2014/10/10 - 2014/10/10
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たびたびさん
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広島は、安芸の宮島とか言われて、安芸国のイメージが強いのですが、福山を中心とする備後国も広島です。広島市民としては、この福山があるので、広島空港は東広島の遠くになってしまったのではないかとちょっと恨めしい気持ちもしないではないのですが、それはそれとして、もう少し備後の理解を深めたいと思って、この旅を計画しました。
福山市や鞆の浦など、主要な場所はそれなりに承知しているのですが、例によって回りはじめると、なかなか見どころ豊富。結局、二日間まるまるかかっての旅となってしまいました。
一日目は、広島空港からレンタカーで。福山に向かいながら、かつての山陽道の宿場町であり、備後福山藩の始まりの場所でもある神辺など沿線の見どころを回りましたが、神辺本陣跡、廉塾・菅茶山旧宅、菅茶山記念館など、いろいろあって、なかなか福山にたどり着きません。
そうすると、また鞆の浦にも行きたくなるし。。まあ、そんなこんなの二日間です。
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羽田空港から広島空港へ。向こうで少し噴煙が見えますが、あれはたぶん御嶽山ですね。予想外の大惨事となってしまいましたが、犠牲者の方のご冥福をお祈りします。
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イチオシ
さて、広島空港はいい天気。赤い鉄塔がきれいです。
ここでレンタカーを借りまして、 -
イチオシ
まず向かったのは佛通寺です。
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ここは、小早川家ゆかりの寺で、始まりは室町時代初期。
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臨済宗佛通寺派の本山という格式を誇ります。
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そして、この辺りでは紅葉の名所として、有名なスポットなんですよね。
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参道から、寺の周辺は、青々とした紅葉に覆われていました。
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ただ、これだけ立派な伽藍なのに、
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寺の拝観は特別な時以外はないそうです。もうちょっと何とかならないんでしょうか。
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境内を散策してみますが、
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すっきりしていて、
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何もないといった方がいいくらい。
紅葉だけではちょっと味気ないかなあと思いました。 -
確かに、参道の辺りの紅葉の感じは
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イチオシ
悪くはないんですけどねえ。
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やっぱりそれだけでは。。惜しいです。。
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昇雲の滝は、佛通寺からハイキングコースがあるようでしたが、佛通寺から少し車を走らせたら、こちらに展望台があるようです。偶然、標識を見つけたのですが、それでは寄ってみましょうか。
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展望台は小さな駐車場からすぐ。正面に緑に覆われた滝が見えました。写真だと分かりにくいですが、実際には落差80mという雄大な滝の様子がよく見えます。
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なお、展望台からも滝つぼの方に下りる道がありましたが、かなり歩くのではないかと思います。
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さて、ひたすら神辺に向かって走ります。
と、御調八幡宮。特に予定はしていなかったのですが、これも道路標識を見たので、寄ってみた次第。 -
ここは、備後総鎮守。和気清麻呂の姉、和気広虫が流された地ということです。神社は、楼門から本殿に神楽殿まであって、予想外に立派な構え。
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イチオシ
この辺りが備後の中心だった時代の名残りを今でもしっかりとどめているように思います。
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やはた川自然公園は、御調八幡宮の少し下流といったところ。どちらかというと、御調八幡宮の境内や周辺の自然景観と一体となった公園なので、御調八幡宮の一部と言った方が適切かもしれません。渓谷に沿ってきちんと整備された景観は、悪くないと思います。
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走り疲れて、道の駅 クロスロードみつぎに寄ってみます。
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地元の生鮮食品を豊富に置いています。それにしても、この辺りはぶどうやなしの産地なんですね。
そういう認識はあまりありませんでしたが、買って帰ったぶどうは甘いし、皮も食べられる種類。久しぶりにうまいぶどうを食べたような気持ちになりました。 -
この辺りは、途中途中に意外にいいスポットがありますね。先を急ぐだけだともったいないような気がしてきました。
そんな中で、またまた寄ってみたのは小高い山を切り開いた圓鍔勝三記念公園。 -
周囲の山々を見晴らせる雄大なロケーションには、
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圓鍔勝三の大きな彫刻作品が点々と配置してあって、
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彫刻のための
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イチオシ
豪華な空間となっています。
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そして、公園の中心施設が、この圓鍔勝三彫刻美術館。
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ちなみに、圓鍔勝三は、御調町出身で文化勲章を受章した彫刻家。我々が彫刻とはこういうものだという一般的に思うイメージに近いので、比較的違和感なく鑑賞できるのではないかと思います。一方で、ホールにある巨大な故根津嘉一郎翁銅像は、肩に鳥がとまっていてメルヘンチックな部分もあったり。そういうところは、何か個性となっているでしょう。
(なお、圓鍔勝三の作品は広島駅の新幹線口にもあることに最近気が付きました。) -
しばらく進んで、今度は三郎のすべり滝。
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府中町の県道から脇道を入ってしばらく行きますが、車ならほんの5分ほど。
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駐車場から渓流沿いの石段を上り始めると、
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イチオシ
いくつかの滝があって、
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一番奥にあるのがすべり滝です。
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大きな石に出来た滑り台のように細い水路を水が勢いよく流れています。
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これなら、子供が滑り台のように滑っても危なくない。
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自然の力でできたものでしょうが、うまい具合になっています。
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そういえば、朝飯を食ってませんね。
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府中の国道沿いにある小さなパン屋さんを見つけて。ちょこっと寄ってみたのですが、何とも焼き色とかきれいなパンですねえ。香ばしくもあり、それなりに深い味わいもある。たぶん、この辺りではちょっと名の知られたパン屋さんではないかと思います。
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さて、府中町に到着しました。ここもこの辺りでは賑やかな町の一つです。
浅野味噌は、府中町の中心部にあるお味噌屋さん。さほど大きな構えではありませんが、老舗風の雰囲気は漂っています。 -
味噌を買おうと思ったのですが、味噌かりんとうと言うのを試食したら、これがけっこううまい。味噌味が前面に出ているということではなくて、隠し味になっているんでしょうね。お菓子屋さんでもないのに、こんな風に作れるってことは、舌が確かな証拠。それをいただきましたが、帰ってゆっくり食べようと思ったら、家族があっという間に食べてしまいました。まあ、そういうことになるのは仕方ありません。
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そして、この精進堂が府中町を代表する老舗の和菓子屋さん。
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「姫ゆり」は、小豆の代わりに、ユリ根の粉を使ったかわいらしい羊羹で、天皇陛下にも献上したという銘菓です。
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少し固めの羊羹は淡い甘さは、
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はっきりしたうまさというより、
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むしろ素朴な味わい。こんなものもあるかなあというお菓子でしょう。
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一方の最中の餡子の方が滑らかなしっとり感があって、こっちの方がインパクトはあるかもしれません。
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ところで、府中には「府中焼」なるB級グルメがあり、その人気店が古川食堂と聞いて訪ねました。
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府中焼といっても、基本は広島風お好み焼きなのですが、バラ肉の代わりにミンチを使うのだそう。ただ、それで特に味が変わるということではないような。やはり、店によってその味に違いがある方が大きいでしょう。このお店は、やっぱりバランスでしょうか。肉に野菜のうまみが、こってりした濃厚ソースでしっかりまとめられています。お客さんが多いのも納得のうまさだと思います。
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桑田醤油醸造場は、国道486号線沿い。
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イチオシ
府中の市街地に入る玄関と言った場所にあるのですが、小川に面した白壁と土壁、出窓など、趣ある建物は、まさに府中のランドマークになっていると思います。
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反対側に入口があって、現役の醤油さんではあるのですが、声をかけても返事はなし。おっとりした商売です。
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森製菓舗は、古川食堂の向かいにある小さなお菓子屋さん。
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中に入って目についたのは、レモンケーキ。広島では、レモンケーキの店が時々ありますよね。「もう30年もこれでやってます」というお話。ほー、確かに、何ともほのかな甘さが自然な味わいで、歴史を感じますねえ。お菓子は「姫ゆり」だけではない。いいものに出会ったうれしさをほのぼの感じた次第です。
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府中から新市までやって来ました。ここも、府中や神辺などと近くて、古代から備後では中心地だったエリアにあたります。
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古墳も多いことから、しんいち歴史民俗博物館は、その古墳の出土品を展示しています。
目を見張る美しさの金の馬具装飾もありましたが、当時、ここが日本の先進地だったのかと言われれば、そうではないような。。丁寧な解説はあるのですが、ちょっともやもや感が残りました。 -
新市は街が広いので、最中のお店が何軒もありまして。これはチェックするしかないですね。
御菓子司 小田弘月堂は、一宮さん最中が看板商品。 -
これは「いっきゅうさん」と読むそうで、変わった読み方だなあと思ったら、近くの吉備津神社は、備後国一宮。この一宮は、地元では「いっきゅう」と言うのだそうです。高知では、一宮と書いて「いっく」と読むのですが、ご主人とそんな話をしながら、ちょっと盛り上がりました。
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さて、もう触れましたが、備後一宮である吉備津神社は、通称、一宮さん(いっきゅうさん)。
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イチオシ
正面に大池があって、美しいです。
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ここから入って行くのですが、
大鳥居から始まって、下随神門、上随神門、 -
神楽殿から拝殿、
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そして本殿が一直線に並んでいて、さすが格式を誇るたたずまいです。
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イチオシ
主祭神は、大吉備津彦命。
吉備国は、備前、備中、備後と三国に分けられましたが、大吉備津彦命は吉備国を治めていた皇族です。 -
さて、再び、最中です。
こちらは、重田永楽堂というよりも、 -
久三郎最中と言った方がよく分かるでしょう。車の往来が激しい通り沿い。古びた、はっきり言えば、パッとしない店構えのお店です。そういう意味で、あんまり期待はしていなかったのですが、この辺りにたくさんある最中の食べ比べで、寄ってみた次第。
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ところが、これはうまい。薄いちょっとしっかりした皮に包まれた餡子ですが、何か隠し味があるんでしょうねえ。艶のあるいい味わい。うーん、これはかなりいいです。お店は見た目で判断してはいけません。
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福見堂も、新市町内。
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こちらも、最中がウリのお店で、「絣最中」が看板商品です。
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絣の模様がとってもかわいらしいですね。
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餡子は黒砂糖の甘さでしょう。こうした特徴がしっかりあると、同じ最中でも楽しくなりますね。
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素盞嗚神社は新市町にあって、吉備津神社と並んで備後国一宮を称しますが、社殿は吉備津神社のような特段の規模はありません。ただ、境内はイチョウの大木を中心に清々しい雰囲気があって、やはり、格の違いがあるような。
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なお、神社で、よく茅の輪くぐりというのがありますが、その起源がここだとありました。
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さらに、備後国分寺もここにあります。
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聖武天皇の勅願により全国に66ヶ所建てられた国分寺の一つ。
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吉備国は、備前、備中、備後に分かれますが、
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それぞれに国分寺があったんですね。車一台がやっと通れるくらいの狭い参道には両脇に松の大木が構える並木となっていて、その辺りからして古代の匂いがするような感じでした。
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新市でもてこずりましたが、いよいよ神辺エリアです。
神辺ではまず神辺城跡へ。 -
神辺城は典型的な山城なので、神辺の市街地を望む山の上。車で上がると頂上に駐車場があって、神辺歴史民俗資料館と反対側に神辺城跡を巡る散策道が整備されています。ただ、散策道は殺風景な山道なので、歩くだけでは面白くない。城の歴史に興味がなければつまらないでしょう。
ちなみに、神辺城は南北朝の時代、朝山景連が備後国守護職に任じられて築城したのが始まり。以来、備後国の守護職の居城であり、江戸期の備後福山藩も当初はここを居城としていたということです。 -
福山市役所神辺歴史民俗資料館は、神辺城跡の隣りです。
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建物は、城を模したような感じ。
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地元の農作業や祭りの道具類のほか、鎧や武具は福山藩の居城だった当時を偲ぶものなのでしょうが、ちょっと分かりにくいかも。
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それより、ふくやま書道美術館から借りた展示物や個人蔵の浮世絵などの方が目を引きました。
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そして、神辺にあっては、神辺城よりも、廉塾ならびに菅茶山旧宅、神辺本陣などが代表的な観光スポットです。
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駐車場から畑のような敷地の先を入って行くと、
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自宅を私塾として使っていた廉塾の建物があります。
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ちなみに、廉塾は、江戸時代後期の儒学者であり漢詩人であった菅茶山という人物が、平等に教育を受けることで、貧富によって差別されない社会を作ろうとした進歩的な試み。
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ただ、こうした内容は、これから回りますが、菅茶山記念館の方の資料を見ないとダメ。ここを見学するだけでは分かりません。
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茶山饅頭総本舗は、廉塾ならびに菅茶山旧宅の隣りにある和菓子屋さん。
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名物は茶山饅頭。菅茶山の姿を描いた包みを開くと、
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緑色の饅頭が出てきました。茶山の茶にかけているんでしょうが、なかなかいい色合いです。ただ、味わいも完成度高いですねえ。白餡に酒粕が隠し味になっていて奥深い。確かにこれは名物でしょう。
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さて、神辺本陣はここから歩いて行きます。
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神辺本陣は、山陽道の宿場だった神辺に残る本陣建物。
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ただ、神辺には、本陣は西と東の二つがあって、現在残っているのは西本陣の方。西本陣は、黒田家専用の本陣だったということです。周囲を塀が巡って、主要建物もしっかりあって、期待が高まったのですが、なんと公開は土日のみ。この日は平日だったので、外から眺めるだけになってしまいました。
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うーん、残念でした。
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菅茶山記念館にやってきました。こちらは、江戸時代後期の儒学者であり漢詩人であった菅茶山を紹介する施設で、鉄筋コンクリート造りの立派な建物です。
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菅茶山の開いた廉塾は福山藩の郷学として認可されることになりますが、菅茶山の考え方である皆が平等に教育を受けるという思想が明確。ただ、こうした考え方は封建時代にあって、異質なものとはされず、広く受け入れられる考え方になっていたことが重要でしょう。つまり、こうした土壌が封建制をつき崩し、明治維新の成功につながるものであったことを理解すべきだと思います。一方で、茶山が交友のあった人たちも含めての漢詩もすばらしい。漢詩は、日本の軍国主義を助長したとされ、敗戦後の進駐軍の政策によって排除されていったという話を聞いたことがありますが、日本文化の美しい伝統。漢詩の衰退にも思いを馳せました。
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続いてやってきたのは、ホロコースト記念館。名前の通り、ナチスによるユダヤ人の虐殺であるホロコーストを伝える施設です。
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何でこんなものがここにあるのかよく分かりませんが、
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パネルや映像は本格的で生々しい事実をしっかりと伝えています。展示室入るとすぐには、アンネの写真。なぜ人間は仲良く平和に暮らせないのだろう。
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パレスチナに攻撃を加えたイスラエルは、アンネにはどう映るのでしょうか。悲しいことだと思います。
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そして、やっとのことで福山市に到着しました。
こちらの福山自動車時計博物館は、福山のあばれんぼうという名物の館長さんが一代で集めた膨大なコレクションを展示している博物館です。 -
時計も自動車も年代物ばかりなのですが、
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それがきちんと整備されていて、
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ほとんどの時計はカチカチ動いているし、自動車もピカピカ。
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人に見せるのですから、
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イチオシ
こういうところではまず美しくないとダメ。
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その基本がしっかりしていて、
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値段は900円と高いですが、
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非常に好感を持ちました。
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応援したくなる博物館ですね。
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それに、館内は、
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私一人なので、
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自分だけの世界を楽しめる感じ。
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ただ、さすがに疲れてしまい、ここにきてちょっと放心状態。
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本当はここで福山市内も少し回りたかったのですが、無理ですねえ。
ということで、明日もう一日使って、鞆の浦も加えて福山の旅を継続することとしました。こんなはずじゃなかったんですがねえ。。。
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