2015/12/12 - 2015/12/12
7141位(同エリア23014件中)
yazzさん
カオサン通りから北へ1キロ程のところにある植木市場で有名な街テウェート。以前、観光に便利な拠点としてお勧めした街だが、ここに元五つ星ホテルで修行を積んだシェフが腕を振るうユニークなイタリア料理の屋台がある。その名は「ラーン・クック・チョム(ร้าน กุ๊กชม):コックのチョムさんのお店」。タイや日本のメディアでも何回も取り上げられている超有名店なので既にご存知の方も多いと思うが、私はこれまで利用する機会がなかった。
今回は、ここテウェートに宿泊したわけではないのだが、昨晩、友人に紹介してもらったシーフード・レストランで油っこくないプーパッポンカリーを食べた時に、ソンクラーンのときに休みで食べられなかったテウェートにある美味しいカオソイ(チェンマイ名物カレー・ヌードル)のことが脳裏にふと浮かんだのだ。カレーの連鎖と言ったらよいのだろうか(笑)。
よし、じゃあ行ってみようと街をぶらつきながらテウェートへ向かったのだが、途中、いろいろと寄り道したせいか辿り着いたのは午後6時ごろ。夕食時でちょうどいいかなと思っていたのだが、なんと売り切れで既に閉店していたのだ。
が〜ん!ショック。前回に続いて今回も食べることができなかった。と嘆いてもどうにもならない。この日は歩き回ったのでお腹もペコペコ。代わりのお店を探さなければ・・・と夕暮れのテウェート市場を歩いていると、そうだ「ラーン・クック・チョム」があるじゃないかと思い出したのだ。
いつもタイ料理ばかり食べている私だが、よし、今日は屋台のイタリアンに挑戦してみようと、お店のあるテウェート・ピアへと向かったのだ。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 船 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ラーン・クック・チョムはテウェート・ピアのすぐ右脇という一等地にある(ピアから見るとすぐ左側)。見た目はこんな感じでかなり年季が入った普通のおんぼろ屋台と変わらない。知らないと通り過ぎてしまう程目立たないのだ。
屋根上の看板もタイ語のみで、まさかここでイタリアン料理が食べられるとは誰も思わないだろう。ラーン クック チョム 露店・屋台
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軒下の看板には、小さく「COOK-CHOM-RESTAURANT」、「STEAK」と小さく英語でも表記されているので、よく見ると他の一般屋台とはちょっと違うと気付くだろう。
ラーン クック チョム 露店・屋台
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メディアでは屋台と紹介されているが、このようにテーブルと席を備えた建物があるので屋台風の食堂というのがより正確だ。ちょうど夕食時だけあって、メインのフロアはお客さんで満席だった。
ラーン クック チョム 露店・屋台
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が、一人だと言うと「チャオプラヤー川沿いの景色が堪能できる席がちょうど空いたところだから、どうぞ」と一段高い特別席へ案内された。
こちらその席からの眺め。夕暮れの川辺が望めていい感じ。ラーン クック チョム 露店・屋台
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さすが有名店だけあって店内にはメディアの取材記事が壁一面に貼られていた。
ラーン クック チョム 露店・屋台
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窓際のスペースにも有名人が来店した写真がいっぱい。
ラーン クック チョム 露店・屋台
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こちらメニュー。表紙にはすっかり有名人となったシェフの写真も貼ってある。
ラーン クック チョム 露店・屋台
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ここではイタリアン料理の他にタイ料理も食べられる。メニューの数が多いので、どれを選んでいいのかわからない。そんな時は、ここで人気の料理を聞いてみて、そのベスト3を食べてみよう。
ということで注文を取りに来たお姉さんに、その3品を注文。ラーン クック チョム 露店・屋台
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ドリンクはアルコール類を置いていないので、グアバ・ジュース(20バーツ)を注文。コーラなど炭酸類は10バーツと、他の屋台と変わらない安さだった。
ラーン クック チョム 露店・屋台
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料理が来るまでテーブル席で待っているのもよいが、やはり調理場が気になる。屋台風なお店だけあって店頭で調理を行っているため、作っているところを見ることができる。これは、しっかり見学しとかないきゃ。
私が注文した3品のうち2品は2人の若者が分担して調理していた。彼らに任せてシェフのチョムさんは調理しないのかな?と思っていたら・・・ラーン クック チョム 露店・屋台
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店外にあるオーブンの前でチョムさん発見!
ラーン クック チョム 露店・屋台
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残りの1品、この店で一番高価な料理、シーフード・グラタン(250バーツ)をシェフ自らの手で調理していた。
器となっているヒンズー教の神様ヴィシュヌのチャクラのようなツノを持つコンチ貝(หอยจักรพระนารายณ์)は、インドネシアからわざわざ形のよい物を取り寄せたもので、タイではここにしかないらしい。ラーン クック チョム 露店・屋台
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タイでオンリーワンだよ!とドヤ顔スマイルで料理を説明してくれるシェフのチョムさん。話を聞いてみると、シェフ歴40年を誇る超ベテランで、ランドマーク・ホテルなどタイの5つ星ホテルで修行を積んだ後、日本、欧州、中東、アフリカなど海外の一流ホテルでシェフとして活躍。
タイに帰国後、モンティエン・ホテルでシェフを務める傍、本物の味をもっと多くの庶民に味わってほしいとワゴン屋台で本格イタ飯の移動販売をスタート。そのユニークさが高評価を得たため、2008年にこの地に自分の店を構えることとなったという。
本格イタリア料理がお手ごろ価格で食べられるとして人気を博し、7年経った今でも客足が絶えない。廃り流行りの激しいタイ飲食界では、長く人気を持続させるのは難しいと言われているので非常にレアな成功例だ。
「チョムさんの成功を見て真似する人は出て来ないの?」と聞いてみると、「一流のシェフはみんな立派なレストランを持ちたがるのさ。俺みたいに屋台に毛の生えたようなおんぼろ食堂をやりたがる奴なんかいないよ。」ときっぱり否定。
「高品質を維持しながら、こんな低価格で料理を提供していくのは結構大変なんだよ。材料の仕入れだって”本格的な味を低価格で庶民に提供したい”という俺の考え方に賛同してくれるところから特別安く卸してもらってるんだ。それでも儲けが多いってわけじゃない。普通にやってたらとても採算合わないね。真似できる奴なんていないさ。
俺は、もっと多くの人に本格的なイタリアンを食べてもらいたいという信念があるから続けて行けるのさ。これが生き甲斐なんだよ。」と料理にかける熱い想いを語ってくれた。ラーン クック チョム 露店・屋台
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で、こちらが注文したこのお店の人気料理ベスト3。
ラーン クック チョム 露店・屋台
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まずは人気ナンバーワンの「海老のスパゲッティーとびっ子添え(สปาเก็ตตี้ไข่กุ้ง)120バーツ」。
ペペロンチーノ系だが隠し味としてこぶみかんの葉(バイ・マックルー)が入っており、かなりタイ風にアレンジされており、他店では「キーマオ」と呼ばれるスタイル。
麺のゆで具合も、ちゃんとアルデンテでコシがある。とびっ子のプチプチとした食感が麺を噛むごとに味わえていい感じ。ラーン クック チョム 露店・屋台
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上の写真では隠れて見えてないけど、ちゃんと大きな海老が入ってるよ。
ラーン クック チョム 露店・屋台
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続いて人気ナンバー2の「豚肉のスペアリブ、ハニーメキシカンソース(ซี่โครงหมูอบน้ำผึ้ง)100バーツ」。
胡椒をたっぷり効かせたスパイシーなブラウンソースに蜂蜜の甘さがほんのりとかなり大人な味付け。炒め物に使うプリックタイ・ソースをアレンジしたような感じかな。
スペアリブは5本も入っており、かなりのお得感。お肉は無茶やわらかいという感じではなく、ほどよい硬さで食べ応えのある一品。ラーン クック チョム 露店・屋台
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最後は、人気ナンバー3でこの店で最も高価な「シーフード・グラタン(หอยจักรพระนารายณ์)250バーツ」。中にはクリームソースで和えた蟹、海老、帆立貝、牡蠣、あさり、イカ、フエダイの7つのシーフードが入っており、その上にチースを乗せてオーブンで焼いたこの店一押しの看板メニュー。
ラーン クック チョム 露店・屋台
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シーフードの味がしっかり効いてて、これは本場の西洋料理の味付けだ。具もたっぷり入っており、めちゃ美味。
ちなみにグラタンはイタリアンではなくフレンチね(笑)。他のメニューを見てもフレンチ系もかなり有りで、要は本格西洋料理を屋台価格で楽しめるというコンセプトですな。ラーン クック チョム 露店・屋台
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最初の2品はかなりタイ人好みにアレンジされていたが、味付けは本格レストランの味そのものでクオリティーはかなり高い(でも純粋な洋食を期待して注文すると、ちょっと違うんじゃないと思うかも)。
最後のグラタンはタイ風アレンジなしの純フレンチ、まさに一流レストランの味。ここに来たら絶対注文すべし。
他にもスパニッシュ・オムレツ、カルボナーラ、ムール貝のガーリックソテーなどタイ風アレンジしてないメニューがたくさんあるので、本格的なイタリアン、フレンチをお手軽価格で食べたい方にここはおすすめ。
食事をしているとチョムさんが再び現れて、料理の感想を聞いたり、一緒に写真を撮ってくれたりとサービス精神たっぷりのおもてなし。料理が美味しいのはもちろんだが、スターシェフなのに人懐っこいチョムさんの性格に惚れてリピーターとなるお客さんも多いと感じた。
最後に親指をたてた「いいね!」のポーズで締め括り。チョムさんとの楽しい会話が弾んだので一人で行ってもかなり楽しめた。
また来るよ、チョムさん!暖かいおもてなしありがとう!
【ご参考:バンコク・グルメ関連旅行記】
■高級ホテル「グランドハイアット・エラワン」でお手軽価格の美味しいカオソーイ(チェンマイ風カレーヌードル)を食べてきた
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この旅行記へのコメント (1)
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- イチローさん 2017/03/17 13:43:29
- リーズナブルで本格的なイタリアンを食べたい
- こういうお店は貴重だと思います。
タイ人は失礼な言い方をしてしまうと成功すると自らは身を引いて利益だけを手に入れたり、ある程度お金が貯まるとアパートを建てて安定した家賃収入で満足したり、という人が多いと聞く。
自分の技術を惜しみなく披露してお客様に楽しんでもらいたいという考えで仕事をしている人はいるとしてもなかなか少ないと思います。
こういう料理人のお店は是非行ってみたいですね。
オススメ料理以外にも興味を惹く料理がありそうです。
満腹でもう食べられなくなるまで食べ尽くしてみたいお店です。
たとえそれをヤッテも決して高くないと思います。
バンコクへ行く楽しみがまた増えました(増えすぎて困っていますが)。
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