暴風雪の函館（1）五稜郭と箱館奉行所とライトアップした「五稜星の夢」を楽しむ。

2010/12/23 - 2010/12/26

クラブツーリズムのHPを眺めていると「歴史とロマン薫る港町　函館湯の川温泉4日間」というフリーツアーを見つけました。料金はとスクロールしていくと12月の下旬まで全て一律30,000円と言う安さです。23日の祝日から出発して24日だけ休めば土日です。以前に函館は行ったことがありましたが、谷地頭温泉に立ち寄っただけでほとんど観光もしていませんでした。この９月に中国のハルピンを旅して露西亜風情にも触れたので函館の風情にも触れてみようと考えました。4日間の温泉三昧ともしかするとホワイトクリスマス？を期待して予約しました。到着した日はまだ晩秋の函館といった感じで、翌日は少し雪も積もり初冬の函館･･･。そして翌日は何十年振りと初老のタクシーの運転手さんが嘆くほどの暴風雪の函館を味わってきました。東京から函館に到着した初日は午後だったので、函館市電に乗って五稜郭周辺を観光しました。

エリア 函館(北海道)

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: タクシー JALグループ 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行なし）
• 利用旅行会社: クラブツーリズム

出発の東京は快晴でした。モノレールからも富士山がクッキリと望めました。富士山をみつけると得した気分になれるのは何故でしょう？今回の旅はJALですが、ツアーなので選択肢はありません。以前に嫌なことがあったのとその後のJALの応対に呆れて以来絶対に使わなかった航空会社です。

無事に函館空港に到着しました。3階の展望デッキからは津軽海峡と函館山が美しく望めました。♪はるばる来たぜ、函館！と言うにはアッと言う間のフライトでした。

マイルの貯まるスターアライアンスのANAに乗りたかったです。

空港から湯の川温泉の旅館までは近いのでタクシーで向かいました。

到着したのは湯元啄木館です。いろいろな口コミで調べるとあまり良いイメージが無かったけどそんな事はありませんでした。タクシーを降りると仲居さんがお出迎えしてくださり、荷物を持ってフロントへ案内してくれます。気持ちの良い応対です。

とても立派な旅館です。元々は実業家のお屋敷だった所なので敷地は2,000坪、立派な中庭に往時を窺い知ることが出来ます。湯の川の海岸沿いの旅館郡からは離れているので海の景色は遠いですが中庭の景色で十分です。

部屋で一休みする間もなく、ヒートテックで寒冷地仕様に着替えて出発しました。電停の湯の川温泉までも近いのでとても便利な所だと感じました。

市電を五稜郭公園前で下車します。昔この辺りに函館西武があったのですが、どこだかさえ分かりません。有楽町西武もこの週末で閉店だということを思い出しました。

歩いて10分ほどでビルの陰から五稜郭タワーが頭を覗かせます。建て直されたタワーはまだ新しいようです。

タワーに昇ってしまうと日が暮れてしまうので、五稜郭公園へ先を急ぐことにします。

タワーの先は五稜郭の堀が広がっています。人の流れについて橋を渡りますが、中国からの観光客が多いようです。

橋から見た濠の薄氷が寒さを感じさせます。

今年復元された箱館奉行所です。当時の図面を忠実に宮大工の方が建てられたものなので、形だけ真似て造られた建物とは違います。

建物の中に入ると真新しい木材の香りがします。

要所要所に係員の方がいらして説明をしてくれます。寒いから冬は大変ですねと声を掛けると「夏も暑かったんですよ。」との事でした。

襖を取り払うと72畳の大広間になるそうです。小樽の海陽亭の明石の間は100畳あったなと思い出しました。最後に伺ったのはもう20年も前です。早く再訪しないとあの石段を登れなくなるかもしれません。銀杏の葉の落ちる頃は本当に綺麗だったのを思い出しました。

桂離宮のトイレを思い出しました。晩秋の京都で見たときも寒いと感じましたので、北海道の地ではさぞ寒かったのだろうと思います。

中庭からは櫓が見渡せます。

館内には五稜郭や箱館奉行所の歴史を紹介する展示がされています。世界に残る五稜郭が地図で現されていました。ヴェトナムのフエの旧市街、キプロスのニコシアもそうだったのかと知り感無量でした。特にキプロスは南からも北からも2度に渡ってニコシアへ訪れた記憶が蘇りました。未だに南北で分断された悲しい街です。

長野県の佐久の龍岡城五稜郭は函館五稜郭とともに日本に2つしかない星型稜堡をもつ洋式城郭ですね。イタリアのプーリア州のバーリの城砦も同じような稜堡がありましたが、この地図には載っていませんでした。

表に出るとちょうど日が落ちたところでした。

すでに建物はライトアップされています。他に主だった建物は無いのでこの建物が復元される前はどんなに寒々しかったのだろうと思います。

振り返ると新しい五稜郭タワーが輝いています。

遠く函館山まで見渡せます。五稜郭の堤にはたくさんの桜が植わっています。冬なので葉を落として寒々しいですが、桜の咲くころはさぞ美しいのだろうと想像出来ます。

この時間は空がコバルトブルーに染まってとても美しいです。展望台には沢山の人が見受けられます。

五稜郭タワーへ向かう前に振り返った五稜郭です。濠の氷が本当に美しいです。

タワーもライトアップしています。ちょうどこの時期は「五稜星の夢」というイベントで城砦の五角形の濠をライトアップしています。そしてクリスマスイブはもう明日です。

午後5時以降はタワーの入場料が安くなります。展望台からの眺めはとても綺麗でした。素人写真では星型に全体が見えるようには写せませんでした。

大きさが手に取るように分かります。奉行所の建物が中心に配置されているのが分かります。

土方歳三の銅像は人気がありました。龍馬伝では出てきませんが幕末から明治初期は最近流行ってますからね。実際我々もそんなきっかけで函館に来ているのですから。

五稜郭の反対側は函館市内と函館山が望めます。完全に日が落ちてしまったので函館山のシルエットはすでに分かりません。展望台の明かりだけが頼りです。

ジオラマ模型を見ると沢山建物があったことが分かります。現在復元されている奉行所の建物は一部分だけだそうです。正確な図面が残っていなかったので復元は許可されなかったそうです。建物の正面左側の地面には部屋割りがラインで現されていますが、雪が降ったら見えないでしょうね。

下の階の展望台からの景色も上の階と変わりませんね。

エレベーターを降りるお客は途中階の2階で下ろされます。１階での乗降が重ならない工夫のようです。そこは五島軒のカレーショップと居酒屋とジェラート店はがありました。妻の要望でジェラートを食べましたがこれがとても美味しい。ちょうど選んだ3種類が並んでいたので写真に撮りましたが、マンゴは果物のままの濃厚さで、ハスカップも混ざり物が無い自然の味がします。そしてピスタチオ。ピスタチオは原材料が高いので日本のジェラート店ではあまり見かけません。今年ガリガリ君のアイスを造っている会社のジェラート部門の方に造っていただいたあの味が忘れられなかったのですがここで再会するとは思いませんでした。

3種類しか食べていないのであまり大きなことは言えませんが、このお店のものは美味しいです。食べた3種類を500ミリリットルづつ実家の両親に送りました。

こんな感じで1カップに3種類まで入れてくれます。これはお薦めです。

一度五稜郭公園に戻りましたが、午後6時で閉門になりました。

こちらもクリスマスのイルミネーションで綺麗です。

明日はクリスマスイブです。妻は「雪が降ればホワイトクリスマスなのにね。」
と言いました。その無責任な言葉に翌日から苦しまされる事を妻はまだ知りませんでした。

市電に乗って湯の川温泉まで戻りました。電停の前にある大きな酒屋は3日間お世話になりました。地元のビールやワインの種類が豊富です。旅館のロビーには見事な花が生けられていました。こういう旅館に泊まるのは久し振りです。

3泊のうち初日の晩は宴会場で和食のお料理がいただけました。格安ツアーなので食事は期待していなく、3晩共バイキングだと思っていたので嬉しい誤算でした。

ホテルの中庭は北海道だと言うのに雪も無く、雪吊りが無ければ季節が分からないところです。そんな心配は翌日には消えましたが。緑色のライトアップを見ると中国を旅したことを思い出します。日本も変わったものです。

部屋は広めの和室と洋室が合わさったタイプで良かったです。寝るのはベットが便利ですが温泉から上がったら畳部屋でゆっくり寛ぎたいですものね。