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 上野の東京国立博物館(東博)で先月から特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」が開催されているが、開会当日には金沢文庫に出掛けたために、上野へは足が遠のいていた。しかし、オリンピックの谷間で陽気が良くなるという予報だったので、上野へ出掛けてみた。<br /> 今回の特別展は前回の特別展「運慶」よりも混雑している。それよりも、会場の案内係の女性がどうしようもないレベルの人に出くわしてしまったことを別にすれば、お寺側も主催者側もその気構えが伝わってくるような内容であった。<br /> 最初に平成館に入ると直ぐに1Fの休憩所に行く。その入って直ぐの机にはお坊さんが2人座ってご朱印状を書いている。実は2Fの特設ミュ-ジアムショップにも700円で2種類のご朱印状を販売していたが、おそらくは、ご朱印状が出来上がるまで待つ時間やそれを受け取る瞬間も嬉しいものであろう。お坊さんに、「ご朱印状を書いているのですか?」と尋ねると、「要望が多いものですから。」という答えが返ってきた。また、「お坊さんと話そう」というコーナーも2Fにある。しかし、これまでも仏像が多く集められる特別展では朝夕のお努めをするためにそのお寺からお坊さんが来ていたことは何度かあるが、質問に応じることも少なく、いわんやご朱印を書いてくれたことなどは一度もなかったことだ。仁和寺(https://4travel.jp/travelogue/10435037)のお坊さんが東京・上野に来ることをないがしろにしていないことは理解できる。<br /> また、数年前からここ平成館2Fの特別展では写真撮影スポットが設けられることもしばしばあるが、レプリカの兵馬俑(https://4travel.jp/travelogue/11094230)だったり、茶室のレプリカ(https://4travel.jp/travelogue/11186536)だったりで今一の感じであった。しかし、今回の観音堂の仏像の展示には驚いた。実は観音堂とは思わずに、仁王門楼上の仏像か!と思ったのだ。案内係の女性に、何のお堂か尋ねたが、「仁和寺は広いですから。」と答える。「どこか聞いてきてもらえませんか?」「はい。」戻って来たので聞くと、「あ!そうか。」とすっかり忘れてしまっている。しかし、待っても彼女は戻ってこない。混雑の中で、たった1枚だけ「仁和寺 観音堂の群像について」という説明書を見付けて、観音堂であることが分かった。仁王門の群像ではなかったのだ。京都には山門楼上が極彩色に彩られた東福寺と知恩院の山門を何度か見たことがある。しかし、南禅寺の山門は何度が登ったが、徳川家の末裔か藤堂家の末裔でもないと中には入れないということで、廊下からは中は全く見えず、極彩色に彩られているのかどうかを気にしていた。南禅寺で修行していたお坊さんにも尋ねたことがあるが、覚えがないということであった。最近になって南禅寺のホームページを見ると、何枚もの写真は掲載されており、説明文にも「極彩色に彩られている」旨が記載されているが、それでいて写真はカラーなのではあるが、極彩色かどうかを判断できないようなものである。しかし、たまたま、仏像の本を買ったら、南禅寺の山門の写真が載っており、極彩色の綺麗な写真であり、南禅寺の山門も東福寺や知恩院の山門と引けを取らないものであることが分かったばかりであったからだ。<br /> 再現された仁和寺観音堂の須弥壇や須弥壇裏や横の壁画は写真であろうが、仏像はレプリカではなく、本物だ。それを写真撮影できるのであるから、この撮影スポットが込み合うのも理解できる。実は奈良・春日大社の銅吊灯篭の本物を撮影スポットに展示した(https://4travel.jp/travelogue/11207822)ことがあったのだが、感動はなかった。今回は本当に感動できた。また、薄暗さが群像以外はレプリカであることを和らげているのかも知れない。<br /> 平成館入館前に並んでいた時に隣のご夫婦のご主人から京都・広隆寺(https://4travel.jp/travelogue/10515055)の話が出たが、ここには千手観音坐像が何体もあって国宝になっている。いずれもバランスが取れた千手観音坐像である。今回の展示では3体の千手観音坐像(大阪・藤井寺、香川・屋島寺、徳島・雲辺寺)が展示されており、いずれも素晴らしいものだ。<br /> また、目を引かれる乾漆像がある。解説を見ると金沢文庫の龍華寺(https://4travel.jp/travelogue/10739376)からの出展ではないか!初詣に訪れ、本物は見ることが出来なかったが、この像の写真を2枚頂いてきたことがある。また、境内で御室桜(https://4travel.jp/travelogue/10541961)を見たこともある。仁和寺境内の御室桜(https://4travel.jp/travelogue/10433318)とは多少異なるようだ。<br /> 勿論、仁和寺の数々の仏像も真近かに見られて、お寺では味わえないことである。また、少しは空いている時間を狙ってもう一度訪れるとしよう。<br />(表紙写真は観音堂の千手観音立像)

特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」

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2018/02/15 - 2018/02/15

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 上野の東京国立博物館(東博)で先月から特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」が開催されているが、開会当日には金沢文庫に出掛けたために、上野へは足が遠のいていた。しかし、オリンピックの谷間で陽気が良くなるという予報だったので、上野へ出掛けてみた。
 今回の特別展は前回の特別展「運慶」よりも混雑している。それよりも、会場の案内係の女性がどうしようもないレベルの人に出くわしてしまったことを別にすれば、お寺側も主催者側もその気構えが伝わってくるような内容であった。
 最初に平成館に入ると直ぐに1Fの休憩所に行く。その入って直ぐの机にはお坊さんが2人座ってご朱印状を書いている。実は2Fの特設ミュ-ジアムショップにも700円で2種類のご朱印状を販売していたが、おそらくは、ご朱印状が出来上がるまで待つ時間やそれを受け取る瞬間も嬉しいものであろう。お坊さんに、「ご朱印状を書いているのですか?」と尋ねると、「要望が多いものですから。」という答えが返ってきた。また、「お坊さんと話そう」というコーナーも2Fにある。しかし、これまでも仏像が多く集められる特別展では朝夕のお努めをするためにそのお寺からお坊さんが来ていたことは何度かあるが、質問に応じることも少なく、いわんやご朱印を書いてくれたことなどは一度もなかったことだ。仁和寺(https://4travel.jp/travelogue/10435037)のお坊さんが東京・上野に来ることをないがしろにしていないことは理解できる。
 また、数年前からここ平成館2Fの特別展では写真撮影スポットが設けられることもしばしばあるが、レプリカの兵馬俑(https://4travel.jp/travelogue/11094230)だったり、茶室のレプリカ(https://4travel.jp/travelogue/11186536)だったりで今一の感じであった。しかし、今回の観音堂の仏像の展示には驚いた。実は観音堂とは思わずに、仁王門楼上の仏像か!と思ったのだ。案内係の女性に、何のお堂か尋ねたが、「仁和寺は広いですから。」と答える。「どこか聞いてきてもらえませんか?」「はい。」戻って来たので聞くと、「あ!そうか。」とすっかり忘れてしまっている。しかし、待っても彼女は戻ってこない。混雑の中で、たった1枚だけ「仁和寺 観音堂の群像について」という説明書を見付けて、観音堂であることが分かった。仁王門の群像ではなかったのだ。京都には山門楼上が極彩色に彩られた東福寺と知恩院の山門を何度か見たことがある。しかし、南禅寺の山門は何度が登ったが、徳川家の末裔か藤堂家の末裔でもないと中には入れないということで、廊下からは中は全く見えず、極彩色に彩られているのかどうかを気にしていた。南禅寺で修行していたお坊さんにも尋ねたことがあるが、覚えがないということであった。最近になって南禅寺のホームページを見ると、何枚もの写真は掲載されており、説明文にも「極彩色に彩られている」旨が記載されているが、それでいて写真はカラーなのではあるが、極彩色かどうかを判断できないようなものである。しかし、たまたま、仏像の本を買ったら、南禅寺の山門の写真が載っており、極彩色の綺麗な写真であり、南禅寺の山門も東福寺や知恩院の山門と引けを取らないものであることが分かったばかりであったからだ。
 再現された仁和寺観音堂の須弥壇や須弥壇裏や横の壁画は写真であろうが、仏像はレプリカではなく、本物だ。それを写真撮影できるのであるから、この撮影スポットが込み合うのも理解できる。実は奈良・春日大社の銅吊灯篭の本物を撮影スポットに展示した(https://4travel.jp/travelogue/11207822)ことがあったのだが、感動はなかった。今回は本当に感動できた。また、薄暗さが群像以外はレプリカであることを和らげているのかも知れない。
 平成館入館前に並んでいた時に隣のご夫婦のご主人から京都・広隆寺(https://4travel.jp/travelogue/10515055)の話が出たが、ここには千手観音坐像が何体もあって国宝になっている。いずれもバランスが取れた千手観音坐像である。今回の展示では3体の千手観音坐像(大阪・藤井寺、香川・屋島寺、徳島・雲辺寺)が展示されており、いずれも素晴らしいものだ。
 また、目を引かれる乾漆像がある。解説を見ると金沢文庫の龍華寺(https://4travel.jp/travelogue/10739376)からの出展ではないか!初詣に訪れ、本物は見ることが出来なかったが、この像の写真を2枚頂いてきたことがある。また、境内で御室桜(https://4travel.jp/travelogue/10541961)を見たこともある。仁和寺境内の御室桜(https://4travel.jp/travelogue/10433318)とは多少異なるようだ。
 勿論、仁和寺の数々の仏像も真近かに見られて、お寺では味わえないことである。また、少しは空いている時間を狙ってもう一度訪れるとしよう。
(表紙写真は観音堂の千手観音立像)

  • 上野公園のポスター。

    上野公園のポスター。

  • 東京国立博物館(東博)本館。

    東京国立博物館(東博)本館。

  • 東京国立博物館(東博)正門横のポスター。

    東京国立博物館(東博)正門横のポスター。

  • 東京国立博物館(東博)本館。

    東京国立博物館(東博)本館。

  • 東京国立博物館(東博)内のポスター。

    東京国立博物館(東博)内のポスター。

  • 平成館前。列ができている。待ち時間は15分位か。

    平成館前。列ができている。待ち時間は15分位か。

  • 平成館のポスター。

    平成館のポスター。

  • 平成館のポスター。

    平成館のポスター。

  • ご朱印を書く仁和寺のお坊さんたち。

    ご朱印を書く仁和寺のお坊さんたち。

  • 特別展示会場。

    特別展示会場。

  • 観音堂の千手観音立像。

    観音堂の千手観音立像。

  • 二十八部衆と風神・雷神の30尊。

    二十八部衆と風神・雷神の30尊。

  • 二十八部衆と風神・雷神の30尊。

    二十八部衆と風神・雷神の30尊。

  • 壁画。

    壁画。

  • 壁画。

    壁画。

  • 二十八部衆と風神・雷神の30尊。

    二十八部衆と風神・雷神の30尊。

  • 二十八部衆と風神・雷神の30尊。

    二十八部衆と風神・雷神の30尊。

  • 二十八部衆と風神・雷神の30尊。

    二十八部衆と風神・雷神の30尊。

  • 二十八部衆と風神・雷神の30尊。

    二十八部衆と風神・雷神の30尊。

  • 千手観音立像。

    千手観音立像。

  • 二十八部衆と風神・雷神の30尊。

    二十八部衆と風神・雷神の30尊。

  • 千手観音立像。

    千手観音立像。

  • 「仁和寺 観音堂の群像について」。

    「仁和寺 観音堂の群像について」。

  • 千手観音立像。

    千手観音立像。

  • 千手観音立像。

    千手観音立像。

  • 千手観音立像。

    千手観音立像。

  • 壁画。

    壁画。

  • 壁画。

    壁画。

  • 二十八部衆と風神・雷神の30尊。

    二十八部衆と風神・雷神の30尊。

  • 壁画。

    壁画。

  • 壁画。

    壁画。

  • 壁画。

    壁画。

  • 壁画。

    壁画。

  • 壁画。

    壁画。

  • 壁画。

    壁画。

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