2008/05/15 - 2008/05/25
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kojikojiさん
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巴沙村の興奮もその後の従江から肇興(ザオシン)への道の悪さにどこかへ吹っ飛びそうでした。舗装は途中で途切れそのほとんどが車輪でえぐれて真直ぐ走れない状態です。距離にして20キロぐらいでしょうか2時間近くゆられていた気がします。途中は他の車と抜かれ抜き返しの繰り返しですが、大体同じルートで旅している人たちの車でした。季刀苗族の村で一緒だったデンマークの人達は車窓から手を振ってくれます。
肇興には夕方に到着して村の中心のホテルで一休みしてから散歩に出掛けました。ホテルの隣にあったお土産屋のおばさんに捕まって、この辺りで作られる光沢のある藍染の民族服を買ってしまいました。上下でも2,000円しないくらいだったので生地の違う2種類買って、折角なのでそれに着替えて散歩しました。日が暮れる前からお願いしておいた歓迎式が広場で始まりました。かなり観光化されているものでしたが、トン族の人の歌の上手さには驚かされました。また2人だけのための開催ですが、後の方で見ていたフランス人の人がいたので声を掛けると、最初は遠慮していましたが我々が予約して2人だけなのでと言うと喜んで一緒のベンチに座ってくれました。フランスの中部リオンから来たとの事で、やはりガイド付きで同じようなルートを旅していました。今晩はここで1泊で、晩御飯はガイドの候君とドライバーさんと大宴会でになりました。ここは貴州省の東の外れで今回はここが一番遠い場所です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 1.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
従江からはとんでもないダートを越え、最後はちゃんとした舗装道路に出ました。暫らく走ると肇興の村が見えて来ました。前を青々とした田んぼ、三方を山に囲まれた大きな集落で、ポツンポツンと鼓楼が頭を出しています。
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ホテルで一休みして表に出た瞬間に隣の店のおばさんに捕まりました。巴沙村の雑貨屋ではサイズが合わなくて買えなかった服がいくらでもありました。この生地はこの村の名産品でもあります。藍染のピカピカの素材のものと普通の作務衣のような素材の両方を買い求め、ホテルの部屋に戻って着替えてみます。
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藍染の服に着替えて村の中を見学して回ると気分も違います。肇興は中国で最も大きく歴史の長いトン族の村です。約800世帯で人口は約4000名だそうです。通常トン族の村には鼓楼が1つありますが、 肇興は規模が大きいので鼓楼と風雨橋がそれぞれ5つあります。トン族は木造建築技術に長けており、この鼓楼も釘を1本も使わないで建てられています。
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これがピカピカに光った光沢のある生地です。木綿の反物を藍で染めてから卵白を擦り込んで、畳んでから木槌で叩きます。そうすると何とも言えない光沢が出ます。
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そこらじゅうに生地が干されています。干しているのか落ちているのかは微妙ですが、プラスチックのような光具合です。
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村の中を流れる川も奇麗です。
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鼓楼には人々が集います。ここには大きく5つの鼓楼があるので、多分5区に分かれたコミッティみたいなものがあるのでしょう。貴州省は外の世界とは違った時間が流れているように思います。
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コンコン音のする方に行くと…。染め上げた生地をおばさんが木槌で叩いています。
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横で眺めていると「やってみる?」とすぐにやらせてもらいました。
「上手ね。」と褒められましたが、すぐに疲れてしまいます。 -
売っていた服を実際に着てみると涼しいし汗は吸ってくれるし乾きやすいので便利でした。何度か洗わないと色落ちするのはジーンズと同じです。
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妻はここまで4つの村で民族衣装を着させてもらいましたが、ここで買う事が出来たので良しとします。ちょっと羨ましいなと思っていましたから。
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鼓楼はお年寄りの集まる場所にもなっていました。
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時間になって広場で待っていると、風雨橋を渡って歓迎式の人たちがやってきました。
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トン族は少数民族の中でも歌が上手いことで有名で、彼らにとって歌は生活の一部で、文字を持たないトン族にとっては民族の歴史や文化などありとあらゆることを歌で伝承してきたそうです。特にトン族にとって無伴奏の合唱形式で歌われる「大歌」は特別な存在で有名です。
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こんな舞台の前に木の長いベンチが2本置かれ、座っているのは我々とガイドの候君の3人だけです。ドライバーさんはホテルでお休みしています。後の方で遠慮がちに見ていた欧米人がいたので、声を掛けて一緒に座ってもらいました。これで少しは気が楽になりました。
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最初は歓迎の歌でアカペラで歌われるのですが、鈴のような声と言うのでしょうか、うまく言葉では説明できませんが鳥肌が立つほど素晴らしい声でした。
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モンゴルの人たちが謡うホーミーのような感じもしました。
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よく見ると楽器は既製品ではなく、村の職人さんが造った手作りのようです。
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雲南省の麗江で納西族の古楽器の演奏を聴いた後だったので、興味深く聴く事が出来ました。
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苗族の衣装とは違ったトン族の民族衣装も素敵でした。
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途中で男性たちのコミカルな演目も面白いです。言葉が分からなくても楽しめます。
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男性も素晴らしい声をしています。
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歌の内容は自然や生活、労働や恋や友情が主で、鳥の鳴き声や虫の声、水の音など自然の音が歌の源とされます。
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歌の特徴はソプラノやアルトやテノールのパートがあり、それらのハーモニーが大変すばらしいです。
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女性たちの歌に応えて男性たちが歌を返す姿は歌垣のようでもありました。同じ貴州省でも男性が歌を謡うのはこの村で見ただけでした。以前行った桂林の郊外のトン族の村では歌を聴く事が出来ませんでしたからこれで満足です。
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今回は季刀苗族の村の歓迎式とこの村の2か所を事前に予約していましたが、今から思えば正解だったように思います。偶然ですが他にも2つの村の歓迎式に参加する事が出来ました。
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これだけの歓迎式をしてもらっても旅行会社を通して9,000円ほどでしたので、この当時に貴州省を旅してよかったと思います。歓迎式が無くてもインスタントカメラで村の人と仲良くなる事が出来ましたが、スマートフォンが広まった現在ではコミュニケーションツールにはならないでしょう。
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だんだん薄暗くなる黄昏の時間帯に歓迎式を聞けたのは良かったです。この後も別の人たちの歓迎式がありましたが、日が暮れた後は照明のスポットが当たって良くある民族ショーのようでした。
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最後は中日仏でお約束の大団円です。もう一緒に踊るのにも慣れて来ましたし、楽しんだ者勝ちです。記念写真も撮ってお礼を伝えてホテルに戻りました。
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綺麗なお嬢さんたちとのフォークダンスはいい思い出になりました。
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歓迎式の後はドライバーさんを呼んで夕食です。中国の現地旅行会社の場合は通常ガイドさんやドライバーさんと一緒に食事をすることはないのですが、ここでも楽しんだもの勝ちです。店はここが美味しそうだと私が決めました。そしてこの村が気に入ったのでここで働く事にしました。「家常豆腐…。」「没有!」
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今晩の注文ですが本当に家常豆腐はありませんでした。隣の店で豆腐貰って来てよ。と言ったら本当に買いに行ってくれましたが隣の店にもありませんでした。
日本人の場合は漢字で書けば大抵通じるのが嬉しい中国旅行です。 -
まずはビールのつまみに頼みました。新鮮なキュウリと大蒜酢醤油と唐辛子がピリッと効いて美味しいです。
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中国の田舎料理で一番好きなトマトと卵炒めです。これは我が家の定番料理にもなっています。
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ニラとにんにく炒めも野菜が新鮮なのでシャキシャキして美味しいです。
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ワラビの蒟蒻風もここでは麺では無くて蒟蒻のような短冊切りでした。辛くて美味しくビールが進みます。
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ホテルの帰り道にやっぱり隣のおばさんに捕まりました。これで妻とお揃いになりました。たくさん買ったので妻の分はかなり安くしてくれました。
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