2015年盆の旅(14)　新潟県佐渡市　相川の文化財と小木港及び宿根木集落

2015/08/16 - 2015/08/16

5泊6日で茨城〜栃木〜群馬〜新潟と文化財巡りの旅．
4日目(8/16)，佐渡金山を後にし，相川の古い街並みに．
続いて島南部の小木港，そして国の重要伝統的建造物群保存地区である宿根木集落を目指す．

エリア 佐渡島(新潟)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: レンタカー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

相川の市街地に．相川新五郎町の旧相川拘置支所．
門及び塀は1954(S29)年建造，鉄筋コンクリート造，国登録有形文化財．

旧相川拘置支所事務所棟．
1954(S29)年建造，木造平屋建，寄棟造，桟瓦葺，国登録有形文化財．
ほかに居房棟，炊事・倉庫棟が国登録有形文化財．

相川米屋町の佐渡版画村美術館．
旧相川裁判所の建物を利用している．
1888(M21)年建造，

佐渡版画村美術館の外周は煉瓦塀になっている．
塀の先には相川の街に時を告げた鐘楼がある．
1713年建造，切妻造，棧瓦葺，国史跡．

佐渡版画村美術館煉瓦塀前の階段最上部からの風景．
相川の家々の屋根と穏やかな日本海．

相川広間町の佐渡奉行所．
金山直轄支配のための幕府の出先機関．
幕府時代の建造物は1942(S17)年に焼失したが，2000年以降順次復元公開されている．

佐渡奉行所 名所・史跡

佐渡鉱山北沢地区施設群．
佐渡奉行所の東側の谷間部分にある佐渡鉱山の昭和期の遺構．
圧巻の規模の以降は一見の価値あり．

北沢浮遊選鉱場 名所・史跡

旧北沢火力発電所発電機室棟．
1908(M41)年建造，出力500kwの発電所の機械棟．
煉瓦造が目を引く．現在は鉱山の昔の写真を展示するギャラリーとなっている．

旧北沢浮遊選鉱場．1937(S12)年建造．
山の斜面を覆うコンクリート構造物は結構な威圧感である．
操業停止後，屋根や設備は撤去されコンクリートのみが残る廃墟になっている．

50メートルシックナー．
1940(S15)年建造，鉄筋コンクリート造，国史跡．
泥状の鉱石から水を分離する施設．前出[盆の旅(13)]の間ノ山搗鉱場から排出された泥状の金銀を含んだ鉱石を分離し対岸の北沢浮遊選鉱場へ送った．

北沢地区の鋳造工場跡．
煙突らしきものが出ている溶銑炉跡．
蔦の伸び具合が激しい．

相川長坂町の旧相川税務署本館．
1931(S6)年建造の洋館，木造二階建，寄棟造，桟瓦葺，国登録有形文化財．
ほかに石積(写真工事看板の裏),書庫,門(写真左前)及び袖塀が国登録有形文化財．

相川考古館 美術館・博物館

相川から40分ほど走り羽茂本郷地区．
1421年の開基，本尊は阿弥陀如来．
写真総門は住職の手作りの模様，この奥に新潟県指定文化財の山門が建つ．

さらに10分程で小木港へ到着．
写真の建物は旧ホテルニュー喜八屋．破産により閉店した模様．
老朽化で崩落の危険があるようで周囲はフェンスで囲まれている．
建物の裏にはこのホテルの経営企業で所有していた国登録有形文化財の旅館旧館･別館及び石蔵があるが，これらの保存方法はどうなっているのだろうか？

ホテル　ニュー喜八屋 宿・ホテル

小木港はたらい舟が有名．
たらい舟力屋では近隣の小木海岸の周遊観光船とたらい舟乗船を行っている．

小木港たらい舟．
多くの観光客で賑わう．あまり傾くことは無く安定しているようだ．

漁港のエプロン上にはたらいが．

小木港の岬の岩山にある木崎神社．
1609年の創建，佐渡奉行大久保長安が金銀輸送の航海安全を祈願して
勧進したもの．
拝殿には簡素ながらもしっかりとした彫刻が施されている．

木崎神社本殿．
1695年建造，一間社春日造，桟瓦葺．背面は切妻造．拝殿との接続する覆屋が見える．側面背面は覆われていないようだが，確認できなかった．
新潟県指定文化財．

続いて5分ちょっと西へ車を走らせ，宿根木地区に到着．
ここは佐渡金山繁栄期の江戸寛文年代に廻船業の集落として発展した「千石船と船大工の里」．江戸後期から明治初期にかけては北前船の寄港地として発展した．
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている．
入場料等は無いが，「町並み保全協力費」として\100の協力を求めている．正直もう少し協力を求めてもいいと思う．

駐車場になっている体験学習館，バス待合所前には風除けに竹が並べられている．輪島の間垣と一緒か？
ここは南海岸だが間口が西に面しているで冬は風の影響があるのだろう．

宿根木集落に入っていく．
狭い路地だ．石畳が敷かれている．
荷物を運ぶのも大変だろう．
ここは「世捨小路」と呼ばれている．

集落内にあった旧郵便局舎．
大正時代の建築だそうだ．緑に塗られた外壁が一際目に付く．
現役の郵便局は集落上の県道沿いにある．

集落内には排水用の水路も設けられている．

集落奥には宿根木公會堂．
1958(S33)年建造，木造2階建，切妻造，桟瓦葺．
現役の公民館である．元は小学校が建っていた．

宿根木白山神社．公会堂の奥に位置する．
宿根木集落の鎮守社であろう．
石鳥居は，1774年建造，花崗岩，佐渡市指定文化財．

さらに奥へ進みと称光寺．宿根木集落の全戸が檀家になっているとのこと．
1349年の開基，佐渡時宗最初の根本道場．
山門は1717年の建造．

落ち着いた街並だ．
観光の案内板が消えかけている．維持するのも大変だ．

宿根木の町並み 名所・史跡

狭い路地の形状に合わせて三角形に作られた家屋，通称三角屋．
JRのCMにも使われた宿根木のランドマークだ．

集落から県道を渡ると海岸に出る．
こちらにも駐車スペースがある．
岩場の入り江である．

白色の石柱が点在するが，船つなぎ石である．
白山神社同様に花崗岩とのこと．

宿根木の港．
水が綺麗だ．

宿根木はここまで，次は両津に戻りがてら古社･古刹巡りだ．