2017/07/26 - 2017/07/29
49位(同エリア99件中)
群青さん
この旅行記スケジュールを元に
2泊目の宿をチェックアウトして車を乗りだしてから5分もしないうちに雨が降り出して来た。
国道45号線を北上し、3日目最初の目的地は田老の街並み。
この地域はかつて、繰り返される三陸大津波から街を守るため、早くから防潮堤を築くことを決断し実行されてきた地域だった。
昭和35年(1960年)の南米チリで発生した大地震による津波の際には、海面高さ10m、全長1350mにも及ぶ防潮堤に守られて被害が軽微に留まったこともあり、内外ともに「津波防災の街」と呼ばれるようになったそうだ。
国内外からの視察団が相次ぎ、また田老の街自体も小さい子供らに対して「津波てんでんこ」(津波が来たら取るものもとりあえず肉親も構わずに各自てんでんばらばらに高台へ逃げろ!という教え。自分のいのちは自分で守るのだ!という意味)と教育するなど、地震の後の津波に対する意識づけは他の地域よりもはるかに高かったと聞く。
それでも2011年3月11日のあの日に発生した津波は、過去のそうした経験も教訓も飲み込んでしまいこの街で暮らす人々の多くの命を奪っていった。
何度もニュース映像や報道で見聞きしたこの街に、実際に訪れて自分の皮膚感覚で6年経った今の姿を見てきたい!
今回の旅を企画する際に、この場所へは最初から行くつもりだった。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- レンタカー 新幹線
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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国道45号線沿いに建つ道の駅「たろう」。
以前は別の場所にあったらしいのだが、かつての田老の街の中心地、今は津波被害により一面何もない場所に移設工事中で、各棟の工事が進んでいる最中。道の駅 たろう 道の駅
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まだ9時前という事もあり、道の駅そのものに立ち入ることはできなかったのだが・・・
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来年あたりには完成するのだとか。
案内図を頼りにまずは防潮堤の上まで歩いてみる。 -
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防潮堤に沿うように、野球場の鮮やかな看板が!
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先程来た国道45号線はこんな風にして防潮堤に沿うように走っていたんだ!
反対側へと視線を向けると即座にあの建物が目に飛び込んできた!! -
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たろう観光ホテル跡
そして背後の高台に住宅や公共施設などが移転し始めていることに気づかされる。
再び車に乗り、近くまで行ってみることにした。震災遺構 たろう観光ホテル 名所・史跡
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自然の猛威が牙を人間に向けてきたとき、人工的に作り出した建造物はなんと脆いものなのだろう!
6階建てのホテルの1階と2階は鉄筋を残して破壊し尽くされ、4階までのフロアまでが津波浸水の被害を受けたのだとか。
思わず手を合わせ心の中で黙とうをささげた。 -
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地殻変動の激しさを物語るのはこの標識。
何と2.18mも異動したことがGPSを用いた測量で確認されたことを伝えている。
一方、このすぐ近くに自然の景観が残されている場所があり、そちらも見ることに。
高台移転が始まった集落への道を更に登っていくと、徐々に山道がきつくなり・・・
こんな寂しい場所にホントに展望台があるのか?
と訝しく感じ始めた頃、それは眼前に現れた。 -
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三王岩
ナビに誘導されるがままに辿り着いて、確かにこれだけ高い場所から見る三王岩は迫力満点で怖いくらい。
よくぞまあ、あの大震災による津波に耐えたものだ!
と驚異の眼で見てしまう。
自然が作り出したものはそう簡単に自然の猛威に屈しないのかもしれない。
とはいえ、どうも後になって調べ直してみると、こんな急斜面に来なくても平地から三王岩を見られる場所もあった!らしい・・・
再び国道45号線を北上。
小本の集落を左折し、今度は国道455号線を西進。
小本川に沿って国道が続く。
この地域、2016年8月16日の台風10号による豪雨被害によって甚大な影響を受けた地域。
岩泉町の高齢者グループホームで逃げ遅れた9人が亡くなったあの日の被害は記憶に新しい。
復旧工事は少しずつ進んでいるものの、未だに川沿いの木々は下流方向に向かって激しく湾曲していたり、大量の土砂が運ばれたことにより川の流れそのものが変わってしまった場所を何箇所も目にした。 -
道の駅いわいずみ に立ち寄る。
ここもまたあの日、大量の土砂によって被害を受け、数ヵ月もの間、営業休止に追いやられたのだとか。
やっと復旧し、今は立ち寄る観光客や周辺に住む人たちの買い物の場所として機能しているのだが、道の駅の並びにはあの日のまま手つかずで残っている家屋もあり・・・
胸が痛む。
自然の猛威は何度も何度も同じような場所に襲いかかり、そこに暮らす人たちを苦しめる現実を目の当たりにし、僕は言葉もない。
せめてできる事と言えば、どんな形であれその地を訪ね、自分の眼で見て、写真に残してこうして文章にして、一人でも多くの人に見てもらう事しかないけれど・・・
そこからそう遠くない場所に次の目的地があった。道の駅 いわいずみ 道の駅
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龍泉洞
この場所もまた、去年の豪雨被害によって甚大な被害を被った場所。
実際、駐車場だった場所は浸食されてしまい、今まさに復旧工事が進行中。
龍泉洞の内部は懸命の復旧作業によって今は以前のように通常営業となっているので、観光を楽しもうと訪れた次第。
内部は夏場でも10℃前後しかないので、長袖の羽織るものを持参し入場する前に着込む。
洞窟内はまさに天然の冷蔵庫!
寒いのなんの。龍泉新洞科学館 自然・景勝地
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とにかく上部から水が滴り落ちてくるので冷たい思いをしながら先を進む。
歩きやすいようにこうして木製の床が設えてある場所から始まり・・・ -
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とにかく洞窟内を流れる水量の多さと水のきれいさ・透明度の高さに驚かされる。
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時折こうした案内表示がされているので、解説を読みながら理解度を深めつつ龍泉洞内部の探索を楽しめる仕組み。
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これぞまさしくドラゴンブルー!
ただ、これだけには留まらないのだ! -
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第2地底湖
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現在、一般公開されているのはここまで。
実はこの先にまだ存在するらしいのだが、一体この龍泉洞ってどこまで奥行きがあるのでしょうか
ここから一転して急階段を登らされる羽目に! -
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体力に自信のない人は元来た道を引き返してください!などとご丁寧に案内されているので、母は元来た道派。
僕はせっかくなので必死こいて登りましたよ
結構キツイね、ここ。
自分の体力低下をしみじみと実感させられたみたいで(涙) -
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蝙蝠と遭遇しないで済んで良かったよ~!
いやぁ、結構ここは楽しいね~。
昔、小学生の頃、奥多摩の日原鍾乳洞に出かけたことがあって凄く楽しかった記憶があるのだが、その時の感覚に近いかもしれない。
外に出たらメガネが一気に曇って周囲が見えな~い! -
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休憩所でひと休み。奥にある写真展示には、昨年の台風被害の様子が写されていた。
ホント、凄まじさに驚かされる思い。
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