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 鎌倉市二階堂字新立にある獅子舞谷(ししまいがやつ)は平成になってからは鎌倉一の紅葉の名所として知られるようになったが、ここ獅子舞谷の立地は谷から尾根に上るつづら折の山道から富士山が見えることから分かるように、富士山のビュースポットの下の谷に銀杏の木や楓(もみじ)の木(、梅の木、お茶の木、熊笹)を植えた人工林である。しかし、今では楓(もみじ)の木が生長して富士山が望める空間が狭められてしまっている。<br /> 今年(2019年)の紅葉は遅く、いつものように12月に入ってから見頃を迎え、12月の第2週にその時期があったようだ。しかし、その見頃の時期に天候に恵まれるとは限らない。特に、ここ獅子舞谷は紅葉の名所であると共に富士山のビュースポットでもあるからだ。この土日は天候に恵まれ、ここ獅子舞谷に紅葉狩りに訪れた人たちは富士山も楽しめたはずだ。しかし、現実にはここ獅子舞谷は富士山のビュースポットであることを知らない人が多く、今日も富士山を見ないで下りたご夫婦や天園峠へのつづら折の山道から富士山が見えることを知らないでいたお爺さんも私と一緒に富士山を眺め、カメラに収めていた。<br /> おそらくは、鎌倉時代からの街道である大手中路はここにある獅子岩の手前から右の女竹の藪に入る道で、なだらかな杉林があるところを上って尾根道に出る道であったはずだ。今も道路跡は残っている。しかし、現在あるような天園峠へ直結したつづら折の山道は天園に茶屋ができた大正時代には整備されていたはずであるし、平成になってからはおそらくはボランティアの手で整備が続けられて来ているのだろう。<br /> さすがに、師走も月の後半となった今日は天候には恵まれたがここ獅子舞谷を訪れる人は少ない。先週(12/9)の1/3~1/2程度であろうか。婆さんのグループと会ったぐらいで後は一人の人ばかりだ。その中に、ママ友3人が3人乗りの自転車で東電変電所脇の切通入口前まで乗りつけ、子供たちを連れて紅葉狩りをするのだ言う。<br /> 獅子舞谷の迂回路を通って行くと銀杏の木の傍の道を塞いで婆さんが一人道に座ってお昼のおむすびをほうばっている。下からは先ほどのママ友たち一行がやって来ており、子供たちの声が聞こえる。「ここは通り道だから邪魔ですよ。」と言ってもどかない。「下で子供たちの声が聞こえるでしょう。ここでは邪魔になるからどいてください。」ようやくどいてくれた。このほんの少し上では一人で来ているおばさんがボランティアが設えた倒木の木に座って紅葉を眺めながら、これまたお昼のおむすびをほうばっている。そういえば、先週も若い娘3人がここに座っていた。しかし、お婆さんには社会性が全くなく、それでいておばさんはそうしたことをわきまえている。山の中であれ、街の中であれ、こうした婆さんと爺さんはいつも社会性がないのに呆れてしまう。しかし、この婆さんと爺さんは戦時中や戦後のどさくさで家庭でも躾けや学校での社会教育も蔑(ないがし)ろにならざるを得なかった世代である。こうしたママ友たちとその子供たちのように弁当持参で紅葉狩りなどに行けない時代に幼年期・少年期を過ごした不幸な世代に当たる。戦争の悲惨さはドラマなどでもしばしば放送されている。しかし、こうした異常な事態の中ではまともな躾けや教育がなされず、それが一生涯のハンディとなってしまう不幸な事実もあるのだ。<br />(表紙写真は獅子舞谷の紅葉)

獅子舞谷の紅葉と富士山-2019年師走

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2019/12/16 - 2019/12/16

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 鎌倉市二階堂字新立にある獅子舞谷(ししまいがやつ)は平成になってからは鎌倉一の紅葉の名所として知られるようになったが、ここ獅子舞谷の立地は谷から尾根に上るつづら折の山道から富士山が見えることから分かるように、富士山のビュースポットの下の谷に銀杏の木や楓(もみじ)の木(、梅の木、お茶の木、熊笹)を植えた人工林である。しかし、今では楓(もみじ)の木が生長して富士山が望める空間が狭められてしまっている。
 今年(2019年)の紅葉は遅く、いつものように12月に入ってから見頃を迎え、12月の第2週にその時期があったようだ。しかし、その見頃の時期に天候に恵まれるとは限らない。特に、ここ獅子舞谷は紅葉の名所であると共に富士山のビュースポットでもあるからだ。この土日は天候に恵まれ、ここ獅子舞谷に紅葉狩りに訪れた人たちは富士山も楽しめたはずだ。しかし、現実にはここ獅子舞谷は富士山のビュースポットであることを知らない人が多く、今日も富士山を見ないで下りたご夫婦や天園峠へのつづら折の山道から富士山が見えることを知らないでいたお爺さんも私と一緒に富士山を眺め、カメラに収めていた。
 おそらくは、鎌倉時代からの街道である大手中路はここにある獅子岩の手前から右の女竹の藪に入る道で、なだらかな杉林があるところを上って尾根道に出る道であったはずだ。今も道路跡は残っている。しかし、現在あるような天園峠へ直結したつづら折の山道は天園に茶屋ができた大正時代には整備されていたはずであるし、平成になってからはおそらくはボランティアの手で整備が続けられて来ているのだろう。
 さすがに、師走も月の後半となった今日は天候には恵まれたがここ獅子舞谷を訪れる人は少ない。先週(12/9)の1/3~1/2程度であろうか。婆さんのグループと会ったぐらいで後は一人の人ばかりだ。その中に、ママ友3人が3人乗りの自転車で東電変電所脇の切通入口前まで乗りつけ、子供たちを連れて紅葉狩りをするのだ言う。
 獅子舞谷の迂回路を通って行くと銀杏の木の傍の道を塞いで婆さんが一人道に座ってお昼のおむすびをほうばっている。下からは先ほどのママ友たち一行がやって来ており、子供たちの声が聞こえる。「ここは通り道だから邪魔ですよ。」と言ってもどかない。「下で子供たちの声が聞こえるでしょう。ここでは邪魔になるからどいてください。」ようやくどいてくれた。このほんの少し上では一人で来ているおばさんがボランティアが設えた倒木の木に座って紅葉を眺めながら、これまたお昼のおむすびをほうばっている。そういえば、先週も若い娘3人がここに座っていた。しかし、お婆さんには社会性が全くなく、それでいておばさんはそうしたことをわきまえている。山の中であれ、街の中であれ、こうした婆さんと爺さんはいつも社会性がないのに呆れてしまう。しかし、この婆さんと爺さんは戦時中や戦後のどさくさで家庭でも躾けや学校での社会教育も蔑(ないがし)ろにならざるを得なかった世代である。こうしたママ友たちとその子供たちのように弁当持参で紅葉狩りなどに行けない時代に幼年期・少年期を過ごした不幸な世代に当たる。戦争の悲惨さはドラマなどでもしばしば放送されている。しかし、こうした異常な事態の中ではまともな躾けや教育がなされず、それが一生涯のハンディとなってしまう不幸な事実もあるのだ。
(表紙写真は獅子舞谷の紅葉)

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  • 下の看板にある私有地を通る古代からの街道(右)と平成になって着けられた迂回道(左)。

    下の看板にある私有地を通る古代からの街道(右)と平成になって着けられた迂回道(左)。

  • 天園峠に上るつづら折の山道から最初に見える富士山。

    天園峠に上るつづら折の山道から最初に見える富士山。

  • 天園峠に上るつづら折の山道から最初に見える富士山。

    天園峠に上るつづら折の山道から最初に見える富士山。

  • 天園峠に上るつづら折の山道から最初に見える富士山。

    天園峠に上るつづら折の山道から最初に見える富士山。

  • 天園峠に上るつづら折の山道から最初に見える富士山。

    天園峠に上るつづら折の山道から最初に見える富士山。

  • 天園峠に上るつづら折の山道から次に見える富士山。

    天園峠に上るつづら折の山道から次に見える富士山。

  • 天園峠に上るつづら折の山道から次に見える富士山。

    天園峠に上るつづら折の山道から次に見える富士山。

  • 天園峠に上るつづら折の山道のからその次に見える富士山。

    天園峠に上るつづら折の山道のからその次に見える富士山。

  • 天園峠に上るつづら折の山道のからその次に見える富士山。

    天園峠に上るつづら折の山道のからその次に見える富士山。

  • 天園峠に上るつづら折の山道のからその次に見える富士山。

    天園峠に上るつづら折の山道のからその次に見える富士山。

  • 天園峠に上るつづら折の山道の最後から見える富士山。

    天園峠に上るつづら折の山道の最後から見える富士山。

  • 天園峠に上るつづら折の山道の最後から見える富士山。

    天園峠に上るつづら折の山道の最後から見える富士山。

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