神社仏閣を巡る街歩き　札幌市中央区

2011/07/24 - 2011/07/24

札幌市中央区は、整然とした新しい街並みでビルが立ち並んでいます。ススキノと言えば、有名な歓楽街。そんな所に神社仏閣が集中している一画があります。また、散策を楽しんだ中島公園の周辺にもいくつかの神社があります。
ススキノや中心部の別な顔を求めて、（３回に分けて）歩いてみました。
神聖な空間や静寂な空間、偶然行なわれていたお祭、穏やかな仏像や見事な建築、そして何よりも手を合わせる人々の姿がそこにはありました。

エリア 札幌(北海道)

［１］三吉神社
南１条西８丁目　東京ドームホテルの裏手にあります。
「みよし」と読みますが、地元では「さんきちさん」と愛称で呼ばれています。
５月の例大祭の１日目の午後１時頃行ってみました。

明治11年に秋田県の太平山三吉神社の分霊を祀ったのが始まり。
現在の祭神は、大巳貴神、小彦名神、藤原三吉神、金刀比羅宮、天満宮である。
（ウィキペディアより）

こちらでは、お祭りの一日のみ、能が上演されます。残念ながら時間が合わず、見られませんでした。

キラキラした色や形が子供の視線を集めます。

カラフルなキャンディー

いつの時代も、縁日の王道ですね。

［２］伏見稲荷
中央区伏見にあります。

このような赤い鳥居が２７基続くので、ぱっと目をひきますが、私たち以外には、２組のカップルしかいませんでした。

この日遠くまで出かけた帰りに、こちらへ寄ることにしました。二人とも初めて来ました。

赤い鳥居を潜り抜け、石段を登ると

ここは、パワースポットとしても有名で、若い女性向けの雑誌に紹介されたことがあります。

明治17年京都伏見稲荷大社の御分霊を札幌市南5条に奉斎。
当神社の御祭神お稲荷様は衣食住の太祖であり五穀豊穣、殖産興業、商売繁盛の守護神として遍く万民の崇敬を集めるその御神威を、高く拝せられる由縁である。
（ウィキペディアより）
　

おみくじは、こちらへ。

奉納された絵馬の中に、東日本大震災の復興や、今後の無事を祈るものを見かけました。

静寂なひと時でしたが、それよりも蚊が多くて、ゆっくり出来ませんでした・・・。

朱色の空間です。

鳥居の下は、少々苔むしている感じの参道でした。
伏見稲荷の左隣は、人気のアイスクリーム屋で、賑わっていました。

本当は・・・この日の一番の目的は、こちらの讃岐うどんのお店でした。札幌にラーメン屋は山ほどありますが、本当においしいうどん屋にはなかなか出会えません。
同僚グルメNさんに教えてもらい、大いに期待して、はるばる西区まで出かけました。

肉うどん

うどん一杯でも、結構な量でした。男性でも満足でしょう。
お昼時は混むと聞いていたので、２時過ぎに行ったら並ばずにOK。

きつねうどん
行く前から、きつねうどんを注文しようと考えていました。麺も出汁も揚げも、それぞれのお味がわかるかなぁーと思って。
期待通りのうどんで、満足です！
次回は、ぶっかけを注文し、カボスをぎゅっと絞って食べたいです。

［３］成田山　札幌別院　新栄寺
ススキノの一画にあります。
平成１５年に建立された鮮やかな色彩の本堂です。

本堂前の立派な木

明治１８年に仮堂を建設。 大本山成田山新勝寺から、ご本尊不動明王のご分身を勧請して開創されました。　　
成田山札幌別院新榮寺の公称は明治２２年からです。
旧本堂の建立は明治４２年でしたが、惜しくも昭和３９年に焼失致しました。
（HPより）

鮮やかな色に引き込まれます。けっして派手ではなく、新鮮に見えます。

赤に黄色や青が加わった彩りに、日本以外のアジアの国のお寺を見ているような気になりました。

一方ぐっと地味に（笑）大師堂です。
こちらのお寺は真言宗智山派です。

欅と杉が使われている、重厚な造りです。

昭和９年建立

北海道三十三観音霊場九番札所
北海道三十六不動尊霊場三十六番札所

愛染明王

女性の信仰が厚く、名前から染物関係者の信仰対象にもなったそうです。

穏やかな表情にホッとさせられます。

どなたかが置かれた左手の数珠が印象的です。

柔和なお顔に気持ちがほぐれるようです。

［４］大本山　永平寺　中央寺
新栄寺の道路を挟んだ斜め隣（北に向かって右）です。

彫刻が見事な山門をくぐります。

曹洞宗のお寺です。

こちらのお寺の紋が、至る所に見られ、風格を感じました。

境内にヤマゴボウの木がありました。

ちょうど僧侶の方々が、お経を唱えておられる最中でした。
まだお若い僧侶のようです。
邪魔にならないよう撮らせていただきました。

境内には私たち以外誰もいなくて、お経の声が響いていました。

本堂の中は、きらびやかです。

立派な鐘つき堂です。

［５］豊川稲荷　札幌別院
こちらも新栄寺の道路を挟んだ隣（北に向かって左）にあります。

　豊川稲荷札幌別院は、曹洞宗の寺で、正式名は玉宝禅寺祖院。
1898年（明治31年）に開創された歴史ある寺院で、開創100年を記念して1997年（平成9年）に「七福神」を祭ったのだそう。
夏は「すすきの祭り」のおいらん道中のスタート地点として、冬は「すすきの氷祭り」で夜店が軒を連ねるなど、年中境内は賑わいを見せます。
鳥居を構える神仏習合の寺院です。
（北海道新聞HPより）

鮮やかな色彩ですね。

豊川稲荷（愛知県豊川市）の別院になります。

豊川稲荷からの風景は、ススキノのビルやホテルです。隣は有名寿司店のすすきの店。

［６］札幌護国神社
中島公園の南、道路を挟んで西に位置します。

こちらは、門が閉じられていて、中へ入ることが出来なかったので、隙間からの撮影です。

明治１０年の西南の役に戦病没した屯田兵の霊をお慰め致すために明治１２年に御祭祀申し上げて今年で１２８年に相成りました。
その後幾多戦役の戦病役者の霊と殉職警察官、殉職消防官の霊を合祀申し上げております。
昭和４３年には不慮の火災に会い、御神殿を焼失しましたが、皆様方の御奉賛により昭和４５年の夏、荘厳を誇る御社殿が完成されました
（HPより）

HPに７月６日の例大祭の様子が出ています。伝統的な衣装や舞の様子が伺えます。
http://www3.ocn.ne.jp/~gokoku30/index.htm

さざれ石
「今より３億年昔の古世層紀に入るもので、かつて海であったところより浮き出し、陸となった時の一片といわれています。」と紹介されていました。
そんなに昔？？？

確か、この神社はお正月の参拝客が多いことでも有名です。

［７］伊夜日子神社
中島公園の南、敷地内の一画東側に位置します。
恥ずかしながら、名前を聞いたことは無く、知りませんでした。

「新潟県出身者有志の発意により、明治５５年にこの地に、越後一ノ宮弥彦神社の大神を祀りました。」とありました。
私は、越後弥彦神社へは何度か、参拝させて頂いた事があるため、懐かしい気持ちになりました。

配神は菅原道真公です。

［８］水天宮
中島公園の北、西側に位置します。

水天宮というと、安産祈願のイメージがあります。

この丸ごと大根１本に、目が釘付けです。

日本第３９分霊社の１つに入っています。
昭和６０年御創祀百年を迎えました。

ちょうど例大祭の日で、浴衣姿の方を見かけました。
夏なのに、ラフな格好の人は無く、皆さん折り目正しい服装で、水天宮に対する篤いお気持ちが伺えます。
テントが張られ、オードブルのお皿が並べられ、次から次へ人が訪れます。
お祭りのポスターに、ビンゴ、カラオケ、フラダンス、日本舞踊、声楽、花火とありました。盛りだくさんですね。

私は故郷に帰ると、沢山の風景に懐かしい気持ちで一杯になります。それは、町並みであったり、山や川のような自然の風景だったり。さらには神社仏閣のある風景（市の人口の割りに、神社仏閣が多いと思います）にも、心がどんどん柔らかくなっていくことに気付きます。
子供の頃遊んだ境内。神社仏閣の行事の手伝いに行く祖母に、喜んでついて行った幼かった頃の様子。お寺の境内にあった高い木に雷が落ちた時の驚き。さらには数年前大きな地震により、神社の大きく重厚な屋根が落ちて地面の上にあったことや、神社への石段が崩れたことの悲しさ。様々な想いが風景と重なります。
今回の旅行記の神社仏閣でも、多くの人が心の拠り所とし、一年の出来事の節目に手を合わせたり、地域の交流の場となったり、その信仰が受け継がれていくのでしょうね。
何だか物見遊山的な気持ちで始めた街歩きでしたが、日本の良さを再発見させて頂いた気がします。

この旅行記へのコメント （4）

• エンリケさん 2011/08/07 16:04:56

  美しい日本の姿がいっぱいです！

  川岸町子さん
  
  こんにちは。
  札幌の神社仏閣を巡る街歩き、興味深く拝見しております。
  
  北海道というと明治以後に開拓されたというイメージが強く、神社仏閣なんてそんなあるのかしらんと思っていたのですが、川岸さんのお写真を拝見すると、小さい頃に見たような、どこか懐かしい日本の原風景のようなものが感じられて、なんだかほっとする気持ちになりました。
  
  川岸さんのコメントにもあるように、まさに“日本再発見”ですね。
  
  普段の何気ない風景をこんな素晴らしい旅行記にしてしまうなんて・・・わたしも見習っていきたいですね！
  
  素敵な旅行記、どうもありがとうございました。

  川岸　町子さん からの返信 2011/08/07 22:30:06

  RE: 美しい日本の姿がいっぱいです！

  エンリケさん
  　書き込みを頂きまして、ありがとうございます。
  　エンリケさんのような上級者の方から、お褒めの言葉を頂き、とってもうれしいですー。
  　私は道産子でない分、地元の皆さんとは違うことに感動するのかもしれません。
  　昨日今日は、珍しく二日続けて30℃を越えました。
  　大通公園は、今は大きなビアガーデンになっていて、賑わっています。
  　短い夏を楽しみたいと思います。
  　そちらも（どちら？）暑いと思いますが、どうぞご自愛下さいね。
  　ありがとうございました。　
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　川岸　町子

• しょーきちさん 2011/08/04 21:59:15

  日本の美をカメラのフレームの中に　すばらしいです

  川岸　町子さま
  
  しょーきちです。
  札幌にまるで京都のような世界があるのですね。
  いや、京都以上に落着きと安らぎがありますね。
  ご紹介いただきありがとうございます。
  そして川岸　町子さまの写真フレームの巧みなこと、すばらしいです。
  修行僧の様子も秀逸なワンシーンですね。
  日本の美を楽しませていただきました。
  
  ありがとうございました。

  川岸　町子さん からの返信 2011/08/04 23:25:48

  RE: 日本の美をカメラのフレームの中に　すばらしいです

  しょーきちさま
  　ご訪問と書き込みを頂きありがとうございました。
  　こちらこそローマの旅行記を拝見し、すばらしさに圧倒されました。
  　大人の雰囲気の空間が、あちらこちらに広がり、まるでおしゃれな映像を見ているかのようでした。
  　またお写真の中で、ローマの歴史や伝統に、しょーきちさんのセンスが加わって、さらに深みのある一枚が出来上がっていると感じました。
  
  　でも沢山の美しいお写真以上に、しょーきちさまが高校生のお嬢さんと旅をされるという事が、何よりもステキです。うらやましいですね〜。私が父と旅行するなんて、考えただけでもムリでした！！ありえないですよー（笑）。温かい親子関係を築いていらっしゃるからこそ、楽しい旅になるのですものね！
  　私がローマを訪れたのは、２回とも２０数年前になります。
  　映画「終着駅」の舞台になったテルミノ駅は、当時から物騒と言われていました。その近くの教会の鐘が鳴り響くGHに滞在したことを思い出します。
  　また続きを拝見させて頂きますので、よろしくお願いします。
  　ありがとうございました。　　　
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　川岸　町子