えー加減にせーよフィリピーノ

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　ここ数年、毎年フィリピンはパングラオ島のアロナビーチにダイビングに来ています。お馴染みのセブ島の隣ボホール島に橋でくっついている小さな島パングラオ島にあるドイツ人が開発したダイバーのためのビーチがアロナです。
全長１Ｋｍの砂浜にダイビングショップ、ホテル、レストラン、売店の４種類だけが並んでいます。他には何のお店もありません。ダイビングショップの多くはドイツ人の経営で、ダイバーもほとんどがヨーロッパからの長期バカンスで来ています。初対面の会話は「何処から来た」「いつまで居る」で始まりますが、片言英語の私はそこから先へ進めません。相手が金髪の可愛いオネーサンなら必死で頑張るところですが、機会に恵まれない私です。
　パングラオ島は小さな島で吉　幾三の「おら、東京さ行くだ」に出てくる「カラオケねえ、ディスコもねえ」という村と同じで何も無い小さな島ですが、ボホール島はフィリピンで１０番目に大きい島で県庁所在地の街タグビラランは大学もあるけっこうな賑わいの街です。でもここには信号機がない。と思う。あるかもしれないが見たことないのでまっいいか。ついでに速度制限も無い。法律的にはあるのだろうがお巡りさんも見かけないし、そもそも順法精神が無い。さらにいえばフィリピンの道路には車線も無い。白い線は引いてあるが意味は無い。１台でも前の車を追い越して前へ出ることが最優先事項であり、いかにも温厚な顔のオジさんドライバーでも一旦ハンドルを握るとフルスロットル、フルブレーキでちょっとでも前へ出ようと必死です。
　日本でクラクションを鳴らしても良いのは「公安委員会指定の場所」と「危険防止上やむを得ないとき」と定められているが、やむを得ない場合でも黒塗りやベンツの「和泉」「姫路」ナンバーの車にクラクションは躊躇するところである。ピアノの音やクラクションが原因で喧嘩になったり殺されたりする日本ですが、東南アジアでは重要なコミニュケーション手段となっている。「オラ、どかんかい」「はよ行けコラ」「オラオラ、追い越すぞ」「危ないやんけ、ワレ」など色々な意味を持って使われている。時には「殺されたいんか、ワリャー」という感じで鳴らし続けることも多い。１にクラクション、２にハンドル、最終手段がブレーキと日本では絶対免許取れまへんで。日常会話の一部と化しているクラクションであるが、これが原因で喧嘩になることは絶対無い。と思う多分。ピストルが出回っているお国柄なので私の知らないところで気軽に撃ったり撃たれたりしているのかも知れない。
　そんな乱暴な運転で事故は起きないのかというと、ボホールにはびっこの犬がいっぱいです。クラクションで警告したのに避けないほうが悪いということになっているのかも。