食パン専門店と中禅寺湖畔ウォーク、金谷ホテルでタイムスリップ　＠日光

2017/06/03 - 2017/06/03

土曜日の朝早く目覚めた。
それで「そうだ、日光行こう、あの噂の食パン専門店に行ってみよう」とあいなった。

エリア 栃木

夕方の民放テレビの食のコーナーで、日光になにやら食パン専門店があるらしい、と知った。その時の記憶では、”店の名前が漢字一文字なんだな”、ということのみだった。

この日、ふと思い立ってそこへ行ってみようと。

”日光、食パン専門店”で検索して出てきたお店は、いつも日光に行く時に通っている道を一本入ったところにありました。

開店は9時、

わたしが並んだのが8時30くらいだったかな。

お店の旦那さんでしょうか。

まずはメニューを見せてくれました。食パンは数に限りがあるので、整理券を渡されるのでした。

「Oh! オタカイのねぇ！」

お値段にビックリしましたが、まぁ、せっかくだし、プレミアムとプレミアムサルタナ(レーズン)をチョイス。整理券を頂き、持参した日傘をさして、本を読んだり、並んでる方とおしゃべりしながら待ちました。

9時ちょっと前に開店！

自宅の一角の小さなお店の棚にはパンがずら～っと並んでます。

お店は奥さんひとりで切り盛りしてるらしく、そして、並んでたお客も、スコーンやら、粒あんサンドイッチなどエクストラを購入したり、食べ方の質問をして奥さんがそれに丁寧に応えている様子で、なかなか列は進みませんでしたが、穏やかにゆっくり待てる雰囲気がありました。

こちらはスコーン。

これがスコーン？

スコーンとしてはぺちゃんこで、分厚いお煎餅みたいな見た目に？！
とは思ったものの、スコーン好きで始終好みの味と食感を探してもはや’スコーン難民化’を自認しているわたしに購入を辞する考え全くなし。

お味はどうなん？


長時間並んで自分の番が来た！って勢いも加わって、食パン2斤（どっしり重い）とスコーン７種類全て１個ずつを大人買いしてしまった。キャ。

パン屋で五千円以上のお会計って初めてだわ、キャ。。。

所変わって、中禅寺湖にやってきました。

いろは坂を登り、標高1200メートルくらいの所です。

この大鳥居をみると毎度のことですが

”あー来た来た、やっと登った”感があります。

いろは坂をなかなかの速度で走る快感を知ってしまったからかもしれません。

時間は11時ちょい過ぎ。

標高1200メートルくらいのこの辺り。

ひんやり寒かったのです。もうちょっと登ったところにある”戦場ヶ原をさまよい歩く”という漠然としたプランは頓挫しました。食パン屋を目的にしすぎてうっかり薄着で来てしまった。

道行く人たちの服装との違いに我ながら唖然。
あー自分の見込みの浅薄さに”なんも言えねー”。軽い敗北感。

で、まぁ、”早めのランチしよ、寒いし。”となる。
何度も見かけたノボリ”「金谷100年カレー」でも食べるかー”となる。

金谷中禅寺湖ホテルのレストラン、ユーコーンに入ります。

やだ、旨～い。

もとい。

おいし～ぃ！！

「100年前のレシピが蔵から見つかりまして、創業100年の記念に復刻したカレーなんですっ」って、隣のテーブルのマダムに説明するウェイトレスさんの話に”本当かよ～”って声に出さないツッコミを入れてしまった自分は、汚れちまった悲しみを知るべきでしょうか、、

そんな自問をしてたらカレーがアラジンのランプに入って到着。

理屈抜きにうんま～い。

ヨーグルトが付いて1700円。
この店の名前が冠したダージリン紅茶550円が、ティーバッグで出されたのには白目（!）でしたが。

（あぁ、でも私は帰りの金谷ホテル（本店）でこのティーバッグが箱入りで売られていてお値段チェックしてしまったのだ。値段設定高過ぎじゃ・・・）

中禅寺湖までやって来たのに寒くて歩けーん、

困ったときのイタリア大使館別荘&イギリス大使館別荘記念公園。

ノープランになってしまったので、そんなときはいつも来てしまうここへ。

寒いから車に常備のひざ掛け持参で歩く。

まず、漆黒の木壁が緑に美しく映えるイギリス大使館別荘へ。

ここのスコーンは美味しいよ。バーレイの食器で供されるし、紅茶はヨークシャーゴールドがたっぷりポットで出てくる。あゝでも、、、問題は入場料を払わないと、スコーンセットが食べられるカフェに入れないこと。

栃木県さん、なんとかしてください。

ってなことを考えながら、ここには入らずお庭からの眺めをつかの間堪能する。

アーネストサトー（前に書きましたが、アーネスト佐藤さん、とか、日本人との間の子とかではないんです。サトーさんはスロバキア系の名前で…。混同をさけるために、今後は”サトー”と記すことにする。サトー氏への敬意がポイント。)

で、アーネストサトーさんが愛でた景色。

彼はイギリス湖水地方の出身だそう。中禅寺湖に故郷のウィンダミア湖を見ていたかもしれない話は、ジェット機往来できない当時を思えば、あるだろうな、な話。

イタリア大使館別荘。

こちらも今回は通過。

ここを保存管理している栃木県にチャリンと300円くらいの入場料入れてもなんら問題ない話だけど、”前はタダだったのにな、イギリス大使館別荘ができたらいきなりセット価格になるって、それって…”と思って、ついケチってしまったりするのも、またある話。

ふぅーん、何度も来たことあったけど、湖畔の周りは遊歩道で一周できるのね？
一周25キロなのね？

「何度かに分ければ１周できるかも、アナタも挑戦してみませんか？」
ってな誘惑のフレーズが添えられた地図。

『そうね、歩いてみようかしらん』となる。

イタリア大使館別荘の先に行ったことがなくて気になってたし。

発見、双子ログハウス！

イタリア大使館別荘の先の道を行ったことがなくて、その先の道に家があるなんて思わなかった！

だって下水とか通ってるんだろーか。

そんじょそこらのログハウスでは見たことないような、太い立派な丸太が使われていて、持ち主はお金持ちなの間違いなしだが、最近使われた気配があるような、ないような。

廃墟マニアとしては気になる二軒であった。

振り返ると誰もいないし、前方にもいない。

勇者なわたしの頭ん中のテーマ曲はNHK「一本の道」だったけれども

”次回は熊除けのカランカランが必要だわ。”と知った次第。

さらに奥地へ。

眺めのよいところに出て来た。

男体山は2484メートルです。

狸塚。

まみつか、って読むのね。

イタリア大使館別荘からここまで25分、距離にして２.５キロくらいか。

知らない所を歩くのが好きなヒトには分かってもらえると思うが、引き返す、同じ道を戻るってのはなんともつまらないし、どこか負けた感が漂うもの。が、さすがにこの先まで行くのはクマも怖いし軽装だし、、ってことで断念。

次回は完全装備でおにぎりと熊除けリンリンを持って来ようと誓う。

釣り人がたくさんいました。

帰り道は砂浜、、、？　いや岩浜？を少し歩きました。

今回知ったのは半島”八丁出島”と呼ばれるあたりの手前”狸穴塚”まで行ったら、波が立ってなくてとても静かだったこと。

半島の隣の入江ってのは波が立たないもんなのね。

海なし県の住人は学びましたゾ。

湖面の向こう、日が当たってキラキラしてるあたりは、、千手が浜あたりか。

太陽、雲、風を感じちゃうなー。

日光の富士山だねー。

湖畔ウォーキングを終えて中禅寺湖を後に、いろは坂を下ります。

この時期、観光客が少なく、たまに見かける外国人ヒッチハイカーもいない。

こっちが乗せられるときはいない、っていう。

ところ変わって金谷ホテル。東照宮付近まで降りてきました。

日光珈琲田母沢御用邸店が混んでて、その先の別のカフェは駐車場がわからなくて、、、とやってるうちに金谷ホテルの交差点まで来てしまったのだ。

というか、日光って駐車場なさすぎだって今回やっと気付いた。

庭を散策。

熊除けの鈴みたいです。

そうそう、金谷ホテルの正面左側の小高い、何か祀られてるところに山伏さんが集結。

聴こえてきた法螺貝の音色が、ホルンの音色と勘違いしてた自分に苦笑い。

金谷ギャラリー。

双子のように見えますね？ 創業者金谷善一郎さんの息子二人だそうです。

右側が日光金谷ホテルを継いだ長男、左側は箱根富士屋ホテルに入婿した（婿入りって言わないんですね？ 口語、文語の違いに微妙なニュアンスを感じ取る、そんな休日…）次男さんだそうです。

この二人はアメリカのホテル協会から招待されてヨセミテ国立公園などを回ったようです、お土産の絵葉書なども展示されてました。

金谷ホテルの二代目と創業者、家族の集合写真。

創業者が写真好きだったのか、ハイカラな方だったんでしょうね。たくさん写真が残っているので、当時を知ることができます。

金谷長男、ヒゲを蓄えた袴姿の二代目社長の斜め後ろにいる女性が細面で美人。

金谷ホテルに来るのは久しぶりです。

ただ、この車寄せの正面に来ると一瞬タイムスリップしたような気がするのは本当の話。

毎度ハっとする。

何がそうさせるのだろう。

ホテル敷地内、奥の方にある「金谷の時間」って看板って気になってた。

”標語？”と思ってた。大正明治のクラシックホテルで”金谷的タイムトラベルしてね”的なメッセージとか。

するとこんなアプローチがあり、誘われるまま小花と緑の小道を進むと、

昔の金谷ホテルで使っていた備品や、書物が陳列してある小部屋でした。

じっくりみたい空間でした。

ロビーを歩いていて展示物のなかで発見したのは、
なんと、現イギリス国王のエリザベス女王のお父さん、ジョージ6世がここに宿泊してたこと。（！）

映画『英国王のスピーチ』に描かれたジョージさん、その彼が宿帳へ記したサインは映画に描かれた繊細さを感じさせる妙に角ばったサインでした。

一方、アメリカ人女性と恋に落ち王冠を弟に譲ることになる兄、エドワードのサインが奔放な印象さえ与えるのが対照的。

二人が訪れたのはいずれも1920年代、戦前の話です。

戦後は米軍に接収されたというこのホテル、乗り越えるのは大変だったでしょう。

戦前、戦後の金谷ホテルの物語を読んでみたくなりました。



日光ドライブの旅、おしまい。

この旅行記へのコメント （4）

• ひびき５６さん 2017/10/24 15:06:10

  寒さがこちらに移って、さあ大変！

  喘息で倒れてました。
  ちょっと良くなったのですが中途半端に家事をしてまた悪くなると旦那にそれ見たことかと怒られるので、Sallyさんの旅行記を読んでのんびり体を休めます。
  元気になったらコメントを書かせてもらいます。
  

  sallyさん からの返信 2017/10/24 18:20:29

  お大事になさってくださいませ

  ひびき５６さま。。。
  喘息で倒れた、、と。。。大丈夫でしょうか。
  どうかご自愛くださいませ、のんびり滋養のあるものを召し上がってくださいね。

• Michyさん 2017/08/21 23:45:59

  いいなぁ〜、パンとスコーンの大人買い♪

  Sallyさん、こんばんは。
  お久しぶりです。
  
  美味しそうなパンの香りに誘われて？旅行記、楽しませてもらいました。
  私も美味しいスコーンに最近巡り合っていないので、スコーンの大人買いなんて羨ましい限り…。　発酵バターにホワイトモカ、みんな美味しそう！どれが一番でした？
  
  パンの次にカレー、そして何々？前の旅行記でも拝見したイギリス大使館別荘…。
  紅茶はヨークシャーゴールドかぁ〜、昨年買ったティーバックがなくなりそうな私には、ミルクティーの味を想像しただけでも悶絶です。我が家のバーレイのお皿も美味しいスコーンを恋しがっていますが、最近は食器棚から出てくる機会があまりなく残念な状態…。
  
  私の知らない中禅寺湖畔と素敵な湖畔ウォーキング写真を見ながらしばし私の心はウインダミアでした。　美味しそうなパン、そして爽やかな風を感じる旅行記に感謝です。
  
  私はここ数か月ストレスが溜まる日々なのですが、Don't Look Back in Angerを口ずさみながら頑張ってますぅ〜。
  
  
  Michy
  
  
  
  
  

  sallyさん からの返信 2017/08/26 10:11:42

  MIchyさん、書き込みありがとうございます。

  Michyさん、こんにちは。ご無沙汰しています。
  
  > 私はここ数か月ストレスが溜まる日々なのですが、Don't Look Back in Angerを口ずさみながら頑張ってますぅ〜。
  
  その後、いかがですか？
  いいですね、Don't Look back in Anger♩　
  わたしもストレス溜まったらそれだな。
  
  > 美味しそうなパンの香りに誘われて？旅行記、楽しませてもらいました。
  > 私も美味しいスコーンに最近巡り合っていないので、スコーンの大人買いなんて羨ましい限り…。　
  発酵バターにホワイトモカ、みんな美味しそう！どれが一番でした？
  
  や、美味しくて食感もよいですが、なんか形がなぁ〜ってのが
  正直な感想です。やっぱりスコーンはイギリスみたいにボテっ
  としていて厚みがあって丸いのが良いような。
  
  
  > パンの次にカレー、そして何々？前の旅行記でも拝見したイギリス大使館別荘…。
  > 紅茶はヨークシャーゴールドかぁ〜、昨年買ったティーバックがなくなりそうな
  私には、ミルクティーの味を想像しただけでも悶絶です。我が家のバーレイのお皿
  も美味しいスコーンを恋しがっていますが、最近は食器棚から出てくる機会があま
  りなく残念な状態…。
  
  ヨークシャーゴールドって美味しいですよね〜！！！　あの温
  かみがある味を知るとちょっと他のが飲めない気がしてくる。
  ちょっと前まではハロッズの14番しか知らなかったくせにそん
  なことを思うようになったり。
  
  それとバーレイの食器お持ちなんですね。本当に素敵ですよね、
  あれ。あの馴染みのよさと気取らないんだけど美しい柄。昔々
  ウェッジウッドのピーターラビットシリーズを集めていたのです
  が、皿のぽってりした厚みが一緒な気がして和みます。
  
  > 私の知らない中禅寺湖畔と素敵な湖畔ウォーキング写真を見ながらしばし私の
  心はウインダミアでした。　美味しそうなパン、そして爽やかな風を感じる旅行記
  に感謝です。
  
  なんだかテキトー旅行記をちゃんと読んでくださっていて恥ず
  かしいかぎりです。
  
  当時、避暑をするためにあんな奥地まで馬車で来て、目の前の
  中禅寺湖を故郷のウィンダミア湖を重ねた、と。
  
  イギリスでは珍しく山らしい山がある、あのあたり。
  一方、日本では山と湖の組み合わせは珍しくないのに、
  そんなエピソードを知ると当時の外国人の郷愁を知る感じですよね。
  
  ところで今、スペイン行くか迷ってるところなんです。
  航空券のキャンセルが大きいので空港到着したスペインから
  （スペイン観光やめて）ポルトガルに飛ぶって手もあるんだな
  なんて気付いちゃったりしてるところです。