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 上野の東京国立博物館(東博)平成館2Fでは特別展「禅―心をかたちに―」(2016年10月18日(火)~11月27日(日))が開催されている。10月は天候不良のために行きそびれていたが、11月4日放送のBS日テレの「ぶらぶら美術・博物館」で、11月6日(日)までが前期で後期では展示替えがあるというので、晴天の今日6日(日)に出かけてみた。東博は開館直後にもかかわらず、結構の人出だ。<br /> 禅宗では作庭も修行とされており、禅寺の庭園は良く知られている。少なくても鎌倉の禅寺は別として、京都の禅寺の庭園の評価は高い。その中でも黄檗宗・萬福寺の庭園(http://4travel.jp/travelogue/10405060)は数多くある京都の庭園の写真集にさえも1枚の写真も掲載されることがなく、天竜寺の庭師の親方でさえも噂は聞いているが実際には未だ見たことがないという始末である。天下の東博の特別展であるから、萬福寺の庭園の写真1枚でも展示があれば最高だなあと思っていたのだが、残念。4人の研究員が分担した特別展だというが、庭園の研究者がいないのだろう。それは本館裏の今公開中の庭園に西洋タンポポが群生していることからも想像が付く。しかし、禅寺と庭園のイメージは誰にでもある。そのためであろうか、特別展の出口に紅葉の綺麗な庭を花頭窓越しに座禅が組める座布団が3枚並んだセットがあり、ここだけは写真撮影がOKだ。ただし、照明の関係で、フラッシュを焚かないのでは、目で見えるような綺麗な紅葉には写らず、下の写真のようになってしまう。セットを作っただけで、実際にカメラで写して試していないことの証明になっていようか。<br /> 展示室に入って最初の展示(達磨像、白隠彗鶴筆)が大分(萬壽寺)だったので驚いてしまった。また、次の達磨図は京都・鹿苑寺のものであるが、この寺があの金閣寺だとは気付かない人も多い。正式寺名の後に()して通称を表記することも必要だろう。<br /> 木像と像(肖像画)との情報量の違いは展示されている蘭渓道隆座像とその像を見れば一目瞭然だ。僧侶でなくても、寺の開基像は同様に似せて作像されたはずだ。鎌倉時代初期から生前の源頼朝像や生前の北条政子像が開基像として現存している(http://4travel.jp/travelogue/11092313)。いずれも自刻像と寺伝されているが、大仏師・運慶の手が入っていることも考えられ、作像当時の姿が生き写しになっているはずだ。<br /> 北条時頼像も展示されていたが、これは東博所蔵の伝源頼朝像(http://4travel.jp/travelogue/10881307)と顔が瓜二つだ。これは同一人の像が2つ現存していると見るべきであろう。<br /> 展示内容はとても幅広く、展示物には国宝が多く見られる。的が絞れない展示だ。もう一度後期に出かけてみることにしよう。<br />(表紙写真は特別展「禅―心をかたちに―」入口)

特別展「禅―心をかたちに―」

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2016/11/06 - 2016/11/06

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 上野の東京国立博物館(東博)平成館2Fでは特別展「禅―心をかたちに―」(2016年10月18日(火)~11月27日(日))が開催されている。10月は天候不良のために行きそびれていたが、11月4日放送のBS日テレの「ぶらぶら美術・博物館」で、11月6日(日)までが前期で後期では展示替えがあるというので、晴天の今日6日(日)に出かけてみた。東博は開館直後にもかかわらず、結構の人出だ。
 禅宗では作庭も修行とされており、禅寺の庭園は良く知られている。少なくても鎌倉の禅寺は別として、京都の禅寺の庭園の評価は高い。その中でも黄檗宗・萬福寺の庭園(http://4travel.jp/travelogue/10405060)は数多くある京都の庭園の写真集にさえも1枚の写真も掲載されることがなく、天竜寺の庭師の親方でさえも噂は聞いているが実際には未だ見たことがないという始末である。天下の東博の特別展であるから、萬福寺の庭園の写真1枚でも展示があれば最高だなあと思っていたのだが、残念。4人の研究員が分担した特別展だというが、庭園の研究者がいないのだろう。それは本館裏の今公開中の庭園に西洋タンポポが群生していることからも想像が付く。しかし、禅寺と庭園のイメージは誰にでもある。そのためであろうか、特別展の出口に紅葉の綺麗な庭を花頭窓越しに座禅が組める座布団が3枚並んだセットがあり、ここだけは写真撮影がOKだ。ただし、照明の関係で、フラッシュを焚かないのでは、目で見えるような綺麗な紅葉には写らず、下の写真のようになってしまう。セットを作っただけで、実際にカメラで写して試していないことの証明になっていようか。
 展示室に入って最初の展示(達磨像、白隠彗鶴筆)が大分(萬壽寺)だったので驚いてしまった。また、次の達磨図は京都・鹿苑寺のものであるが、この寺があの金閣寺だとは気付かない人も多い。正式寺名の後に()して通称を表記することも必要だろう。
 木像と像(肖像画)との情報量の違いは展示されている蘭渓道隆座像とその像を見れば一目瞭然だ。僧侶でなくても、寺の開基像は同様に似せて作像されたはずだ。鎌倉時代初期から生前の源頼朝像や生前の北条政子像が開基像として現存している(http://4travel.jp/travelogue/11092313)。いずれも自刻像と寺伝されているが、大仏師・運慶の手が入っていることも考えられ、作像当時の姿が生き写しになっているはずだ。
 北条時頼像も展示されていたが、これは東博所蔵の伝源頼朝像(http://4travel.jp/travelogue/10881307)と顔が瓜二つだ。これは同一人の像が2つ現存していると見るべきであろう。
 展示内容はとても幅広く、展示物には国宝が多く見られる。的が絞れない展示だ。もう一度後期に出かけてみることにしよう。
(表紙写真は特別展「禅―心をかたちに―」入口)

  • 正門横の特別展「禅―心をかたちに―」ポスター。

    正門横の特別展「禅―心をかたちに―」ポスター。

  • 本館。

    本館。

  • 正門先の特別展「禅―心をかたちに―」ポスター。

    正門先の特別展「禅―心をかたちに―」ポスター。

  • 表慶館。

    表慶館。

  • 表慶館。

    表慶館。

  • 本館。

    本館。

  • 表慶館前の特別展「禅―心をかたちに―」ポスター。

    表慶館前の特別展「禅―心をかたちに―」ポスター。

  • 平成館。

    平成館。

  • 平成館。

    平成館。

  • 平成館壁の特別展「禅―心をかたちに―」ポスター。

    平成館壁の特別展「禅―心をかたちに―」ポスター。

  • 特別展「禅―心をかたちに―」入口。

    特別展「禅―心をかたちに―」入口。

  • 平成館2Fの特別展出口の座禅場所。

    平成館2Fの特別展出口の座禅場所。

  • 顔出し。

    顔出し。

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