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《March.2017》あみんちゅ感謝のお礼参りの旅そのⅠ~ Prologue・出雲大社編~<br /><br />昨年6月に沖縄から帰って来てから、思い立ったように取り組み始めた資格取得。10月の第二種衛生管理者、12月の損害保険大学過程(更新)とビジネス実務法務検定3級、1月損害保険基礎単位(更新)、そして本命の2月リテールマーケティング(販売士)2・3級。その本命試験の発表が3月7日にありました。結果は合格。自己採点でも合格点は取れていたものの、2級前半試験のまさかの遅刻。他の商工会議所では遅刻=失格のように書いてあるところもあり、それがずっと引っかかっていました。<br /><br />なぜ集合時間を間違えたのか?悔やんでも悔やみ切れない現実に夜も寝られない日々が続きましたくが、なんとその理由が大津商工会議所にあることが判明します。受験票に記載されている時間が間違っていたという凡ミス。リテールマーケティングの試験では、試験終了時に受験票が回収されるため、本来ならうやむやになる話なのですが、実は私その受験票をコピっていました。<br /><br />本来ならば誤記に気づいた時にすぐ言うべきことなのかも知れません。しかしロスった16分の試験時間を返してもらえる訳もなく、結局どうすることもできないことなので、試験結果に影響しなければ黙り通すことにしました。しかしもし失格扱いにされたときはそれはさすがに言うしかない・・・。という考えのもと合格発表の日に受験票のコピーと免許証持参で大津商工会議所へと乗り込み、無事合格していることを確認してきました。<br /><br />勿論合格がわかったことは〝嬉しい〟のひとことです。しかし私自身の努力だけで勝ち得たものでもありません。試験勉強のために休暇を取らせてくれた上司とスタッフ、そして厚かましいお願いをした出雲大社と菅原天満宮。神頼みもれっきとした〝後押し〟です。<br /><br />1月の初詣のときにリテールマーケティングの試験に合格したあかつきには〝お礼参り〟の旅に出るようなことを言っていました。それを実行に移すべく夜の南淡海の国を出発します。<br /><br />【平成29年3月16日木曜日】<br />自宅  21:15<br />バス停  21:17<br />        21:20《バス:230円》<br />石山 21:35<br />《タバコと水:700円》<br />     21:47《JR:240円》<br />京都  22:02<br />      22:30<br />《出雲縁結びドリーム京都1号:9A:6,060円》<br />赤松パーキングエリア  23:35<br />              23:52<br />≪車中泊≫<br /><br />【平成29年3月17日金曜日】<br />松江  05:16<br />      05:19<br />玉造  05:38<br />        05:40<br />出雲市  06:01<br />        06:10<br />すき家  06:25<br />《納豆朝食ご飯大盛り+しじみ汁:420円》<br />        06:45<br />出雲市  07:00<br />《カイロ+ドリンク+コーヒー:626円》<br />        07:20《バス:500円》<br />正門前  07:42<br />≪出雲大社参拝≫<br />≪島根県立出雲古代歴史博物館:490円≫<br />出雲大社連絡所  11:46<br /><br />本当は前日に出発し広島を旅してから出雲入りをする予定でしたが、目まぐるしく変わる夜行バスの時間。広島行きの夜行バスは23:00に大阪駅を出発します。逆算すると最寄りのバス停を21:00に出発しなければならず、さらに悪いことに駅まで送って貰える〝アッシー〟さん仕事で不在…。そのため乗り遅れるリスクを背負って出発するより安全策をとることにし出発を一日遅らせ、出雲と松江に行先を絞って出発することにしました。<br /><br />一日遅れで田舎の赤バスに乗り、田舎の駅へと到着します。いつものことですがこの〝田舎の駅〟を出発することをビジュアルで切り取っているのですが、今回は〝駅名票〟を取ろうとしましたが…微妙な場所に電車の到着を待つお客さんがいるため、撮影を躊躇していたところ…ふとカバンの中からはみ出している社報に目がいきました。もしかして…と前方へと回ってみたところ…うちの上司でした(笑)。どこ行く~んって言われても〝旅〟に出ることは周知の事実。こういうノリがうちの売り場の楽しいところかも知れません♪次の駅で降りる上司と別れ、トンネルをふたつ越えて京の都の中心駅に到着します。出発まで28分と絶妙な時間取りですが、私にとってはいつものこと。その時間を利用し、〝京都らしい〟景色を撮ってバス停へと向かいます。<br /><br />京都駅烏丸口JR1バス停は、1月にやはり出雲へと旅立った時に利用しています。しかし当時は〝出雲エキスプレス京都7号〟という名前であって、出発も23:30でした。その後2月いっぱいで共同運行していた京阪・一畑バスがともに撤退し、西日本・中国ジェイアールバスのオペレートとなった上、1日4便から3便に減便されました。夜行便は〝出雲縁結びドリーム京都1号〟と改称され、〝縁結び祈願の旅〟を髣髴させるものにはなりました。しかし1時間出発が早くなってしまうことは、事実上仕事上がりで出発することが不可能になったという事実…。結果として手軽な旅でなくなってしまう現実に他なりません。まあそれは次回からのこととして今回は楽しむことにしましょう♪<br /><br />京都~出雲市間の路線で、西日本ジェイアールバスの車両にあたるのは初めてですが、まあそんなに変わることもないかと乗車をします。1時間出発が早くなり、利用が少なかったため廃止された名神大山崎や名神高槻も通過するならばどこかで停車するはず。ただ車内アナウンスが何を言っているのかわからない…。なんとなく聞こえた場所は『赤松パーキングエリア』とな。ということは…とスマホナビを開いてみると、一応姫路市になるものの約1時間で到着できる距離にあることが判明します。0:00前に休憩を入れることは、1月に23:30に京都駅を出発し、名神高槻を出ると消灯となった時と時間的には同じかな…という感じです。京都駅を定刻22:30に出発した〝出雲縁結びドリーム京都1号〟は鴨川インターから阪神高速京都線、京都南インターより名神高速へと入って西へ西へと走って行きます。<br /><br />順調な旅の始まりのようでしたが、出発してしばらく経つとなにか違和感を感じるようになります。それは…なにか〝夜行バスらしからぬ〟雰囲気がしているような…。それは車内が異様に〝明るい〟ということでした。前回出雲市行きを利用したときは、全体照明は点いていましたが、読書灯は点いていなかった…。全体照明は消灯時間になれば消えるので気にもなりませんが、読書灯は通常使う人がスイッチを入れる仕組みになっているはずなので、夜行バスの消灯後に使うとひんしゅくものなので使われていることすら見たことがありません。そういうものが点灯しているため、最近のバスは読書灯も一括消灯ができるのか…と感心していたところ、それが誤りだったことにすぐ気づきます。赤松パーキングエリアを出て〝消灯〟がコールされてもすべての〝読書灯〟が点いたまま…。そうなると〝消灯〟とは何ぞや?という明るさのまま夜の高速を走って行くことになります。それにこの状態では例え私自身自分の席の読書灯を消したとしても、シートを倒すと後ろの席の読書灯が目に入り、眩しくて寝られません(怒)。これはバス会社の方針なのか、それともドライバーが勘違いをしていたのかはわかりませんが、とにかく快適なものとはかけ離れたものにしかなりません。おまけに空調設定もどうしているのかわかりませんが、寒いし…。確かに暑いと気分が悪くなる方もおられるので、そこらの微調整は難しいものがありますが、9Aという後方座席で〝足元が寒い〟という環境では、どう転んでも眠りにつくことすらできません。寝ていないことはないとは思うのですが、赤松パーキングエリアを出た後2回停車したことは記憶に残っています。いきなりの〝なんやねん〟状態に今回の旅が波乱含みになる〝予感〟がします。上半身が寒いのであれば上着を着れば何とかなりますが、足元が寒いのはどうしようもありません。なんとかしようと試みた結果は〝三角座り〟、つまりレッグレストの上に足を乗っけて体に足をつける姿勢…。なんでこんな窮屈な姿勢で乗らなきゃなんないんでしょうね~っと思いながら出雲市に早く到着することを心から思いました。むちゃくちゃゆっくりとした時間の流れで、窮屈なバス車内の時間を過ごします…。<br /><br />【平成29年3月17日金曜日】<br />気が付けば松江駅の到着のコールがされています。若干の早着はいつものこと。その後玉造温泉で降車の取り扱いをした後、高速宍道と斐川インターを通過し、やっと出雲市駅に到着します。バスの中での窮屈な姿勢から解放されたこともあってか、急にお腹が減っていることに気付きます。ただ朝の6:30ではほとんどのお店は閉まっています。という訳でスマホ検索、南口に〝すき屋〟があることが判明、向かうことにしました。すき屋出雲市駅南店、普段の行動圏内に〝すき屋〟はないため、利用することも少ないのですが駅チカのロケーションはやはり魅力的ではあります。食べ慣れないメニューですがいつも吉野家でオーダーしている〝納豆定食〟のすき屋版〝納豆朝食〟、それにごはん大盛りとシジミ汁を注文します。そしてもちろん完食♪肩肘張らずに頂けることはやはり気軽に頂くことができるのはポイントが高いです。<br /><br />20分程で朝食を頂いた後、店舗隣にあるローソンで買い物をします。コーヒーなどは眠気覚ましのためのいつものことではあるものの、ひとつ痛恨のミスがありました。〝カイロ〟を持ってくるのを忘れました。多分前回行きののバス車内での〝暑かった〟トラウマがあったのかも知れませんが、時期的にも大丈夫だろう…とたかを括っていたのが間違いでした。朝6:00過ぎの出雲は3月中旬であれど〝とてつもなく寒い(泣)〟という事実。張るタイプのカイロを購入し、背中のみならずお腹にまでカイロを張りました。ふ~っ…取り敢えずひと安心です。<br /><br />そして再び出雲市駅に戻り、バスで第一目的地の〝出雲大社〟へと向かいます。この第2便は1月に出雲を来訪した際にも利用しています。ただその時は結構混雑したため、少し早めにバス停へと来ましたが、今回はそれ程でもありませんでした。そしてバスに揺られること約30分、見覚えのある〝出雲大社二の鳥居〟前にある〝(出雲大社)正門前〟バス停に到着します。<br /><br />いつもならばもうひとつ先の〝出雲大社連絡所バス停〟を利用するのですが、今回は敢えて〝正攻法〟のルートで参拝することにします。バス停で下車し二の鳥居を潜ると右手にある千家尊福公の銅像に参拝し、祓社でお清めをするといよいよ参拝開始です。祓橋手前で左手にとると〝野見宿禰神社〟、ここには狛犬ならぬ〝狛兎〟が両脇を固めています。そして祓橋を渡って三の鳥居脇を通過し、参道を進むと〝おウサギさま〟がたっくさんあるエリアに到着します。このあたりはさすがに人が多く、写真撮影をするのも一苦労ですがそれは仕方がありません。しかしその場所にある河津桜はほぼ満開となっていることから、まだ寒い出雲国にも春が確実に近付いていることが伺い知ることができます。<br /><br />そして〝大国主大神と兎の像〟と〝御慈愛の御神像〟といった大国主命伝説の銅像と神馬神牛像を改めて見学し、手水屋でお清めをしてから三の鳥居を潜り、いよいよ出雲大社の本殿エリアへと入ります。<br /><br />仮拝殿・仮本殿と巡り、まずは試験合格のお礼参りを済ませます。そして1月に奉納した〝誤字〟を記した絵馬を探しますが・・・見当たりません。前回の記録写真から間違いなく〝この場所〟である場所なのですが・・・。角度や場所を特定し、私が奉納した絵馬のすぐ下の絵馬まで見つけたのですが・・・(泣)。こうなれば時間を掛けるだけ無駄になってしまうため、恥を晒さないように誰かが移動させてくれたのだろうと割り切って、境内を回ることにします。摂社・末社等、思い出に残る場所をあちらこちらとお礼参り参拝をし、北島国造館をはじめとする出雲教エリアへと向かいます。亀の尾の滝をバックにした〝天神社〟。心地池を挟んで置かれている〝亀〟の像は、少名毘古那神をモチーフとして作られたもののようです。そして天満宮、文字通り〝学問の神様〟にお参りをし、北島国造館を最後に門を出ることにします。<br /><br />出雲大社の東の参道とも言われる社家通り。その昔には出雲大社の神官達の住まいが立ち並んでいた場所ですが、現在では歴史のありそうな古い家屋が立ち並んでいるに過ぎず、いにしえの荘厳な雰囲気を醸し出している訳ではありません。また神門通りのようにお店が立ち並んでいる訳でもないため、賑やかさはないものの、人通りの絶えない出雲大社から僅かしか離れていない場所にも関わらず、心地の良い静けさを感じられる場所として、再訪できたときには必ず〝尋ねるべく場所〟として覚えていてもらいたい・・・、そんな風にも思えます。またこのエリアには、八十神の陰謀によって焼き殺された大国主命を、母神の願いによって遣わされ、そして助けた〝神産巣日神(かみむすびのかみ)〟を祀る〝命主社〟や、古来より出雲大社の神事に使われてきた〝真名井の清水〟、樹齢1,000年とも言われる〝椋の木〟がありますが、その〝神秘的〟とも言える史跡が社家通りの雰囲気にガッチリとはまり込んでいるように見えました。<br /><br />1月に来訪したときには予備知識がなくてほとんど素通りしていましたが、今回フラフラ歩きながら〝神話の世界〟を楽しむというチャンスに恵まれました。次に訪れたときにはそのように感じることができるのか?今からワクワクします♪<br /><br />この後社家通りから島根県立出雲古代歴史博物館へと向かいます。歩いても2~3分で到着できる場所なのですぐわかるのですが、場所的には〝三の鳥居〟付近まで参道を戻る形になるので、効率よく回るならば一度参道から外れても良いかも知れません。<br /><br />開館10年を迎えたこの博物館、名前の通り古代からの出雲を主題材として展示してあります。入館料大人610円というのは聊か高めなように思えますが、ガイドブックやタウン誌に割引券がついており、それを利用すると490円で入場することができます。ちなみに私は北島国造館の門前にあった〝パンフレットラック〟から頂きました♪<br /><br />入館してまず最初にエントランスにある〝宇豆柱〟が迎えてくれます。平成12(2000)年に出雲大社の発掘調査の際に発見された室町期のものですが、土に埋まっている時の保存状態が良かったこともあり、約800年前の物でありながらなかなかきれいなもののように思えます。それから常設展を見て回りますが、映像コーナーで10分間の〝神話の世界〟を楽しむことができます。入館時間が早かったこともあり、私の他にはもうお一方しかおられませんでしたが、10:00からの部では〝大国主大神〟についての映像が公開されていました。神話の世界は登場人物を整理しながら見ないとわけが分からないと言われることも多いと聞いていますが、ここで上映されているものは〝知識〟がなくとも理解できる内容になっています。多くの内容は〝見てみたい〟という気持ちにされるものの、やはり時間の関係でひとつしか見ることが出来ず、次の展示へと向かうことにします。<br /><br />古代の装飾品である〝勾玉〟、そして祭事に使われた〝銅鐸〟や〝銅鏡〟。確かに飾ってある博物館は多いものの、こちらでは国宝や国の重要文化財級のものが展示されています。特に〝銅鐸〟に関心があるものには、時間を忘れて眺めてしまうような立派なものでした♪<br /><br />そして時代は変わり戦国時代のエリアになると、日本全国ではあまりよく言う方もおられない守護代から戦国大名にのし上がった〝尼子(あまご)氏〟、中でも出雲の繁栄の基礎を築いた尼子晴久についての展示がされています。往時の大名に誰が良くて誰が悪いというのは意見が分かれるものの、やはり出雲の国の繁栄を齎した尼子氏の評価としては高いということなのでしょう。<br /><br />次いでは出雲大社に纏わるもの。この辺りは一部出雲大社の〝彰古館〟に展示されているものと被っているものもありますが、やはり絶対的な広さがあるためその規模や内容には圧倒されるものもあります。千木(ちぎ)と勝男木(かつおぎ)等、実際に遷宮時に下ろされたものであり、明治初期にご用材として使われた140年前の木材を実際に見られることはなかなかないものではないでしょうか。<br /><br />約1時間かけて常設展を巡り、外へと出ます。入場券には喫茶コーナーの10%割引券がついてはいるものの、とにかく時間がないため先を急ぎます。敷地内に点在する〝ウサギさん〟の石像。勿論〝因幡の白兎〟に因むものであることはわかっていても、なんとなく気持ちがほっこりします(笑)。一部では『なんで因幡(いなば・現在の鳥取県)の白兎が出雲と関係があるねん?』という厳しい意見がありますが、そこはご愛敬、大国主命がウサギを助けたのは白兎海岸なので鳥取県ですが、目的地はあくまで出雲であって、その目的は大国主命の兄神である〝八十神〟達が絶世の美女とされる〝八神比賣(ヤガミビメ)命〟を妻に迎えようと歩いている際にウサギをいたぶった…。それを見た大国主命が白うさぎを助けた…というお話。この後は諸説あるものの、この白兎は神の化身であって、八十神や大国主の〝心のやさしさ〟を試し、その結果を出雲の〝八神比賣命〟に伝えたとされています。人が歩くよりウサギがぴょんぴょん跳ねて向かう方がやっぱり早いんでしょうが、その情報が八十神の到着より早く伝わり、『私は大国主様に嫁ぎます!』というエンディングに繋がっていることは、やはりウサギさんは出雲でも、縁結びに携わっていることには違いありません。施設内に置かれている〝ゆるキャラ〟なんかの写真を撮りながら、再び出雲大社へと戻ることにします。<br /><br />松の参道脇にある小さな鳥居。知らない方も多いらしいですが〝杵那築(きなつき)の森〟と言うそうです。昔からお社はなく、出雲大社の社殿を築く為に用いた道具が埋納されている場所だということでした。そして参道を歩き、ムスビの御神像、四の鳥居、新馬・神牛像と辿った後、拝殿に参拝します。そして本殿へ。タイミングが良かったのか人が写りこまずに写真が撮れました。この本殿前の石畳に書かれた大きな丸ですが、これは平成12・13年に発見された〝御柱〟の場所を示しているそうです。現在は埋め戻され、その場所がわかるようにされています。そのうち〝宇豆柱〟は、島根県立古代出雲歴史博物館にて見ることができます。<br /><br />最後に発見できなかった〝絵馬〟と本殿をカメラで切り取って、出雲大社のお礼参りは終わります。そして出雲大社連絡所バス停方面へと歩いて行くと、前回最初に参拝した〝神楽殿〟へとたどり着きます。1月に訪れた時は朝早かったこともあり、ほとんど人影を見かけませんでしたが、さすがに昼間だと多くの人々でごった返していました。待ったなしの様相を呈している女子陣のお隣で、無欲の〝縁結び祈願〟、そして〝合格御礼〟の思いを込めて参拝している姿はどう見られているのか…なんて感じつつ手を合わせました。欲が深くなるとろくなことがないことは自覚しているので、控えめな〝お願い〟だけに留めて再び歩きはじめます。<br /><br />出雲大社宮司のお住まいである〝千家国造館〟、前回所在がわからなくて行けなかった〝都稲荷社〟を参拝し、祖霊社へと到着します。祖霊社の境内には、旧日本海軍の顕彰碑が建立されていることは前回に記した通りですが、なぜこの場所に…?ということは述べてはいませんでした。先の大戦末期に美保飛行場(現在の米子空港)に昭和18(1943)年10月に第13期甲飛予科練生1,200名余りが入隊し、美保海軍飛行隊が誕生します。そして翌昭和19(1944)年第二美保海軍飛行隊が開隊し、第14期甲飛予科練生2,000名が入隊します。第二美保海軍飛行隊(第206攻撃隊)は配置されていた新鋭の陸上爆撃機〝銀河〟によって実戦訓練を受けるも、最終的には時の流れで〝特攻隊員〟として歩まなければならなかった史実がありました。そのような経緯から戦争を生き残った同期の元隊員の手によって、この地に碑が建立されたそうです。縁結びのお社のすぐ近くにあるこの記念碑、平和一色の背景からは想像もつかないことと思われる方がほとんどでしょう。勿論戦争を肯定することはできませんが、予科練生として特攻隊員となり、帰ることが許されなかった若き青少年の犠牲のもと今の平和な時代があることを忘れてはなりません。改めて手を合わせてご冥福を祈るしかありませんでした…合掌…。<br /><br />そうこうして出雲大社連絡所バス停へとやってきました。今日はなぜか見慣れぬ旗印と、日の丸の国旗が目につきます。なんだろう…と思っていると、どうやら今日3月17日は〝大社國學館〟という出雲大社が運営している〝神職に就くための養成機関〟の卒業式でした。私立の各種学校扱いで昭和13(1938)年に設立された〝大社國學館〟、〝神に仕える〟仕事に就くために1~2年の期間、全寮制で勉強に励むそうです。ちなみに東京の〝國學院大学〟や三重の〝皇學館大學〟も同じように〝神職を目指す〟カリキュラムがあることを知りました。たまたまふらりと立ち寄ったときに卒業式にあたるのも、なにか〝ツキ〟めいたものを感じます。〝おめでたい考え〟と〝運とツキ〟を信じて、今年も良い年であることを願う私はやはり単純明快なB型なのでしょう(笑)。という訳で出雲大社のお礼参りの参拝を終え、次の目的地を目指すことにします。<br /><br />《ここまで:9,266円》<br /><br />《次編に続く》

《March.2017》あみんちゅ感謝のお礼参りの旅そのⅠ~ Prologue・出雲大社編~

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2017/03/16 - 2017/03/17

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たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん

《March.2017》あみんちゅ感謝のお礼参りの旅そのⅠ~ Prologue・出雲大社編~

昨年6月に沖縄から帰って来てから、思い立ったように取り組み始めた資格取得。10月の第二種衛生管理者、12月の損害保険大学過程(更新)とビジネス実務法務検定3級、1月損害保険基礎単位(更新)、そして本命の2月リテールマーケティング(販売士)2・3級。その本命試験の発表が3月7日にありました。結果は合格。自己採点でも合格点は取れていたものの、2級前半試験のまさかの遅刻。他の商工会議所では遅刻=失格のように書いてあるところもあり、それがずっと引っかかっていました。

なぜ集合時間を間違えたのか?悔やんでも悔やみ切れない現実に夜も寝られない日々が続きましたくが、なんとその理由が大津商工会議所にあることが判明します。受験票に記載されている時間が間違っていたという凡ミス。リテールマーケティングの試験では、試験終了時に受験票が回収されるため、本来ならうやむやになる話なのですが、実は私その受験票をコピっていました。

本来ならば誤記に気づいた時にすぐ言うべきことなのかも知れません。しかしロスった16分の試験時間を返してもらえる訳もなく、結局どうすることもできないことなので、試験結果に影響しなければ黙り通すことにしました。しかしもし失格扱いにされたときはそれはさすがに言うしかない・・・。という考えのもと合格発表の日に受験票のコピーと免許証持参で大津商工会議所へと乗り込み、無事合格していることを確認してきました。

勿論合格がわかったことは〝嬉しい〟のひとことです。しかし私自身の努力だけで勝ち得たものでもありません。試験勉強のために休暇を取らせてくれた上司とスタッフ、そして厚かましいお願いをした出雲大社と菅原天満宮。神頼みもれっきとした〝後押し〟です。

1月の初詣のときにリテールマーケティングの試験に合格したあかつきには〝お礼参り〟の旅に出るようなことを言っていました。それを実行に移すべく夜の南淡海の国を出発します。

【平成29年3月16日木曜日】
自宅 21:15
バス停 21:17
21:20《バス:230円》
石山 21:35
《タバコと水:700円》
21:47《JR:240円》
京都 22:02
22:30
《出雲縁結びドリーム京都1号:9A:6,060円》
赤松パーキングエリア 23:35
23:52
≪車中泊≫

【平成29年3月17日金曜日】
松江 05:16
05:19
玉造 05:38
05:40
出雲市 06:01
06:10
すき家 06:25
《納豆朝食ご飯大盛り+しじみ汁:420円》
06:45
出雲市 07:00
《カイロ+ドリンク+コーヒー:626円》
07:20《バス:500円》
正門前 07:42
≪出雲大社参拝≫
≪島根県立出雲古代歴史博物館:490円≫
出雲大社連絡所 11:46

本当は前日に出発し広島を旅してから出雲入りをする予定でしたが、目まぐるしく変わる夜行バスの時間。広島行きの夜行バスは23:00に大阪駅を出発します。逆算すると最寄りのバス停を21:00に出発しなければならず、さらに悪いことに駅まで送って貰える〝アッシー〟さん仕事で不在…。そのため乗り遅れるリスクを背負って出発するより安全策をとることにし出発を一日遅らせ、出雲と松江に行先を絞って出発することにしました。

一日遅れで田舎の赤バスに乗り、田舎の駅へと到着します。いつものことですがこの〝田舎の駅〟を出発することをビジュアルで切り取っているのですが、今回は〝駅名票〟を取ろうとしましたが…微妙な場所に電車の到着を待つお客さんがいるため、撮影を躊躇していたところ…ふとカバンの中からはみ出している社報に目がいきました。もしかして…と前方へと回ってみたところ…うちの上司でした(笑)。どこ行く~んって言われても〝旅〟に出ることは周知の事実。こういうノリがうちの売り場の楽しいところかも知れません♪次の駅で降りる上司と別れ、トンネルをふたつ越えて京の都の中心駅に到着します。出発まで28分と絶妙な時間取りですが、私にとってはいつものこと。その時間を利用し、〝京都らしい〟景色を撮ってバス停へと向かいます。

京都駅烏丸口JR1バス停は、1月にやはり出雲へと旅立った時に利用しています。しかし当時は〝出雲エキスプレス京都7号〟という名前であって、出発も23:30でした。その後2月いっぱいで共同運行していた京阪・一畑バスがともに撤退し、西日本・中国ジェイアールバスのオペレートとなった上、1日4便から3便に減便されました。夜行便は〝出雲縁結びドリーム京都1号〟と改称され、〝縁結び祈願の旅〟を髣髴させるものにはなりました。しかし1時間出発が早くなってしまうことは、事実上仕事上がりで出発することが不可能になったという事実…。結果として手軽な旅でなくなってしまう現実に他なりません。まあそれは次回からのこととして今回は楽しむことにしましょう♪

京都~出雲市間の路線で、西日本ジェイアールバスの車両にあたるのは初めてですが、まあそんなに変わることもないかと乗車をします。1時間出発が早くなり、利用が少なかったため廃止された名神大山崎や名神高槻も通過するならばどこかで停車するはず。ただ車内アナウンスが何を言っているのかわからない…。なんとなく聞こえた場所は『赤松パーキングエリア』とな。ということは…とスマホナビを開いてみると、一応姫路市になるものの約1時間で到着できる距離にあることが判明します。0:00前に休憩を入れることは、1月に23:30に京都駅を出発し、名神高槻を出ると消灯となった時と時間的には同じかな…という感じです。京都駅を定刻22:30に出発した〝出雲縁結びドリーム京都1号〟は鴨川インターから阪神高速京都線、京都南インターより名神高速へと入って西へ西へと走って行きます。

順調な旅の始まりのようでしたが、出発してしばらく経つとなにか違和感を感じるようになります。それは…なにか〝夜行バスらしからぬ〟雰囲気がしているような…。それは車内が異様に〝明るい〟ということでした。前回出雲市行きを利用したときは、全体照明は点いていましたが、読書灯は点いていなかった…。全体照明は消灯時間になれば消えるので気にもなりませんが、読書灯は通常使う人がスイッチを入れる仕組みになっているはずなので、夜行バスの消灯後に使うとひんしゅくものなので使われていることすら見たことがありません。そういうものが点灯しているため、最近のバスは読書灯も一括消灯ができるのか…と感心していたところ、それが誤りだったことにすぐ気づきます。赤松パーキングエリアを出て〝消灯〟がコールされてもすべての〝読書灯〟が点いたまま…。そうなると〝消灯〟とは何ぞや?という明るさのまま夜の高速を走って行くことになります。それにこの状態では例え私自身自分の席の読書灯を消したとしても、シートを倒すと後ろの席の読書灯が目に入り、眩しくて寝られません(怒)。これはバス会社の方針なのか、それともドライバーが勘違いをしていたのかはわかりませんが、とにかく快適なものとはかけ離れたものにしかなりません。おまけに空調設定もどうしているのかわかりませんが、寒いし…。確かに暑いと気分が悪くなる方もおられるので、そこらの微調整は難しいものがありますが、9Aという後方座席で〝足元が寒い〟という環境では、どう転んでも眠りにつくことすらできません。寝ていないことはないとは思うのですが、赤松パーキングエリアを出た後2回停車したことは記憶に残っています。いきなりの〝なんやねん〟状態に今回の旅が波乱含みになる〝予感〟がします。上半身が寒いのであれば上着を着れば何とかなりますが、足元が寒いのはどうしようもありません。なんとかしようと試みた結果は〝三角座り〟、つまりレッグレストの上に足を乗っけて体に足をつける姿勢…。なんでこんな窮屈な姿勢で乗らなきゃなんないんでしょうね~っと思いながら出雲市に早く到着することを心から思いました。むちゃくちゃゆっくりとした時間の流れで、窮屈なバス車内の時間を過ごします…。

【平成29年3月17日金曜日】
気が付けば松江駅の到着のコールがされています。若干の早着はいつものこと。その後玉造温泉で降車の取り扱いをした後、高速宍道と斐川インターを通過し、やっと出雲市駅に到着します。バスの中での窮屈な姿勢から解放されたこともあってか、急にお腹が減っていることに気付きます。ただ朝の6:30ではほとんどのお店は閉まっています。という訳でスマホ検索、南口に〝すき屋〟があることが判明、向かうことにしました。すき屋出雲市駅南店、普段の行動圏内に〝すき屋〟はないため、利用することも少ないのですが駅チカのロケーションはやはり魅力的ではあります。食べ慣れないメニューですがいつも吉野家でオーダーしている〝納豆定食〟のすき屋版〝納豆朝食〟、それにごはん大盛りとシジミ汁を注文します。そしてもちろん完食♪肩肘張らずに頂けることはやはり気軽に頂くことができるのはポイントが高いです。

20分程で朝食を頂いた後、店舗隣にあるローソンで買い物をします。コーヒーなどは眠気覚ましのためのいつものことではあるものの、ひとつ痛恨のミスがありました。〝カイロ〟を持ってくるのを忘れました。多分前回行きののバス車内での〝暑かった〟トラウマがあったのかも知れませんが、時期的にも大丈夫だろう…とたかを括っていたのが間違いでした。朝6:00過ぎの出雲は3月中旬であれど〝とてつもなく寒い(泣)〟という事実。張るタイプのカイロを購入し、背中のみならずお腹にまでカイロを張りました。ふ~っ…取り敢えずひと安心です。

そして再び出雲市駅に戻り、バスで第一目的地の〝出雲大社〟へと向かいます。この第2便は1月に出雲を来訪した際にも利用しています。ただその時は結構混雑したため、少し早めにバス停へと来ましたが、今回はそれ程でもありませんでした。そしてバスに揺られること約30分、見覚えのある〝出雲大社二の鳥居〟前にある〝(出雲大社)正門前〟バス停に到着します。

いつもならばもうひとつ先の〝出雲大社連絡所バス停〟を利用するのですが、今回は敢えて〝正攻法〟のルートで参拝することにします。バス停で下車し二の鳥居を潜ると右手にある千家尊福公の銅像に参拝し、祓社でお清めをするといよいよ参拝開始です。祓橋手前で左手にとると〝野見宿禰神社〟、ここには狛犬ならぬ〝狛兎〟が両脇を固めています。そして祓橋を渡って三の鳥居脇を通過し、参道を進むと〝おウサギさま〟がたっくさんあるエリアに到着します。このあたりはさすがに人が多く、写真撮影をするのも一苦労ですがそれは仕方がありません。しかしその場所にある河津桜はほぼ満開となっていることから、まだ寒い出雲国にも春が確実に近付いていることが伺い知ることができます。

そして〝大国主大神と兎の像〟と〝御慈愛の御神像〟といった大国主命伝説の銅像と神馬神牛像を改めて見学し、手水屋でお清めをしてから三の鳥居を潜り、いよいよ出雲大社の本殿エリアへと入ります。

仮拝殿・仮本殿と巡り、まずは試験合格のお礼参りを済ませます。そして1月に奉納した〝誤字〟を記した絵馬を探しますが・・・見当たりません。前回の記録写真から間違いなく〝この場所〟である場所なのですが・・・。角度や場所を特定し、私が奉納した絵馬のすぐ下の絵馬まで見つけたのですが・・・(泣)。こうなれば時間を掛けるだけ無駄になってしまうため、恥を晒さないように誰かが移動させてくれたのだろうと割り切って、境内を回ることにします。摂社・末社等、思い出に残る場所をあちらこちらとお礼参り参拝をし、北島国造館をはじめとする出雲教エリアへと向かいます。亀の尾の滝をバックにした〝天神社〟。心地池を挟んで置かれている〝亀〟の像は、少名毘古那神をモチーフとして作られたもののようです。そして天満宮、文字通り〝学問の神様〟にお参りをし、北島国造館を最後に門を出ることにします。

出雲大社の東の参道とも言われる社家通り。その昔には出雲大社の神官達の住まいが立ち並んでいた場所ですが、現在では歴史のありそうな古い家屋が立ち並んでいるに過ぎず、いにしえの荘厳な雰囲気を醸し出している訳ではありません。また神門通りのようにお店が立ち並んでいる訳でもないため、賑やかさはないものの、人通りの絶えない出雲大社から僅かしか離れていない場所にも関わらず、心地の良い静けさを感じられる場所として、再訪できたときには必ず〝尋ねるべく場所〟として覚えていてもらいたい・・・、そんな風にも思えます。またこのエリアには、八十神の陰謀によって焼き殺された大国主命を、母神の願いによって遣わされ、そして助けた〝神産巣日神(かみむすびのかみ)〟を祀る〝命主社〟や、古来より出雲大社の神事に使われてきた〝真名井の清水〟、樹齢1,000年とも言われる〝椋の木〟がありますが、その〝神秘的〟とも言える史跡が社家通りの雰囲気にガッチリとはまり込んでいるように見えました。

1月に来訪したときには予備知識がなくてほとんど素通りしていましたが、今回フラフラ歩きながら〝神話の世界〟を楽しむというチャンスに恵まれました。次に訪れたときにはそのように感じることができるのか?今からワクワクします♪

この後社家通りから島根県立出雲古代歴史博物館へと向かいます。歩いても2~3分で到着できる場所なのですぐわかるのですが、場所的には〝三の鳥居〟付近まで参道を戻る形になるので、効率よく回るならば一度参道から外れても良いかも知れません。

開館10年を迎えたこの博物館、名前の通り古代からの出雲を主題材として展示してあります。入館料大人610円というのは聊か高めなように思えますが、ガイドブックやタウン誌に割引券がついており、それを利用すると490円で入場することができます。ちなみに私は北島国造館の門前にあった〝パンフレットラック〟から頂きました♪

入館してまず最初にエントランスにある〝宇豆柱〟が迎えてくれます。平成12(2000)年に出雲大社の発掘調査の際に発見された室町期のものですが、土に埋まっている時の保存状態が良かったこともあり、約800年前の物でありながらなかなかきれいなもののように思えます。それから常設展を見て回りますが、映像コーナーで10分間の〝神話の世界〟を楽しむことができます。入館時間が早かったこともあり、私の他にはもうお一方しかおられませんでしたが、10:00からの部では〝大国主大神〟についての映像が公開されていました。神話の世界は登場人物を整理しながら見ないとわけが分からないと言われることも多いと聞いていますが、ここで上映されているものは〝知識〟がなくとも理解できる内容になっています。多くの内容は〝見てみたい〟という気持ちにされるものの、やはり時間の関係でひとつしか見ることが出来ず、次の展示へと向かうことにします。

古代の装飾品である〝勾玉〟、そして祭事に使われた〝銅鐸〟や〝銅鏡〟。確かに飾ってある博物館は多いものの、こちらでは国宝や国の重要文化財級のものが展示されています。特に〝銅鐸〟に関心があるものには、時間を忘れて眺めてしまうような立派なものでした♪

そして時代は変わり戦国時代のエリアになると、日本全国ではあまりよく言う方もおられない守護代から戦国大名にのし上がった〝尼子(あまご)氏〟、中でも出雲の繁栄の基礎を築いた尼子晴久についての展示がされています。往時の大名に誰が良くて誰が悪いというのは意見が分かれるものの、やはり出雲の国の繁栄を齎した尼子氏の評価としては高いということなのでしょう。

次いでは出雲大社に纏わるもの。この辺りは一部出雲大社の〝彰古館〟に展示されているものと被っているものもありますが、やはり絶対的な広さがあるためその規模や内容には圧倒されるものもあります。千木(ちぎ)と勝男木(かつおぎ)等、実際に遷宮時に下ろされたものであり、明治初期にご用材として使われた140年前の木材を実際に見られることはなかなかないものではないでしょうか。

約1時間かけて常設展を巡り、外へと出ます。入場券には喫茶コーナーの10%割引券がついてはいるものの、とにかく時間がないため先を急ぎます。敷地内に点在する〝ウサギさん〟の石像。勿論〝因幡の白兎〟に因むものであることはわかっていても、なんとなく気持ちがほっこりします(笑)。一部では『なんで因幡(いなば・現在の鳥取県)の白兎が出雲と関係があるねん?』という厳しい意見がありますが、そこはご愛敬、大国主命がウサギを助けたのは白兎海岸なので鳥取県ですが、目的地はあくまで出雲であって、その目的は大国主命の兄神である〝八十神〟達が絶世の美女とされる〝八神比賣(ヤガミビメ)命〟を妻に迎えようと歩いている際にウサギをいたぶった…。それを見た大国主命が白うさぎを助けた…というお話。この後は諸説あるものの、この白兎は神の化身であって、八十神や大国主の〝心のやさしさ〟を試し、その結果を出雲の〝八神比賣命〟に伝えたとされています。人が歩くよりウサギがぴょんぴょん跳ねて向かう方がやっぱり早いんでしょうが、その情報が八十神の到着より早く伝わり、『私は大国主様に嫁ぎます!』というエンディングに繋がっていることは、やはりウサギさんは出雲でも、縁結びに携わっていることには違いありません。施設内に置かれている〝ゆるキャラ〟なんかの写真を撮りながら、再び出雲大社へと戻ることにします。

松の参道脇にある小さな鳥居。知らない方も多いらしいですが〝杵那築(きなつき)の森〟と言うそうです。昔からお社はなく、出雲大社の社殿を築く為に用いた道具が埋納されている場所だということでした。そして参道を歩き、ムスビの御神像、四の鳥居、新馬・神牛像と辿った後、拝殿に参拝します。そして本殿へ。タイミングが良かったのか人が写りこまずに写真が撮れました。この本殿前の石畳に書かれた大きな丸ですが、これは平成12・13年に発見された〝御柱〟の場所を示しているそうです。現在は埋め戻され、その場所がわかるようにされています。そのうち〝宇豆柱〟は、島根県立古代出雲歴史博物館にて見ることができます。

最後に発見できなかった〝絵馬〟と本殿をカメラで切り取って、出雲大社のお礼参りは終わります。そして出雲大社連絡所バス停方面へと歩いて行くと、前回最初に参拝した〝神楽殿〟へとたどり着きます。1月に訪れた時は朝早かったこともあり、ほとんど人影を見かけませんでしたが、さすがに昼間だと多くの人々でごった返していました。待ったなしの様相を呈している女子陣のお隣で、無欲の〝縁結び祈願〟、そして〝合格御礼〟の思いを込めて参拝している姿はどう見られているのか…なんて感じつつ手を合わせました。欲が深くなるとろくなことがないことは自覚しているので、控えめな〝お願い〟だけに留めて再び歩きはじめます。

出雲大社宮司のお住まいである〝千家国造館〟、前回所在がわからなくて行けなかった〝都稲荷社〟を参拝し、祖霊社へと到着します。祖霊社の境内には、旧日本海軍の顕彰碑が建立されていることは前回に記した通りですが、なぜこの場所に…?ということは述べてはいませんでした。先の大戦末期に美保飛行場(現在の米子空港)に昭和18(1943)年10月に第13期甲飛予科練生1,200名余りが入隊し、美保海軍飛行隊が誕生します。そして翌昭和19(1944)年第二美保海軍飛行隊が開隊し、第14期甲飛予科練生2,000名が入隊します。第二美保海軍飛行隊(第206攻撃隊)は配置されていた新鋭の陸上爆撃機〝銀河〟によって実戦訓練を受けるも、最終的には時の流れで〝特攻隊員〟として歩まなければならなかった史実がありました。そのような経緯から戦争を生き残った同期の元隊員の手によって、この地に碑が建立されたそうです。縁結びのお社のすぐ近くにあるこの記念碑、平和一色の背景からは想像もつかないことと思われる方がほとんどでしょう。勿論戦争を肯定することはできませんが、予科練生として特攻隊員となり、帰ることが許されなかった若き青少年の犠牲のもと今の平和な時代があることを忘れてはなりません。改めて手を合わせてご冥福を祈るしかありませんでした…合掌…。

そうこうして出雲大社連絡所バス停へとやってきました。今日はなぜか見慣れぬ旗印と、日の丸の国旗が目につきます。なんだろう…と思っていると、どうやら今日3月17日は〝大社國學館〟という出雲大社が運営している〝神職に就くための養成機関〟の卒業式でした。私立の各種学校扱いで昭和13(1938)年に設立された〝大社國學館〟、〝神に仕える〟仕事に就くために1~2年の期間、全寮制で勉強に励むそうです。ちなみに東京の〝國學院大学〟や三重の〝皇學館大學〟も同じように〝神職を目指す〟カリキュラムがあることを知りました。たまたまふらりと立ち寄ったときに卒業式にあたるのも、なにか〝ツキ〟めいたものを感じます。〝おめでたい考え〟と〝運とツキ〟を信じて、今年も良い年であることを願う私はやはり単純明快なB型なのでしょう(笑)。という訳で出雲大社のお礼参りの参拝を終え、次の目的地を目指すことにします。

《ここまで:9,266円》

《次編に続く》

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
グルメ
5.0
交通
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
高速・路線バス レンタカー JRローカル 自家用車 徒歩

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この旅行記へのコメント (2)

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  • ガブリエラさん 2017/03/24 17:27:13
    おめでとうございます〜ヽ(^o^)丿
    たかティムさん☆

    こんにちは♪

    そして、おめでとうございます〜!!!

    ロシアから帰ってきて、合格だとは思ってたのですが、こちらから聞くわけにもいかず、なかなか書き込みできずにいました(^O^)
    よかったです〜♪

    努力は、ちゃんと報われるということですよね!

    ちゃんと、お礼参りをされるたかティムさんを見習わなくっちゃ♪
    京都から、出雲大社行きのバスがあるなんて、便利ですよね。
    私は、結構バスに乗るのが好きなので、バスの旅もいいな〜(^_-)-☆

    ガブ(^_^)v
  • ラムロールちゃんさん 2017/03/23 22:12:07
    祝☆合格 (^o^)/
    たかティムさん、こんばんは♪

    まずは、おめでとうございます。

    ほら〜、やっぱり合格だったじゃないですか〜!
    そうだと思いました(^_-)-☆
    一気に2級まで、すごい!

    読書灯の件は大変でしたが、お礼参りも無事できて、良かったですね。

    あ、そうそう、この前から言おうと思っていたんですが、
    年末に、「あともう一つ(ラムロールに)良いことがある気がする」っておっしゃってくださってたでしょ?
    あったんですよ、あれから。
    年明けのふなっしーイベントに当選しました♪
    だから、たかティムさんの予言も当たってたんですよ〜(゚∀゚)

    ラムロール

たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さんのトラベラーページ

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