2017/03/18 - 2017/03/22
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2017年3月にコモド国立公園を旅してきました。
3月と言えば、インドネシアの雨季の終わりでまだまだ天候が安定しない時期です。
旅の時期としては最適とは言えない時期でしたが、敢てこの時期を選んでの旅となりました。
雨季の終わりを選んだ理由、それは、気温の低さ。
インドネシアは常夏の国で、平均気温も通年を通して25℃~35℃程度とあたたかい国。
暖かいのは嬉しいのですが、今回の旅のターゲットは、大型爬虫類であるコモドドラゴン。
変温動物であるコモドドラゴンは気温が暑すぎても体温コントロールが上手にできずに、動くことが出来なくなります。
乾季にコモド島やリンチャ島でコモドドラゴンに会ったけれど、暑さのせいで奴らは皆、腰が砕けて地面に伏していた…位ならまだましですが、せっかく高いお金をかけてコモド国立公園へと行ったのにドラゴンたちは山の中の涼しい木陰に避難していて、観光客が歩けるトレッキング道にはコモドドラゴンの姿はなかった…なんてことになったら目も当てられないことに…。
結果として私たちが選んだ旅の時期:3月下旬は、雨季が終わるころ。
1年中気温が高いインドネシアの中でも、雨季は雨が降った後に空気が冷やされ、大気の気温も下がる時期です。
インドネシアの観光には不向きとされる雨季の旅でしたが、雨のお蔭で気温が30℃以下に下がったコトも幸いして、島の中を活発に動き回るコモドドラゴンたちと出会う事が出来ました。
コモド島ではスコールの中でのコモドドラゴンと遭遇し、晴れていたリンチャ島では水牛を食べるコモドドラゴンのグループを見つけ、更に歩いている最中のドッキリ遭遇も経験してきました。
そんなコモド国立公園での旅行記【リンチャ島(Rinca Island)】編です。
【弾丸インドネシア3日間・旅程】
□3/18 羽田15:05-マニラ19:40/20:55-デンパサール00:25(+1)
□3/19 デンパサール08:00-ラブアンバジョ09:20
船でクルージング・シュノーケリング(天使の島・ピンクビーチ)
■3/20 コモド島・リンチャ島 トレッキング
□3/21 ラブアンバジョ09:35-デンパサール10:55
ウブド半日観光
□3/22 デンパサール01:25-マニラ05:15/08:55-羽田14:00
【弾丸インドネシア3日間・旅行記】
・死のハンター<コモド・ドラゴン>の棲む島へ
http://4travel.jp/travelogue/11226032
・ドラゴン、コブラ、ハブが待ち受けるジャングルへ
http://4travel.jp/travelogue/11228162
・コモドドラゴンに襲われたときの逃げ方、知ってる?
http://4travel.jp/travelogue/11235054
・トランジットで愉しむ地上の楽園
http://4travel.jp/travelogue/11251293
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 船 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ライオン・エア フィリピン航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
世界遺産コモド国立公園への旅を決めたのは旅の1か月前。
その時まで、私はコモドドラゴンがインドネシアの何処に生息するのかさえ知らなかった。
でもプランニングを始めたらあれよあれよという間に情報が集まり、格安のフィリピン航空のチケットまでが此処にいるよ!と自己主張してきてくれる有様。
まるでコモドドラゴンに呼ばれたかのように旅の計画が出来上がっていった。
そして、コモド国立公園での3日間。
初日は天使の島ビダダリや紅の珊瑚が作るピンクビーチでのシュノーケリングで南国の海を愉しみ、2日目の午前は念願のコモド島でコモドドラゴンとの初対面。
牙に致死性の毒素(正確に書けば:血液の凝固を妨げる毒)を隠し持つ恐竜時代の生き残りであるコモドドラゴン。
初めて会うドキドキ感ともし噛まれたら…のドキドキ感で胸をいっぱいにしながら、スコールで濡れるコモド島でのひと時を満喫した。 -
この旅行記の始まりは、そんなコモド島でのドラゴンとの初対面のあと。
次の訪問島であるリンチャ(RINCA)島へと向かう船の中から。
予期せぬスコールに見舞われたコモド島での1時間の散策から帰船した私たちがまず最初にすべきことは、濡れた衣服の乾燥。
今回の旅では飛行機への持ち込み手荷物の関係があり、日本から持ってきた荷物は30L弱のリュックに入れることのできる最低限の着替えだけ。
だから、スコールで服が濡れたからといっても余分な着替えなんて存在しない。
とはいうものの、そのまま濡れたものを着ていたら風邪をひいてしまうので、船の中に渡してある洗濯物干し用のロープを使わせてもらい、濡れた衣類を少しでも乾燥させる。
リンチャ島までは約2時間の船旅。
気温は25℃以上あり船の上は風も通るので、予想以上に濡れた衣類の乾燥も早く、2時間の船旅の間でそれなりに乾いてくれた。
(写真:コモド国立公園の(豪華)クルーズ船→改造漁船の内部) -
次の目的地であるリンチャ島への到着予定時刻は12時。
リンチャ島ではちょっと本格的なハイキングとなるので、上陸前に腹ごしらえの時間。
船のキャプテンの奥さまがランチを準備してくれて、少し早めの昼食タイム。
船長の奥さまが作る料理は基本がインドネシアの家庭料理。
色が赤系なので辛そうに見える鶏肉の炒め物も全然スパイシーではなく日本人好みの味付けだ。
赤いのは唐辛子ではなくトマト。
インドネシア料理はタイ料理風な辛めの味付けもあるが、どちらかというと中華風の味が多いのかもしれない。 -
コモド国立公園での1泊2日の船旅の航路を地図に入れるとこんな感じ。
1日目はビーチでのシュノーケリングを楽しみながらコモド島まで到達し、2日目の朝にコモド島のトレッキング、午後にリンチャ島のトレッキングをする行程だった。
こうやって地図で見ると私達観光客の歩けるトレッキングエリア(ピンクの楕円で囲った部分)はコモドドラゴンが生息する島全体の面積から比較するとかなり狭い範囲で、コモド島とリンチャ島の各島に2000頭ものコモドドラゴンがいるとしても、島の中を歩けば簡単にコモドドラゴンに遭遇できるわけではない…というコトが分かってもらえると思う。 -
コモド国立公園でのクルージングの行程で、ガイドさんがコモド島でのトレッキングを朝一番にもってきた理由は、ジャングル性気候のコモド島ではコモドドラゴン達の生息域が島の広域に散在していて、太陽高度が高い日中にコモド島を訪れたのでは、散らばってしまったコモドドラゴン達と出会う確率が低くなる事を考慮して。
しかし、朝イチの時間帯ならば野生動物が水たまり(プール)に集まり、その集まった動物狙いのコモドドラゴン達に出会える確率が高いことをガイドさんは見越していた。
(写真:ガイドさんの読み通り、コモド島の水場(プール)に集まるコモドドラゴン達) -
12時前に、船は予定通り次の目的地であるリンチャ島(Rinca島)へと到着した。
リンチャ島はコモド島の様にコンクリ製の立派な桟橋などない素朴な自然そのままの島で、その船着き場も木製の小さなもの。
船着き場にはもう既に多くの改造漁船たちが停泊していた。 -
私たちの船のキャプテンや他の船の乗員が力を合わせて船を引っ張り、接岸する。
-
船から飛び降りて、コモドドラゴンの島;リンチャ島へと上陸。
-
ジャングルの島であったコモド島に対し、リンチャ島はサバンナの島。
島の海岸線にはマングローブの林が広がっているが、そのすぐ1m上は草原地帯が広がっていた。 -
島の外周を廻る様に、トレッキングルートのゲートへと向かう。
リンチャ島はコモドドラゴンがいるだけの島だけではなく、自然も豊か。
剥き出しの崖に見えるここの赤壁も、実はある鉱物が採掘できる場所。 -
足元にゴロゴロ転がるのは、キラキラ輝く石英の原石。
(写真は、海水で洗った石英の原石) -
イチオシ
船着き場から歩いて5分ほどで、リンチャ島のゲートへと到着。
コモドドラゴンが立ち上がって門を守る様子は、映画ジェラシックパークを彷彿とさせる。 -
遊歩道沿いには干潟が広がっていて、その潮溜まりには磯の生き物の姿。
片方の爪が大きいシオマネキに似た蟹やヤドカリ、巻貝が沢山いる。
よく見るとハゼや小さな小魚が泳ぐ姿も…。 -
ガイドさんが遊歩道の上に黒い塊と白いモノを見つけて「これ、なーんだ?」と私達に質問。
もしかして、コモドドラゴンの排泄物?
大当たり。
コレはコモドドラゴンのうんちとおしっこの塊。
爬虫類であるコモドドラゴンは尿の色が尿酸の結晶色の白色で、更に獲物を骨ごとバリバリと食べるので、消化されない骨片がそのまま白色で排泄されるそうだ。 -
干潟には、島に生息する野生生物の姿も。
猿や鹿がのんびりと干潟の中を散歩していた。 -
海水が上がってこない草原地帯には鹿さんファミリーの姿。
ゆったりと寛ぐ彼らの姿を見ていると、このリンチャ島が死の咢をもつコモドドラゴンの生息区域だというコトを忘れそうになってしまう。 -
イチオシ
そんな私の気持ちをあざ笑うかのように現れたのは、コモドドラゴンの食料となった水牛のなれの果ての姿。
この島に生きる動物たちの頂点に君臨するのはコモドドラゴン。
人間だって、彼らに噛まれてしまったら、元の世界に戻れるかどうかは賭けでしかない。 -
レンジャー・ステーションの前にはKOMODO NATIONAL PARKの看板。
この手作り感あふれる木版は、きっとレンジャーさん達のお手製なのだろう。 -
実は、コモドドラゴンがナチュラルな状態で生息するリンチャ島には観光客用の宿泊施設も存在する。
それが、この写真のロッジだ。
このロッジは国立公園のレンジャーの管理下にはあるが、建てられているのはコモドドラゴン達が普通に行き交う草原の中。
因みにトイレは、このロッジの向かい側の建物にある。
明るい内ならばまだしも夜中にトイレに行きたくなった場合、たった数メートルの距離だが、トイレまでの道を無事に歩ききることが出来るのか。
私だったら…と考えるとちょっと尻込みしてしまう。
コモドドラゴンは自転車並みのスピードを誇るスプリンター。
奴らが本気を出したら、夜目の効かない人間は、ほんの数メートルの距離でも簡単にガブリとやられてしまうだろう。
それにこのロッジだって高床仕様に造られてはいるが、ドラゴンたちが立ち上がりその丈夫な尻尾を振り回したら簡単に木の柵が壊されてしまいそうだ。
でも、ここに泊まるリンチャ島の一夜には惹かれるモノがある。 -
リンチャ島には大型客船は来ない為、訪れる観光客もそんなに多くは無い。
だから、観光客数に比例して島に駐在するレンジャーの数も少ない。
島のトレッキングルートをぐるりと一周するに必要な所要時間は約1時間半。
レンジャーが出払っている時は、前に出発したグループがトレッキングから戻ってくるまでの時間(最大で約1時間半)をこのレンジャー・ステーションで待つ必要がある。
私たちの前には、レンジャー待ちの観光客が一組いる。
つまり、私たちはまだまだレンジャー待ちをしなければならないというコトだ。
でも、私たちの優秀なガイドさんは、待ち時間を利用してアメリカから来ているというこちらのグループと交渉して、同じ一組というコトにしてもらい、次のレンジャーが戻り次第、歩き出せるように準備を整えてくれた。
そして、20分ほど待って、やっとレンジャーの帰還。
私達の出発時間が来た様だ。 -
歩き出して5分。
リンチャ島で一番コモドドラゴンとの遭遇確率が高いコモド・ポイントへと到着する。
コモド・ポイント・・・それが、この写真の場所。
いつもならばコモドドラゴン達はこの建物の下の日陰でのんびりと獲物待ちをしているらしいのだが、この日に限ってコモドドラゴンの姿はなかった。
この建物はレンジャーさん達の台所で、建物の周りには美味しそうな匂い(生肉等の匂い)が漂っていることが多い。
だから、コモドドラゴン達はその臭いにつられる様に、台所へと集まってしまうというコトだ。 -
最大のコモド・ポイントでドラゴンに会えなかった私たちは意気消沈気味で山の中へと入っていく。
コモド島の木々は熱帯性のシダやヤシの木が多かったが、こちらのリンチャ島の山の中には熱帯植物の姿は少なく、普通の山の木々が生えていた。
殆ど緯度の変わらぬ二つの島なのにこの植生の違いが不思議だが、どうやら島を取り巻く海流によって島の平均気温や平均湿度に大きな差があるということらしい。 -
トレッキング道は粘土質で、サンダル履きの私たちは粘土に足をとられて靴が脱げそうになり非常に歩き難かった。
リンチャ島を歩く時はサンダル履きではなく、ちゃんとしたスニーカーを履くことをお勧めしたい。
娘はトレッキングの途中でサンダルの鼻緒が切れてしまうというハプニング。
そんな時にジェントルマンだったのが、船のキャプテンの息子さん。
彼は娘と年齢ももさほど変わらぬくらいだがもう一人前の海の男で、緊急時の連絡役として私達に同行してトレッキング道を歩いていたのだ。
その彼は、娘のサンダルの鼻緒が切れたのを見ると自分の履いていたサンダルを娘に差し出して、素足で歩きだした。
歩いている途中で小さな水の流れを発見。
ガイドさんを筆頭に、その水で泥でベトベトとなった足とサンダルの掃除の時間。
澄んではいない泥水の流れだか、そんなことはお構いなくジャブジャブと足とサンダルを洗う。 -
小さな水の流れを過ぎると、ここからは草原の中の山登り。
私の予想では、こんな山を登っているとノソリとコモドドラゴンが現れる…筈だったのだが、30分ほど山道を歩いてもコモドドラゴンの姿はどこにもない。 -
見渡す限りの草原の山。
木々は少なく見渡しが効く山なので、コモドドラゴンの姿があれば、レンジャーが教えてくれる筈…と思っていたのだが、レンジャーからはそんな素振りは一切ない。
コモドドラゴンとの遭遇確率は比較的高いと云われるリンチャ島だが、もしかして今日はコモドドラゴンが出現しないハズレの日なのだろうか。
口には出さないそんな不安を抱きながら山道を登る。
遠くに見える人影は私たちと同じような観光客。
皆がコモドドラゴンの姿を探しながら歩いている。 -
山の頂へと到着すると、はるか下に見える樹林帯の中に人影を発見。
あの人影の先に何かがあるらしい。
レンジャーに「あそこは何?と」聞くと、「トレッキング・コース外の場所で、あそこへは行かないよ」との返事。
しかし、私たちのガイドさんが他のレンジャーから盗み聞いた情報によると、どうやら下に見える林の中にコモドドラゴンが集合している場所があり、限られた人だけが其処へと行ける模様。
限られた人…とはどういう意味なのか。
それは勿論、チップをはずむ人の事を指す。
レンジャーにエクストラの案内を乞う場合は、それなりの心付けが必要だということらしい。
そうガイドさんに耳打ちされて、チップって幾らぐらい必要かと逆にガイドさんに質問。
ガイドさん曰く、200000ルピア位(2000円程度)あれば十分とのこと。
それくらいで済むのならば、是非、行きたい!
もう一組の米国からのご家族とも相談して2家族で約40ドルのチップで、レンジャーに時間外労働をお願いすることになった。 -
そうと決まれば、早速、出発。
ここら先の道は、整備されたトレッキングルートではない、レンジャーたちが島を見回る時に使う道。
だから、足元は草ぼうぼうだ。 -
そして、山を下り出して5分もしない内に先頭を歩くレンジャーが足を止め、皆に静かにその場にとどまる様に合図。
何事かと思い、レンジャーの視線の先を見ると、コモドちゃんの姿!
なんと背の高い草むらの中からコモドドラゴンが姿を現し、私たちの前を横断中だ。 -
顔が四角いので多分オスのコモドドラゴンだろう。
周りを取り囲む人間のギャラリーなんて気にもとめず、ノソリノソリと歩いて行く。 -
最初は恐る恐る遠巻きにしながらコモドドラゴンを観察する私達。
-
でも、吸い寄せられるように足はコモドドラゴンの方へと向かい、ついにはレンジャーの背中に張り付きそうな距離まで接近。
レンジャーはコモドドラゴンと私たちの間に入り、コモドドラゴンの動きを注視している。 -
コモドドラゴンは人間が近づいてきたことで何かを感じるのか、その舌を長く伸ばし、舌先のセンサーで匂いや温度変化を確認している様だ。
-
コモドドラゴンがその首を伸ばすとあごの付け根辺りに耳の様な穴が現れ、その穴が閉じたり広がったり。
首を伸ばしたその姿は、硬い鱗を纏っていることもあり恐竜の首長竜の様だ。
こんな近くで動き回るコモドドラゴンを観察できるチャンスがあるとは…予想もしていなかった。
これはチップを払ってでもここまで来た甲斐があったというものだ。 -
私たちが近づきすぎたのか、コモドドラゴンはコチラを威嚇する様な姿勢に。
レンジャーも立ち上がり、手に持つサスマタを構え、ドラゴンに対抗する姿勢をとる。 -
イチオシ
コモドドラゴンは二股に割れた舌をちらちらとさせながら、こちらを凝視。
コモド国立公園 国立公園
-
暫くして、私たちはエサには不向きと判断したのか反対側の斜面を登っていき、私たちの視界からその姿を消した。
コモド島の水場でも動き回るコモドドラゴンを見たが、リンチャ島でのドラゴンの動きはその何倍もアクティブで、ドラゴンの表情も豊か。
ココまで自然そのままの凄い光景を見ることをできるとは想像していなかった私たちは、もう大興奮。
しかし、私たちのラッキーはこのドラゴンとの邂逅が最後ではなかった。 -
イチオシ
草原を横切るコモドドラゴンが視界から消える距離まで去ったのを確認した私たちは更に下に見える林の中を目指して歩いていった。
そして、林の中で見たモノ。
それは、毒牙にやられその命を失った水牛に群がるコモドドラゴンたち。 -
ガイドさんの話によると数日前にここでコモドドラゴンに噛まれた水牛が死に、その腐臭に惹かれたこの辺りのドラゴンたちが集結しているとのこと。
レンジャーからは、周りの林の中から急にコモドドラゴンが現れる可能性もあるので、周囲に注意を払いながら観察してほしいとの言葉。
水牛はもう柔らかく栄養価の高い内臓部分はあらかた食いつくされて、あとは大きな骨やあばらに肉がへばりついているような状態だが、それでもドラゴンたちは果敢にその屍に喰らいついていた。
ドラゴンのお腹を見ると、タップリと下部が膨れてもう満腹なのは私でも分かる位な感じ。
それでもまだ、食べたいらしい。
書物によると彼らは自分の体重の80%までの肉を胃に納めることが可能のようだ。 -
1頭のコモドドラゴンの1回の食事時間はそんなに長くはなく、15分位食べていたかと思うと、林の中へ入って食休みの時間。
そして、また別の一頭がその空いたスペースへと入っていく輪番制となっていた。 -
たまに同じ骨片に二頭が喰らいついた時は、戦いの勃発。
2頭のドラゴンが立ち上がって決闘する…とまではいかないが、お互いに口で咥えた骨の端と端を引っ張る合い綱引きの始まり。
尻尾を上手に使いバランスをとりながら首を大きく振り、相手の顎を揺らして骨を自分のものにしようと奮闘していた。 -
このコモドドドラゴンのグループには、まだ幼いコドモ・コモド・ドラゴンの姿も見られ、子供たちは大人が食べ飽きるまで我慢の時間。
オトナ・コモド・ドラゴンの姿が水牛の近くに少なくなると、コドモ・コモド・ドラゴンはすかさず水牛の死骸へ近づき、その肉を食いちぎる。 -
コモドドラゴンの世界では、親子であっても共食いは起こりうる。
大人のコモド・ドラゴンは空腹時は容赦なく子供のコモドドラゴンを襲う。
だから、子供たちは大人が掴まえたエサの御相伴には預かっても、決してオトナ・コモド・ドラゴンの近くへは近づかない。
必ず襲われても逃げ切れるような距離感を守っている。 -
イチオシ
そして、コドモ・コモド・ドラゴンは私達観光客にとってはオトナ・コモド・ドラゴンよりも注意しなくてはならない怖い存在だ。
コドモ・コモド・ドラゴンは小さくてもコモドドラゴン。
その牙には血液凝固を阻害する特殊な毒を隠し持っている。
そして、コドモ・コモド・ドラゴンはオトナより体が小さい分、その動きが敏捷で、そのスピードも速い。
コドモ・コモド・ドラゴンが本気で駆け出せば、人間なんてあっという間に追いつかれ、ガブリと噛まれてしまう。 -
だから、この場所の様にコドモ・コモド・ドラゴンが多数いるエリアは、最大限の注意を払わなければならない場所なのだ。
故にレンジャーの視線もかなり真剣で、オトナ・コモド・ドラゴンよりもコドモ・コモド・ドラゴンの動きを注視していた。
この写真のレンジャーの方は、他のグループの引率だったが、皆からオカムラという日本名で呼ばれていた。
どうしてかと思って聞いたら、日本のお笑いタレントの岡村隆史さんに似ているからだというコト。
確かに横顔が似ているかもしれない。 -
水牛の死骸の脇でひたすら繰り広げられるコモドラゴンたちの宴。
そろそろ大きなオトナ・コモド・ドラゴンたちもお腹が満足したようで、子供たちの食事の時間の様だ。 -
小さな子供たちは大きな巨体がいなくなったのを見計らい、そっと水牛の死骸の元へ。
-
死骸の反対側にはまだオトナ達がいるので、オトナの注意を引かない様に静かに食事をしていた。
-
もし、こんなところで運悪くコモドドラゴンの注意を引き、餌と認識されてしまった場合、私達人間はどうすればよいのか。
1. 走って逃げ、限界が来たら出来るだけ高い木に登る。
2. 出しうる限りの全速力でコモドから一気に逃げる。
3. 全速力で走るが、真っ直ぐ一直線には走らない。
正解は1から3の中から1つだけ。
それぞれの解について解説すると…。
1. コモドドラゴンは巨体だが、鋭い爪を持つので木登りはけっこう得意。
2,3メートルを登った位ではあっという間に毒牙の餌食に。
2. 成獣のコモドドラゴンの走るスピードは自転車並み。だから、それよりも早く走れる自信があるならば逃げ切れる可能性もあるが、身軽な子供のコモドドラゴンは実はもっと早く走る。
コドモ・コモド・ドラゴンの襲撃から走って逃げるにはオリンピック選手並みの俊足が必要だろう。
3. コモドドラゴンの目は顔の両側についているのでその視野には死角がある。
だから大きくジグザグを描くように走って逃げれば、彼らの頭は獲物がどちらの方向に見えていたのか画像処理をしきれなくなり混乱し、視覚では獲物の位置を捕捉できなくなる。 -
コモドドラゴンから走って逃げる場合の正解は、3番。
ただし、これは逃げている獲物が傷を負っていない場合に限っての話。
もし、逃げる人間が傷を負っていたり(女性の場合、生理の場合)する時にはその血液の匂いがコモドドラゴンの舌先の鋭敏なセンサーで感じとられてしまい、逃げ切るのは難しい。
だから、コモド国立公園には生理中の女性や血の出る怪我をした観光客は来てはいけないというルールも有る。
とはいうものの、このルールはそんなに厳格には適用されてはおらず、生理中の女性や怪我をしている場合はガイドやレンジャーに事前に申告すれば、彼らが一番安全な位置で守ってくれる…という対応にしているということだ。 -
水牛を喰らうコモドドラゴンを心から堪能した私たちは、再び、先ほどまでいた山のてっぺんまで戻り、今度は港へと向けて山を下る。
-
イチオシ
そして、船に乗り、コモド国立公園の最後の航海へと出航した。
本来ならば、この日はリンチャ島が最後の観光の島で船はそのままフローレス島のラブハンバジョの港へと戻る予定だったのだが、リンチャ島のトレッキングで汗だくとなった私からの最後の我儘で、もう一回だけシュノーケリングをしたいとのお願い。
船長さん、30分だけならばということで、フローレス島近くのコモドドラゴンがいないKelor島(ケロール島)へと連れて行ってくれた。
Kelor島は、インドネシアでのウェディングフォトのメッカとも云われる場所で、この日もウェディングドレスを着た初々しい花嫁さんとタキシードの花婿さんが様々なポーズで撮影中。
で、私たちはそんな彼らには目もくれずに、シュノーケリングギアを装着し、海へとドボン!
Kelor島はコモド国立公園の他の島と同じくコーラルの環礁で囲まれた島で珊瑚も美しかったのだが、面白かったのが魚たち。
この海域はやたらと魚がアグレッシブで、人間を餌と勘違いしているのか水中眼鏡に向かって突進してきて、手で追い払わないとコツンと音がするくらいの勢いで体当たりを食らわしてくる。
勿論、体にもツンツンと突きに来て、噛もうとする輩まで。
30分ほどそんな魚たちと戯れてから、ラブハンバジョの港へと戻った。 -
17時半に港へ到着し、船長さんファミリーに2日間の船旅のお礼をした後は、清潔な真水のシャワーの出来るホテルExotic Hotelへと向かう。
Exotic Hotelはコモド空港から徒歩5分という便利な場所にあるホテルだ。 -
ホテルはバリのリゾートを思わせる庭の中に客室があり、部屋はトリプルルームでエアコン付。
バスタブはないが熱いシャワーがでるし、ベッドもたっぷりと広いので、それだけで満足。 -
夕食はホテルレストランにて。
夕食の代金は今回のツアー代金(2泊3日、国内線の飛行機代込で1920US$/3人分)に含まれていて、飲み物以外は何を頼んでもOKという太っ腹な設定。
前菜、スープ、メイン、デザート…とコモドドラゴン並にお腹がパンパンに膨れるまでフローレス島の海の幸を堪能したが、本当に全て料金に含まれていた。
料金的にはスープが500円、メインの焼魚が700円、ナシゴレンも700円、デザートのフルーツの盛り合わせも500円程度で、飲み物で頼んだアボガドの生絞りジュースも200円程度と決して高くはない。
そして、夕食後はホテル併設のスーベニアショップにてお土産のお買い物。
ベタだが、コモドドラゴンのデザインされたT-シャツはコモド国立公園エリアでしか買えないので必須アイテム。
T-シャツは1枚1000円もしないのに、その縫製はかなりしっかりとしていて、日本で買う中○人民共和国で作られた物よりも生地の厚さも縫い目もしっかりとしていた。 -
2日間の船旅で疲れ果てていた相棒と娘は、部屋へと戻りベッドに横になった途端にあっという間に夢の世界へ。
翌日は午前中の飛行機でバリ島へと戻り、夜の帰国フライトまでのトランジット時間を利用してのプチ観光で、ウブドの棚田やSPAでリラックスタイムとなる予定。
たった3日間のインドネシアの滞在だったが、その旅の濃さは当初の予想の150%以上で大満足の旅。
ただ、明朝のバリへと帰る飛行機が飛ぶまでは、まだ気を抜いてはダメ。
明日の飛行機は運が悪ければ欠航もあるというインドネシアのLCCであるWings Airways。
私も旅の女神さまに明日の無事を祈りつつ、眠りについたのだが…。
翌朝の空港での液晶TV画面にあったのは、TSUNAMI(津波)の警告文字。
どうなる…私たちの帰国!?
【前の旅行記】ドラゴン、コブラ、ハブが待ち受けるジャングルへ
http://4travel.jp/travelogue/11228162
【続きの旅行記】トランジットで愉しむ地上の楽園
http://4travel.jp/travelogue/11251293
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