2017年日本縦断めし旅（15） 岐阜市の桜と開化亭

2017/04/08 - 2017/04/08

「プロフェショナル」というＮＨＫの番組ではときどき料理人を取りあげる事があります。大抵の場合、ふーん、なるほどねー、で終わるのですがたまに「お、これはおもしろそう！食べてみたい」と思うときがあります。

その中のひとつが岐阜市にある開化亭という中国料理店でした。春の訪日ということで、薄墨桜見物と強引に組み合わせてランチで伺うことにしました。果たして岐阜に旨いものありやなしや？

エリア 岐阜市(岐阜)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• グルメ: 3.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 高速・路線バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

樽見鉄道で車内花見を楽しんで大垣駅に到着したのは10時前、特別快速で岐阜へ向かいます。

関西のＪＲだと「新快速」はよく見かけますが「特別快速」は見たことがないような。何がどうちがうのやら。鉄ちゃんではないのでわかりません。まぁ、普通の快速よりは停車駅が少ない、ということでは同じ？

例によって予定より早く岐阜についたので桜を楽しもうと、観光案内所で「近場で桜のきれいなところはありませんか？」と聞くと有能熱心親切な女性がはりきって２カ所も教えてくれました。

一つ目は駅のすぐ前。これはすごい。沢山の桜です。ほぼ満開。

清水緑地、というようですね。
本当の駅前、３０分の待ち時間があれば悠々と花見が楽しめます。

ぼんぼりも沢山下がっています。お天気のいい週末だったりすると、沢山の人で賑わうのでしょうね。

雨と風が二日ほど続いたのですでにかなり散り始めています。

桜の向こうに見える貨物列車。

桜だけではなく、他の植物、花も植えられていますし、水の流れもあります。駅前にこんな場所を持つ岐阜市民がうらやましい。

最近は多くの都市に一日乗車券が用意されています。

今回も利用させていただきました。３回乗れば元が取れます。

方式もだいたいどこも同じ。利用する日をスクラッチで削るタイプですね。

ここが二つ目のおすすめスポット、伊奈波神社の参道のようです。

たしかに見事なしだれ桜並木です。この感じからするとかなり大きな神社なのでしょう。

苔生したこの木から、若い芽と桜の花が生えている、生命の力強さを感じます。

岐阜市内をゆっくり歩いたのは初めてです。駅前といい、この神社といい、素晴らしい桜の見所がある街だったのですね。

さて、再びバスに乗って市役所前でおり、徒歩数分で目的地に到着しました。

開化亭という中国料理店です。「プロフェッショナル」によれば、都会の名店で修業したことがないシェフが、陳建民氏の料理を食べて感銘を受け、オリジナルの料理を求めて研鑽した、とのこと。

二階の客席に通されました。先客は若いカップル。

落ち着いた感じの店内です。ワインセラーがありますねぇ。まぁ、中国料理にワインを合わせるつもりはありませんが。

メニューを見るとこんなページが。。。
うーむ。本来ならこの中から選びたいところなのですが、オールシーズンと春のメニューの素材は筍、ホワイトアスパラを除いて私達が興味のないものばかりです。そしてなんたることかこの２つはこの日はないとか。まぁ、筍もホワイトアスパラも地の物でもないしなぁ。
しかし夏のメニューが非常に魅力的です。鮎の春巻き！完璧な塩焼き！これだけでも惹かれてしまいます。キヌガサタケもいいなぁ。

しかし、「驚愕的に完成いたします」という日本語は？？

ランチフルコースも３種用意されていますが、ここはアラカルトで。できるだけオーソドックスな普通の料理を試してみましょう。創作料理はやはり好きな素材のもので試したい。


まずは前菜の盛り合わせ。四川風のロースト、牛のすね肉、豚のすね肉、サーモン、とこ節、豆腐とピータンなどなど。

うん、なかなか美味しいですし、肉が３種類というのも楽しい。

五香粉入りの焼餃子。

これはいいですね。今度うちで焼餃子を作る時に真似しよう。

青菜の炒め。

もちろんレベルは高いです。といっても、この料理だとそれほど新味は出せないですが。

さて、陳建民氏に触発された、というのだから麻婆豆腐を食べないわけにはいきません。もともと二人とも大好きですから。激辛オーダーもできるようですが、とりあえずは普通で。美味しければさらに辛くしてもらっておかわりするだけのこと（岩国でしたように）です。

うーん。なんだか片栗粉多いし、ちょっと油っぽい。甘みも結構感じますね。私達の好みとはかなりずれています。というわけでおかわりなし。

長らく食べていなかったので海鮮あんかけ焼きそばを頼みました。麺がもっとパリパリしている方がうれしいけど、あん自体は美味しくできています。

迷ったのです、頼むかどうか。あんかけ焼きそばもあるし、さすがに少し多すぎるかなぁ、って。でもチャーハンって基本的に好きな料理です。家では作らないメニューですし。
頼んだけどこれは後悔。頼んで後悔。三分の二ほど食べたところで妻が化粧室へ。迷ったのです。昭和３０年代生まれ、小さい頃から食べ物は残さず食べるのが美徳、で育っています。で、ついに食べてしまいました。お腹一杯です。化粧室から戻った妻が一言「食べたん！？　残せばいいのに？」
上の海老はまぁ新鮮だったけど、とにかく脂っぽい。どう考えても失敗作。

なんとなく釈然としない気分で帰りがけに厨房をのぞきました。シェフらしい人はおらず若い人ばかり。まぁ、いてもチャーハンをシェフが作りはしないでしょうけど。

夏の創作メニューには心惹かれるものがあるので、鮎の季節に日本に来ることがあったら寄ってみたい気はします。前菜とか焼餃子とか、多少なりとも創意工夫を凝らしている料理は美味しかったし。

バスで（これで元はとった）駅に戻ると、こんなものが目につきました。

金ぴかの織田信長像です。何故に金ぴか？秀吉じゃぁあるまいし、と毒づく妻でした。

なるほど岐阜入城・命名４５０年ですか。さっそく妻のうんちくを聞かされました。伊達政宗が生まれたのもこの年。遅すぎたのね。