2017年日本縦断めし旅（1４）　めしより桜　薄墨桜は開花前

2017/04/07 - 2017/04/08

丸亀で満腹になった私達は、一路岐阜県本巣市をめざします。おめあては勿論薄墨桜、なのですが。。

天候だけは半年前では予測不能。名にし負う薄墨桜を見ようとすれば大渋滞に耐えるか、歩いていけるところに宿を取るか。当然ながらそういう宿を押さえるには早めの行動が肝心。というわけで随分前に予約しておきました。ところが今年は平年より寒く、桜の開花は全国軒並み遅くなっています。

とはいえ、行かないわけにはいきません。丸亀から乗り継ぎを重ねて到着です。

エリア 揖斐川(岐阜)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 3.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

JRパスではのぞみに乗れない。東海道新幹線を利用するときには、これが結構ネックになります。丸亀で予定より早く出ようと調べてもらっても、乗り継ぎの悪さから結局到着時間は変わらない事がわかりました。

丸亀ー岡山ー米原を経てやっとこさ大垣にたどり着きました。

ここから目的地まで乗るのは樽見鉄道です。

大垣駅 駅

ちょっと変わった歴史を持つ第三セクター方式の鉄道会社のようです。JR大垣駅ホームの端っこをそのまま使用しています。季節がら、「うすずみ観桜号」という名前になっていました。

なんと34.5kmをえんえん１時間かけての走行です。途中の本巣駅に付近の観光マップがありました。どうやら果樹栽培が盛んなようですね。

本巣駅 駅

駅はほとんど無人駅です。線路際には沢山の桜が植えられていて、これはお花見列車みたいなもんですね。さすが「観桜号」です。

年輩のご夫婦が乗り合わせていて、カメラマニアなのか桜マニアなのか二人で先頭と最後尾に別れてひたすら写真撮影に励んでいました。

そういえばここは濃尾大地震の震源断層である根尾谷断層のあるところです。根尾谷断層の写真は、理科や地理の教科書で多くの人が見たことがあるはず。

マグニチュード８の大迫力体験。。。ちょっとやってみたいですね。

岐阜もやっぱり雨。駅を降りて傘をさしながら荷物を抱えて宿まで歩くのはちょっとつらいものがありました。近いところでよかった。。。

宇野千代は昭和５０年、７７歳のときこの住吉屋に滞在し小説「薄墨の桜」を執筆したそうです。私は名前しかしりません。妻は読んだ事があるし、宇野千代を主人公にしたドラマを見たこともあるらしい。「きらい」の一言で片付けていました。

樽見駅 駅

はなれで懐石プラン、なんてのもあるようです。
今夜の部屋は階段で上がった３階、上がるとすでに布団が敷かれていました。

女将さんに聞くと、せいぜい二分から三分咲きとのこと。「じゃぁ、わざわざ見に行く値打ちない？」と聞くと「いやいや、後ろのが咲いているし行ってきなされ」ということなので出かけます。

樹齢1500年以上のエドヒガンザクラの古木、淡墨桜は蕾のときは薄いピンク、満開に至っては白色、散りぎわには特異の淡い墨色になり、淡墨桜の名はこの散りぎわの花びらの色にちなむ、のだそう。

本当に古木です。宇野千代が保護を訴え、その後人の手を借りなんとかこうやって花をつけています。

満開の時の夜桜が幻想的、なのだそうですが残念ながらこの咲きぶりでは寒く雨の降る中待つ必要はないようです。

根尾谷淡墨桜 花見

残念ではありますが、宿までの道すがらにある他の桜を愛でつつ帰還します。

宿へ戻って一階の食堂で夕食です。日本酒をいただきましょう。
まずは、鮭の南蛮漬けとホイル焼き、どちらも甘いです。

次は蕎麦。つゆが甘いです。

豚肉ですが、かかっているタレが甘いです。他のグループには他にも料理が出ていますが、私達はこれで終わりです。

あと、ジャーに入った御飯と、大鍋の味噌汁は自分で適当に入れて食べる方式。

翌朝、雨がほぼ止んだので朝食前の花見散歩に出かけました。

宿に戻ると朝食の準備ができていました。他の客は誰もいません。
御飯と味噌汁がセルフサービスなのは昨夜と同じ。

この宿は「料理旅館」と言うことで、特に鮎の季節には鮎料理が出るようです。私達は前年の秋に「一泊二食　食事選択不可」で一人6900円というプランで予約しました。年が明けると桜の時期はそれなりに高いプランしか提供されなくなっていました。薄墨桜を見るためだけ、と割り切ってしまえば難の文句もありません。見頃だったらもの凄くお得なプランに思えたはず。

少し早めに宿を出て駅へ向かいます。駅の周辺にも桜が沢山植えられていますからね

ＭＡＬｅｒａというのはモレラ岐阜という本巣にある大きなショッピングセンターのことです。

樽見駅 駅

宿とは反対側の道路沿いに沢山の桜が。
ちょうど見頃ですね。

宮脇留之助という、国鉄樽見線誘致に尽力した議員さんの像です。彼は国鉄樽見線開通を見ないで亡くなったとか。

オープンエアの駅舎の前にも見事な桜が。

正確には「レールバス」と呼ぶらしい小さな列車は定時に出発しました。昨日のカメラマニアのご夫婦がまた乗ってこられ、なんとなくご挨拶。
この鉄道の沿線はとにかく桜が沢山あります。で、観桜期間は特に桜の多いのいくつかで途中下車可能とのこと。くだんのご夫婦は途中下車されていました。私達は残念ながら時間の都合でできませんでしたが。何しろ、次の列車は１時間後になりますから。。。

今回、薄墨桜は見頃とは言えませんでしたが、他の沢山の桜を堪能させてもらいました。人間に例えるならありとあらゆる延命措置を施されて生きている桜です。ぜひ近いうちに、満開の夜桜を見に行きたいものです。