2017年日本縦断めし旅（９) 妖怪の街と皆生温泉

2017/04/03 - 2017/04/04

実家に２泊の間、すっかり兄夫婦に世話になりました。かわりに、といっては何ですが母を温泉旅行に連れ出すことにしました。往路は一緒ですが、復路は別々、一人で帰ってもらわなければならないので近場、バスで楽に戻れる場所、ということで選んだのが山陰地方です。

まずは皆生温泉ですが、せっかくですからその前に私達の世代なら知らぬものはない妖怪の生まれ故郷に行きましょう。

エリア 鳥取

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 3.5
• グルメ: 3.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 家族旅行
• 交通手段: タクシー JR特急 JRローカル
• 旅行の手配内容: 個別手配

実家から最寄り駅までタクシーに乗り、広島から岡山行きのこだま730号に乗り換えます。広島を中心とした瀬戸内海沿岸の観光地に行くにはこだまが便利、ということで車内は外国からのお客でほぼ満席。

私達は後日岡山に泊まるので、不要な荷物をホテルに預けておきましょう。岡山からは米子まで特急やくも7号での移動です。

時間の都合でこの日の昼食は車内でとるしかありません。ということで、岡山駅で駅弁を仕入れておきました。わたしと母はたこめし。

酒のつまみにちょうどよい煮たおかずがいろいろと入っています。まぁ、ひっぱりだこ飯にはかないませんが、タコもまぁまぁ。

好き嫌いの多い妻はごくありふれた岡山の駅弁、ままかりの押し寿司。普通のままかり寿司の他に、炙り寿司が入っているところがちょっとかわっていますね。

大山が見えてきました。

米子駅に到着です。いきなり水木しげるの世界満開ですね。

ここには絶対にある表示が必要なのですが、ありませんでした。おかげでめんどくさい事に。。。

０番線に行く途中にあった看板。ラーメン３５０円とはお安い。３０円の差は小さいようで、小遣いの限られた学生にはありがたいことでしょう。

列車はすでに入線していました。
で、ここまで来て初めて境線ではICOCAが使えない事が判明。
JRパスのある私達は関係ありませんが、母の分の切符が必要なのです。

さっきのねずみ男階段のとこに書いておけ～

島根県といっしょくたに、「あのへん」で済まされる事が多い鳥取県、米子といってもピンとこない人が昔は多かったでしょう。そのせいか、とにもかくにも鬼太郎で押している、というところです。

境線すべての駅に妖怪の名前をつけて大きく表示、本来の駅名は今や＜　＞にくくられて添え物になっています。

知らない妖怪も結構いるので、ひとつひとつ説明があるのは楽しいです。

列車も妖怪なら、境港駅前から出る空港経由米子駅行きのバスも妖怪、そもそも空港の名前が米子鬼太郎空港と徹底しています。ほんと、水木しげる様々、ですね。

待合室ではねこむすめと添い寝もできます。

境港は新鮮な魚介類が水揚げされる有名な漁港ですが、隠岐の島行きの船の発着場所でもあります。

そしてこれが「水木しげるロード」です。我々の世代なら知らぬものはないといっていい「ゲゲゲの鬼太郎」の生みの親、1993年に整備されたそうです。朝ドラがヒットした年には370万人、今でも200万人を超える鳥取県の稼ぎ頭。砂丘も大山も真っ青ですね。

汚水管の蓋も当然のように妖怪。

宿での寝酒になにか、と千代むすびさんがやっているお店へ。グラス売りのを飲んだり、試飲させてもらったりして一本選びました。ついでにTシャツを購入。

駅には英語で書かれた妖怪列車の乗り方の説明まで。

私達が歩いていた間は、中国人らしき団体客が一組歩いていただけでしたが、欧米系外国人なんかも結構くるんでしょうかね。

散策後、ふたたび妖怪だらけの列車に乗って米子駅へ。

ここからはタクシーです。気さくな運転手さんで、松月に泊まる、というとそこはいい旅館だ、海の真ん前だし、と太鼓判。

確かに海の前の旅館でした。到着するとさっと出迎えに来てくれます。

近頃はこういうサービスが多いですね。まずは眺めのよいラウンジに通してウェルカムドリンク。旅館ですので、黒豆茶と和菓子でした。

目の前に海です。こういうところだと子ども連れで来てもいいですね。

ごく普通の落ち着いた和室です。

部屋に半露天のお風呂がついています。左側の木枠の外にボイラーがあり、一定の温度に温めては循環させています。まぁ、ほっとくと冷めてしまいます。目をつりあげた環境第一主義者なんかが見たら怒りそうですが。

私達は予約してあった貸し切り家族風呂へ。（さすがにここで三人、というのはねぇ）

これまた最近よくあるサービスです。女性はお好きな浴衣をどうぞ、というもの。母が結構派手なものを選んでいましたが、いざ着るとなると怖じ気づいたのか妻と交換していました。

私は家族風呂を早めに出て、大浴場へも偵察に。時間が早いので貸し切り状態です。

もちろん、露天風呂もあります。

温泉旅館なので料理はごく普通でいいのです。というわけでスタンダード会席プランでお願いしました。

旅館の部屋食によくある組み合わせですね。甘ったるい食前酒もお決まりです。正直、これはいらん。先付けが桜豆腐、桜エビせんべい、蛍烏賊の酢味噌、めかぶとろろ、大山どりワイン煮、海老芝煮、ワカサギ、厚焼きたまごなどの前菜。赤身、白いか、甘エビ、生ウニ、鯖の一口寿司。

酢の物です。紅カニ酢ですが酸味が柔らかい、甘すぎない、ゼリー掛けにしているのが特徴。

固形燃料で作る鍋物も定番中の定番ですが、桜鯛のカブトを潮仕立てにしているのはいいなぁ。あまり甘くないですから。

白魚の玉〆（要は茶碗蒸し）とか、天ぷらも出るのですが部屋食の宿命でどうしても熱々にはならない。むしろ無くてもいいんですけどねぇ。
最後に鳥取産和牛の溶岩焼き。このくらいの量であれば、脂を食べているみたいな和牛も美味しいと感じられます。

食後、風呂に入り直し、買ってきた千代むすびを寝酒にして安眠しました。

翌朝。みごとな朝焼けです。

夕食は部屋食でしたが、朝食は大広間の朝食会場で。

旅館朝食の定番が並びます。御飯がおひつではなく、茶碗によそわれた状態で出てきた段階で察しがつきましたが、御飯が美味しくありません。現金なもので、会津や網代ではお腹がはちきれるくらいおかわりしていた妻があさり一膳で終了。

一泊二食16632円というお値段からすれば十分です。ロケーションがよく、小さな子どもに海遊びをさせるにはよさそうなところです。母は早速パンフを持ち帰っていました。