盛岡・宮古から八幡平周辺の旅(一・二日目)~盛岡を起点にして宮古の浄土ヶ浜と震災の田老地区、龍泉洞の黄金コース。しかし、心に残ったのは盛岡市内のディープスポット。北上川の水運に支えられた南部藩の時代の華やかな生活文化を偲びます~
2017/10/05 - 2017/10/06
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たびたびさん
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宮古の浄土ヶ浜に龍泉洞はもうしっかり見て回ったところなので、あまり気は進まなかったのですが、あるお付き合いがあって、再びの訪問。旅のコースとしては、本来ならこれがメインになるはずなんでしょうが、ここではその前後に散策した盛岡市内の隠れスポットが新鮮な感覚で、私的にはそっちの方がメインになったかも。
前提として、そもそも盛岡市内の観光のことをお話しすると、盛岡城を始めとして、寺町なども、結局は石川啄木の関連。それに石割さくらや中津川周辺を歩くのが入門編。そして、バスセンターから大慈寺辺りを歩くと一気にオールド盛岡の雰囲気が出てきます。これに原敬記念館周辺を加えて、冷麺やわんこそば、じゃじゃ麺をそれなりに回れば、盛岡の観光はここまでかなという思いになってきます。
お祭りだとさんさ踊りにちゃぐちゃぐ馬っこ。もう盛岡は何度来たか分からないくらいいろいろチャレンジしてして、もうひと区切りをつけた心境になっていたのですが、それでも今回訪ねたスポットは江戸時代の南部藩に思いをはせられる盛岡のディープさをまたまた教えてくれたような。一体、盛岡って、どこまで味わい深いんだという思いを強く持ちました。その辺りが少しでも伝わると嬉しいと思います。
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早朝、東京から盛岡に到着。
宮古行きのバスには時間があるので、その前に盛岡市内を少し散策します。
駅から歩いて10分くらい。旧宣教師館は、今の感覚で言えば、何の違和感もないクリーム色単色の洋館。しかし、これは、ジャーマン・リフォームド・チャーチ教団が、下ノ橋教会に派遣した宣教師の居住に充てるために大正9年に建築した洋館。純洋館と書いてあって擬似洋館ではないので、工法とか洋館の基本にのっとった建物なんでしょう。交差点の角に立っているのですが、何の違和感もないので気が付かない人も多いかもしれません。 -
そこから特産品プラザららいわてへ。ここは、農林会館1階です。
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入るとすぐに地酒地ビールのコーナーとか岩手県内の地元の産品を扱っていますが、私がお勧めしたい意外な名物は、かりんとうといちご煮の缶詰。いちご煮は、うにやあわびを入れたお吸い物。あまちゃんで有名になった三陸海岸の名物です。
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近くにある唯一の盛岡の地場の百貨店は、創業150年を誇る老舗のカワトクです。盛岡駅から離れているし、商店街からも少し距離があるので、この店だけが一人でやっているという感じがしなくもないエリア。しかし、店舗は堂々としているし、夜の華やかな照明とかも一流百貨店の雰囲気がムンムンしています。
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そばにあるメルヘンは、小さな街のパン屋さん。
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朝飯代わりに、人気の焼き立て塩パンをいただきました。シンプルな塩味が小麦粉の香りを引き立てる、時々見かけるパンですよね。素材のおいしさを前面に出していて、とってもおいしい。いいお店です。
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MOSSは、商店街とカワトクの中間といったエリア。
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ショッピングモールとありますが、一階は大型の食品スーパーといった感じだし、そういう捉え方の方が実態にはあっているように思います。観光客にはあまり用はないかもしれません。
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今度は材木町のエリアに移動して。
山善は、表通りの中ほどにある和菓子屋さん。看板商品のもりおか絵巻をいただきました。 -
小さなお菓子ですが、第二十三回全国菓子大博覧会の茶道家元賞を受賞して、天皇皇后陛下にも供されたという銘菓。くるみ、黒ごま、あずきあんを羽二重餅で包んだ素直な味わいがおいしいです。
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盛岡駅の方に戻ってきて、これはおでんせ土産館。盛岡駅ビル、フェザンの一階です。盛岡ってお菓子どころでしたっけ?というほど通路沿いには多くのお菓子屋さんがずらりと並んでいます。一番有名なのはかもめの卵なんでしょうが、南部せんべいやかりんとうなどもお勧め。それぞれが伝統のあるお菓子です。
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で、今回、お邪魔したのはタルトタタン。洋菓子を中心とした現代風のお店です。いただいたのは、レモンケーキ。バームクーヘンっぽいパウンドケーキにほんのりとレモンの香りのクリームが忍ばせてある上品な味わい。これもセンスの良さを感じるひと品です。
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二階に上がって、イワテテトテトもここでは外せないお店の一つ。紹介しておくと、ウリは、何んといっても盛岡の名物フクダパン。
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朝から店頭には大量・多種類のフクダパンが並んで、圧巻。注文していろんな具材をサンドしてもらう、お店のスタイルとは違いますが、これだけあれば問題なし。手軽に盛岡の味を楽しんでもらえると思います。
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さて、ここから宮古に向かいます。
盛岡駅から宮古駅までは、岩手県北バスを利用します。所要時間は2時間15分。けっこう遠いですよね。ほとんど満員で、これは山田線が被災して普通になっていたからかなと思ったら、なんとこれでも山田線よりもこっちの方が時間が早いので、山田線が普通じゃなくてもやっぱりこっちの利用者が多いんだそう。岩手県の広さを改めて感じた次第です。なお、車窓の眺めは、区界辺りがいいので、要チェックです。 -
宮古駅に到着して。
うみねこと乙女の像は、宮古駅前に建つブロンズ像。宮古駅前はどちらかというと殺風景な感じなのですが、この像がちょこっと潤いを与えています。宮古市出身の彫刻家、吉川保正の作品。このようにうみねこと実際に戯れることはできませんが、そのことで逆に微妙なメルヘンの世界を表現していると思います。 -
昼飯は魚元。宮古駅から歩いて数分ですが、少し離れているし、地元の人じゃないとあまりなじみはないかもしれません。
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小上りに上がって、お昼の定食ランチ。漁師料理みたいに海の幸が満載でしたが、ちょっと魚臭さが残っているかなあ。それが豪快と言えば豪快なんですが、ちょっと気になりました。
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今夜の宿は浄土ヶ浜パークホテル。浄土ヶ浜を眼下に見下ろす高台で、正直、これ以上のロケーションはないでしょう。
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広いロビーからは夕陽に染まった浄土ヶ浜が見えて、旅の気分が一気に盛り上がりました。
風呂は温泉のようにつるつるしていましたが、温泉かどうかはっきりとは確認できませんでした。今でもちょっと不思議な感じです。 -
さて、翌朝の散歩です。
浄土ヶ浜には、いくつかの展望台があって、この剛台展望台もその一つ。ここからは蛸ノ浜の海岸を眺めることになります。ただ、蛸ノ浜の海岸は浄土ヶ浜に降りてくる大橋の上から見る方がいい眺め。ここからだと一部視界が遮られるのが玉にきずです。 -
イチオシ
その蛸ノ浜の眺めがこちら。ここは、浄土ヶ浜の隣りの浜。浄土ヶ浜に向かって降りてくる時大橋の上から視界がパッと開けますが、その浜が蛸ノ浜です。タコがよく獲れるので蛸ノ浜ということです。剛台展望台からだと黒ずんだ断崖も正面に見えました。
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臼木山は、浄土ヶ浜パークホテルに戻ってきて。
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馬の背のような地形の山全体が公園として整備されていて、遊歩道もしっかりしているので、朝の散歩だとちょうどいい感じ。
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一番奥の方に宮古港海戦記念碑があって、港の方が見渡せます。
ちなみに、宮古港海戦というのは、幕末の戊辰戦争で行われた局地戦。旧幕府軍は、新政府艦隊8隻が停泊する宮古港に軍艦「回天」で突入。結局は応戦され、逃げ帰ることになります。ただ、その後、その勇気が賞賛されて名を残すことになりました。碑には、この戦いに参戦した旧幕府軍側の土方歳三、新政府軍側の東郷平八郎の紹介もありました。碑文はちょっと読みにくいです。 -
今度は、館ヶ崎展望台へ。
浄土ヶ浜の駐車場からよく整備された石段を上がって行った先です。 -
しばらく上がると、コンクリートの立派な展望台が建っていて、そこから浄土ヶ浜の隣りの湾を眺めます。
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ただ、この見えている湾は何なのか。それがあまりよく分からないし、眺めのポイントもはっきりしない。
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展望台は立派ですが、眺めはイマイチかなあと思います。
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続いての御台場展望台は、いよいよ浄土ヶ浜を眼下に見下ろす展望台。
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ほかの展望台は浄土ヶ浜を眺めることができないので、一番納得感のある展望台はここになると思います。ただ、入口が分かりにくい。トンネルを越えてからすぐ入口があるのですが、そのつもりでいないとなかなか気が付かないと思います。
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イチオシ
さて、浄土ヶ浜の眺めはこんな感じ。全景は見えていますが、そんなに驚くようなことはないかも。
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敢えて言えば、手前の崖越しに見るというところがポイントといえばポイントでしょう。
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ここからいったん展望所を降りて、浄土ヶ浜の方に歩きます。
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この辺りは見慣れた景色。
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ただ、浄土ヶ浜の美しさは天気がよくないとイマイチ。白く輝く岩肌の感動がないとやっぱり地味な印象は否めません。
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さて、ホテルをマイクロバスで出発して田老地区へ。これが巨大防潮堤。私は二回目なので、ちょっと懐かしい感じもしてしまいます。世界最大級のスーパー防潮堤として作られたものだったんですが、津波はこれをなんなく乗り越えてしまったんです。
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イチオシ
そこから、同じ地区内にある震災遺構、たろう観光ホテルへ。前回は遠くから見ただけ。ここを訪れるのは、今回が初めてです。
ホテルの下半分は津波に流されて、鉄骨がむき出しになっていて、無残な姿が痛々しい。ガイドさんに案内されて、最上階の一室へ。そして、そこでは、震災の当日、このホテルの社長さんが撮った津波のビデオを拝見します。遠くに少し波が立ったかなくらいに思ったところから、あっという間に迫ってくる津波の迫力はやっぱりすごい。これは人間がとっさに逃げれるようなものではありません。それでもとにかく逃げなければどうにもならないという逼迫した状況が画面からリアルに伝わってきて、けっこう胸に迫りました。スーパー防潮堤の脇を走って行く消防車も結局、津波にのみ込まれて、犠牲になってしまったのだとか、ガイドさんの説明もなかなか重い内容でした。 -
田老地区から龍泉洞に向かいます。
ここは、その途中の道の駅 いわいずみです。 -
ガイドさんによると今一番の人気商品は龍泉洞の化粧水なんだそう。男性にも人気ですということでしたが、まあそこは確認させてもらっただけでよしとしました。
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お手軽なのは、リンゴジュースの方かなと思います。
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龍泉洞に到着。洞窟の方から流れ出てくる川は清水川です。
龍泉洞は豊富な湧水が圧巻なので、この清水川の流れも豊富な水量。一方で、大雨が降ったりすると、龍泉洞が水没することもあるそうで、穏やかに見えていても自然の驚異はすさまじい。豊かさと激しさの両方をもった川のようです。 -
ここから龍泉洞の中に入ります。
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比較的最近来たばかりなので、感動はちょっと薄いんですが、
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今回は地底湖をじっくり確認しようと思います。
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先に
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イチオシ
進んで、
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これが第一地底湖。
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イチオシ
透明度が良すぎて逆に分かりにくいですが、水深は35mあります。
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これは第二地底湖。水深38m。
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階段を上って、
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上から見下ろす第三地底湖は、なんと水深98mです。
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地底湖は全部で七つあるようですが、最深120mの第4地底湖からは非公開です。
以上、さくっと終了です。 -
龍泉洞の観光を終えて、昼食は龍泉洞観光会館の二階で。
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山菜にアユの塩焼きと海老・ホタテの煮ものがちょこっと付いた素朴な定食。なお、一階はお土産物売り場。ここのヨーグルトも岩泉の名物。震災の後から復活しています。
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ここから盛岡に帰ります。
途中の道の駅 三田貝分校は、かつての小学校の校舎をモチーフにしたデザインの建物がウリでしょう。 -
奥の食堂兼休憩室は、懐かしいパイプの机といす。
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一方で、地元産品のコーナーだとかりんとうの種類がいろいろあって、これが一番目立っていたように思います。
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少し走って、これは岩洞湖。県道の脇に見えてきます。始めはちょこっとした湖かと思ったのですが、かなりの距離で横に見えていて、周囲の紅葉もなかなか美しい。帰りの道は峠越えの寂しい道のはずだったのですが、この湖があるお蔭で一時華やいだ気分になれました。
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ちなみに、ここを抜けた後、盛岡市に向かって山を下って行く感じもなかなか面白い。そのドライブコースとしての魅力も付言しておきたいと思います。
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盛岡市に戻ってきて、ここからはレンタサイクルでの市内散策です。
盛岡市内には湧水がいくつかあって、この賢治清水もその一つ。盛岡城の裏手の方になります。
傍らに説明板があって、賢治が盛岡農林高等学校に在学中。使っていた共同井戸をボーリングしたのがこの清水だそう。 -
そういう意味では、賢治がこの形で使ったものではないのですが、この辺りで暮らしていた賢治を偲ぶことは出来ると思います。
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旧石井県令邸は、外壁をびっしりと蔦が見事に覆っていて、ちょっとそれだけでも見応えがあるかもしれません。
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建てられたのは明治19年。県令の石井氏が私邸として建てたものです。
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内部は、意外におとなしくて落ち着いたもの。
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この日は、何かの集まりもあったようで、市に申し込めば、いろんな利用が可能なようです。
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米内光政の墓は、円光寺の境内。表にも看板があって、山門を入るとすぐだし、迷うことはありません。
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内閣総理大臣の経験もありますが、終戦は海軍大臣として迎える。一貫して、戦争に反対だったという姿勢があったされていますが、山本五十六も同じで、そこはしょせん軍人。それなりの評価でいいのかなとは思います。
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大慈寺の周辺は、盛岡市内でも藩政時代の名残りが色濃く残っていて、ディープな盛岡を感じれるエリア。盛岡市内の観光だと盛岡城の辺りや寺町辺りが中心になると思いますが、こちらもなかなか。北上川の水運の関係で河岸があったエリアです。
まずは、下町史料館。 -
こちらは、立派なしっくいの蔵を利用した施設。かつての蔵で、たびたび大飢饉に見舞われた盛岡藩の食料の備蓄に使われたもののようです。
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中の展示は、江戸時代の盛岡城下町の暮らしぶりを伝えるもの。
広い内部の空間をいっぱいに使って -
漆塗りの光沢がシックな
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祭りの屋台や
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商家の室内
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食器や
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生活道具に
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イチオシ
人形まで含めた当時の生活にまつわる品々が豊富で、展示もとても美しいです。
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竹田人形に
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花巻人形とか。
司馬遼太郎は、北のまほろばの中で、津軽藩の冷害「けかち」について、多くの人が飢餓で亡くなったことに触れていますが、実は冷害の被害は津軽藩よりも南部藩の方が酷かった。これに対し岩手県の南部の仙台藩だった一関ではお餅の文化が残っているくらい。大きな違いです。お菓子も素朴な南部煎餅に対して、仙台藩領では濃厚な岩谷堂羊羹とこれもやっぱり差があるような。
さらには津軽藩との確執や、明治以降の原敬なども薩長への反骨精神が背景にあったとか。県民の自慢が石川啄木や宮沢賢治に集中しているのも、つまり、時として食糧が不足し、秀吉の天下統一や幕末の時流にも乗り遅れた感のある南部藩が岩手県人にとってはあまりいいアイデンティティになっていないことの反動のような気もする。とにかく、南部藩の印象はイマイチなんですよね。 -
続いてのもりおか町家物語館は、これも河岸があった地域に残る酒蔵等を活用した商業施設。
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白い漆喰の建物の
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内部には酒造りの関係だけではなく、
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中に入ったお店の本格的な昭和スタイルはちょっとうっとりしてしまうほど。
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見張り台も備えたこの建物も、あまり知られていないでしょうが、
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中に入って、
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イチオシ
その見張り台を真下から見上げると、なかなかの見ごたえ。
施設内は閑散としていましたが、本当にもったいないですよね。
つまり、このようなしゃれた建物やさっきの下町史料館の美しい展示品は、つまり、南部藩時代の華やかな時代の香りを伝えるもの。そして、その背景には北上川の水運によって江戸の文化との交流が意外に活発だったということがあるんですね。さらに言えば、北上川の下流は、仙台藩の穀倉地帯を通って、石巻で太平洋に出る。仙台藩はこのルートで江戸に大量の米を送り、それによって仙台藩の財政は潤います。東北の川の水運といえば、最上川が有名ですが、北上川の水運もなかなかの役割を果たしています。
さきほど、マイナスイメージの南部藩をあげつらいましたが、この二つの施設はそれらを覆すもうひとつの華やかな南部藩を感じられるという意味で、とても貴重なものであったような気がします。 -
続いての盛岡てがみ館は、プラザおでっての6階。小さな資料館ですが、盛岡の有名人は賢治と啄木だけではない。ここでは、彼らを取り巻く人たちにも多くの文化人がいたことを知ることができます。この日の企画展は、「舟越保武の手紙~手紙から見る制作の裏側~」。こちらは岩手県を代表する彫刻家です。
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そして、この流れで、久しぶりの岩手銀行中ノ橋支店へ。
旧盛岡銀行の店舗ですが、赤レンガ造りに緑のドームというルネッサンス風の設計もいいのですが、内部のデザインも素晴らしいんです。 -
イチオシ
ホールの天井のデザインもどうですかあ。東京駅に似ていなくもないんですが、
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河岸の雰囲気を感じた後だと、この美しさも南部藩の時代に育まれた美意識が反映されていると思えなくもない。
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というのも、東京駅の設計は辰野金吾と言われますが、正確には辰野葛西設計事務所。それは辰野金吾と葛西萬司の共同経営で、その葛西萬司がこの赤レンガの設計者なのです。葛西萬司は、南部藩家老の次男として生まれた人物ですから、そう考えるといろいろ想像が広がるような気もするのですが、いかがでしょうか。
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盛り上がってきたところで、さらに。。
盛岡の南部鉄器は最近大変なブームですが、盛岡市街にあって手軽に南部鉄器を品定めするとしたら、この釜定がいいでしょう。 -
イチオシ
声をかけるといかにも職人さんという感じのご主人が出てきて、少し説明をしてくれました。鉄器で沸かした湯はおいしくなる。硬水が軟水に変化するのではないかという説明にもちょっと納得。鉄にはまだまだ未知の世界があるようです。
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そして、ここからスイーツも。
関口屋菓子舗は、盛岡駄菓子の看板が掛かって、この店構えは何というか、レトロ感もあるし、老舗感もある。雰囲気のある建物です。 -
店内に置かれた菓子類も煎餅から万頭類まで様々。こんなに多種類だと作るの大変じゃないですかと尋ねると、別にそんなでもありませんみたいな答え。私は煎餅をいただきましたが、このお店の雰囲気にしばらくはぼーっとなっていたよういに思います。
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続いての梅月堂は、
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イチオシ
元気のいいおばちゃんが出てきて応対してくれました。
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お勧めという「味噌っぱさみクルミ」をいただきました。しかし、盛岡にはもう何度も来ていますけど、こんなの初めてですけどねえ。
これはしんこのお餅でクルミ入りの味噌を包んだもの。それにしその葉も姿的にはいいアクセントでしょう。
あsて、お味の方は。。みその深い味わいにクルミとしその香りがちょっと豪華さを添えて、これはめちゃめちゃうまいじゃないですか。先ほども触れましたが、南部藩は飢饉もあったし、食という意味ではあまり贅沢はしてこなかった土地柄だったはずなんですが、その中でもちゃんとおいしいものを知っているし、味覚もしっかりしている。また盛岡のディープな世界に触れたような気がします。 -
同じ筋の大丸屋は、大きな「大丸屋」の看板が目立っています。
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いただいたのは、看板商品の「すがの朝」。
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ハッカの衣で小豆を包んだお菓子ですが、白い見た目も斬新だし、これまで味わったことがないような爽やかな味わい。サプライズも感じるひと品。これもやってくれました。深いです。
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だんだん、日が暮れてきましたが、ここからのもうひとがんばりも重要です。
寺町通りは、盛岡市街の観光エリアとしてはまあまあメジャー。石川啄木や宮沢賢治ゆかりの報恩寺や岩手の名前の由来になったといわれる鬼の手形の三ツ石神社など。ただ、市街中心部からは少し離れるので、私は毎回、レンタサイクルで行っています。 -
貞女おかんの墓は、大泉寺の境内。共同墓地ではなくて山門を入って右手です。
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貞女おかんについては別として。不思議なのは、この墓を石で叩くとカンカンと高い音がしてまるで鐘を叩くような音がすること。墓石の上に小石が置いてあって、これで叩けます。
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龍谷寺は、盛岡市内の寺町通りの一番奥。場所としては分かりやすいです。
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その山門を入ったすぐ先の本堂脇にあるのが、桜のモリオカシダレ。そんなに迫力があってすごいというほどではないんですが、枝垂れた枝振りはちょっと雰囲気がある。樹勢も強いように感じました。
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向かいのムカデ姫の墓は、27代南部藩主利直の奥方、源秀院の墓。源秀院は、蒲生氏郷の義妹で、ムカデ退治をしたことで知られる藤原秀郷の子孫。輿入れの時に藤原秀郷がムカデ退治をした時に用いたとされる矢の根を持参したのだそうです。
墓は藩主の奥方らしく、大きなもの。シンプルですが、風格のあるお墓です。 -
少し移動して。
盛岡市中央公民館庭園は、第4代南部藩主、重信の時代、城中で用いる薬草の栽培をしたという御薬園が始まり。 -
その後、藩主の屋敷として整備されたという歴史ある庭です。ごろた石の浜を持つ池を中心に穏やかな地形。上品な風格を備えた庭園です。
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旧中村家住宅は、その中央公民館の駐車場横。江戸時代の呉服商で屋号は糸屋。盛岡でも屈指の豪商だったそうです。現存する建物は幕末のもの。昭和49年にここに移築されたようです。細かな格子戸が唯一の意匠。落ち着いたたたずまいは間口も広いです。日中は内部の拝観も可能なようです。
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そして、晩飯はやまや。盛岡市街の人気のそば屋さんです。
わんこそばの盛岡ですから、そばの名店は多い。その中にあって、この評判のどうなんでしょうね。 -
ちょっと半信半疑で訪ねましたが、その心配は無用。更科系のきれいな味わいのそばはキレも抜群。値段もなんでこんなに安いの?というくらい。連日、行列ができても不思議はないお店だと思いますが、ほどよい混み具合。暖かな木のぬくもりを感じるような店内で、落ち着いて食べられるのもいいと思います。
盛岡の蕎麦屋なら東屋本店と直利庵で終りかなと思っていましたが、それだけではない。ちょっと思い知らされたような感じです。 -
今夜の宿は、ホテルシンプリシティ盛岡菜園。明日からはレンタカーの旅。盛岡市の郊外から八幡平を3日かけて回ります。
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この旅行記へのコメント (2)
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- fuzzさん 2018/05/24 19:41:01
- たまげますた(>_<)
- たびたびさん、おばんでござんす。
オラほの岩手県さ来てけだんですね。
しかも物凄くお詳しい。
たいがい地元の事は実は知らない事がありがちですが、まさにオラはそれ。
色々とお勉強になりますた。
しかも沿岸から内陸までぐるりと!
盛岡市内に至ってはレンタサイクルだとしても結構な距離。
大慈寺から菜園あたりって遠いですよね。
MOSS(笑)
そこで映画を観に行きます。
元々はダイエーでした(*^▽^*)
楽しませて頂きました~
fuzz
- たびたびさん からの返信 2018/05/25 10:00:51
- RE: たまげますた(>_<)
- fuzzさんからの郷土色豊かなコメント。いつもありがとうございます。
私は西日本の出身なので、東北とは無縁の人間なのですが、東北の歴史に触れる度になにか特別な気持ちが湧いてきます。今回の旅も、本来は八幡平の紅葉を楽しむためのお気楽な旅のつもりだったのですが、結局はそんな感じになってしまいました。
岩手はたぶんここで一区切りですが、次の興味はどの辺りになるのか。また時間を置いて、機会が来るのを待ちたいと思います。
たびたび
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