富山・高岡から氷見・砺波・南砺の五月の連休祭りだらけの旅(二日目)~ブリと藤子不二雄Aの街、氷見から、雨晴海岸経由で伏木へ。大伴家持と越中国府、越中一向宗の凄みに東岩瀬と並ぶ北前船の歴史とくれば、ちょっと贅沢過ぎるラインナップです~
2017/04/30 - 2017/04/30
5位(同エリア365件中)
たびたびさん
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二日目以降は高岡をベースにして、最終五日目まで近郊を回る予定。今日は、氷見と雨晴海岸から伏木までを歩きます。
まずは、JR氷見線で高岡駅から終点氷見駅まで。ブリの街、氷見は氷見うどんも有名ですが、今や藤子不二雄のふるさとというのが大きなウリになっています。忍者ハットリくんなんか、もうレトロな匂いもしなくはありませんが、プロゴルファー猿や笑うセールスマンも合わせて、元気一杯のキャラクターが勢揃いといったところでしょう。
その後、氷見から戻ってくるのに、雨晴駅で途中下車して、伏木へ。越中国府跡に大伴家持の古代と北前船の時代が限られたエリアにギュッと詰まって、意外に外せないエリアのような気がしました。義経岩や女島はじめ、雨晴から氷見間の海の眺めも当然グッドです。
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早朝は、高岡市内の高岡古城公園あたりをぶらぶらします。
高岡古城公園近くの高岡大仏は、銅器の街、高岡を象徴する仏像であり、日本三大仏の一つでもある。
元々は、承久の乱を避けて、越中にやってきた源義勝が木造大仏を造ったことに始まるそうですが、それを高岡の銅器の技術でこのような形に結実したもの。ライトブルーの色合いが特徴的ですが、こうした色付けも高岡の銅器の技術の成せる業。表を通る地元の人が少し足を止めて、拝んでいく姿も印象的です。 -
高岡古城公園は、高岡市街から歩いて行くのですが、あまり上って行くことはなくて、橋を渡るとそのまま城跡内に入るという感じ。朝早くから、地元の人が大勢やってきて、散歩をしたり、グループで談笑している姿があちこちに。地元にかなり密着した公園のようですね。
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すぐに見えているのは、射水神社ですが、
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その少し手前。神社に向かって右手奥に相撲場があります。誰でも無料で利用できる相撲場のようですが、高岡って、そんなに相撲が盛んなんでしょうか。神社の神事と関係があるようですが、やっぱりそれだけではないように思います。
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で、これが射水神社。
ニニギノミコトを祀りますが、元々は伊弥頭国造(いみづのくにのみやつこ)の祖神である二上神(ふたがみのかみ)を祭り、創建は奈良時代以前という古い歴史。ただ、現在地に移ったのは明治8年。この神社にも朝早くから地元の人が何人もやっていきていました。 -
神社を抜けたところが芸術の森。芝生のグラウンドのような場所の周囲にいくつもの銅像が建っていて、これも、銅器の街、高岡を象徴するものでしょう。
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前田利家は別として、
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思い思いの像が朝日を浴びてキラキラ輝いたりしてけっこう美しい。
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ただ、作品は出来の良いものもあればそうでないものもあるような感じ。まあ、自分で気にいった像を見つければ問題はありません。
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イチオシ
高岡駅前に来て、これはドラえもんの散歩道。ウイングウイングの正面広場の一角です。ドラえもんを先頭にのび太くんにドラミちゃん、しずかちゃんにジャイアン。平面に書く漫画のキャラクターを立体的に表現するのはそれなりに難しいと聞いたことがありますが、この像はそんなことを全く感じさせない。見事な出来栄えだと思います。
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イチオシ
さらに駅に近い方の大伴家持像は、ちょっと若々しさを感じる姿。家持は万葉集を実質的に編纂した人物のようですが、20代後半に越中守に任ぜられ、その間、地元で多くの歌を詠みました。越中とゆかりが深い大伴家持のキャリアはあまり知られていないようにも思いますが、高岡の歴史を語る上では外せない人物の一人です。
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こちらのドラえもんポストは、JR高岡駅の待合室の中。実際に利用できるポストです。
赤茶けた色合いが郵便ポストの赤をイメージしているんだと思いますが、こうした色を出す技術も高岡の銅器技術の特徴。そうしたところも分かって眺めるとまた印象が変わるのではないかと思います。
朝ちょっと歩いただけでも、こんなに銅の作品を見れる。やっぱり、高岡は銅器の町です。 -
高岡から氷見線で氷見に向かいます。
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ほどなく、氷見に到着。
地蔵愛宕社は、氷見駅から市街中心部に向かう途中。 -
ただ、地元の小さな神社かと思ったら、周囲は石造りの囲いで守られていて、けっこうな構えの神社です。愛宕神社は京都でも火をつかさどる神様。火災の備えを考えた江戸時代の創建です。
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地蔵愛宕社から山側に向かってすぐ。上日寺は真言宗の古刹です。
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イチオシ
そして、国の天然記念物である上日寺のイチョウは、境内入ってすぐ。
樹齢1000年以上の大イチョウで、樹高は24m、幹回りは12mありますが、大きさ的にはそこまでのインパクトはないかもしれません。ただ、節くれだった幹や枝振りなどは何かオーラを感じるような気配があります。 -
境内のイチョウを過ぎて、本堂への石段を上がる手前のところに行田池というのもあります。
八橋風の橋が架かって鷺が羽を休めていたり、境内にあってもそれなりに広さのある池です。歴史は白鳳10年(681年)から。龍神が観音菩薩を背にして出現したということ。まあ、そんな感じもしなくはない雰囲気です。 -
本堂に上って行く石段の手前すぐに湧水があって、これが観音菩薩霊水。氷見は水が少なくて苦労した土地ですが、朝日山の丘陵にあって、それを背景にこんこんと湧き出る清水。まあるい石造りの湧き口で見るからに名水の感。今でも活き活きとした湧水です。
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上日寺は、なんといっても境内の銀杏が有名ですが、石段をあがった奥に建つこの本堂の風情もちょっといい。
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山岳仏教の修業の場と言った、すさんだ雰囲気があって、ぐるりを囲んだ広い縁の感じに迫力があります。意外な見どころです。
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上日寺の本堂から斜面を上って行く細い道があって、その道から少し上がっていく朝日山公園に入ります。
桜まつりの後でしょうか。斜面にぼんぼりが建っていたりして、ちょっと賑やか。 -
頂上に広場があって、神武天皇の銅像。
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展望所からは氷見の市街から海の方も見渡せます。
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山を下りて、市街のほうへ。
湊川リバーウォークは、もう氷見の市街中心部。湊川の両岸に整備された遊歩道と桜並木が見どころですが、一番の見どころは忍者ハットリくんカラクリ時計。ただ、時間があるので見ようかどうしようか迷いますねえ。 -
忍者ハットリくんカラクリ時計のほど近くにあるケーキ屋さんのマコトです。
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店内に入ると、プーンと甘いいい匂い。カラフルな包みに入った何種類かのドーナツが目に入ってそれをいただきました。しっとり加減がちょうどいい仕上がりです。
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ここで、市街の地図を確認して。
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忍者ハットリくんロードは、氷見市街中心の商店街。通りの要所要所に、忍者ハットリ君に登場するキャラクターたちの姿。
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イチオシ
商店街は割と長さがあるし、ほか、笑うセールスマンや魚のオリジナルキャラクターまであって、なかなか充実しています。
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その途中、目に留まったこのお店はおがやさん。
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氷見の名物、ぎんなん餅のお店です。
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これは、さっき見た上日寺の境内にある銀杏の大木に因むお菓子。求肥のお餅を口に入れると微かにぎんなんの香りがしてきます。なんでも、かつては、実際に上日寺のぎんなんを使っていたのだそうですが、商売に使うのはダメとされたよう。一方で、上日寺のぎんなんは小さいので利用には適していないことから、今では他のぎんなんを使っているそうです。
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まんがロードから少し入ったところにある光禅寺です。曹洞宗のお寺なんですが、藤子不二雄A先生はこの寺の長男として生まれました。
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門を入ると、すぐに「忍者ハットリくん」「怪物くん」「プロゴルファー猿」「笑ゥせぇるすまん」の四人の石象。単色の像なので、ちょっと違和感がなくはないですが、そこはお寺なので。これが限度なのかもしれません。
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光禅寺のすぐそばの日宮神社です。赤く塗った太い柱に青い屋根のずんぐりした本殿が特徴的です。氷見は日見の地。日宮神社は地元の総社であり、建物の整備もしっかりしているのでしょう。朱の鮮やかさとか、瑞々しい雰囲気があるように思います。
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そこから再び広い通りに出て、これは中央町ポケットパーク。潮風ギャラリーすぐの交差点角です。
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小さな広場ですが、プロゴルファー猿のキャラクター人形に、
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立山連峰をバックに氷見のシンボルであるぶりにまたがった忍者ハットリくんなど。基本は、ちょっと休憩と言った場所なんですが、ちょこちょこ楽しませる工夫があるでしょう。
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氷見の市街から海の方に出たところの魚取社。そう広くもない境内に六つの石灯籠が並んで、ちょっとコンパクトな構えです。ブリで知られる氷見ですから、魚をたくさん取りたいというのはしごく当たり前の思い。その思いの通りの神社だと思います。
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そこから、今度は道の駅の方へも行ってみます。
これは比美乃江大橋。氷見の市街から道の駅に行くのにこれを渡りました。遠くから見た時は、主に自動車のための橋に見えたのですが、 -
イチオシ
渡ってみると歩道の部分が割と広いし、アップダウンも緩やかなので、歩きやすい。周囲の景色もよく見渡せて、とても気持ちの良い橋だと思いました。
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橋を渡ってすぐにある比美乃江公園展望台。氷見番屋街の道路を挟んだ海側。芝生の広場の真ん中に白い鉄骨造りの構築物として建っています。
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階段が広いので、小さな子供でも危なくはないでしょう。高いところが苦手な私も上ってみましたが、ただ、この上からの眺めが特別よくなるかと言われればそうでもないような。むしろこの展望台がこの辺りの景色のアクセントになっていて、そっちの意味合いの方が大きいような気もします。
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向こうに見えるのは氷見海岸。ところどころ切り立った断崖のような場所もあるのですが、海岸線に沿って国道が続いていて、たぶんドライブをしながらだとけっこう楽しめそうな感じ。この日は、海の穏やかさも印象的でした。
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さて、これが、道の駅、ひみ番屋街。
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外観からすると、さほどの規模ではないと思ったのですが、複数の建物を結んだ中の通路はけっこう長い。もう終わりかなと思ったら、またまた新しいエリアが現れてきて、あれれという感じ。
海鮮だけではなくて、イチョウ餅や次郎平のきんつばなどの氷見の名物菓子もありますので、お見逃しなく。 -
これは井上菓子舗。看板商品、最中の「鰤大敷」などもありますが、さっきのおがやのぎんなん餅も置いていました。
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もう一つ紹介したいのは、これも氷見の名物、次郎平のきんつば。市街にある中央町店は閉まっていてがっかりしたのですが、ひみ番屋街の中で売っていたので、無事にゲットできました。見た感じは煎餅のような薄皮に挟まれて、この薄皮が特徴なのかなと思ったのですが、実際に食べてみると、やっぱり主役は餡子。甘さが薄い分、小豆の香りがよく感じられる。ほどよいボリューム感もいいと思います。こうしてみると、氷見にはそこそこ銘菓があって、氷見は海の幸だけが自慢というわけではないように思います。
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池永亭は朝定食をやっていたので、それをいただくことに。
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カマスの干物とかワタリガニの味噌汁とか。氷見の魚のうまさを堪能する内容ですが、ただ、ご飯茶碗が窯の形をしていて、ちょっと食べにくい。そんなところまでは変に観光地らしさを出さなくてもいいかなとは思います。
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橋を戻ってきて。ひみ漁業交流館 魚々座は、漁港近くにある黒い大きな建物。ブリで有名な氷見ですが、その漁具等の展示があるということだったので訪ねました。ただ、展示替えのため11月から一時休館中との張り紙。いつから再開とは書いてなかったのですが、再開されることは確かですから、まあ良しとするしかないでしょう。
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その隣は氷見漁港。堤防で囲まれた港には小さな漁船が数隻係留されているだけでしたが、いずれにしても氷見はぶりでも有名だし、海の幸は豊かです。
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氷見市潮風ギャラリーは、忍者ハットリくんロードの一番奥。藤子不二雄A先生のアニメキャラクターが展示された漫画の殿堂です。
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ただ、作品の原画とかなくはないのですが、全体としては展示品は少なめの印象は否めない。また、短編の漫画はじっくり見ないといけないので、パッと見て楽しいというのを期待している人にはちょっと面倒くさいかもしれません。
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スイーツでもう一つ気になっていたのは、忍者ハットリくんロードの中ほどにある島津福寿堂です。
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ここの名物はソフトクリーム。注文すると愛想のいいおばちゃんがコーンにたっぷりと盛ってくれました。
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濃厚なとか、さっぱりとか、香りがあるとか。ソフトクリームのタイプはいろいろあるんですが、ここのはそのようなジャンルではないような。敢えて言えば、普通なんだけど甘さの加減が絶妙ということでしょうか。これまでにない新鮮なうまさがあって、ちょっとびっくり。確かにこれも氷見の名物だと思います。
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福寿堂であれこれしゃべっていたら、気が付くとカラクリ時計の時間になっていました。やっぱり、カラクリ時計も見ていきましょうか。
時間になると、シュワーシュワー。橋から水煙が立ち上がって、なかなかの勢い。風に流されて、見ている方までかかってきますよ~ -
と、その中にハットリくんのキャラクターが次々と現れて、
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かわいらしい仕草をしてこちらを楽しませてくれる。
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イチオシ
あ、こんな演出がありましたかっていう感じ。意外な面白さで、氷見ではもしかしたらこれが一番の見どころかも。危うく見逃すところでしたが、皆様、これは必見です。
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続いての氷見市立博物館では、氷見の歴史を概観。
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氷見が漁業の街であることは承知していたのですが、
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漁具の関係だけでなく、
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新潟の火炎土器のような装飾把手付深鉢から加賀藩の重い税金の話や
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八戸のえんぶりみたいな三人の獅子舞などの紹介まであって、展示は充実。氷見の賑わいがそこそこ伝わってきて、意外に楽しめました。
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さて、グルメチェックをもう少し。
氷見うどん高岡屋本舗は、氷見うどんの本家本元と言ったお店。 -
お徳用の切り落しをお土産にしました。乾麺のうどんですが、ゆでるとけっこう柔らかな仕上がり。その分、キレが弱いかなあとも思いましたが、それはたぶん茹で方次第。柔らかいともっちりした食感になるし、茹で方でいろんな味わいになる。それぞれの味が楽しめる許容力のあるうどんですね。
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日名田屋餅店では、
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あれこれ迷いましたが、結局、おだまきという地元のお菓子をいただきました。
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しんこのお餅に餡子の入った大福みたいな感じなんですが、この餡子には甘栗の欠片が入っていて、これが特徴でしょうね。華やかな味わいになっていて、田舎風ではない。なんか垢抜けているお菓子です。
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本町牛勝は、氷見駅から少し離れていますが、氷見牛を手軽に味わえる店だということで訪ねました。
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しかし、この値段のミンチカツでやっぱり氷見牛は入ってないでしょうね。お店の外で食べていたら、近所の人がやってきて、わざわざここのは氷見牛は入っていないみたいだよと教えてくれました。確かに、お店でも入っているとは書いてなかったし。。まあ、安いし、さすがにこれで文句は言えないでしょう。
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もう氷見を後にする段になっていましたが、氷見市観光案内所は、氷見駅の構内。スタッフも複数いて、氷見市はけっこう観光に力を入れているのが分かります。駅近くにある氷見キネマの情報を仕入れて、それを確認しました。
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その氷見キネマは氷見駅前広場に面した建物。ただ、現在はやっていなくて、看板があるだけです。ただ、高岡に近くても氷見はちゃんと賑わっていた街であることを示すものでしょう。看板が残っているということはたまには上映することもあるんでしょうか。看板は色あせてはいませんので。
以上、高岡からさほど離れているわけではないのですが、かつては、映画館もあった街、氷見。氷見線もここが終点ですが、やっぱり観光資源も意外にある街というのが確認できました。 -
氷見駅から高岡方面に戻るのですが、途中下車しながら、旅を続けます。
まずは、雨晴駅で途中下車して。 -
雨晴松太枝浜海水浴場は、雨晴駅から降りて弁慶岩と反対側の方に歩いて行くと海岸に出ていく小さな道があって、線路を越えて海に出たところ。堤防に守られた砂浜で、これなら海水浴をしても安全でしょう。遠くに女島も見えていたので、そのまま海岸伝いに弁慶岩の方にいけないかと思ったのですが、それはできないようでした。
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雨晴松太枝浜海水浴場から、今度は桜谷古墳へ。標識があったので、それにしたがって行くとすぐに見つかりました。
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周囲は芝生で覆われて、よく整備してあって、まるみをおびた全体の姿がはっきりと確認できます。
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ただ、圧巻は、頂上から眺める海岸の風景。丘陵の先に青い海が広がって、気持ちいいことこのうえない。これは愉快、愉快。墓であることを忘れてしまいそうです。
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続いては、武田家住宅。桜谷古墳からでもちょっと距離があります。
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武田菱もありましたが、こちらは、あの武田信玄の弟、武田信綱の末裔と伝えられ、代々肝煎りをつとめた豪農の家。周囲は林に囲まれて、その奥の敷地にドーンと大きな構えの母屋が建つというシンプルなお屋敷は、
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玄関を入って、
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邸内を見てもまるで戦いにも備えられるような頑丈そうなつくり。
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結局、周囲で起きるいろんなもめ事をうまく判断して裁く能力があったのでしょう。
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そうした能力が周囲にも認められて、危うい立場だった中でもこの地に必要とされて根を張ったのだと思います。
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地元の方がいて、
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熱心にいろいろと説明してくれました。
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武田家住宅から、再び海岸線へ戻ってきまして。
この義経岩の辺りは雨晴海岸の一番のビューポイント。 -
ポスターなんかで使われている景色はこの辺りから見たものなんですよね。
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国道沿いの線路を越えて、すぐの岩場なんですが、義経一行が奥州へ落ち延びる途中、にわか雨の晴れるのを待ったという岩で、これが雨晴の名前の由来ともなったということ。岩の下部は本当に雨が降ったら雨宿りできるような形になっています。
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イチオシ
そして、これが有名なビューポイント。多くの観光客が集まっていました。
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ただ、女島とそのバックの立山連峰を期待したのですが、この日は晴れていても、立山連峰は見えず。それでも、女岩だけでも十分雰囲気はありますね。女岩からさらに突き出た岩場には大勢の釣り人がいて、これにはちょっとびっくりしました。
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義経岩から、そのまま歩いて伏木方面を目指します。これはさっきの女島。見る角度によってこんなにも違います。
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しばらく歩いて、これは黒岩。真っ青な海に立って、これもなかなか雰囲気はありますね。
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ここは国分浜。弁慶岩から2キロちょっとでした。
越中国分駅からすぐの砂浜海岸ですが、キャンピングカーがとまっていたりして、なにかリゾートの雰囲気もありますね。近くに大きな日帰り温泉の施設もあって、浜で遊んだあとは、ここも便利な施設かと思います。 -
ここから、今日のもう一つのハイライト、伏木地区に入ります。
まず向かった氣多神社は、けっこう山の方に上って行ったところです。 -
ちなみに、伏木は国府や国分寺があった越中の中心地。この神社も越中国一宮という位置づけなんですね。
山の中腹の馬の背のような地形をうまく使った境内は杉の大木がいくつも生えていて、一段高い場所に建つ本殿から見下ろすとちょっとした庭園のようです。 -
気多神社の境内は、二段の構造になっていますが、その下の方の境内の一角に越中総社跡伝承地というのがあります。土が少し高く盛られて四角く囲まれた場所。総社は越中国の神社を国司がすべて回ることは不可能なので、ここですべての神社をすべて回ったことにするというもの。伏木は国府があったところなので、この総社もそれに関連するものです。
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ただ、本殿は意外にこじんまりもしているし、地味。知らないと越中国一宮には見えないかも。
ほか、気多神社のご神木もあるのですが、神木といってもあんまりはっきりはしていない。一段高い場所にある本殿に上がる石段を上がったところの両側に建つ杉がご神木だそうですが、特別なことはしていないので、まず気が付かない。その石段を上がる手前右手に雷が落ちで上部が枯れたようになっている木があって、これも後からご神木とされた木なのだそうです。 -
気多神社から緩やかな坂を下ってきて、越中国分寺跡です。
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ちょっとしたお堂が建つだけで、荒れ寺のような感じなんですが、
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石垣で囲んだ周辺部に古びた石仏が何体も並んでいて、奈良のどこかの景色みたい。伏木が越中の中心であったことを偲ぶ遺構です。
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続いて、こちらは高岡市万葉歴史館。
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20代後半で越中国司に任ぜられた大伴家持と実質的に大伴家持が編纂した万葉集を紹介する博物館です。
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万葉の庭園をちょこっと確認して、
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ビデオを拝見すると、地方の赴任は大伴家持にとっては初めての経験。この地で歌心をくすぐられた家持はこの地でたくさんの歌を詠んだよう。
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歌の紹介とその情景を組み合わせたジオラマ展示や万葉集の草花を集めた植物園も見どころです。
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そこから再び移動して。
この勝興寺は伏木にあって、戦国時代には、瑞泉寺と並んで越中一向一揆の中心勢力だった寺。 -
現在の土地は佐々成政が寄進したものであり、その後、前田家になってからでも厚い庇護を受けました。
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そして、その歴史通りに、現在の伽藍も途方もないもの。
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書院の方は工事中で内部は見れませんでしたが、巨大な本堂に負けないくらいの規模があって、気分的には京都の西本願寺と同じくらいの迫力を感じます。
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なんでこれほどの寺がここにあるのか。
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イチオシ
本当に途方もない寺だと思います。
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本堂の中と
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本堂から正門に向かっての眺め。この銀杏も西本願寺の雰囲気に似ていなくもありません。
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伏木気象資料館は、建物の屋根の上に塔のような部分があって、まあ洋館のデザイン。尋ねると、そこで実際に観測をしていたのだとか。
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最近、消防署の許可を取って再現したのだそうで、ちゃんと機能があったのだと知ってちょっと感心しました。やっぱり聞いてみるものです。
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伏木は越中国の国府が置かれたところ。その国府跡が越中国守館跡です。伏木気象資料館の敷地の中に石碑が立っていますが、逆に、その国府跡に伏木気象資料館が建てられたという理解が正しいでしょう。今では周囲に住宅が建っているので分かりにくいですが、ここは海も見える少し高台の見晴らしがいいロケーション。
大伴家持もここに住んだかと思うとまた感慨が深くなると思います。 -
ところで、富山県内の北前船の寄港地としては、東岩瀬と伏木が双璧。東岩瀬は富山藩であるのに対し、伏木は加賀藩の領内。そして、伏木は射水川の河口にあって加賀藩の廻米の積出し港だったんですね。
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この高岡市伏木北前船資料館は、伏木の市街中心にあって、かつての廻船問屋であった秋元家を保存した施設。
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現在の建物は明治20年の大火後、
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以前のままに再建されたものです。
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イチオシ
ただ、いずれにしても見張り台として使われていた望楼があるのが特徴で、
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私も細い階段を上ってみました。
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下から見ていた時の想像とは違って、風が思い切りビュービュー吹いて怖いくらい。ちょっと、面白い体験ができました。
なお、小泉元首相もここに上がったことがあるようで、その写真も展示されています。
以上、越中一宮、総社、国分寺跡、国衛跡に大伴家持、北前船ときましたが、伏木って、メチャメチャ濃いじゃないですか。こんな濃いとこなかなかありませんよ~ -
そうくれば、お菓子も期待ができそうです。
この引網香月堂の -
「うめぞの」もそんな感じ。求肥の中に甘く煮こんだ梅の実が一つまるまる入っていて、とっても豊かな味わいですね。女将さんから「これが看板商品です」というお勧めでこれにしたんですが、さすがといった感じです。
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続いてのこし村百味堂の看板商品は、伏木の名物「千代くるみ」。
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さっきの北前船資料館でも情報をもらって訪ねましたが、
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クルミを核にして、周囲を砂糖で固めた小さなお菓子。口に含むと砂糖が爽やかに溶けて、噛むとクルミの香ばしさと絶妙のハーモニー。献上菓子とありましたが、その加減がなるほどちょっとただものではない。御主人がその味の妙について熱っぽく説明してくれましたが、それも含めて本当に自信作なんだなあということがよく分かりました。
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伏木駅に戻る途中にもう一軒。この天筒天華堂は、洋菓子屋さん。
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伏木のシュークリームはいかがでしょうか。ちょっと小ぶりなんですが、サクッとしたシューには砂糖がまぶしてあるんですね。ただ、その砂糖は見た目と違って味的には積極的な役割は果たしていない。見た目の美しさを頭に置いたものかなと思います。
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期待以上の収穫を得て、伏木駅から高岡駅まで帰ってきました。
御車祭りが始まっていて、改札を出てすぐの場所にある高岡駅観光案内所は大賑わい。みなさん、まずは食堂の情報が目的のようですね。 -
ただ、私はここで今夜の宿の大佛旅館へ。高岡大仏のすぐ近くなので、高岡市内の土地勘がなくても帰るのに迷うことはありません。老舗の旅館らしく、玄関から廊下や部屋にはゆったり感があって、落ち着きます。御主人の対応も何かと気配りがきいて、安心感があるように思いました。いい宿です。
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商店街も近くです。
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今日は御車山祭りの宵祭り。どの店も満席な中、駅前で見つけたのが菜香厨房高岡店。チェーン店のようですが、こうした時に頼りになる餃子の王将的なお店ですね。
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家族連れなんかも大勢入っていて、気楽にささっと食事ができる。手早く夕食を済ませて、祭りに向かいました。
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大野屋は、木舟町交差点の角に建つ立派な構えの老舗菓子店。
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御車山祭りだったので、御車山饅頭をいただきました。ちょっと大きめの炭酸饅頭。ありきたりな感じもしなくはなかったのですが、餡子の味わいはやっぱり老舗の片鱗。賑やかな感じの一ひねりがきいているように思いました。
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御車山祭りのメイン会場は、山町筋です。
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この菅野家を始めとする重厚な土蔵造りの町家がいくつも残っていて、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。
明治期に発生した大火の後、火災に備えるために、このようなことになったようですが、似た話はほかにもあって、川越なんかでも同じでしょう。 -
役員さんがちょっと一杯。明日の本番に備えて最後の打ち合わせといった感じです。
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一台の屋台を見つけました。ライトアップされて、神々しいですね。てっぺんの蝶々の印は平家ですよね。信長なんかもこの印ですが、ここでの意味は分かりません。
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太鼓をたたくからくり人形。名古屋あたりにも負けない、しっかりした人形です。
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イチオシ
裏に回ってみましたが、
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幕もなかなか。祇園祭ほどではないですが、やっぱり意識していないことはない。御車祭りそのものが京都の関係ですからね。
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お囃子も少し聞かせてもらって、
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明日の本番に向けて気分が盛り上がりました。
ちなみに、宵山といっても正式なものではない。町内によってこうしてライトアップまでするところもあれば、本番が大事だとして披露をしないところもある。マチマチな対応なんだそうです。
まあ、いずれにしても、今回の旅はこれがメイン。明日を楽しみにして、今日はゆっくり休みます。
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この旅行記へのコメント (5)
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- ブルーパピーさん 2018/01/22 09:58:04
- おはようございます
- たびたびさん
ご無沙汰をいたしております。
書かなくてはいけない旅行記が溜まっているのに「5月に日本に行ったら何しよ?」と計画。
高岡・氷見・富山・松本に行くことにしました。
「まんがロード」「氷見商店街」面白そう。
参考にさせて頂きます。
絶対に行ってきます。
ブルーパピー
- たびたびさん からの返信 2018/01/23 15:17:40
- RE: おはようございます
- 本来は祭りの時期がいいんでしょうが、祭りだとなにかと気忙しい。微妙なところです。
たびたび
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- うふふ♪♪さん 2017/11/13 17:53:51
- たびたびさん、ご無沙汰しちゃってすみません💦💦
- たびたびさんへ♪
たびたびさん、
随分ご無沙汰してしまいました💦
うふふ♪♪です💦💦
いつもながらのぎっしり詰まった旅行記に脱帽です。
いつものことですが、ほんとにすごいです。
氷見は、鰤しゃぶを食べに行きたい!と2年前から計画しつつ、
まだ果たせていない土地です。
おいしい鰤しゃぶが食べたい~!
たびたびさんもおいしいお魚堪能されたようで何よりです☆
いつもながらの地元密着型の和洋菓子屋さん巡りもすごいです。
なかなかここまで廻れないと思うんですよね。
ぎんなん餅が美しかったです。
ミンチカツにシュークリームもおいしそうでした☆
街中の藤子不二雄キャラクター、すごいですね。
なんかびっくりです。
昨今は、有名な漫画家さんの出身地は、このようにお人形でいっぱいなのでしょうか??
日本海の美しい景色も印象的です。
イチオシ写真、とても綺麗でした。
土蔵造りのお家もとても味があります。
お祭りの展示も興味深かったです。
勝興寺の木造建築もとても良かったです♪
いつもながら、素晴らしい旅行記をありがとうございます。
うふふ♪♪
- たびたびさん からの返信 2017/11/14 11:22:55
- RE: たびたびさん、ご無沙汰しちゃってすみません💦💦
- 体調の方は戻りましたか?
先週末は京都を回っていました。まだ早いかなと思っていたのですが、大覚寺の嵯峨菊や常寂光寺の紅葉はもう見ごろでした。やっぱり京都は別格です。
たびたび
- うふふ♪♪さん からの返信 2017/11/23 11:49:29
- 投票をありがとうございます♪♪
- たびたびさんへ♪♪
こんにちは♪
うふふ♡♡です♪
体調、ご心配いただいて、ありがとうございます。
家で腐っている毎日だったのですが、
こうして心配して下さる方がいて、すごく嬉しいです(涙💧💧)。
先日、御礼を書き忘れていました💦💦
私のモルディブ編1〜4、道南・前後編、那覇食い意地紀行に、
投票をどうもありがとうございます♪
投票はいつも私を勇気付けてくれます!とても嬉しいです!!
(たびたびさんの足元にも及ばないですが・笑。)
御礼が遅くなってすみません💦💦
たびたびさんのような、詳細かつ充実した旅行記はとても無理〜・・
(ホントにいつもすごいですよネ!!)
ですが、
自分なりに、少しでも皆さんに楽しんでいただけるような旅行記を書いていきたいと思っています!
いつも応援ありがとうございます!!
心からの感謝を込めて―
うふふ♪♪
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