ポルト・リベンジと近郊の町<6>～結局全く時間が足らず（コインブラ後編）

2019/01/02 - 2019/01/02

波乱のスタートだったコインブラのエクスカーション。後半は大学に接している新カテドラル～マシャード・デ・カストロ美術館、そして近場の旧カテドラルを通って丘を下りながら街を見て回ります。サンタ・クルス修道院を見終わったところで時間いっぱい…というか、コインブラB駅行きの電車は既に乗り逃しています。乗り逃しても大丈夫だろうという確信があったからなのですが、一瞬、焦りました。
コインブラ、１日では全く時間が足りませんでした。
…これって、またポルトガルに来なくちゃいけないフラグですか（笑？

エリア コインブラ(ポルトガル)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 3.0
• 交通: 2.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 タクシー 徒歩
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空 ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

この急な階段を上って、新カテドラルへ。

新カテドラル (コインブラ) 寺院・教会

「新」カテドラルといっても、着工が16世紀。さすが古都。
祭壇やチャペルの金泥細工がキラッキラで、中心の聖家族像がぼやけるほど肌色のキューピットが無数に貼り付いていて、何だかクラクラします。

新カテドラル (コインブラ) 寺院・教会

巨大なベレンはライトも凝っているし規模もとても大きいもの。
今まで幾つかの国で見て来ましたが、ポルトガルとスペインは、こんな感じの大きなジオラマで、遊び心が散りばめられているものが多い気がします。

お向かいのマシャード・デ・カストロ美術館。パティオから見える景色が気になったのでお邪魔してみました。入場するつもりはなかったのですが…ローマの遺構だけ見ちゃおうかな…。

国立マシャード デ カストロ美術館 博物館・美術館・ギャラリー

チケットを買うと、ローマの遺構への道を伝えられます。その入り口は薄暗くなっていて、見学者が来るとライトがつく様子。そんな薄暗いところに控えていたスタッフにドキッとさせられ、彼女から地下遺構の回り方を聞いて入りましたが…どえらい規模です。

おどろおどろした特に古いエリアを抜けてここに来ましたが、巨大迷路のような空間に誰もいません。で、たまに頭像とか墓標とか街道のマイルストーンなどが飾ってあって…ちょっと怖いです。
やっとのことで見学を終えると、別のスタッフが現れて、今度はあっちのゾーンですよ、と案内してくれます。

メインの展示は新旧の宗教アート。全く興味がないものもありますが、分類や展示のフローがしっかりしているので、とても観やすいです。ただし、この美術館、ゾーンごとに自由に見学はさせてくれますが、出入り口にスタッフがいて、強制的に次のゾーンに連れて行かれます。
時間がないので、興味のないものはさっとスルーしたいのですが、早く回って戻ってくると、不思議そうな顔をされて気まずいです。

終盤は興味のあるアズレージョや、土に白い釉薬を厚塗りした上に青で中国や日本風の柄を乗せた「なんちゃって白磁」（と私が呼んでいるもの）。ポルトガルにはこれがたくさんあって、正直どうみても陶器なのですが、アジアの磁器に対する憧れは如何許りだったかと、みるたび感じます。

アジアの展示がなぜかクライマックス。中国の螺鈿とか韓国のビビッドな塗り物とか日本の印籠とか。シンプルだけどリアルな一刀彫り風や蒔絵など、様々なスタイルのものがありましたが、このあたりは質・量ともリスボンのグルベンキアンにはかないません。

大学と美術館の間の味わい深い路地を降りて行くと、旧カテドラルが見えて来ます。

旧カテドラル (コインブラの旧大聖堂) 寺院・教会

朝を食べ損ね、昼も過ぎた頃。何か食べなきゃ、と思うもそんなに時間がかけられません。大聖堂前の小さな広場にいくつかあった店の中で、一番シンプルなカフェを選んでさっと軽食。
嬉しいことに、ケースの中にはお手頃サイズのパォン・デ・ローが！
半生タイプで、スフレとカステラの中間のようなお菓子です。ガツンと甘くて黄身が濃い。お腹は空いていたので、この甘さもOK。美味しくいただきました。

旧カテドラルに入場します。
12世紀に建立された質実剛健なファサード。

旧カテドラル (コインブラの旧大聖堂) 寺院・教会

名前から、既に宗教施設としての役割を終えたものだと思っていましたが、普通の教会でした。壁のイスラム風のタイルに風格があります。

回廊はゴシック。丸窓の形が一つ一つ違うのがかわいい。

カテドラルから坂を下って、門のある路地を抜けます。
アルメディーナの塔にある門はこちら。ここを下りきった所に、某歩き方の地図にアルメディーナ門と書いてある、Porta de Barbacã＝バービカン門があって、ここを抜けると新市街です。

アルメディーナ門 観光名所

いよいよ時間がありません。
接続列車の時間が迫っていますが、実はこの列車で行くと、あの何もないコインブラB駅で小一時間の待ち時間が発生します。もうタクシーで直接B駅に行く！と決めて、サンタ・クルス修道院へ。

サンタ クルス修道院 寺院・教会

教会内は一見、こぢんまりとしていますが、向かって右手の小さな入り口からの有料のゾーンは凄かった。
入場時にパウチされたセルフガイドを渡されて回ります。

聖具室やチャペルなど、思った以上に広いし、見どころが多過ぎて、やっぱり駆け足で見て回ることに。

ゴシックの天井とアズレージョが意外とマッチしている回廊。

楕円形のサンクチュアリ。（セルフガイドによると、楕円形のチャペルをサンクチュアリと呼ぶと書いてあったような。斜め読み＆うろ覚えなので違うかもしれないけれど、実は翌日別の「サンクチュアリ」と呼ばれる場所を訪れたら、やっぱり楕円形のチャペルだったので、ポルトガルではそういうことなのかもしれません。）
こんなに明るくてすっきりしているのに、真ん中に立ってみたら、ものすごい圧を感じる空間でした。

回廊の中庭。

後陣の上にある聖歌隊席。ここから、教会の本堂が見下ろせます。
さらに最後は、本堂の祭壇の奥まで行くことができます。
これで３ユーロは安い！（と思っていたのですが、帰宅後トリップをアドバイスしてくれるサイトをみたら、日本語レビューが「有料だから入らなかった」という書き込みが圧倒的でがっくり…）ここは絶対見た方が良い場所です。

サンタ クルス修道院 寺院・教会

コインブラ駅に戻って来ました。結局全行程徒歩でした。B駅に行く列車はもう無いので、タクシーを…って、ないじゃん！
一瞬焦りましたが、振り返ったらロータリーのど真ん中に乗り場がありました。
列車で一駅のコインブラB駅までは、道が並走している訳ではないので10分ほどかかりました。

コインブラ駅 駅

コインブラB駅に到着。
朝気になっていた、常に鳴っていた警告音は、この入り口の踏切のものでした。

帰りのポルト行きの急行はかなり混雑していましたが、時間通りに到着。

コインブラB駅 駅