
2016/08/17 - 2016/08/17
3位(同エリア117件中)
琉球熱さん
完全に計画段階で出遅れた今年の夏山。
相変わらず人混みは嫌い、人気の山への食指は動けど、混雑を考えるとどうしても躊躇してしまう。
どこか空いている山はないものか・・・エリアとしては上信越が良さそうだ、と探しているうちにヒットしたのは『四阿山(あずまやさん)』。
お、なんか良さそうだな、と4トラでも調べたら、なんとjun1さんが経験者じゃないか!
図々しくも、登山口までのアクセスや工程について質問!
そんなわけでjun1さんから経験者としての貴重なアドバイスをいただき、クルマを確保、前泊で現地入りすることにした。
jun1さんの旅行記
http://4travel.jp/travelogue/10708169
行程を伺うと、四阿山の隣の根子岳(ねこだけ)も回って来れそう。
そんなわけで、この2座の縦走決定。
またまたガスって眺望は残念だったが、全行程終始のんびりと歩くことができ、のどかな山行となった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
四阿山は長野県須坂市・上田市と群馬県嬬恋村との県境に跨る、標高2,354mの日本百名山である。群馬県側の嬬恋村では吾妻山(あがつまやま)とも呼ばれている。
山頂の北側は大きく陥没したカルデラ。そう、ここも火山だったのである。南側は対照的に穏やかなスロープを描き、菅平高原へと続く。
根子岳は長野県上田市菅平高原と須坂市の境にある山。標高は2,207m。ウメバチソウが有名で、花の百名山の一つ。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー 新幹線 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
前日の宿ではオーナー夫妻の地元愛に溢れた話を目いっぱい聞き、おまけに十年近く通っているという常連さんからも、根子岳のイヌワシ保護活動について聞き、一夜漬けながら予備知識いっぱいで登山口のある菅平牧場に到着。
なにせ宿からクルマで15分ほど。
身支度を整えて出発は7:18。
駐車場脇の登山道入口。
まずは四阿山から。菅平牧場 名所・史跡
-
牧場の脇を歩いていく。
いや〜 それにしても・・・
朝靄、なんて洒落たものじゃない。霧だ。 -
さて、牧場に沿って歩くことしばし、ここが本当の登山口。
-
いきなり キバナノヤマオダマキ
私の好きな花である。 -
こちらはワレモコウ
「我も恋う」と万葉集では詠まれたこともあるそうだ。
なんだかイイ話。
これは花が終わって萼(ガク)だけになった姿。
根は湿疹ややけどの薬になるらしい。 -
お、マツムシソウだ
この花を見ると、いつもカーネーションを連想してしまう。 -
ガスが残るダケカンバ林。
この辺、背丈くらいある笹をかき分けて進むような格好になり、視界が悪い。
昨日の執拗なまでの「クマに注意」看板が頭から離れず、なんとなく耳を澄ませたり、必要以上に熊鈴をかき鳴らす、、、(笑) -
ほっとするような、ちょっと開けた場所に出た。
けっこうな「マツムシソウ畑」になっている。 -
相変わらずこんな感じ・・・
-
お!今度はウメバチソウ。
隣の根子岳はウメバチソウで有名だ。 -
長く伸びた花糸
最近自分の好みがわかってきた -
う〜む、たまらん
これぞ「自然の造形美」 -
そうこうしているうちに「小四阿山」に到着
8:28
特に眺望もない小ピーク。 -
クロマメノキの実
食べられる。確かに美味しそう。 -
なんだ、これは???
一瞬、イカリソウかと思ったが、どうも違う。
謎のままだ・・・ -
ヤマオダマキの蕾? まさかね・・・
-
ウスユキソウ
最初に見た時は、全体的にぼんやりした花だなぁ、と決して良い印象ではなかった。
でも、じっくり見るとなかなか味わいのある花だ。 -
ハクサンフウロとウスユキソウ
-
イブキジャコウソウ
名前の通り、芳香を放つ。
香辛料(ハーブ)の「タイム」の仲間だ。 -
何やらワクワクするような岩峰が見えてきた
-
ところがこの岩山は立入禁止。
そしてこれが「中四阿山」。9:24
ロープが張られて登れないが、明らかに登山道は有り、おそらく滑落事故でもあったのでは?
今はこの岩峰をぐるりと回る巻き道だけだ。 -
再びゴツゴツの道を登ると・・・
-
根子岳分岐に出た。ここは広い!
ちょいと風もあり、岩陰でエネルギー補給。
9:57〜10:13 -
分岐から一登りで祠に出くわす。
この山は白山信仰の山だという。
これは長野県の山家神社の奥宮である。 -
この板につらつらと修繕の経緯が書かれているが、意外にも日付は「平成27年」となっている。
「山家神社」とはっきり書かれている。そしてこの山家神社は、真田家との縁がとても深い。 -
となりにはこんな古い石室が・・・
奥を覗くと、どこからともなく冷気が噴出していた。
そしてヒカリゴケらしきものも。 -
さて、いよいよ山頂到着 10:31
2,354m
群馬県嬬恋村今宮の今宮白山権現の奥宮である。
それにしても、、、ついにここまで誰一人とも遭遇せず。四阿山 自然・景勝地
-
まさに県境だな
-
奥宮のちょっと先まで行ってみる。
晴れていれば、おそらく火山特有のダイナミックな地形がみられたのだろう。
しかしこれじゃどうにもならぬ。
長居は無用、根子岳に向かおうとした時、たった一人で登って来た若い女性。
聞けば我々と同じルート。あの笹原、一人で恐くなかったのだろうか?
可愛い子だったので写真を撮ってあげました(笑) -
さぁ下るぞ! 10:38
と,けっこうな斜度に加えて、ぬかるみ始めた登山道。
うへぇ〜 -
水分が多い、苔がキレイ
-
根が入り組んだ道、つまづきやすくスリップしやすい
-
木々の切れ目から根子岳!
-
思わず、「おお〜」と叫んでしまう美しい山容。
-
昨夜、常連の女性が言っていた。
四阿山と根子岳の鞍部が最高にオススメだと。
その最高の場所で休憩。
確かに、ここからの根子岳は最高だ。
本当に清々しい。
11:31〜11:44 -
さて、そろそろ出発。
笹原の斜面を登り始めた途端、再びガス。
さっきまで休憩していた場所が霞んで見えない。 -
ガスが風に流れ、四阿山の中腹が見えてきた。
-
この斜面も、笹だけでなく、マツムシソウがいっぱい。
-
おぉ、ウスユキソウも
-
笹原が終わると、ザレザレの岩場。
-
シロバナクモマニガナ
-
これはニガナの仲間、ジシバリかな
-
山頂か?
見紛うほどの立派な巨岩。 -
あの先端に立てるか!?
-
山頂の手前、不思議な巨岩群はてっぺんが平坦だから休憩するにはもってこい。
絶景である。
断崖の際だから、テンションが上がる。 -
それでもって、こんなところで記念撮影。
夫婦そろって高いところが好き(笑) -
昼食も兼ねて30分近くも遊んでしまった。
-
巨岩の足元に、ハクサンオミナエシ
-
久々のミヤマダイモンジソウ
-
根子岳のなだらかな山容と趣を異にする爆裂火口跡。
急斜面、というより断崖。
ここがイヌワシの営巣地になるという。 -
キアゲハは意外に高い場所まで飛んでくるもんだ。
オオイチモンジなども飛んでいたが、写真写りの良い蝶ではないので撮影せず(笑) -
根子岳山頂到着 12:56
四阿山よりも人が多い。
根子岳だけなら2時間くらいで登って来れるから、身近な山なのだろう。根子岳 自然・景勝地
-
この山頂は広くて眺めが良い。
ようやく少しガスが切れて来たか? -
風で流れていくかと思ったら、流れて「来ちゃった」よ・・・
-
菅平高原を一望
ここからの眺めも良いが、手前の岩場で存分に堪能したから、写真を撮ったら即出発。
12:59 -
ハクサンフウロ
一体、何回撮影しただろう?
しかし、見ると撮らずにおれない -
ゴマナ
名前の割にはきれいな花。 -
シロバナイワシャジン
見事な“釣鐘”
きれいだ -
かなり下界に近づいてきた。
振り仰げば、なんだコレ?の青空・・・ -
ダケカンバ、笹原・・・
往路と同じ環境なのに、陽光が射し込むと印象は真逆。 -
登山道のど真ん中に、オブジェのように鎮座していた見事なミヤマシシウド。
-
展望台まで降りて来た。13:54
見れば、マツムシソウの群生。
ちょっと凄い。 -
ここまで来れば、牧場は目と鼻の先。
晴れていれば、かなりの眺望らしい。 -
う〜む、これじゃ・・・
-
15分ほど休憩して、最後のひと下り。
ハクサンフウロがいっぱい。
これだけ群生していると有難味がない。 -
牧場が見えてきた。
駐車場に帰着したのは14:28。菅平牧場 名所・史跡
-
菅平からの帰り道、汗を流しに寄った真田温泉 ふれあいさなだ館
地元の人で賑わう、かなり大きい施設。
大広間で寛ぐ、という感じはない。真田温泉ふれあいさなだ館 温泉
-
レンタカーを返し、駅までの道。
マンホールもやっぱり「六文銭」 -
当然、駅舎も
上田駅 駅
-
さて、今回の獲物
両山ともに山小屋はないので、麓の牧場売店にて。
四阿山の方はコイワカガミだろうか?
根子岳はしっかり「ウメバチソウ」と書いてある(笑)
でも、四阿山の方が多く咲いていたような・・・ -
【今回の記録】
歩行距離:9.2km
最大標高:2,354m
積算標高:983m
地味ながらものんびり歩くには良い山だった。
四阿山の山頂からの眺望がなかったのは残念だが、根子岳は地元に愛されているとても良い山であった。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- jun1さん 2016/09/15 23:14:21
- マクロ写真のウメバチソウ、よーく見れました!
- 琉球熱さん、こんばんは。
jun1の旅行記の紹介、有難うございます。
同じルートだったので懐かしく、そうそう、ここココと懐かしく拝見しました。
ウメバチソウの花は細かいので老眼が進んだjun1は、琉球熱さんのマクロ撮影の写真のお蔭で、ウメバチソウの造形美を確認しました。
よーく出来てる花ですね!
なんだ、これは???のお花は、私も初めて見ました。
なんでしょうね?
四阿山から根子岳に向かう笹野原は、ほんと綺麗でした♪
そして巨岩のところでゆっくりしたんですか?
私は登りでさっさと行く主人のあとから、山頂はまだか、まだかと、ゆっくり登りました。
山バッジ、getしたんですね(^_-)-☆
マンホールは、なるほど六文銭なのねと思いました。
では、また〜♪
jun1
- 琉球熱さん からの返信 2016/09/16 00:04:49
- RE: マクロ写真のウメバチソウ、よーく見れました!
- jun1さん、その節はありがとうございました!
jun1さんが行ったのはもう4年前。でも、ルート上の風景は変わっていませんね。それだけ、人があまり来ない山なのでしょう。このままであってほしいものです。
ウメバチソウ、オトギリソウはマクロで映える花ですね〜
この手の花、好きです。
あの鞍部からの眺めは本当にイイ! のんびりしたくなります。
そして山頂手前の巨岩群、ここも眺めが良いし、広い山頂より「山頂」という感じですね。
この山はやはりクルマがないと辛かったと思います。
貴重なアドバイス、ありがとうございました。
-
- アルデバランさん 2016/09/15 09:13:46
- 根子岳に反応…
- 琉球熱さん こんにちわ
菅平に職場の山の家があって、40年前から毎年スキーに行ってました。
夏休みに大量の本を持ち込んで畳の部屋で寝っ転がって過ごしたことも…
スキーに行く時、最奥の菅平牧場ってタダで駐車できる穴場でした(^^;
百名山だし夏は山の家の近くに登山口があったし、冬は奥ダボスからスキーを担いででも何時でも行けると思ってましたが、10年前に山の家は処分してしまいそれっきりです。
頂上からは東西南北、さぞかし絶景だろうなと思いますが、ガスがちょっと残念でしたね
今回琉球熱さんの報告で夏の山の様子がよく分かりました。
- 琉球熱さん からの返信 2016/09/15 23:57:49
- RE: 根子岳に反応…
- アルデバランさん、こんにちは
投票&書き込み、ありがとうございます。
40年前とは、菅平の大ベテランですね。
今は、もっぱら「ラグビー合宿のメッカ」のような町になってますよ。
夕方ともなると、妙にガタイのいい若者がぞろぞろと歩いています(笑)
根子岳山頂は眺めが良さそうです。晴れていれば、の話ですが。
笹原に覆われたあの斜面、なんとも言えず美しいです。
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