アートを巡る旅　in ドイツ　16日目～ヴィトラキャンパス～

2015/06/30 - 2015/07/21

とっても楽しみにしていた、ヴィトラキャンパス！！
デザイナーズ家具ブランドのヴィトラ社の広大な敷地内に、世界的な建築家の手によって設計された工場、美術館、ショールームなどの建物が並んでいます。
しばらく古都が続いていたので少々マンネリぎみだった旅も、現代建築でリフレッシュです。
友人も、知人から勧められていて、行ってみたい！との事だったので、二人旅はここからスタートになりました。

このドイツ旅での現代建築探訪は、デュッセルドルフのフランク ゲーリーから始まったので、彼の初期の作品に出会えるのも、とっても楽しみでした。


この回は、７月１５日(水)の旅行記。

主な訪問地：Vitra　Campas

エリア ドイツ

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: 友人
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

ガストハウスから歩いて行きます。
(Basel Bad Bf駅から出ている55番バスでも行けます。
Weil am Rhein駅から向かうよりも楽だと思います。バーゼルバディッシャー駅にはロッカーもあります。)

久々に陽射しの強い日でした。

看板発見！
テンションがあがります。

Balancing Tools　　Claes Oldenburg & Coosje van Bruggen , 1984

クレス オルデンバーグ＆コーシャ ヴァン ブリュッゲンのアート作品

ゲーリーも！

Vitra Design Museum　　Frank Gehry , 1989

ヴィトラデザインミュージアム　10:00～18:00

フランク ゲーリー、ヨーロッパ初作品。

正面に回って、ガーン…。
左端の目立つ壁面に、がっつり落書きが…。
落書きではないのかも…。アフリカ展の壁画だろう…余計にショック。どんなセンスしているんだろう…白い面で見たかった。悲しい…。
壁画、美しくないので、写真には収めませんでした。

ヴィトラ デザイン ミュージアム 博物館・美術館・ギャラリー

ミュージアムと建築ガイドツアーのコンビチケットを購入　18ユーロ
ガイドツアーは、12時の英語ツアーに申し込みました。

まずは、アフリカ展から。

おしゃれメガネ。

なかなか、ドキッとした作品でした。

こちらも、ある意味、ドキッとしました。

プロダクトデザイン製品など。

友人から、この展示の何が良いのかわからない、展示もセンスが無い、との辛口コメントが…。
私はそれなりに楽しいんでいたのですが、人それぞれですね。
しばらく一人美術館だったので、違う意見を聞けるのは新鮮です。

写真作品。

上の階に行きます。

ライフルの椅子！

影も面白い。

階段。

Vitra Design Museum Gallery 　Frank Gehry , 2003

Maker Library Network　の展示をしていました。
こちらは無料でした。

VitraHaus　　Herzog & de Meuron ,2010

バーゼル出身の建築家、ヘルツォーク＆ド ムーロン
バーゼルには彼らの作品が多くあります。

ヴィトラ社のショールームの建物です。

カフェもあります。そこそこ賑わっていました。

グレーの空間にカラフルな椅子がかわいい。

Lounge Chair Atelier

中で作業されているのが見られるのも面白いです。

それぞれのユニットが、螺旋階段で繋がっていました。
何階にいるのかわからなくなります。

おしゃれ照明。コードがおもしろいですね。

子供部屋。

先ほどのアトリエが上から覗けました。

コスプレポスター。

紙飛行機が舞っていました。

名作椅子が、ずら～っと並んでいます。

素晴らしい借景です。

見放題、座り放題でした。
スタッフのお姉さんもにこやかで良い感じです。

イサムノグチの照明“AKARI”
照明の下が鏡張りになっていました。

と、またしても友人が、いまいちだねと言ってきた…。
私は、楽しかったのだけど。
私以上に、ヴィトラに対する期待値が高すぎたのかもしれません。
私は結構ミーハーなので、どんな時もブレない友人が羨ましくもあります。

先ほどのデザインミュージアム。がっつり書かれた絵が見えますね。
あれに関しては、全くセンスが無いと思う！

そろそろ時間が近くなったので、集合場所に向かいます。

Dome　　Richard Buckminster Fuller , 1975/2000

ドーム　　バックミンスター フラー　設計

中ではCAMPER(靴)の展示をやっていました。

Petrol Station　　Jean Prouve , ca.1953/2003

ガソリンスタンド　　ジャン プルーヴェ　設計
1953年に作られたものを2003年にこちら移築されました。

ここから、ガイドツアースタート。このおじさまがガイドさん。
陽射しが強いので、帽子を被っていない人には、傘を貸すので差すよう促していました。私はいらないわっと言うご婦人もいましたが、差さなければガイドはスタートできないと、中々の頑固さん。熱中症になったら大変だものね。

Factory Building　　Nicholas Grimshaw , 1981/83

工場施設　　ニコラス グリムショー　設計。

この建物についてのガイドはありませんでした。

窓がカラフル。

Factory Building　　Alvaro Siza , 1994

工場施設　　アルヴァロ シーザ　設計。

渡り廊下の上の橋は、雨が降ると自動的に降下するように設計されていて、家具を隣の建物に移動する際に濡れずに守ってくれます。

現在は壊れていて、上下しないそうです。

Fire Station　　Zaha Hadid , 1993

消防署　　ザハ ハディド　設計

昔、このヴィトラの工場で火災が発生し、近くに消防署が無かったために全焼してしまったため、キャンパス内に消防署が設置されました。
ザハさんにとっても、初めて実際に建設されたプロジェクトになりました。

反り上りがかっこいいです。

ピットガレージで、ここに消防車両が待機されていました。
天井が水平ではなく、しかも微妙にV字になっているのだけど、この技術がその当時、本当に難しくて、でも、ザハ氏はこだわりが強くて、絶対に譲らなくて、すっごく苦労したんだ…とガイドさんがため息交じりに話してくれました。
壁も垂直ではないんだよね。コンクリート打ちっぱなしでシンプルに見えますが、かなり複雑です。

現在は消防署としては使われておらず、主に、イベントスペースとして使用されているそうです。

何気なく壁が傾いているので、ちょっと平衡感覚がおかしくなりそうです。

すごく直線的ですね。
ザハさんの建築、私の中では流線的なイメージがあったので、とっても新鮮でした。

丁度ドイツ出発前、日本では新国立競技場の話題で持ちきりでした。
ザハさんはアンビルドの女王と呼ばれている、等々、妙なネガティブキャンペーンで、この件では被害者のはずなのに何だか悪者扱いされていて、悲しく思っていました。アンビルドって、いつの時代だよ。
帰国後もまだやっていました…。つくづく、報道に関しては残念な日本…。
結局、ザハ案はアンビルドになってしまいましたね。

ザハさんの前の建物。
陽射しが強くて、ハレーションが凄い…。

新しい建物です。
まだ使われていないようで、この建物についての説明はありませんでした。
このシンプルさ、下手したらバタくさくなりそうなのに、格好良い建物です。

煉瓦でできていました。

Factory Building　　SANAA , 2012

建築にこだわっているところで、日本人の作品に出会えるととてもうれしく思います。

ひだが複雑で面白いです。カーテンのよう。
アクリルガラス製で、この写真では分からないのだけど、ただの白ではなくて、白の上に透明な層が重なっていて凝っています。


と、これを撮って、カメラにメモリーがいっぱいになったとの表示が……。
ひぇぇぇぇ～～！！わーーー！なんてこった！なぜ今なんだ～～！！
予備のメモリーカード、スーツケースの中だ。

取りあえず、急いで見直して、急いで消して…。

ガイドさんの説明も全く聞けませんでした。聞こえないという方が近いか。

Factry Building　　Frank Gehry , 1989

デザインミュージアムの後ろ姿。

Confelence Pavilion　安藤忠雄　1993

研修施設。安藤さん、海外初進出作品だそう。

フランクゲーリーのを撮っていたら、また、メモリーがいっぱいになってしまって、外見の説明中に、頑張って削除していたら、内見になってしまいました。焦り過ぎて、無駄に消してしまった…。コンクリートに張り付いた桜の葉っぱ、撮れなかった…。

イサムノグチの照明。

ガイドのおじさん、安藤忠雄が大好きなようで物凄く熱弁をふるってくれました。楽しそうに話してくださる姿に、同じ日本人として、とても嬉しい気持ちなりました。
こちらの建物は、日本女性のサイズを意識されて造られているとの事で、私たちは、何度か駆り出されました。ほら、日本女性の目線の高さでしょ、とか。

最後にガイドさんから、Ando建築のことはどう思うか？と皆に質問。他のガイド参加者の皆さんも、とても熱心に好意的に話してくれて、とてもアットウォーミングなひと時でしたが…。
で、君たちは？日本人はどう思っているの？と私たちに向けてくれた時、友人がサラっと　He is egoist.　と。
みんな、は？となり、私は、ぎょっとなり…。そうだった…彼女は安藤さんの事が好きではなかった…と思い出しました。せめて、I think～と言ってほしかった…。
幸い？AndoLOVEおじさんには聞き取れなかったようで…。
彼女は何と言ったんだい？彼は何だと言ったのかい？と、おじさんが他の参加者に聞いても、皆も聞こえてないふり。この場の雰囲気を変えるだけの英会話力のない私は、曖昧スマイルしかできず…。他の方が話題を変えて別の質問をしてくれて、冷えた空気を常温ぐらいに戻してくれました…。
単に聞こえなかっただけだと思いたい…。自分の好きなものを批判されると自分自身まで批判されたような気がするものね。
そもそも私の英語力の無さを見越して、先に発言してくれた友人の優しさからの事だったので。
ますます英会話を勉強しないといけないなと強く思った出来事でした。

外見。建物は半地下なんです。ここで、ガイドツアー終了。

この建物は、1ジョウという、日本の尺度にこだわって作られているんだ、とおじさんは、うれしそうに説明してくれていました。
友人が、1間の間違えじゃない？1丈じゃないよね？教えてあげた方が良くない？と言うので、1畳じゃないかな～と言ったら、そっか、と納得してくれました。
この日は、少々面倒くさい友人でした。

ヴィトラハウスのベンチを借りて、お昼ごはん。パンだけど。

Vitra Slide Tower　　Carsten Holler , 2014

カーステン ヘラーの作品。

暑いし、熱そうだし、上るのはやめました。
滑り台滑ったら、やけどしてしまいそうです。

そろそろ、おいとま。
ちょうど目の前でバスが発車していってしまったので、メモリーカードを取りに歩いてガストハウスまで戻ります。

“NAGASAKI”　　Mathieu Mutegot

アパートの壁に、マッシュ― マテゴの椅子の巨大壁画を発見。

特徴的な屋根の民家。煙突もかわいらしいです。
ヴァイル アム ラインの町は、とてものどかです。

この後、バーゼルに向かいます！