2017/03/18 - 2017/03/22
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ウェンディさん
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2017年3月に家族でコモド国立公園を旅してきました。
今回のインドネシア旅は、コモド・ドラゴンに会いたい♪と云う娘と私の思いつきから始まったプランニング。
計画開始日から飛行機に搭乗するまでが1か月足らずのかなり無謀な計画でしたが、格安のフィリピン航空やコモド国立公園での船旅の手配は、まるでコモドドラゴンの見えない手が導いてくれるかのようにすんなりと決まりました。
しかしそんな順風満帆な旅計画にも、頭を悩ますコトが1つだけありました。
それは、帰国日の空港での時間の過ごし方について。
帰国日にデンパサール空港で私たちを待ち受けているのは、ほぼ12時間のトランジット時間(その内、自由に使えるのは10時間)。
10時間あればちょっとそこまでバリ観光に…も可能なのですが、バリ島は今回が初めての旅先なので交通網の発達具合、タクシーの安全度・信用度などが全く分かりませんでした。
それに10時間のフリータイムがあると言っても、明るい時間帯は夕方までの6時間位で、残りの4時間は日没後の時間。
初めての土地で、暗くなってから地図を見ながら街路をウロウロするのは、あまり好ましくはないもの。
“ウブドまでライステラスを見に行きたいな、船旅の疲れをSPAで癒したいな”とは考えはするものの現地での安全性を最優先に考えると、行けても空港近くのクタのビーチ位かな…と、トランジット時間を利用した観光は半ば諦めてもいました。
そんな私に救いの光を投げかけてくれたのは、コモド国立公園でのアレンジお願いした旅行会社で、悩める乙女に専用車でのウブドへの10時間ツアーの提案をしてくれました。
日本語ガイド付の専用車というとお高いイメージがありますが、絶景ライステラスでの昼食付で一人6000円/10時間。
空港でタクシーを1日チャーターする方が多分安いだろうとは思いましたが、初めての土地では安全はお金で買うのがベター…と云う事は身に染みて分かっているので、専用車手配もお願いすることに。
そして、迎えたバリでのトランジット旅。
マハギリ・レストランからの緑のライステラスが織りなす絶景、樹齢600年の古木が守るクヘン寺院、ウブドのジモティなナイト・マーケット、1時間半のリラックスSPAなど、ガイドさんが手際よく動いてくれたおかげで、自分たちでタクシーで廻っていたならばまず出来なかったであろうことを体験し、きっかり10時間のバリでの時間を満喫してきました。
1か月前には、まさか自分がコモドドラゴンの島に行くなんて予想もしていなかった旅。
たった3日間のインドネシア弾丸旅でしたが、その旅の密度はプランニング時の150%となりました。
【弾丸インドネシア3日間・旅程】
□3/18 羽田15:05-マニラ19:40/20:55-デンパサール00:25(+1)
□3/19 デンパサール08:00-ラブアンバジョ09:20
船でクルージング・シュノーケリング(天使の島・ピンクビーチ)
□3/20 コモド島・リンチャ島 トレッキング
■3/21 ラブアンバジョ09:35-デンパサール10:55
ウブド半日観光
■3/22 デンパサール01:25-マニラ05:15/08:55-羽田14:00
【弾丸インドネシア3日間・旅行記】
・死のハンター<コモド・ドラゴン>の棲む島へ
http://4travel.jp/travelogue/11226032
・ドラゴン、コブラ、ハブが待ち受けるジャングルへ
http://4travel.jp/travelogue/11228162
・コモドドラゴンに襲われたときの逃げ方、知ってる?
http://4travel.jp/travelogue/11235054
・トランジットで愉しむ地上の楽園
http://4travel.jp/travelogue/11251293
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- タクシー 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
インドネシアでのあっという間の3日間。
旅の時期が3月末;雨季の終わりの旅だったので天気は荒天にならなければ御の字位に考えていたのだが、実際の現地での天気は予想以上に晴れ間があり、リンチャ島・コモド島の両島で死の咢を持つコモドドラゴンに出会え、更に水牛を捕食する風景までを目にすることができた。
そして、コモドドラゴンに襲われた時の逃げ方や、観光客にとって本当の脅威となるのはコモドドラゴンの成獣ではなくコドモ・コモド・ドラゴンだという事など日本に居ては実感としてわからないコモドドラゴンに関する知識も今回の旅で身につけた。 -
そんなコモド国立公園での旅も1泊2日を船の上で過ごし、フローレス島のホテル(Exotic Hotel)で一晩寝たら、もう日本へと戻る日。
現地3日間の旅は、やはり短いと感じてしまう。
旅の女神さまの微笑のお蔭で何とかもっていたコモド国立公園での天気も、最終日のこの日ばかりは女神さまの力も及ばず、朝から降り続ける雨。
でも、その雨のお蔭で気温も下がり、蒸し暑さは殆ど感じない朝となった。
ホテルの朝食は決して豪華ではないが郷土料理のナシゴレンやミーゴレンもあり、可愛いお姉さんのコックさんが卵料理を作ってくれるとなれば、我が相棒の目尻も下がりっぱなし。 -
早朝の雨はポツポツだったのだが、私たちが宿をチェックアウトし空港へと向かう時間が近づく頃には土砂降りの雨。
傘も役に立たないような、本当にバケツの水をひっくり返したような雨へと変わってしまった。 -
こうなると心配なのが、飛行機の運航。
利用予定の飛行機はインドネシア版LCCのWings Airways(Lion Wings)のフライト。
ガルーダ航空に比べ運賃が半額程度に安いのが魅力的なWings Airwaysだが、天候理由によるフライトキャンセルが多い事でもその名を知られている。
だからコモド空港に着いてからも、この日の飛行機が無事に飛ぶのかどうかドキドキ。
(写真:Wings Airwaysの機体。LCCなのに内装の警告サインは、おなじみの喫煙禁止の煙草のマークではなく、電子機器禁止の最新バージョンだ) -
そんな私の不安に追い打ちをかけるように、コモド空港を離発着するフライトは朝から全便が30分以上の遅延。
更に、昨晩起きたらしい地震による津波の情報が空港内のモニターへと繰り返し映し出され、私の不安を煽ってくれた。
大雨による空港コンディションの影響で全便が遅延していたから仕方がないのだろうが、最終的に私たちが搭乗予定の飛行機の搭乗開始アナウンスがあったのは、出発予定時間を30分以上過ぎてから。
それでもフライトがキャンセルにならなくって、本当に良かった。 -
そして、飛行機はバリのデンパサール空港へと到着。
大幅に到着時間が遅れるかと思ったのだが、機長さんの頑張りのお蔭か30分も遅延せずにバリへと到着した。
バリは、フローレス島とは打って変わって良い天気。
でも湿度が高く、ちょっと歩くだけで汗が噴き出してくる。 -
空港ではピックアップのガイドさんが待っていてくれた。
この日はこのまま専用車で、ウブドの郊外にある絶景レストランへと向かう予定だったのだが、その前に一つだけ寄り道をお願いする。
寄り道先は、薬局。
コモド国立公園での2日間は雨にも降られた時間帯もあったが、基本はお日様の下で活動していた。
そんなバリバリ紫外線下の環境なのに、わが娘は日焼け止めを塗るのをさぼった(面倒くさいので適当に塗ったらしい)らしく、滞在3日目のこの日の朝には娘の肌はまだらに軽いやけど状態となり、至急の対応が必要だった。
そこで買ってきたのが、薬局で売っているアロエジェル(500円程度)。
消炎作用のあるアロエの力を借りて、なんとか肌の回復を高めよう!作戦だ。
気休め程度に思われるアロエジェルだがその効果は絶大で、皮膚が渇く度に塗り直していたら、日焼けによるヒリヒリ感は翌日の夜までにはかなり楽になったそうだ。 -
昨日までの2日間は遠い田舎の島に居たので、バリの街中の道路の様子がとても都会に見える。
時間帯のせいなのか道路はかなり混んでいたのだが、ドライバーの方はけっこう安全運転の方が多い。
ただ、道路を曲がるときにウィンカーを出す習慣がないのか、ウィンカーなしにいきなり右折・左折をするので、私的には少し怖いかな。
バイクの二人乗りは当たり前。
そして、こちらのご家族の様な4人乗りもアチコチで目にした。
運転手と最後尾のお兄ちゃんはヘルメットを被っているが、他の2人はノーヘル。
コレがバリでの日常風景なのだからよそ者がとやかく言う事ではないが、せめて子どもにはヘルメットが欲しいかな。 -
町中を抜けウブドが近くなると、道路沿いには不思議な飾りが多く見られるようになった。
雰囲気的には日本の七夕飾りに良く似ていて、これは月末に行われるニュピと呼ばれる祭りに向けてのお供えとのことだ。
ニュピとは、サコ暦と呼ばれるバリの伝統的な暦での新年を祝う祭りを指す。
ニュピはバリの人達にとってはとても神聖な日で、ニュピの日はバリの住民は家の中にこもり断食して1日を静かに過ごさなければならないという決まりになっている。
ニュピの日のお籠もりはバリの住人だけではなく国外からの旅行者にも適応され、バリを訪れている旅人はニュピの日は1日中滞在するホテルから出てはいけない…と法律で定められている。
更に驚いたことにニュピの日は空港も閉鎖され、国内移動だけでなく出国・入国も一切できなくなるという徹底ぶりだ。
2017年のニュピは旅の2週間後の3/28なので私たちの旅程には影響しなかったが、来年2018年のニュピは3/17。
来年3月の連休に絡めてバリへの旅を計画する場合は、ニュピの日にちに十分注意を払う必要がありそうだ。 -
そんな敬虔なバリの人達が信仰する宗教はヒンドゥ教。
インドネシアの基本の主教はイスラム教だが、島によりバリの様に他の宗教が多数派となる地域も多い。
ヒンドゥ教の教えがそうなのかもともとバリの人達の気質がそうなのかは分からないが、彼らはとても信心深く、どこの家の前に大なり小なりの仏様がいて仏様の前にはお供え物が必ず置いてある。
お供え物は毎朝に、新しいモノに交換するとのことだ。 -
イチオシ
田舎道へと入ると車やバイクの交通量は減り、代わりに現れるのは頭に籠を載せた女性たちの姿。
彼女達が掲げる籠の中には、お寺に納めるお供え物が入っている。 -
イチオシ
コチラのおばさまは、頭の籠には手も添えずにスタスタと歩いている達人。
よく見ると籠と頭の間には四角い箱のようなモノがあり、どうやらその台座で上手く水平を保っているらしい。
-
デンパサールの空港を出発して1時間ほどで、ライステラスの見える丘の上へと到着した。
ガイドさん曰く「小さな棚田ですが…」とのことだが、イヤイヤ、立派な棚田だと思う。 -
そして、到着した本日の昼食場所であるマハギリ・レストラン(Mahagiri Panoramic Restaurant)。
マハギリ・レストランは、遠くには噴煙を上げるアグン山と棚田を眺めながら食事を楽しむレストランとして最近、名を知られてきているレストランだ。
それでもまだ日本からのツアー客が利用するほどの知名度ではなく、欧米からの観光客が客層の過半数を占めていた。
張り出した山の斜面あるレストランで、緑に染まる棚田の絶景を眺めながらの食事。
コレは、私がバリに来ることがあればやってみたかったアクティビティの一つで、それをトランジット時間を利用して叶えることが出来るなんて旅の前は考えてもいなかった。 -
時間は13時頃だが、レストラン内はそれほど混んではいなく、テラス席も選び放題。
マハギリ パノラミック リゾート アンド レストラン アジア料理
-
イチオシ
ランチタイムはブッフェ式となるので、お気に入りの席を選んだあとは、ゆっくりと食事の時間。
この日の専用車の費用にはレストランでの飲み物代は含まれてはなく、ジュース代は別会計となるが、それもトロピカルフルーツのフレッシュジュースで300円程度なのでそれほど高くはない。Mahagiri Resort & Restaurant ホテル
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あいにくの曇天でバリの独立峰であるアグン山の姿を見ることはできなかったが、眼下に広がる棚田の景色だけでも私達には本物の食事に匹敵するほどの御馳走。
山の傾斜を生かしたゆるりとしたカーブを描く棚田のラインを青々とした稲の穂が彩る景色。
東南アジア独特のこの景色は棚田を見慣れている日本人でさえ感動させるので、欧米人が大げさに感動しているのも納得できる。。
トランジット時間をつぶすのは空港近くの町でいいや…なんて妥協をしなくて本当に良かった。 -
マハギリ・レストランでの絶景ランチの後は、すぐ近くにあるコーヒー農園;The Teraz coffee house へとお邪魔する。
インドネシアはコーヒーの産地としても有名で、その生産量・輸出量は世界第四位。
(因みに生産量は1位から順に、ブラジル、ベトナム、コロンビア、インドネシア、エチオピア…、輸出量は1位から4位までは変わらないが、5位がインドとなる。ブラジルが生産量・輸出量共にトップなのは理解できるが、2位がベトナムと云うのはちょっと意外)
だから国中の至る所にコーヒー農園があり、農園の一部を観光客の見学用に開放している。
このお姉さんは見学者が来た時のデモンストレーション係なのだが、私たちが到着した時にちょうど気を抜いていた時だったらしく完全にリラックスモードでのんびりとしていた。
そして私たちの姿を見つけるや否や、きびきびとした態度でコーヒー豆をローストする様子を再現してくれた。 -
インドネシアで栽培されている作物は珈琲だけではなく、カカオ(チョコの原料)も多く見ることができる。
カカオと云うと南米のイメージが強いが、インドネシアさんのカカオもかなり良質なモノが多いとのこと。 -
この写真はデンパサール空港で出国後の免税店エリアで買ったチョコレートで、私が自分土産(家族で食する)ように購入したものだが、インドネシア産の良質のカカオを使用しているとのことで板チョコ1枚の価格が約1000円。
日本に居ても、なかなか手がでない価格だった。
1000円の板チョコとはかなりの高級品だが、その味の方も極上でかなり美味♪で家族にも好評なので土産としてはお勧めできる。デンパサール国際空港 (DPS) 空港
-
コーヒー農園では、無料でテイスティングもできる。
無料…という事は農園サイドにも下心があり、あわよくば商品を買ってもらおうと思っているので、私的には無料の言葉にはあまり惹かれなかったのだが、ガイドさんの一言が私をその気にさせた。
ガイドさんの一言とは、「試飲のテラスからの風景が、お勧めですよ。先ほどのライステラスとは異なるウブドの山の景色が見られます」。
景色が良い…と言われると、ついつい行ってしまうのが私の悪いところ。
相棒も娘も呆れ顔で私についてきた。 -
でもね、テイスティングの珈琲や紅茶がけっこう美味しくって、娘などは気に入ってごくごく飲んでいた。
-
テイスティングのお茶の種類は全部で8種類。
飲んだうちの7個までは思い出したのだが、最後の1つの赤いお茶の種類が何であったのかが思い出せない。
色からするとハイビスカスティなのだが、残念ながらハイビスカスはテイスティングには含まれていなかった。 -
そして、インドネシアと言えば有名なのはコピ・ルアク。
別名;ウンチ珈琲とも云われている香り高き珈琲だ。
ウンチなどという排泄物の名前を付けられている所以は、ジャコウネコの糞の中からコーヒー豆を洗い出しているから。
ジャコウネコ(写真)にはコーヒーの実を食べる習性があり、硬い種であるコーヒー豆の部分はジャコウネコの体内では消化されずにそのままの形で糞の中に紛れて排泄される。
ジャコウネコは特殊な腸内細菌を持っているため、豆が腸内を通過する時にその細菌により独特の芳香がコーヒー豆の中へととりこまれ、ジャコウネコの体を通過した豆には本来のコーヒー豆には存在しない香味が加わるという訳だ。 -
結局、試飲させてもらったことも有り、この農園で娘が気に入ったレモングラス・ティとコピ・ルアクの珈琲豆を購入した。
言い訳をするようだが、このコピ・ルアクはいつもお世話になっている友人から頼まれたから購入したモノで、私が飲みたかったわけではない。
私個人としては、狭いケージの中で糞を採取するためだけに飼育されているジャコウネコ(イタチの様にも見えるが)が不憫に思えるし、わざわざそのようにして薫り高い豆を入手する必要性は何も感じない。
確かに芳しい香りのコーヒーは魅力的だが、動物に無理を強いてコーヒー豆を手にいれるのはある種の人間のエゴだとも思っている。 -
コーヒー農園の後に向かったのはクヘン寺院。
バリ・ヒンドゥ教の寺院には興味があり、どこか一つで良いので行ってみたいと予めリクエストしておいたのだが、そのリクエストに対し旅行会社が選んでくれたのがクヘン寺院だ。
バリには観光地としてもそのフォトジェニックさで有名な寺院も多いが、そのいずれもが観光客に迎合する様な体勢になっていて、昔ながらの神聖なバリ・ヒンドゥの雰囲気を残す寺院は少なくなってきているとのこと。
そんな中でクヘン寺院はいまだ原始バリ・ヒンドゥの教えに忠実な寺院で、1つしか寺院に行けないのであれば、お勧めはココだというのがガイドさんの説明だった。 -
ヒンドゥ教の寺院を参拝するには、まずは身支度を整えてから。
寺院の入口にはサロン・レンタル屋台があり、そこでサロンと呼ばれる布を借り、コレを腰へと巻き付けるのが、バリ・ヒンドゥ式。
巻き方にも作法があり、ガイドのマデさんが家族3人分のサロンを着つけてくれた。
(写真::サロンを巻いたガイドのマデさん) -
そして、準備万端。
さあ、寺院探検(いや、寺院参拝)へとクヘン寺院の階段を登り始めたその時、空から大粒の涙が降ってきて、あっという間に辺りはスコールの様な状態。 -
仕方がないので寺院の中の東屋の中で雨宿りをして、雨が小降りになるのを待つ間にガイドのマデさんからクヘン寺院の成り立ちについて説明をしてもらう。
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クヘン寺院は古くからのバリ・ヒンドゥ寺院の趣を現代まで残す13世紀に建立された寺院だ。
このお寺の特筆すべき点は、ヒンドゥ教の寺院の中でも珍しい3階層(外境内・中境内・奥境内)の構造を持つ寺院だという事で、雨宿りをしているこの場所は中境内に当たる。 -
中境内での見所は、奥境内との境界にある壁に埋め込まれた陶器のお皿。
これはクヘン寺院を建立したバンリ王国の国王の妃が自分の出身国である中国から取り寄せたモノで、今も尚、800年前の中国陶器がそのままの状態で埋め込まれている。
13世紀当時のバリと中国は、王族が婚姻関係を結ぶほど深い貿易関係にあったという事だ。 -
中国陶器の壁の背後にあるのが奥境内となる。
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奥境内への門をくぐると最初に目に飛び込んでくるのがメルと呼ばれる11層の屋根を持つ多重石塔。
メルは神が座すアグン山を模していて、このメルも13世紀に建立された塔が修復を繰り返しながら現代に残ったモノだ。 -
塔の下部には金箔で施された扉があり、最近修復されたばかりで煌びやか。
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でも、下部の台座は修復の手を入れられておらず、800年前そのままの石彫刻が残されていた。
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メルの最下部の彫刻は経過した年月を感じさせない程見事な彫刻だったが、その台座の一番下に手のような彫刻を見つけた。
台座の模様的には爬虫類の鱗(もしかして、コモドちゃん!?)と手、もしくは亀の甲羅と手にも見える。
ガイドさんに「これは何?」と聞こうと思ったのだが、タイミングを逸してしまい結局聞くことはできず。
宗教によっては、その世界観に階層があり亀の上に世界が成り立っているとする宗教も有るので、もしかしてバリ・ヒンドゥも近いものがあるのかもしれない。 -
メルの脇には小さなお堂がたくさん並び、階段が幾何学的に並んでいた。
-
境内をぐるりと回って、外境内へ。
外境内には樹齢600年と云われるバンヤン・ツリ-(ベンガル菩提樹)が、大きく広がったその枝葉で寺院を見守っていた。
ヒンドゥ教の寺院は20年以上前にカンボジアで訪れたことがあるが、同じヒンドゥ教でも、インドの流れをくむヒンドゥ教とバリ・ヒンドゥ教は寺院の雰囲気も全く異なり、私にとっては新鮮な事ばかり。 -
イチオシ
今回のトランジット旅では日本語ガイドは必要ないかな…とも思っていたが、この寺院の複雑な説明をアジアン英語で説明してもらっていてもどれだけ理解できていたのか。
多分、初見で聞く宗教の説明の1/5も理解できなかったのではないかという気がする。
日本語でのガイドさんをお願いしておいて良かった。
外境内から来た時とは別の門を使って下界へと降りる。
門は真ん中に金箔を施した豪華な入口、その脇に四角い通り道があり、参拝者が通るのは両脇の道。
真ん中のキンピカの部分は神様だけが通れるそうだ。クヘン寺院 寺院・教会
-
門の装飾は、ガルーダの模様。
ガルーダとは日本語でいう火の鳥のことで、ヒンドゥ神のナーガ族(蛇族)と敵対関係ある神鳥を指すのだが、バリ・ヒンドゥ教では邪悪なモノから寺を守る守り神として寺の門に彫刻されていることが多い。 -
外階段にも様々な彫刻があったのだがその中でも目を引いたのが、鼻をパオーンと伸ばす象の姿。
ヒンドゥ教で象と云えばガネーシャが有名だが、こちらのゾウさんは一般的なガネーシャではなく、本物の動物の像を象ったモノだ。
そして、クヘン寺院の階段沿いには悪魔のような不思議な彫像たちが並んでいた。
私はこのような彫像たちを見るのが結構好きなのに、雨のお蔭でゆっくり見ることが出来ないのは本当に悔しい。
彫像たちが奏でる地上の楽園(もしかしたら地獄かもしれないが)、もっとゆっくりと鑑賞したかった。 -
小象さんが守るクヘン寺院。
私たちが見学しているときにも地元の方がお祈りにいらしたり、白衣の僧の方がお仕事をしていらしたりと、いつもの日常が見られる素朴な寺院だった。
バリ島では観光地化されていないヒンドゥ寺院は減ってきているそうだが、クヘン寺院はこの厳かな雰囲気をいつまでも残していて欲しいな。 -
時刻は16時。
ウブドの町の外れにある市民のための市場へと連れてきてもらう。 -
ココはギャニール・ナイト・マーケットと呼ばれる市場で、本当に賑わうのは18時以降。
私たちはバリ初心者なので、まだ空いている時間帯での訪問となった。
マーケットの入口のお店は、果物屋さん!?
ではなく、お供え物を売る屋台。 -
敬虔なヒンドゥ教徒が多いバリでは、毎日のお供えを欠かさない。
お供えは仏像だけではなく、車の中、門の前等、日常生活におけるありとあらゆるところに置かれている。
昔は各家庭のお母さんの仕事だった毎日のお供え作成作業も、現代では少しだけ簡素化されて、10個セットを100円程度で買うことが出来る。
因みに10個100円はホチキス止めのお供えで、手編みで全て作られているお供えはかなり高価となるそうだ。 -
市場の中にあるのはお供え屋台だけではなく、なぜか金魚屋さんの姿も多い。
バリ人は金魚が大好きで、ほとんどの家庭では金魚を飼っているらしい。 -
イチオシ
コチラは焼肉屋さん。
腸詰めや焼き肉串を売っている。
本当は、この日の夕食はこんなマーケットで済ませたかったのだが、やはり衛生面には若干問題がある為、海外からの旅行者にはお勧めはしない…と言われてしまった。ウブド市場 市場
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マーケット内には野菜などを扱うエリアも有ったのだが、日本の八百屋さんの店先とはそんなに変わらない品ぞろえだった。
-
でも、ドリアンは日本ではまず売ってないよね。
-
衣料品のテントも有り、サロンパンツが5万ルピア(約500円)。
ガイドさんが一緒でなかったら、夏用の室内着に何枚か買いたかったな。 -
そして、そのまま近所のスーパー・マーケットであるCOCOへと連れてきてもらった。
COCOは日用品も扱っているが、観光地ウブドの真ん中にあることもあり店内にはお土産になりそうなお菓子やコーヒーも多く置いてある。
クッキーやインドネシア珈琲などを何点かお買い上げ。
インドネシア珈琲は種類も多く価格も高いものから安いものまで幅があるが、ガイドさんの説明によると安いものは粗悪な豆が混じっている可能性があるので、美味しい珈琲が欲しいのならばスーパーの安い商品はあまりお勧めは出来ないとのことだ。ココ スーパーマーケット (ウブド店) スーパー・コンビニ
-
イチオシ
そして17時。
予約を入れておいたSPAへとやってきた。
バリと云えばオイルを使ったマッサージであるバリニーズSPAが有名で、せっかくなので旅の疲れをいやしてもらう事に。
日本人観光客相手の日本語が通じるSPAはその料金もかなり割高という事だったので、旅行会社お勧めの欧米人が多く利用するというSPAを予約してもらった。
利用したSPAはVenezia Day Spa & Salon。
様々なコースがあり、家族3人でそれぞれが違うコースを予約しておいた。 -
相棒は伝統的なバリニーズの1時間半の全身マッサージ。
娘は、ヘッドスパとヘッド・トリートメント。
そして、私は1時間半のハーブのトリートメント。
3人が3人とも気持ち良かった♪との感想だが、私のお勧めはHERBAL TREATMENTだ(特に女性の方に)。
全身をバリニーズ・マッサージでほぐした後、温めた香草を体の各所の疲れのツボの上に置き、血流の促進を促して体が内側からぽかぽかになるマッサージで、躰中が疲れでコリコリの方にはお勧めできると思う。
SPAがあるのはウブドの街中だが、施術室(相棒と私の2人部屋)から見えるのは田舎の田園風景で、窓は開けっぱなしの解放空間。
エアコンではない自然の風が心地よく流れるSPAルームでのマッサージは本当に気持ちが良かった。 -
SPAでの所要時間は約2時間半。
ウェルカム・ドリンクを飲みながらのカウンセリングに始まり、施術後のフルーツまでいただいて、気が付けば陽がドップリと暮れ、窓の外の田園風景も暗闇の中に沈んでいた。
私たちが利用したVenezia Day Spa & Salonの情報は↓
http://www.veneziadayspa-ubud.com/default.asp
Venezia Day Spa & Salonは、日本語は通じないが英語の基本会話が出来れば問題はない。
参考までに今回の利用料を残しておく。
TRADITIONAL BODY MASSAGE 1時間半 16万ルピア(約1600円)
HERBAL TREATMENT 1時間半 17万5千ルピア(約1700円)
HAIR WASH 30分 7万5千ルピア(約750円)
TRADITIONAL HAIR CREAMBATH 13万5千ルピア(約1350円) -
タップリとウブドの近郊で遊んだこの日の最後は、ガイドさんお勧めのローカルな食堂へと向かう。
ガイドさんのお勧めはポークリブの焼き肉。
娘と相棒はお勧めを食べて、私は海鮮スープを頂いた。
ここは本当にローカルな食堂で、天井や壁にはヤモリが何匹も張り付き、チチチ…という小さな鳴き声が聞こえてくるようなお店だった。
お代もそんなに高くはなく、3人の飲み物、ポークリブ・ステーキ2人前、大きめの海鮮スープで20万ルピア(約2000円)。
ガイドさんが一緒でなければなかなか足を踏み入れることもない地元民御用達のお店だったが、料理の味付けも美味しく、ガイドさんに感謝。 -
そして、デンパサール空港へと着いたのが22時。
フライトの出発の3時間前には空港へと帰ってきたのだが、このデンパサール空港の中へと入るまでが大混雑で、フィリピンのマニラ空港よりもひどい状態だった。
それでも列へと並び、1時間をかけようやく空港の中へと入ったのだが、この時に見てはいけないモノを目撃。
それは、ワイロの受け渡し現場。
如何にも金を持っていそうな一人のオヤジがゲートを警備する係員へと近づき、何やら親しげに話しながら、握手をするふりをしつつ、その手の中にはお札を握らせていた。
そして、長蛇の列をなしている人達を横目にオヤジはか係員の脇を通り、何食わぬ顔で空港内部へと入っていった。
多分、その現場を多くの人達が目撃したと思う。
でも、みんな、何も言わない。
きっと、インドネシアではいつも見られる収賄の出来事なのかもしれないが、私的には怒りマークが頭からいくつも出ている状態。
緊急の用件ならば仕方がないとは思うが、お金で係員を操ろうなんて虫が良すぎるし、最近のテロ事件のことを考えると、そんなんで良いのか!?インドネシア…とも思っていしまった。
マニラまでは3時間50分もフライトで、マニラ空港では3時間のトランジットだ。
マニラ空港で喉の渇きを感じた私は空港の売店へと行ったのだが、なんとクレジットカードが使えない。
正確には、5米ドル以上の買い物からしか使えないそうだ。
私が欲しかったコーヒーは米ドル換算で2.5ドル程度なので、コーヒーだけではカードは使えないとのこと。
お店の人は珈琲2個を買えばと言ってはくれるが、私以外の2人はベンチで寝ているので、コーヒーはいらないだろう。
で、結局、コーヒーを買う事は出来なかった。マニラ空港 (MXA) 空港
-
思いつきで始まったバリ・コモドドラゴンに出会う旅。
たった3日間という短い日程だったが、ギュッと濃縮された3日間の出来事はとても72時間だとは思えないほど濃厚で充実した時間となった。
コモド島でのスコールの中のドラゴン探しも、珊瑚に溢れる天使の島でのシュノーケリングも、リンチャ島で草むらからいきなり現れたコモドドラゴンに驚かされたことも、日本にいては体験できないこと。
そんな素晴らしい想い出が沢山のインドネシア。
イスラムの国でありながらも、ヒンドゥ仏教の教えと融合した文化は人々の表情を柔和にし、他のイスラム圏の国とは一線を画す何かがあるように思えた。
挨拶の時には必ず両手を胸の前で合わせ、目を見ながらお辞儀をするバリやフローレスの人達。
日常的に繰り返されるその所作は非常に美しく、私たち日本人が忘れてしまった何かがまだ此処には残されている…そんな気もした。 -
旅行記の最後に、150%の満足度となった今回の旅でお世話になった現地の手配会社を改めて紹介。
コモド島への旅の現地手配を依頼したのはバリ島のウブドに本社のある【Lagu Lagu Ubud Bali Tour & Travel(ラグラグ・ウブド・バリツアー)】。
本社はバリ島のウブドにあるが日本の京都に日本語の担当者がいて、基本的な日程調整はその方とメールベースで行ってきた。
今回の旅では何社かと同条件で相見積りをとったが、やはり現地で日本人が経営しているところは割高感があった。
その点では、Lagu Lagu Ubud Bali Tour & Travelは良心的な価格設定で、何よりメールの回答が迅速という点と現地でのフォローの万全さはお勧めできるところだ。
Lagu Lagu Ubud Bali Tour & Travelの日本語のホームページは、↓
http://lagulagu.jp/
(写真:コモド島にて)コモド国立公園 国立公園
-
参考までに今回の旅での諸費用を纏めておく。
【旅の予算】
・国際航空券 フィリピン航空:165120円/3人(55040円/1人)
・バリ・トランジットホテル:4327円/トリプル・ルーム
・2泊3日コモド島ツアー:1920米ドル/3人(640米ドル/1人)
・10時間のトランジットツアー:18000円/3人(6000円/1人)
・現地通貨ルピア購入:31020円(食事代、SPA費用、お土産代(8000円位)、チップなど 現地で使った費用全て込)
-総支出-
439,267円/3人で→146,422円/1人
(写真:リンチャ島にて)コモド国立公園 国立公園
-
【旅の所感】
コモドドラゴンを目的とした今回のインドネシア旅。
思いつきから旅の決行日までの日数が少なく、最初は既に既存のパッケージツアーを利用しようかと考えていた。
しかし、パッケージの場合はバリ本体だけであれば格安のツアーが山ほどあったが、コモド国立公園を含むとなると一気にその価格は一人20万円越えで、ちょっとそこまでのノリで購入できるツアーは無かった。
そこで、個人旅へと切り替えたわけだが、結果として個人手配で大正解。
全て込で15万以下という圧倒的に安価な予算で旅が出来たのも嬉しかったが、信頼できる旅行会社に出会えたことで、たった3日間のインドネシアの滞在が考えていた以上に素晴らしい体験となった。
ちょっと秘境系…というとついつい既存のツアーに頼りたくはなってしまうが、コモド国立公園に関しては個人手配でも全然平気。
却って、個人旅の方が現地をよりディープに愉しめる旅になると思う。
(写真:天使の島 ビダダリにて)
【前の旅行記】コモドドラゴンに襲われたときの逃げ方、知ってる?
http://4travel.jp/travelogue/11235054コモド国立公園 国立公園
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この旅行記へのコメント (2)
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- スイカさん 2017/06/13 11:44:11
- 4人乗りバイク
- こんにちは、ウェンディさん
ドラゴンシリーズ、続きがあったんですね。
そういえば、ウェンディさんのドラゴンシリーズを読んだ後に、確か何年かぶりにコモドでドラゴンに外国人が咬まれる事故がありましたよね。
ニュースを見た時にウェンディさんの旅行記にあった「ドラゴン見学・遭遇時の対処法」を思い出していました。
ところでバイク4人乗り、ご存知かもしれませんが中国では当たり前にいます。犬やアヒルも乗っています。もちろんノーヘルです。但し、ウェンディさんのバイク写真と違う点が一つあります。それはバイクが電動モーター式ということです。(ウェンディさんの写真のバイクにはマフラーがあるのでガソリンエンジン式でしょう)。
更に中国では電動モーター式(見かけは大きなスクーター)は自転車の扱いで免許不要!
だから逆走!歩道走!無灯走!多人数乗り!おとがめ無しなんです(-_-;)
交通ルールをはじめ、いろいろなルール。。日本が正しいのか、外国では他のルールが一般的なのか。。私はわからなくなっています。。。
(私は今中国に住んでいます)
スイカ
- ウェンディさん からの返信 2017/06/13 22:32:39
- RE: 4人乗りバイク
- スイカさん こんばんは。中国生活は、如何ですか?
ドラゴン旅の最終章(バリ編)をやっと投了しました。
旅行記は手を付けたのは良いものの、まだ旅の途中であるモノも覚えている話だけで3個あり、少しずつ記憶を辿って書いて行こうと思っています。
コモドドラゴンに噛まれた旅行者のニュース記事は私も読みました。
お金がないからレンジャーを伴わずに勝手にドラゴンの生息域に入って、咬まれたのでしたよね。
自業自得だと思いますが、きっと痛かったと思います。
コモド島のレンジャーのシステムはドラゴンの保護も目的の一つですが、人間を安全に守るためにも存在するのに…。
安く上げようと一人で山に入ったものの、最終的には病院代の方が高くついたのではないでしょうか。
バリの4人乗りのバイクですがガイドさんに確認したところ、さすがにあれは交通ルール違反らしいです。
ただ、多くの方がやっているので悪質ではない限りは取締りの対象にはならないみたいですけど。
交通量の多さを考えると車との事故もそれなりにあるでしょうから、せめて子供位は万が一に備えてヘルメットをすればいいのに…とは思います。
バイクから投げ出されたら、頭を打つのは避けられないでしょうから。
中国もバイク社会なので、スイカさんも十分気を付けてくださいね。
ウェンディ
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