５６年目：解放前夜のハバナ写真館【ナシォナル・デ・クバ】（キューバ）

2015/02/13 - 2015/02/14

『Nacional de Cuba』.....ナシオナル・デ・クバ........。


なんと、仰々しく.......神々しい名前なのか..........。


名前を聞いただけで......気をつけ！敬礼！......をしてしまいそぅ....。


どなたかのブログには、「キューバの帝国ホテル」と書いてあったが....まさにその通り........。

エリア ハバナ(キューバ)

• 旅行の満足度: 5.0

このホテルは１９３０年営業開始、実に今年で御歳８５歳。

米国のマフィア資本等によって建てられ、革命前までは、本土ラスベガスから追い出されこの地に逃げてきたブラック資本で、当時の良いやつ、悪いやつの入り混じり成金達の溜まり場だったホテルです。

.....それはちょっと言い過ぎか....。

1830 地元の料理

ここハバナには有名なところで二カ所のキャバレーが現存しており、そのひとつはその名も『トロピカーナ』。


ご参照：「トロピカーナ」は、
http://4travel.jp/travelogue/10812797


トロピカーナは、私は既に訪問済みなので、今回はもう一つの別のキャバレーを覗く事に....

キャバレー トロピカーナ ナイトライフ

その名も『パリシエン Cabaret Parisien』。

ここはナシォナル・デ・クバ・ホテルの中にあります。

エル・ギヨネス 地元の料理

□■英雄の残像■□


しかし、このホテルは重々しい....。このホテルを訪れた事がある古今東西の大物たち・歴史上の人物達の実に輝かしい足跡が、所狭しと写真や展示品として並べたり、飾られたりしています。

イタリアン・レストラン・イベロスター・パルケ・セントラル イタリアン

ここのカウンターで飲む『モヒート』はたぶん雰囲気.....世界一.......。

違う時代にこの同じ場所で同じカウンターでヘミングウェイやらもっともっと有名な昔の英雄たちが一服したのだと想像しただけでも.......背筋がゾクゾク....してしまう....。

パルケ・セントラル、ＮＨホテル 地元の料理

さり気に机上では、「チェ」....がニヒルに笑っています.....。

コロニアルアート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

□■栄光の残影■□


あのナタリーコールのおやじ、ナット・キング・コール（チャップリンのモダンタイムスのテーマ曲等）が絶頂の時代....このホテルに入ることを拒否された.....という伝説が残る場所....。

それはその時代：米国の白人社会がそのままここに持ち込まれていたという証し....

.......全く持って......すごい話だ...。


※誰もが一度は聞いたことのあるナッキン・コールの曲：
【When I Fall in Love】
【Unforgettable (duet with Natalie Cole)】

他......多数....。

おおおっ.....涙が出そうなほど......名曲だぞぉ.......

https://www.youtube.com/watch?v=MKCyUe4syc4

ハバナ中央駅 史跡・遺跡

ところでこのキャバレー....

入場するのに超時間が掛かるんです。すっごい行列で遅々として進まず。中に入るまでにゆうに１時間ぐらい立ったまま待たされます....。


ちょっと、これはちょっとまずいなあぁ....。

ホテル ナショナル デ キューバ ホテル

やっぱこの辺りのマネージメント能力は『トロピカーナ』の方が上ですね.....。

漸く中に入ってみると客席数は３００0席くらいですが、かなりキツキツに詰められています。まあその分舞台が近いとも言えますが....。

キャバレー トロピカーナ ナイトライフ

飲物・食事つきなんですが......

革命広場 広場・公園

ショーが始まっても、全然、料理が運ばれてこないんです....。もうギャルソンがフル回転してもさばききれないぐらい押し込まれています......

結局、ショーが終わるまでデザートは間に合わず.......喰えず......。どうなっとるんじゃい！〜これでは......プチ詐欺じゃぁ〜！

ビエハ広場 広場・公園

でも、ショーはかなりハイレベルです。

プラネタリウム 博物館・美術館・ギャラリー

舞台上はトロピカーナに引けを取らないぐらい。私はショーに関してはトロピカーナよりこちらの方が楽しめた気がします。照明（光）が多いからかなぁ.....？

エスタディオ・ラティーノアメリカーノ スタジアム・スポーツ観戦

カストロ政府は、革命時こそ全てを禁止、国営化を断行し、市場は混乱をきたし（北米の悪の温床であるカジノや売春など快楽街を一斉に排除）ましたが、数年後に何故か一部の娯楽は復活を認められたんですと。

エスタディオ・ラティーノアメリカーノ スタジアム・スポーツ観戦

キューバ革命以前はきっとこの国は、欲望の渦巻く.....今の『マカオ』の様な感じだったのかもしれません..。

やはり、堅物カストロ将軍も欲望のはけ口をゼロにすることは、民衆にとって、あるいは政権の安定運営にとって、決して良い事ではないと....知っていたのかもしれません....。

革命博物館 博物館・美術館・ギャラリー

カストロ将軍は結局ダンスやら音楽を禁止する事はなく、このナイトショーもその流れで直ぐに復活し、５６年にも及ぶ社会主義体制下....脈々と生き延び続け、現在に至っているようです。

エル・キュバーノ 地元の料理

ここの辺り.....ここはカリブだから......というか....ラテンだから.......というか......ソ連や北朝鮮と全く異なるところです..。

エル・フロリディータ 地元の料理

キューバの音楽は、元々地元に存在していた宗教系音楽やリズムを.....

エスタディオ・ラティーノアメリカーノ スタジアム・スポーツ観戦

米国の商業音楽家たちが編集し現代風（当時）にアレンジし.......

アルマス広場（ハバナ） 広場・公園

一気に世界に広めて開花していったものが多いと聞きます。

La Girardilla 地元の料理

キューバの音楽やエンターテインメントは、（実質上の）米国による統治下の間に、急速に築き上げられ.....

ハバナ中央駅 史跡・遺跡

それが....

サン ホセ民芸品市場 市場

１９５９年のキューバ革命で、突然ストップ.......。

カフェ・タベルナ 焼肉

ただ５６年間の鎖国状態のこの国の中で、５０年以上前のその時そのまま、そのままの形で......まるでカブトガニのように生き続けてきたんです...ね。

カテドラル広場 (ハバナ) 広場・公園

※
ところで米国による実質上のキューバ統治は、１９０２年（独立）～１９５９年までの５７年間にも及びます。

オールド・ハバナとその要塞群 旧市街・古い町並み

１９５２年から５９年までの７−８年が米国によるキューバ支配の頂点に当たる享楽の時代。

この時に一気に開花した数々のキューバ文化といわれるものが、現代我々が目にしているキューバの原型なのでしょう.....。

第一ゲバラ邸宅 史跡・遺跡

でも.....このお店から........一旦.......外に出ると.....社会主義の堅い本が並び.......。

カバーニャ要塞 史跡・遺跡

中に戻ると........


......ひゃっほ～～っ

コロンブスのお墓 史跡・遺跡

再び外に出ると......

.........革命家たちが、渋い表情で......憂え続けている.......。

なんなんだ.....このギャップは........。

一体、どっちが.....「本当のキューバ」........なんだい.......？

オビスポ通り その他の店舗

う～～ん......。


でも、やっぱ.....おらは.....

.............こっちの方が.........好きやな.....

いや......大好き、好き、好き?

.........絶対に、こっちぃぃぃ??の方が..........良い～～！

キューバ鉄道博物館 博物館・美術館・ギャラリー

革命やお堅い思想よりも..........................


こっち....................やろぉ〜.......。

カピトリオ 文化・芸術・歴史

□■享楽と戦った革命家■□


.....チェ.........そ......そんな物悲しげに、俺を........見ないでくれ......。

ホテル ナショナル デ キューバ ホテル

この旅行記へのコメント （4）

• わんぱく大将さん 2015/06/15 08:39:40

  ここでわかったこと

  コタ１号さん
  
  ここでわかったこと、こんな格調高い旅行記で書いたら、蹴りいれられる？
  結構女性はぺチャパイ。　はい、さいなら〜！
  
  　大将

• くろへいさん 2015/06/12 19:28:54

  懐かしい風景です

  はじめまして、くろへいと申します。
  
  ユタ1号さんのキューバ旅行記を興味深く拝読させて頂いています。
  私もHotel nacional de Cubaのキャバレーショーに行った事があります。
  溢れるような色彩を放つハバナの町並みが懐かしく、まるで夢の中を旅したような鮮烈な印象として刻まれてます。
  ユタ1号さんの写真は、当時の旅した自分の心象とマッチし、記載された文章も共感を覚えました。
  
  皮肉にも、半世紀にも及ぶ西側の経済制裁が奇しくもクラシカルで刹那的なハバナの風景を生み出したように感じます。
  
  たしかに、キューバは経済的には窮地に追い込まれましたが、他の社会主義国が次々崩壊する中で、独自の方向に進み発展してきました。
  
  現在では「社会主義は人類が20世紀に行った最大の実験」と揶揄されてますが、カストロが築いてきた革命の歩みを後世の人達はどのように評価するのでしょうか？
  
  個人的には、冷戦の象徴となったキューバ危機や、大国の思惑に運命を翻弄され続けた小国の近代史には興味が尽きません。
  
  又、人種差別を撤廃し、医療、教育水準を高め、独自の有機農法等、カストロには強い畏敬の念を抱いていましたが、実際一切れのパンを得る為に並ぶ人達や
  「俺は大学で工業技術を勉強したが、卒業時に国が紹介した職場の月給は数十ドルにも満たず生活すらできなかった」
  と嘆くタクシードライバーの言葉は重く感じました。
  
  もはや、アメリカとの国交が正常化する近い将来、キューバがどのように舵を切るのかが注目されていますが、少なくともカストロやチェが夢見た理想の世界が、怒涛のような外貨の流入で崩壊する姿は見たくは無いと思うのは、僕らガイジン旅行者の勝手な理想なのでしょうか？
  
  チェが生きていたら、今の状況をどのように感じるのでしょうね？
  
  ではでは、又お邪魔させて頂きます。

  コタ(Kota)１号さん からの返信 2015/06/13 12:59:15

  RE: 懐かしい風景です

  くろへい　様
  
  こんにちわ。わたくしの旅行記にご訪問下さりありがとうございました。
  
  ところで、私はくろへいさんの旅行記に偶然遭遇し、その人物や景色、各地の情景に思わず引き込まれ、読みふけってしまい、ついたくさんのいいね！を押させて頂きました。
  
  元々、東アジアや東南アジアに通年で１５年以上過ごし、今はたまたま南米にたどり着いた関係で、４Ｔには中南米系の写真を中心に投稿しています。
  
  ただ　やはり私はいちアジア人。アジアに郷愁を覚えます。
  
  私の愛する懐かしいアジアがそのまんま、くろへいさんの写真にありました。
  
  それを見て久しぶりにアジアに帰りたくなりました。良いもの見せて頂きました。
  
  また、くろへいさんの旅行記に沈没させてもらいに参ります。
  
  では、今後ともよろしくお願いいたします。
  
  
  コタ＠
  
  

  コタ(Kota)１号さん からの返信 2015/06/13 13:04:06

  RE: RE: 懐かしい風景です

  追伸：
  
  「バンコク京華大旅社　スリークルンの黄昏」には、懐かしさの余りむせび泣きそうになりました。