バルト三国を中心に8ヶ国周遊GW個人旅行 11（キエフ）

2016/05/03 - 2016/05/03

去年のGW旅行で春のヨーロッパに魅了されて、個人的には過去最速の出発10ヶ月前に航空券を手配しました。初めはバルト三国＋フィンランドくらいを予定していたんですが、今年のGWは少し多めに有給をとれば半月休める日程だったので、ここぞとばかりに欲張りまくりました。

スカンジナビア航空　コペンハーゲン経由ヘルシンキINワルシャワOUT…91,930円

元々はヘルシンキ深夜到着ワルシャワ早朝出発の予定だったんですが、11月に旅行会社からコペンハーゲン以遠の2便運休の連絡があり、都合良くマイルドな時間帯の便に変更になりました。
しかし喜んだのも束の間、1月にはさらにワルシャワ→コペンハーゲンの土曜便が運休となり日程が1日短くなってしまいました。日付指定のベラルーシビザを取得した後だったので、ワルシャワ滞在を1泊減らすはめに。

4/23（土） 成田→ヘルシンキ
4/24（日） ヘルシンキ→タリン
4/25（月） タリン
4/26（火） タリン→リガ
4/27（水） リガ
4/28（木） リガ→シャウレイ
4/29（金） シャウレイ→カウナス
4/30（土） カウナス→ヴィリニュス→トゥラカイ→ヴィリニュス
5/01（日） ヴィリニュス
5/02（月） ヴィリニュス→ミンスク→キエフへ
5/03（火） キエフ
5/04（水） キエフ→ワルシャワへ
5/05（木） ワルシャワ
5/06（金） ワルシャワ→コペンハーゲン→成田へ
5/07（土） 成田

フェリーと国際バスは事前に手配しましたが、国内バスと国際列車は出来なかったので現地で手配します。

ヘルシンキ→タリン（TALLINK SILJA LINE）…36EUR（4,698円）
タリン→リガ（ECOLINES）…7EUR（904円）
リガ→シャウレイ（ollex）…11.50EUR（1,489円）

エリア キーウ (キエフ)(ウクライナ)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

気が付いたらウクライナの入国審査を受けないまま朝になっていました。あれ？私が寝てて気付かなかった訳じゃないよな。
寝台は、下段は全部埋まってるけど上段は全部空いてる程度の混み具合。しかし敢えて上段に寝ている長身の男が1人いて、通路を通る際に靴下を履いたままの足が顔の高さに突き出していて不快でした。リンボーダンス並みに必死で避ける。この寝台に乗って初めて感じたけど、西洋の人って裸足になるの嫌なんだろうか？足を見たのは男性ばかりだけど皆靴下を履いたまま。感覚的に裸足の方が無作法？不潔？
私はもちろん靴下を脱いで、一日歩き回った足をウェットティッシュで綺麗にして快適に過ごしました。周りの様子を見て裸足は印象悪いのではと思い、なるべく足が見えないように布団に仕舞って寝たけど。真冬でも自宅では裸足派の私からすると、一日履いた靴下で布団とかマジ無理だわ。ちなみに分厚い敷布団があるので、寝台はフカフカで快適でした。かなり揺れるけど。
コンパートメントもカーテンもない寝台ですが、テーブルがあるお陰で隣の人は足元しか見えず快適。しかしサイドベッドのおっさん（なんとなくアメリカ人っぽい）がパンツになって着替えるのは不快でした。夕べ隣の寝台にベラルーシ人女性がまだいる時だったけど、お互いにさり気無く視界に入れないようにしているのが分かって面白かった。

ゴロゴロして寝たり起きたりを繰り返していましたが、7:30を過ぎると皆起きて顔を洗いに行ったり（夕べシーツと一緒にタオルも配られていました）、ベッドを片付けたりし始めました。偉いなあ、私は朝だろうが昼だろうが寝台がある限り寝ていたいけど。周りよりだいぶ遅れてベッドを片付けると、間もなく車掌がシーツを回収にやって来ました。
ヴィリニュスで買ったパンと水で朝食。手持ちの水が尽きた。

定刻の8:52ぴったりにキエフ駅に到着したようですが、周囲の乗客が席を立つ気配がありません。このまま車内で入国審査が行われるようです。
ウクライナ入国も至って穏やか。係官は笑顔で、質問もありませんでした。荷物検査はあったかな？あってもガバッと開けて終了くらいだったと思います。

待っている間は向かいのホームをぼんやり眺めて過ごしました。間もなく、隣の線路にモスクワ発キシニョウ行きの寝台列車が滑り込んできました。モルドバかあ、ブルガリア・ルーマニアに行く機会があったら一緒に行こうと思っていますが、ロシアとセットで行くのもありなんですね。

結局列車の外に出たのは、到着してから30分後くらいでした。急いでないから全然良いよ。

大きくて立派、ミンスク中央駅と違ってレトロな内装のキエフ旅客駅。

まっすぐチケット売り場へ。明日のワルシャワ行きのチケットを購入します。適当な窓口に行ったら、英語が話せるスタッフがいる隣の窓口に回されました。助かる。

窓口の女性に、ヴィリニュスのチケットオフィスでも見せた自作のメモ（出発日、出発地と目的地、出発・到着時刻、列車番号、Sleeper）を見せると、頷いてパソコンを操作し始めました。あまりにすんなり一切質問されることなく伝わったので、逆に心配になって「トゥモロー？」とこちらから確認してしまいました。
あっさりチケットを購入できそうでしたが、窓口にビザやマスターのステッカーが貼ってあるにも拘らず現金払いのみ。待ってて、両替してくる！とチケットオフィスの向かいにある両替所の列に並んだものの、チケット代がいくらだったか忘れて再び窓口へ。紙にチケット代をメモして貰いました。

100EUR両替して2,770ウクライナグリブナ（＝12,800円、以下UAH）。1UAHは4.6円くらいか。両替にはパスポートとサインが必要で、レシートには出入国印のような立派なスタンプが押されます。なんだか厳重。
残ったBYRも両替したけど、レート滅茶苦茶！！売りと買いで3.5倍！ミンスク駅にあったレート表と併せて見れば分かる通り、お互いにお互いの国の通貨だけレートがおかしい。これを見たらなんとなく、ウクライナ・ベラルーシ両国は仲が悪いというよりは『お互いに相手がダメなことをよく分かっている』印象でした。
ちなみに100BYR札は両替を断られてしまいました。ですよね、日本円で0.6円くらいだもん。

チケット売り場に戻り、さっき行った窓口に客がいたので並んでいたら、こんな所まで入り込んできたらしい物乞いのおっさんにしつこく付き纏われました。今旅で廻ったエリアはどこに行ってもロマらしき物乞いがいたけど、キエフ駅周辺の物乞いは一味違う。積極的に営業を掛けてきます。しかもどいつもこいつも何故か偉そう。このお金で今からチケットを買うんだよ、見たら分かるだろうが。つーかなんでそんな上から目線なんだよ。どういう思考回路してたら、この状況とあんたの立場とその態度で「は？何でくれないわけ？」って本気で不思議そうな顔が出来るわけ？

明日の夕方発のキエフ→ワルシャワ寝台列車のチケットは2,362UAH（約10,866円）。高ーい！けど事前情報で高いというのは知ってた。

一仕事終えて駅のベンチで休憩。ここからホテルまでの移動には階段があると思うので、2WAYタイプのキャリーをバックパックにして背負いました。夕べ爆買いしたチョコレートが重い！！
待合室にカップコーヒーの自販機があったので、物価の参考にしようと価格を見てみたら5～8UAH（約23～37円）、安い。

キエフもミンスク同様、駅を一歩出たらタクシーの運転手が声を掛けてきましたが、どちらも断るとそれ以上しつこくされないので好印象でした。

キエフは本格的に暖かく、ダウンもどころかカーディガンもいらない。キエフにいる間は、屋外ならどこに行っても何かの綿毛が舞っていました。

駅前はこんな感じ。空港行きのマルシュルートカ（ミニバス）が大声で客引きをしていました。

駅を出て左手に進むと地下鉄駅があります。道中にはコンビニのようなお店やケバブ屋が並んでいました。水を買いにコンビニへ。ノンガスは「ニェー（ロシア語のNO）ガス」でも通じるようです。500mlで14UAH（約65円）、自販機コーヒーと比べるとだいぶ高い。

地下鉄駅は右の丸い建物。

駅前の地下鉄駅は、そのまんまの名前のヴァグザーリナ駅。

ミンスクと同じく、窓口でジェトンを購入します。4UAH（約19円）、やっすい！！

窓口販売だけでなく、ジェトンを5枚まとめて購入できる自販機がありました。これはミンスクでは見なかった。

色々な面でミンスク地下鉄と似ているキエフ地下鉄ですが、ホームは比較にならないくらい深い所にあります。ブダペストの地下鉄を思い出したけど、キエフの方がさらに深いかも。エスカレーター長い！！

車体はミンスクと違ってくすんだ色合い。でも激混みな所は同じです。運賃安いですもんね、市民の足ですよね。

キエフ地下鉄路線図。ウクライナ語の駅名ががキリル文字・ラテン文字両方で書かれていて分かり易い。

ヴァグザーリナ駅から3駅目のフレシチャーチク駅で乗り換えて、マイダン・ネザレージュノスチ駅を目指します。

バックパックが重すぎて、フレシチャーチク駅のベンチで暫しくたばる。
その後案内板に従って長い通路を歩き、6分程で別のホームに出たと思ったら…

あれ？ここがマイダン・ネザレージュノスチ駅だ！徒歩で着いちゃったよ。

上の写真の案内板は2号線のホームを示してるんじゃなくて、マイダン・ネザレージュノスチ駅自体の場所を示してたのか。

地下街にはお店が沢山並んでいました。この陳列、見てるだけで楽しい。

観光客向けの土産物屋さんも…っておーい！！プーチンの顔がプリントされたトイレットペーパーッ！！！！（爆笑）いや笑えないよ、恐ろしいわ！製造元とかお店とか大丈夫か？心配だ。
しかしこの写真のプーチン、見たことないくらい善良そうな表情をしているのが何とも言えない。もっと悪魔みたいな表情の写真いくらでもあるべ…恐ろしすぎると実用に向かないからかな。
しかもよく見たら横のマグネット、ファックプーチンって…恐ろしすぎて英語で書けません。ロシア入国時に手荷物検査でこれらが見つかったら一体どうなるんだろう。その場では何も御咎め無しかもしれないけど、それからずっと密かに監視されてるような気分になりそう。

これを見るまで考えたこともなかったけど、やっぱりウクライナ人はストレートにプーチンが大嫌いなんですね。当然だ、クリミア半島取られちゃってるしな…。

重いバックパックのせいでフラフラになりながら階段を上り、独立広場（マイダン・ネザレージュノスチ）に出ました。ここがキエフの中心です。
広場の北側にはいかにもソビエト的な建物が並んでおり、そのうちの1つが私が予約しているコザトスキーホテル。

チェックインは13時からですが、今はまだ11時過ぎ。レセプションの女性スタッフは笑顔で親切で、「荷物を預けるならあちらで」と先回りして案内してくれました。荷物預り所にも受付と担当の女性がおり、この方もとても親切。荷物部屋の入口の段差に私が躓かないように凄く気を配ってくれました。2か所にサインする専用のカードを半分に切って片方を荷物の上に置き、もう片方を渡してくれます。

1Fのトイレを借りて日焼け止めを塗り直し、ダウンもカーディガンも置いて外へ。今日は半袖の陽気、20℃。

独立広場はフレシチャーチク通りを挟んで南北に広がっています。ホテルがあるこちらが北、ウクライナ独立記念碑が建っているのが南。
北側のこちらは地下街の明り取り窓のドームや街路樹があちこちにあって狭く感じ、あまり広場という感じがしませんでした。

2014年ウクライナ騒乱でこの一帯が焼け野原になったなんて信じられない。たった２年しか経っていないのに、今は綺麗に直されていて平和そのものです。でも左の工事中の建物は、炎上している写真を見た。

チェックインまではあまり遠くに行かず、どこかでお昼を食べようと思います。

独立記念碑の後ろの建物はウクライナホテル。ああ見えて宿泊費が安く、3,000円ちょっとで泊まれるのでかなり迷いました。

お、中央郵便局。切手買っておこう。20UAH（約92円）。

もっと左手に正門らしき入口がありましたが、ここからでも買えました。

ウクライナといえば美女。旅行前から密かに楽しみにしていましたが、最終的な感想は「モデルや女優になるような人はやっぱり特殊なんだな」でした。平均的に美しい方が多いですが…多分私はヘルシンキからここまでで美女を見慣れてしまったんでしょう。

しかしスタイルが凄い人が多い！この方なんか滅茶苦茶細いのに太ももと頭の幅が同じくらいなんですけど！華奢なのに首が太く肩幅が広く見えるくらい、頭が小さい。

フレシチャーチク通り沿いにはアイス屋さんが沢山ありますが、中央郵便局前のこのお店はいつでも大人気でした。全く同じチェーン店？は他にもあるんですけどね。

この日（5/3）は何かイベントがあるようで、独立広場周辺のフレシチャーチク通りは車両進入禁止になっていました。何やら市民がその場で絵を書いて、コルクボードに留めていきます。

フレシチャーチク通りの歩道には、こんな感じでお店が並んでいました。

凄い建物！　…あっ！アーチの先に見えるのは…

プザタ・ハタ！ウクライナ料理のセルフサービスレストラン。チェーン店だけどここ行きたかったんだ〜！

この頃にはなんだかキリル文字が読めるようになってきていて、丸い看板を見た瞬間にプザタ・ハタだと分かりました。まあ文字数がそのまんまだったからというのが大きいんですけど。

驚いたことに、システムは勿論内装までミンスクのリドと瓜二つでした。関係があるのかな？

セルフサービスはついあれもこれもと取りがちですが、リドの経験を生かして欲張りません。コップに注がれた状態で棚に並んでいるドリンクは、ヴィリニュスのクヴァスの経験を生かしてちょっと嗅いでから選びました。案の定、見た目はウーロン茶だけど匂いがドえらいドリンクがあったので嗅いで正解。クヴァスかな？

クランベリージュース（多分）、ボルシチ、キエフ風カツレツ、それと鳥の手羽元。欲張らないのはいいけどサラダまで端折って野菜っ気がない。
全部で63UAH（約290円）。グリブナが日本円でいくらなのかいまいち理解し切っていなかったので、今日本円に計算したら安くてびっくりしました！

ボルシチもキエフ風カツレツも有名な料理ですが、初めて食べます。
キエフ風カツレツにナイフを入れたら、溶かしバターがビューッと飛び出してきました。うわあ凄い量！手羽元が水没した！（笑）細かいパン粉で揚げたさっぱりした鶏胸肉。バターたっぷりだけど、流れ出してしまうせいか全く脂っこくなくて美味しい！
ボルシチは思った以上にピンクでした。ビーツは具材としても入っており、少し酸味があります。間違いなく美味しい。手羽元は照り焼きっぽくてびっくり！

綺麗に完食して大満足。また来ようと思いましたが、嵌り過ぎてここ以外のレストランに結局行かないことになるとは思いませんでした。

フレシチャーチク通り沿いには両替所がちらほら。私が両替した駅構内の銀行も含め、どこの両替所もレートが全く同じでした。

…改善？　ちなみにカフェ。

フレシチャーチク通り周辺は1940年代初めに焼失し、後にスターリン様式で建て直されました。大きくてソビエト的な建物が並んでいます。凄い彫刻！

本屋さん。

道行く人が皆アイスを食べているので私も食べたくなりました。実はアイスを食べるために、プザタ・ハタでデザートを食べないでおいたんだ～。

ピスタチオのアイス、12.75UAH（約59円）。ナッツが入っていて、ほんのりブランデー？ラム酒？が効いていて美味しい。

似顔絵描き。

高さ52mのウクライナ独立記念碑は、独立から10周年を迎えた2001年に完成しました。
テマリカンボクの枝を持った12mの女性像が頂上に建っています。

地理的にEU圏とロシアに挟まれているウクライナは、政権交代する度にロシア側につくかEU側につくかで右往左往していましたが、ロシア寄りの姿勢を見せてEUとの政治・貿易協定の調印を見送ったヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領に対してEU派の市民が激怒。退陣を求める抗議デモが、2013年末から昼夜を問わず行われていました。
2014年2月18日、ずっと膠着状態だったデモがとうとう暴動に発展。治安部隊はゴム弾と実弾、催涙ガスや閃光手榴弾を使用し、対するデモ隊は手製の武器、猟銃、火炎瓶、足下の石畳から剥がした石を投げる等して対抗しました。

結果、ヤヌコーヴィチ大統領は亡命に追い込まれました。この騒乱で13人の警察官を含む82人が死亡し、1,100人以上が負傷したそうです。

今旅で廻った他の町とキエフとの決定的な違いは、観光客相手の詐欺師がわんさかいる所です。

ミニオンズだ！と喜んだら相手の思う壺、悪名高い独立広場の着ぐるみ男（達）。ウサギとか熊とか着ぐるみは色々ですが、観光客と見るや愛想良くやって来て写真を撮るように言ってきます。撮ったら勿論お金を請求されるらしい。

フレシチャーチク通り沿いには他にも鳩や猿を連れている輩がいて、肩に乗せて写真を撮るよう誘ってきます。そういう詐欺は知らなかったものの怪しいし、そもそも興味ないので勿論断る。しかし歩いていたら、後ろからいきなり肩に猿を乗せられました。猿は猫くらいの重さで大人しく可愛かったけど、無理矢理すぎて嫌だったので「助けてくれー」と日本語で喚いたら、乗せた野郎が「マダム、リラックス」とか言ってきました。何の前触れもなく肩に猿を乗せられて落ち着いている奴があるか。しかもこれ多分お金を請求してくるパターンのやつでしょうが！

こういう輩は必ず最初に「英語を話せますか？」と尋ねてくるので、もう私は「話せない」ことにしました。
独立広場は落ち着いて歩き回れなくて面倒臭かったなあ。前方に着ぐるみや鳩を持った輩がいたら、声を掛けられないように大きく迂回して進みました。独立広場といっても詐欺師がいるのは南側だけで、ホテルがある北側は大丈夫です。尤も詐欺師は大丈夫でも、北側の方がうらぶれた雰囲気で治安悪いのかもしれませんが…。雰囲気自体は南側の方が明るい。

南側の独立広場の噴水の中に建っている、伝説のキエフの創始者達の像。かっこいい！！

キィ、シチェク、ホレフの三兄弟と妹のルィビジ。

南側から見る北側の独立広場。似たような建物が居並ぶ様が壮観です。コザトスキーホテルは右から2番目。

ちなみに北側の方が歴史が古いらしい。18世紀以前のこの辺りは「山羊沼」と呼ばれる湿地で、広場として整備されたのは20世紀初頭以降、ソ連時代になってから。2000年に大規模な改修工事が行われ、地下にショッピングモールが出来ました。

独立広場の東。通りの奥に見えるアーチは展望台。Friendship of Nations Archというらしいけど何故英語？

工事中の建物は騒乱の名残り。

独立広場の西。中央郵便局はこんな立派な建物です。

Wikipediaの『2014年ウクライナ騒乱』のページでは、このアングルの見渡す限りを群衆が埋め尽くしている写真が見られます。

騒乱の犠牲になった方々だろうか…。

その後ろのアーチは、かつてこの場所にあった中世の城壁の門、ペチェルスキエ門のミニチュア。てっぺんに建っているのは、町のシンボルでもある大天使ミハイル（ミカエル）像。

木陰に献花のようなものがありました。

独立広場の北に延びる道は、どれも上り坂です。

広場のすぐ近くなんだけど…これって大丈夫なマッシュルームか？

ホテルに戻って13時ちょうどにチェックイン。朝食会場は2Fで7:00～11:00、チェックアウトは12時。
ソビエト時代の建物だそうで、廊下やエレベーターホールが薄暗くて変わった造りのホテルでした。

Hotels.comで予約して、バストイレ朝食付きで3,301円。テレビのチャンネルが多いのが良いねえ。入口の近くに冷蔵庫もあります。

バスルームは何というか、「田舎のお爺ちゃんち」みたいな雰囲気。洗面台とバスタブの蛇口が共通で、左右に振れるタイプ。バスタブには栓は無い。老朽化してるけど普通。そしてタオルや洗濯物を干せる熱いパイプがありました。

シャワーを浴びてさっぱりし、バックパックを整理。ミンスクで買ったチョコレートを綺麗に詰め直したら、パンパン過ぎて裂けないか心配だったバックパックに少し余裕が出来ました。

ああ眠い、けど寝てる場合じゃない。観光に出掛けます。

歩き方の情報によると、ドニープロホテル前のバス停からペチェールスカ大修道院へ向かう24番バスに乗れるそう。
実際行ってみると、ホテルの前というよりはだいぶ裏側（修道院がある方向）の離れた所にありました。

バス停の向かいに見えたおっかない横断幕を、道行く市民が熱心に眺めていました。何だろうこれ…真ん中はプーチンじゃん。指名手配？

バス停は混雑していましたが、目当ての24番バスが意外となかなか来なくて20分くらい待ちました。

運賃は3UAH（約14円）。ヴィリニュスやカウナスと同じく運転手に直接払いました。

10分程でペチェールスカ大修道院の入口に到着。

バスを降りたところで、同じバスに乗っていたシンガポール人カップルに声を掛けられました。リガに続いてまたシンガポールの方！標準装備で英語が話せるから外国旅行をしやすいんでしょうね。私と殆ど同じルートで旅行されているそうです。
「お一人なんですか？」と驚かれていつもはそれが誇らしいんですが、今回はそうですと答えるのがなんだかちょっと恥ずかしく、淋しく感じました。こんな所まで一緒に来られる相手がいるのが羨ましい。

えーと…チケットの種類が色々あってどれを買っていいのやら。結局一番安い、敷地内に入るだけのチケットを購入しました。20UAH（約92円）。このチケットだけでもいくつかの教会に入れました。というか入口でチケットチェックとか無い。

ペチェールスカ大修道院は1051年、ギリシアの僧アントニオスとフェオドスィが洞窟で修道生活を営んだことから始まりました。洞窟（ペチェーラ）がそのまま、修道院の名前の由来になっています。無神論を奉じるソ連時代は博物館になっていましたが、現在はロシア正教ウクライナ支部の総本山になっています。
敷地は北側の「上の修道院」と南側の「下の修道院」に分かれており、上には博物館や主な教会が、下には洞窟と地下墓地があります。

バス停の目の前、上の修道院の入口にあるのは聖三位一体教会。院内の殆どの教会は18世紀にウクライナ・バロック様式で建て直されたそうですが、この教会だけは12世紀の姿を留めています。見所は壁面を埋め尽くす18世紀のフレスコ画とイコン。

聖三位一体教会のアーチをくぐると、高さ96mの大鐘楼が目の前でした。

中庭にはミラーボールのような巨大卵が。

そしてお店が色々出ています。これは多分、蜂蜜を使った蝋燭や石鹸。
こういう土産物らしいものは分かるんですが、普通に日用品とか服を売るお店もありました。現役の修道院でありウクライナ屈指の観光地でもあるはずなのに、生活感と市民の活気に溢れています。

上の修道院の真ん中に建っているのは、キラキラのウスペンスキー大聖堂。修道院の主聖堂として11世紀に建てられ、2000年に再建されたものです。
第二次世界大戦中の1941年11月3日に何者かにより爆破されたそうですが、現在でもナチスドイツ軍とソ連軍どちらの仕業だったのか議論が続いているそう。

同じ名前の寺院がヘルシンキにもありましたね。ウスペンスキー大聖堂、生神女就寝大聖堂。聖母マリアの永眠を記念する正教会の教会です。

中に入れましたが、とても写真を撮れる雰囲気ではありませんでした。熱心な信仰の場です。スカーフも被りましょう。
スカーフを被ると自分も敬虔な気持ちになりますが、他の人の真似をして十字を切るのは私には無理だ。有難い気分になったら手を合わせたくなるものなんだなあ、日本人は。

トラペズナ教会。修道院の創始者である聖アントニオスと聖フェオドスィを祀り、19世紀後半に建てられた比較的新しい教会です。

トラペズナ教会の横には、1911年にキエフ市立劇場（現在のウクライナ国立オペラ・バレエ劇場）で暗殺された帝政ロシアの首相、ピョートル・ストルイピンのお墓があります。

ペチェールスカ大修道院はドニエプル川沿いの森の中にあり、修道院の敷地内も緑豊か。今更ですが、キエフの木はもう葉がすっかり茂ってる。だいぶ南下して一気に季節が進みました。

藤の花？蔓じゃなくて立木だし違うのかな。

イースターエッグが沢山結び付けられている木もありました。

上の修道院の高台から、下の修道院が見渡せます。

おおっ、なんだあれは。修道院の南にある、大祖国戦争歴史博物館のモニュメントらしい。

十字架昇天教会。

ドニエプル川。その向こうのビル群が凄い、キエフって大都会なんだなあ。

ミンスクの聖霊大聖堂に、キエフで川に投げ込まれたものがミンスクに流れ着いたという『ミンスクの聖母』というイコンがありました（私は結局見てないけど）が、それってペチェールスカ大修道院にあったものなのかなあ。川近いし。
そして今気が付いたけど、ドニエプル川はロシアからベラルーシを経てウクライナに流れ黒海に注ぐ川。ミンスクはキエフの上流だ。キエフから上流のミンスクに流れ着くとはこれ如何に。そういうありえない事が起こったから「奇跡を起こす」イコンだと言われているのか。

高台の入口にも土産物屋が並んでいました。

坂を下って下の修道院へ。

黒い法衣を着て金色の十字架を下げた修道士の姿を何度か見かけました。凄く神聖な雰囲気。

そんな修道院内には、なんとレストランや土産物屋の建物も並んでいます。まさに俗と聖が入り混じっている。

かなり長い急坂を下ります。

なんて鮮やかな紫！

道が二手に分かれていて、真ん中に像が建っていました。お2人いらっしゃるということは、修道院創始者の聖アントニオスと聖フェオドスィ？

花壇のチューリップの種類がバラバラなのが素晴らしく綺麗でした。

下の修道院には、長い時間をかけて代々の修道僧が彫り続けた地下洞窟が縦横に張り巡らされています。僧たちの遺体はそのまま洞窟内に葬られ、自然にミイラ化しました。それらの遺体は人々の篤い信仰の対象です。
長さ約1.5kmの『近い洞窟』と約300mの『遠い洞窟』があり、内部には無数の礼拝所や遺体安置所があるそう。観光客もその一部を見ることが出来ます。

洞窟は剥き出しではなく、十字架昇天教会の中に『近い洞窟』の入口があるようです。私は入りませんでした。

十字架昇天教会の前は広場になっています。イエス生誕の場面を再現しているジオラマもありました。

家族で何を眺めているのかな？

私も覗き込んでみると、下にさらにもう一段ありました。左の建物がアンナ受胎教会。『遠い洞窟』の入口です。

さっき下り坂の途中にあった聖アントニオス・聖フェオドスィ像の両脇の道を左に進むと近い洞窟に、右に進むと遠い洞窟に着きます。

十字架昇天教会の裏手には、住宅街のように建物が並ぶ一角がありました。修道僧たちはこういう所に住んでいるんだろうか。

花で作られた「X」が飾られていました。

手持ちの水が尽きたので修道院内の売店で購入したら、うっかり苦手なガス入りを買ってしまいました。蓋の色が駅前で買ったガス無しと同じだからこれもそうかと思ったのに〜！ガス入りトラップに引っかかるのは今旅初、しかも1.5リットル、しかもかなりの強炭酸！　9.5UAH（約44円）。

すぐに別の売店でガス無しを買い直しました。500mlで6UAH（約28円）。

再び坂を上り、下の修道院と上の修道院の間にある道を通って敷地外に出ました。そこから城壁沿いに歩いて三位一体教会の前まで戻り、バスに乗って帰ります。
もう眠くて限界。見学中も意識が飛びそうでした。

帰りのバスは混雑していて運転席まで行けず、運賃の支払いをどうしたらいいんだろうと困っていたら、私服の女性車掌が車内を廻って乗車賃を回収していました。回収した運賃兼お釣りの札束を握っている以外は他の乗客と見た目同じなので戸惑いますが、お金を払うとウエストポーチから切符を出して渡してくれます。

17時前にはドニープロホテル前のバス停に戻ってきました。

ウクライナとポーランドで開催されたUEFA EURO 2012の記念のモニュメントかな。

フレシチャーチク通り沿いを歩いていたら、観光客用の2階建てバスが停まっていました。今日は暖かいから2階も快適でしょう。

独立広場の前には、ミニオンズデザインらしき車が停まっていました。それともウクライナの国旗カラー？

凄ーい、面白い噴水！と観光客向けの白馬。

！！！！！！！！！！！！！！

只今の気温、29℃！！！！！！！！
本当に？！湿度が低くて爽やかなので、長袖でも快適です。

これが間違いなく今旅の最高気温でしょう。最低気温はマイナスだったと思うので、この2週間で体感した気温差は実に30℃！

本日歩行者天国のフレシチャーチク通りは、何かお祭りが始まるのかじわじわと盛り上がりを見せている雰囲気でした。

甘いものと肉が食べたくなり、再びプザタ・ハタへ行って目当ての物だけ購入。たまたまさっきと同じ63UAH（約290円）。

ポークソテーの味付けは塩胡椒で、自分で作るのと同じ味。今旅ずっと手に入りそうで入らなかった肉！という食感に満足。
ケーキは蜂蜜味でめっちゃ美味しい！疲れが取れる優しい甘さ。

コルクボードに貼られた市民の絵。コンセプトはあるのかな…でも国旗や国章をデザインした絵が多いようです。

ホテルチェックイン後に独立広場下の地下道を歩いている時に、中欧でよく見たスーパーBILLAを発見していたので再捜索。ホテルの目の前の階段から地下に入るとすぐなんだけど、別の階段から入って地下から探すのは難しいな。迷宮のような地下街を、何度も同じ所を歩きながら探し回りました。

もうこの陳列本当好き。ショーウィンドウに直接仕切りがあって剥き出しの商品が入れてあるなんて、発想が凄すぎる！

結局BILLAは地下通路ではなく、地下のショッピングモールの中にありました。

今夜消費する分だけを購入、47.20UAH（約218円）。

水は売り場で1本1本ラベルをよく見ながら慎重に選びました。色々な商品を見比べた結果、ガス無しかガス入りかの表記は、このラベルだと左下の文字だろうと判断。どの商品にもこういう単語が書かれています。始めに「Het（ニェート、ロシア語のNO）」が付いているのがガス無しだろう！これが正解、冴えてる！ちなみに売り場を見ると、ガス入り方のが圧倒的に多数派のようでした。

売り場でケフィールと牛乳の区別がつかず、悩んだ末に牛乳のつもりで買った紙パックはケフィールでした。あー、そう言われると確かにそんな感じの綴りだね。誰だキリル文字が読める気分になっていた奴は。

カッテージチーズのチョコ包み、スィエリンシュはウクライナにもありましたが、これまでの国と違って土台にクッキーが付いていました。味は初めてスィエリンシュを食べた時と同じ感想。そのまんま、カッテージチーズとチョコレートとクッキーを一緒に食べた味。これも普通のスィエリンシュと同じく、何度か食べたら嵌るのかもしれません。この時しか食べる機会がなかったけど。

テレビを見たりネットをしながら部屋で過ごし、仮眠を取ってから夜景を見に行くつもりでしたが、一度寝たらぐっっっすり過ぎて起きられませんでした。

この旅行記へのコメント （4）

• 華夏さん 2017/02/09 21:47:55

  こんばんは。

  ３月にキエフに行きます。同じホテルに泊まります。参考になりました。
  鳩で写真は、聞いたことありますが まさか猿！(◎_◎;) 気をつけなくてはいけないですね。
  お土産のお勧めありますか？
  まだ、色々お聞きしたいことがあります。

  susuさん からの返信 2017/02/09 22:37:50

  RE: こんばんは。

  華夏さん、こんばんは！
  コザトスキーホテルに宿泊されるんですね。私もお気に入りのホテルなので
  来月行けるなんて羨ましいです。またあの朝食が食べたいなあ。
  キエフで注意すべきは独立広場南側くらいなので、そこの詐欺師にだけ
  気をつければ大丈夫だと思います。実際写真を撮ってしまうと豹変するらしいですが、
  それまではニコニコ話しかけてくるだけなのでスルーすれば問題ありません。
  
  私はキエフの前に行ったミンスクでお菓子を大量買いしてしまったので、
  キエフでは特にお土産を買わなかったんですが、ベラルーシ以上に物価が安いので
  スーパーやショッピングモールでの買い物が楽しいと思います。
  観光地周辺や独立広場の地下道には観光客向けの土産物屋さんや、
  地元の方のハンドメイドらしき商品（石鹸や絵画など）も沢山ありました。
  
  お力になれるか分かりませんが、私で良ければ何でも聞いてください。
  
  susu

  華夏さん からの返信 2017/02/09 23:02:46

  ありがとうございます(^^)

  お返事、ありがとうございます。
  
  今回、甥の付添い（護衛）(^^)で行きます。
  ウクライナの憲法・法律の本を購入が目的です。
  本が見つかれば 後は観光になる予定。
  甥は、少しだけウクライナ語を話せますが
  私は、全く分からず...最低限の言葉だけでも
  覚えて！と言われました。（もう、歳なので
  すぐに忘れてしまいます）
  
  どうしても心配性で、バッグはどうしよう？
  スマホは？要らぬ心配ばかり。
  
  空港からホテルまでの交通手段と
  ホテルに荷物を預ける時には 何と
  言ったらいいのでしょう？
  
  Ｑ＆Aにも投稿しました。
  
  もし、ご迷惑でなければ直でメールしたいのですが。
  

  susuさん からの返信 2017/02/09 23:42:19

  RE: ありがとうございます(^^)

  本の購入のためのご旅行ですか！凄いですね。
  私はそんな明確な目的のある旅をしたことがないので尊敬します。
  本屋さんの目星はついているのでしょうか？
  独立広場のすぐ近くにも大きい本屋さんがありましたね。
  
  私はキエフの空港を利用していないので、実際の車や
  ガイドブックなどを見ただけの情報ですが、
  ボリスピリ空港（キエフ空港も）〜キエフ旅客駅間はミニバスが運行しています。
  キエフ旅客駅〜コザトスキーホテルまでは地下鉄で。
  しかしお２人での旅行なら空港からタクシーに乗ってしまうのも
  ありなのかもしれません。
  
  私はウクライナ語もロシア語もさっぱりですがなんとかなりました。
  コザトスキーホテルはもちろん英語が通じます。
  私の英語力もかなり低いので恥ずかしいのですが、荷物を預ける場合は
  自分ならフロントに行って
  Could you keep my(our) baggage?
  と言います。コザトスキーホテルは専用の荷物預りカウンターがあるので
  そこに誘導されると思います。常駐しているスタッフが荷物を預かって
  倉庫に入れ、半券を渡してくれます。
  言葉が心配ならスマホに翻訳アプリを入れていくといいと思います。
  
  バッグは地下鉄に乗るなら大きなスーツケースだと厳しいかもしれません。
  運賃が安いだけに車内はかなり混んでいましたし、階段しかない所も結構あります。
  もし荷物が大きいならタクシーの方がいいかもしれませんね。
  
  ああ、どんどん返信が長くなる（笑）メールフォームからぜひどうぞ。
  
  susu