2015/09/20 - 2015/10/01
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Tatsuoさん
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オーストリアの西半分、ハルシュタットからチロル地方をレンタカーで巡る旅です。
アルプスの東端にあたるチロル地方は、険しい大自然と人の息吹が隣り合わせ。そびえる壁のような岩山の麓には牧草地が広がり、どこに行っても牛が草を食んでいる姿が見えます。
花を飾った家とタマネギのような形の教会の塔がある村々を抜け、ティンメルスヨッホとステルヴィオの二つのダイナミックな峠を越えて、チロルのいろいろな顔に触れました。
オーストリアは情報が少なくて印象が薄かったのですが、人々ののんびりしていて適当な様子が自分にはとても合っているようで、ファンになってしまいました。
☆〜★〜☆〜★〜☆〜★〜☆〜★〜☆〜★〜
【4】南チロルの絶景の村、サンタ・マッダレーナへ
今日はイタリアに入り、南チロルのサンタ・マッダレーナまで行きます。ガイスラー山を望む絶景の村です。途中アクシデントがありましたが、無事に到着できました。人の優しさを噛みしめます。南チロルが置かれた複雑な背景の一端にも触れました。
☆〜★〜☆〜★〜☆〜★〜☆〜★〜☆〜★〜
1 ハルシュタットとザルツブルグ(前編)
2 ハルシュタットとザルツブルグ(後編)
3 あこがれのグロースグロックナー山岳道路
>4 南チロルの絶景の村、サンタ・マッダレーナへ
5 湖に水没した教会の神秘の美しさ
6 オーバーグルグルと予定外の峠越えの絶景
7 チロルの美しい村に行ってみたけど・・・
8 やっぱりすごかったステルヴィオ峠
9 隠れた黄葉スポット、アーホルンボーデン
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- エールフランス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
広くゆったりしたレストランでゆっくり朝食をとります。
雨は上がりましたが、相変わらず厚い雲が垂れ込めています。ナショナルパーク ロッジ グロースグロックナー ホテル
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南の方は空が少し明るくなっているようです。天気は回復するのでしょうか。
ナショナルパーク ロッジ グロースグロックナー ホテル
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マウントビューの部屋にしたのですが山は見えず。
でもバルコニーが広く眺めの良い快適な部屋でした。ナショナルパーク ロッジ グロースグロックナー ホテル
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昨日よりは少し山が見えているようです。
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晴れたらグロース・グロックナー山岳道路を走ってみようかと思っていましたが、晴れる気配はありません。
あきらめて、10:58、ハイリゲンブルートを出発します。
今日はドロミテ北部の絶景の村、サンタ・マッダレーナまで行きます。 -
昨日来た道を戻ります。
少し行くと右手に滝が見えてきます。展望台があるので寄ってみることにします。 -
展望台の説明書きによると、この滝は"YUNGFERNSPRUNG"「乙女の跳躍」という物語の舞台とのこと。
昔この辺りに住む乳搾りの乙女が若者に姿を変えた悪魔に言い寄られ、追われて滝に飛び込んだところ、跳ね返って無事だった、というお話だそうです。
滝の下まで道が付いています。間近に見上げると結構迫力があります。 -
山肌に雲がたなびくのを見ながら谷あいの道を行きます。
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自転車を追い越します。大きな荷物を載せて、長距離をツーリングしているようです。雨の中、大変ですね。
自転車はとてもよく見かけますが、年配の方や女性が目立ちます。 -
峠を越えてチロル州に入り、一気に谷筋に下ってリエンツまで戻ります。ここはチロル州の飛び地です。
道路脇にキリスト像がありました。 -
リエンツから昨日来たコースを離れ、西に伸びる9号線を行きます。
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丘の上に古城が聳えます。
今回古城を見たのは初めてです。 -
ザザッという音と衝撃があり、そのあとパタパタという変な音がして揺れ始めました。
パンクです。ホイールに傷も付いています。
街中を走っているとき右に寄りすぎ、縁石にタイヤを思いっきり擦ってしまいました。
古城を見てまもなく、12:40頃のことです。 -
すぐ手前でガソリンスタンドを通り過ぎたのを思い出し、そこまでなんとか走って戻ってみました。
ラッキーなことに、VWの修理工場が併設されています。最初、同じメーカーのタイヤがないので無理と言われましたが、サンタ・マッダレーナまで行かなければならないと伝えたら、わざわざ英語のできるメカニックを呼び出してくれました。テキパキした頼もしいメカニックが傷の状態を調べたあと、ホイールの傷を削って違うメーカーのタイヤになるが交換はできる、ただし有料になるがどうするか、と尋ねてきました。
もちろんお願いしました。
金額は200ユーロ。レンタカー会社に連絡すれば、保険にフルカバーで入っているので無料で済むかもしれませんが、ドイツで借りた車ということもあり、このまま旅が続けられるかどうかわかりません。お金には替えられません。
1時間で出来るとのことです。 -
その間、道路の向かい側のスーパーのフードコートで待ちました。休めるところがあるのもラッキー。
ようやく緊張がほぐれてほっと一息つきました。 -
1時間後に戻るともう修理は終わっていました。特別に急いでやってくれたようです。
メカニックはガッチリ握手を交わし送り出してくれました。まさに救世主です。
14時半、ドライブ再開です。 -
15分ほど走ったら国境を越えてイタリアに入りました。
パンクしたのはSillianという街でしたが、こんな国境間近とは思っていませんでした。 -
大きな駅があり、これまでに見なかったカラフルな電車が止まっています。イタリア国鉄の電車です。
ここはオーストリア国鉄とイタリア国鉄の接続駅で、オーストリア名が Innichen、イタリア名がサン・カンディド(San Candido)と全然違います。 -
雨が上がりました。
イタリアに入りましたが景色は代わりません。
もともとはミズリーナ湖に寄っていくつもりでしたが、パンクで時間を取ってしまったので寄るのは止めました。「ドロミテの真珠」と呼ばれるそうですが、どのみちこの天気では行っても期待できません。 -
16時過ぎ、ブレッサノーネ(イタリア語 Bressanone、ドイツ語 Brixen)の北で高速道路に乗ります。ここはイタリアなので高速道路は「アウトストラーダ」と呼びます。
インスブルックから来る道で、ブレンナー峠を越えてヨーロッパを南北に結ぶ古来からの主要街道です。 -
高速に乗ってまもなくサービスエリアがありました。
サービスエリアは外観が薄汚れた感じで、中も雑然としています。
こんなところにだけイタリアらしさを感じました。 -
辺りの斜面に集落が点々と散らばっていて、教会の塔がいくつも見えます。
手前の平地に広がるのはブレッサノーネの市街地です。 -
休憩中のトラックが何台も並んでいます。大型トラックがバンバン行き交い、すぐ横を貨物列車が通り過ぎていきます。
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10km弱でアウトストラーダを降り、しばらくアウトストラーダに平行して走ったあと、東に延びるフネスの谷に入っていきます。
両側に崖が迫る狭い曲がりくねった道で、これが続くのかと不安になりましたが、少し進むと谷が開けて広い道になりました。 -
イタリアなので Googleストリートビューで予め確認できたていたため、街の入り口はすぐわかりました。
ところで"サンタ・マッダレーナ"や ”Santa Maddalena”をGoogle Mapで検索すると、オーストリア国境近くの同名の村が出てくるので、行く際はご注意を。同じボルツァーノ自治県ですがだいぶ離れています。"サンタ・マグダレナ"で検索するとここが出ます。(2015年11月現在) -
アウトバーンを下りて15分ほどで、今日泊まるホテル・エーデルワイスに無事到着しました。17時です。ちなみに"エーデルワイス"という名のホテルもたくさんあるのでご注意を。
壁面の上の方に書かれている"ALBERGO”はイタリア語、”GASTHOF"はドイツ語で、共にホテルの意味です。ホテル名は入り口の上に”GASTHOF EDELWEIS"とドイツ語だけで書かれています。
ここはイタリアですがチロルの一部です。第一次世界大戦で戦勝国のイタリアに属することになりましたが、住民はドイツ語を話す人が多く、「トレンティーノ=アルト・アディジェ州ボルツァーノ自治県」として自治が認められています。
「アルト・アディジェ」というのがイタリアの正式な名称ですが、昔ながらの「南チロル」(ドイツ語で Südtirol)という言い方をあちこちで見かけます。ホテル レストラン エーデルワイス ホテル
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2階、日本式の言い方で3階の部屋です。エレベーターはないのでスーツケースを引っ張り上げます。
とても簡素な部屋ですが落ち着けそうです。
ホテル内でWi-Fiが使えるのには驚きました。ただそれに気づいたのはチェックアウトの時に、フロントでパスワードの張り紙を見たときでしたが。ホテル レストラン エーデルワイス ホテル
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バルコニーに出てみたら、右手にガイスラーのゴツゴツした山並みが見えました。晴れてきたようです。
ホテル レストラン エーデルワイス ホテル
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夕食までまだ時間があるので、高台にある教会まで登ってみることにします。
日が照ってきました。
カンカラカンカラとカウベルの音が聞こえてきます。辺り一帯が牧草地です。 -
道の途中にロープが張ってあり、行っていいのかどうかわからないので一旦引き返し、登れる道を探してウロウロ。町の下の方に下りてみたら教会への道案内が見つかりました。
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道案内にそって坂を登ります。
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キリストの磔刑像がありました。
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またキリスト像です。
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牛がこちらを見ています。
スイスでもよく見る顔の白い牛です。
ちょっと怖い。 -
坂を登って行くと視界が拓けました。
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ガイスラーの雲が晴れてきています。
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今度はマリア様の像がありました。
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教会まで登ってきました。
飛行機雲がたくさん。空の上もヨーロッパの南北を結ぶメインルートです。 -
教会の背後にガイスラーが聳えます。
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夕日が雲の隙間から差し込んできました。とてもきれいです。
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教会の隣ではお祭りの準備中です。たくさんの屋台と、舞台のようなものを作っています。
”SPECKFEST"という大きな文字の電飾があったので調べてみたら、来週末10月3、4日に開催されるお祭りでした。
”SPECK"というのはここ南チロルの名産で、スモークして更に熟成もするという独特の製法のハムだそうです。 -
ガイスラーがさらに晴れ上がってきました。
今日はアクシデントがありましたが、こうしてここで景色を眺められる幸せを噛みしめます。
18:45、そろそろ夕食の時間なので坂を下ります。 -
ホテルのレストランで夕食です。
予約は朝食しか付いていないので食べられるかどうかちょっと不安もあったのですが、チェックインのときにに夕食をとるか訊いてきてくれました。疲れているし、辺りにレストランは見当たらないので、ここで食べられてよかった。ホテル レストラン エーデルワイス ホテル
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サラダとパンはセルフ・サービスです。
素朴な感じが良いです。ホテル レストラン エーデルワイス ホテル
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スープは2種類の中からパンの団子のスープを選びました。コンソメの素朴な味です。
もうひとつは野菜のスープでした。ホテル レストラン エーデルワイス ホテル
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メインは1種類で豚肉です。肉は柔らかく、塩味のソースが絡んでとてもよく合います。ボテトもとても美味しい。ジャガイモ自信がおいしいのです。素朴な料理ですが、大満足です。
宿のおばあさんがとても親しげで温かい雰囲気でした。
「ボーノ」と言ったら「それはイタリア語だ」と、ちょっとムッとしてまるで間違っているかのような言いっぷり。ここはイタリアなんですが、複雑な歴史を垣間見た気がしました。
後から隣の席にきた日本人はここに3泊したそうです。夕食のメニューは日によって違っていて、どれも美味しかったとのこと。でも天気は悪く、晴れたのは今日の夕方が初めてだったそうです。ホテル レストラン エーデルワイス ホテル
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満ち足りた気分になります。
無事にたどり着けて本当によかった。ホテル レストラン エーデルワイス ホテル
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