女の子が出てくると、そのあと男の子も出てきて、キツネちゃん二人で遊んでいる姿を見ることができるんだそう。
そうはいってもねえと思いつつ、目を凝らしても何にもない中を進むこと20分くらいでしょうか、ガイドさんが、あ、いた、と指さした方向を見やると白い毛玉が！

何にもない荒野を白い毛玉が走ります。
あの子、女の子だからきっともう一人来るよ、とガイドさんがいうと、確かにその後ろ、白い毛玉がもう一つ駆けてきて、じゃれるように遊んでいます。
写真ー！と思って、酷寒の中ですが、カメラを取り出しますが、まあ、キツネちゃんの動きは速い、カメラの設定がお任せモードだったので、この暗い中、シャッタースピードは劇遅、その結果、たくさんのゴーストを量産しました（笑）。
キツネっぽく映っているのはこれくらいかしらん。

これもちょっとだけゆっくりモードの時に何とか撮れたもの。
二人でじゃれてる姿は、記憶の中で大事にしておきます。

この後も別のカップルが顔を出し、結局、4人のキツネちゃんを見ることができました。
キツネは好奇心旺盛だけど臆病だから、自分が注目されると逃げてしまう、でも知らん顔していると何だろうって寄ってくるよ、ということで、3人でレフセ（ノルウェーの伝統的なお菓子）を食べながらホットドリンクを飲み、いろいろおしゃべりしていると、気がつくとキツネちゃんが数メートル先に近づいてきていたり！
本当にかわいかったです。
今回は、白い仔ばかり出てきてくれたので、青毛の仔はどのくらいいるのか聞いてみたら、だいたい数パーセントにも満たないくらいしかいないそうです。
もし青毛のホッキョクギツネを見ることができた人がいたら、相当ラッキーなようです（笑）。

そして、本当にすごいな、と思ったのは、この悪天候でもガイドさんがキツネを見せてくれたことと、その方法でした。
私はキツネが大好きなので、キツネに関するニュースは結構記憶に残ってしまうのですが、北海道や東北で、キタキツネにエサをやる観光客等が増えて、キツネが美味しいエサに慣れてしまって狩りをしなくなり、狩りができなくなって、結局人が来なくなる季節とかに死んでしまうとかそんなニュースが報道されていたことがあります。
お金をとってツアーをやっている以上、本当にどうしてもキツネが出てきてくれない日もあるかもしれないのに、絶対にエサで釣ろうとせず、あくまでもキツネの好奇心に訴えかける口笛や石を投げるということだけで、キツネを呼んでくれたガイドさんに心から感謝です。
基本的に、スヴァールバルはどんなアクティビティでも自然との共存というか、街の外では人間の方が外様であり、できるだけ野生の環境に影響を与えないようにする精神が徹底していて、そこは凄いと思いました。

一通りキツネちゃんを見て満足し、街に戻るため車に乗り込みます。
しかし、ノルウェー人とデンマーク人は母語で会話が可能らしく、ガイドさんとデンマークの彼女の会話にまったくついていけなくなり、時折、ガイドさんがふと我に返って、今、こんな話をしていたんだよ、と英語に訳してくれました。
デンマークの彼女は何度も来ているリピーターらしく、スヴァールバルが一番美しい時期は10月と3月と思う、とかいう話をしていたので、ブルーアワー、私もすっごく見たかったんだけど、今回時期間違えたんだー、とか言っていたら、スマホの写真を見せてくれました。透明感のある抜けるようなスカイブルーの空にピンクの光、この暗闇がこんな光で染まるなんて、と感動。今度はやっぱり3月に来るよ！

ホテルまで送っていただきそこでお別れだったのですが、最後にガイドさん手作りの可愛らしいキツネちゃんピンバッジをいただきました。
帰国してからもたまにそれを眺めてキツネちゃんたちの記憶を反芻しています（笑）。

街に戻ってきて、今日はまだまだ時間があるので、以前から行きたかった博物館に行きました。
スヴァールバルの歴史や地理、文化、北極圏の生活や生態など、展示は多岐にわたります。

入り口で靴を脱いで入場するのですが、そこにコートをかけるスペースもあることに気づかず、うっかりコートのまま入場してしまい、中では暑かったです。入場料は NOK 90。

やはりここでもホッキョクグマが目をひきます。

キツネちゃん。あーうー、可愛いけど、暖を取るためには毛皮を利用させていただくことは必須だったんでしょうね。
そういえば、犬ぞりのマスターのお宅にも、キツネちゃんの毛皮があったので、スリスリさせてもらいました。すっごく柔らかくてフワフワで暖かかったです。
確かに、ファッションのために毛皮をということは反対です。今は暖かい機能的な繊維製品も多いし、ファッションだったらフェイクで十分じゃんと思っています。
でも、暖かい機能的な繊維製品がなかった時代、本当に寒い地方で暖を取るのにやむを得ず、というのであれば、否定することは難しいなあとも思いました。

スヴァールバルトナカイ。ちょっと小さくてずんぐりむっくり。ここの気候、環境に適応した姿なのでしょうね。

がーう！　見たいけどコワイ、コワイけど見たい。でもやっぱり動物園で十分かも。いきなり道で彼らにあったら腰を抜かすわ…！
犬ぞりのマスターのお家（ロングイェールビェンの市街地から10kmほどらしいです）の近くでシロクマさんを見たのは過去3回とかおっしゃっていました。

家の中。日本の民俗資料館もこんな感じですよね。

もともとロングイェールビェンは炭鉱の街。
こんな体勢で石炭掘ってたとか、本当に過酷です。