正宗工房－2019年春

2019/03/20 - 2019/03/20

　正月元旦に正宗稲荷（https://4travel.jp/travelogue/11439720）に正月飾りがなかったので気になっていた。今小路から若宮大路・二の鳥居に出る途中、正宗工房の前を通ったので寄って当主に聞いてみた。「建設会社社長に土地と正宗稲荷も一緒に売った。古老の話では正宗稲荷は線路を越えた辺りにあったと聞いている。」今では正宗工房前に正宗稲荷を移しているようだ。
　正宗工房には刀剣が飾られている。当主が相州正宗の作と思われるものを中心に集めているのだという。相州正宗の作の刀剣は長いために、後に普通の長さに改造されているのだという。そのために、相州正宗銘の作の刀剣は数振り（3振り）しか残っていないのだという。
　正宗工房では包丁も造って売っている。築地が閉鎖される前に築地市場の金物屋で売っていた包丁は正宗工房の包丁の2倍以上はした。しかし、ここではお買い徳のようだ。フランス人のカップルがやって来て、包丁を2本買って行った。おそらくは、口コミでここ正宗工房を訪れて包丁を買い求めているのだろう。その後で、由比ガ浜の若宮大路で見掛けた。
　当主は銃剣取締法があって刀剣を売り辛いとこぼしている。しかし、銃を取り締まらなければ、3月半ばにニュージーランドで起こったように、50人もの多くの人が銃殺されてしまったら、日本ではショックで立ち直れない。あるいは、アメリカなどのように、頻繁に銃の乱射事件が起こっている国もある。日本では明治初頭に武士の魂とまで言われた刀を取り上げて、現在のような刀を持たない時代になっている。それが文明開化の出来事だ。アメリカのように開拓以来の銃だからと言って、野放しにしていたら、こうした銃の乱射事件は後を絶たないことは自明だ。
　また、刀剣を刀剣として輸出するには国内法の他に輸出先の国の法律があり、武器輸入として扱われ、大変なのだという。美術品として輸出する方法もあるが、税金が非常に高くなってしまうのだともいう。
　昨今は刀剣ブームで、博物館や美術館の刀剣の展示コーナーには刀剣女子が押し寄せているが、当主は生産者が恩恵を被らないブームもこれまではなかったという。なるほど。刀剣ブームで潤っているのは博物館や美術館だけか。
（表紙写真は正宗工房）

エリア 鎌倉(神奈川)

正宗工房。

正宗の由来。

刀剣の制作過程。

刀剣。

刀剣。

刀剣と槍。

刀剣。

刀剣。

刀剣。

刀剣。

正宗稲荷。