2025/03/21 - 2025/03/21
1位(同エリア84件中)
旅猫さん
紀州路の旅の二日目。後半は、海南駅からほど近い場所にある黒江の街並みを散策し、その後、海に面した琴ノ浦の温山荘園を訪れる。この日は、和歌山に宿を取り、夜は地酒を楽しむことにする。
(2025.04.20 投稿)
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
海南駅には、11時39分に着いた。その駅舎は、新幹線の停車駅に見られる壁のような無粋な建物であった。
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まずは、市街地の北側にある黒江地区を目指して歩き始める。途中、曲がりくねった水路に沿った小道に入る。その川には、石が積まれた護岸があり、なかなか風情がある。
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地図を頼りに歩いていたが、街を東西に貫く日方川を渡ったところで、位置がずれている事に気付いた。すると、ちょうど警察官が通りかかったの尋ねると、一本西側の橋を渡っていたことを教えてもらった。そして、ようやく旧熊野街道へと入る。町並みも、僅かだが街道沿いの面影を残していた。
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道沿いには、永正寺と言う落ち着いた佇まいの寺もあった。
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その先には、古い道標も立っていた。寛政12年に建てられたもので、紀三井寺への道との追分を示すものである。
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さらに進むと、また石垣が見えて来た。この界隈では、薄い石を積み重ねて石垣を造るようである。
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手持ちの地図では道があるのだが、何故か通り抜けが出来ない。仕方が無いので一旦戻り、県道に出た。県道沿いに、黒江の方へと歩いて行くと、小高い丘と隧道が見えて来た。城山トンネルとあり、地図を見ると池崎城跡とある。調べてみると、紀伊国守護山名義理の拠る大野城の支城として築かれたものだそうだが、詳細は不明であった。
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隧道を潜り、黒江側に出た。すると、交差点の角に、『黒牛茶屋』と言う建物があった。紀州の地酒で名の知れた『黒牛』を醸す名手酒造店の直営店であった。この裏手に蔵があり、まさに地酒である。購入しようかと思ったが、『黒牛』はどこでも呑めるので、我慢した。
黒牛茶屋 グルメ・レストラン
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黒牛茶屋から西側へ続いているのが黒江の町並みである。大通りから一本入った裏道沿いには、連子格子の町屋が鋸歯のように斜めに立ち並んでいる。この辺りの町屋は、かつての漆器職人の仕事場兼住居だったものだそうだ。町並みと呼ばれているが、残っている町屋の数は少なかった。
黒江の町並み 名所・史跡
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南側を走る県道沿いにも、古い町屋が少し残っていた。
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そのひとつ、旧岩橋家住宅は、明治45年(1912)に、実業家で初代黒江町長でもあった岩橋新三郎により建てられたもので、食事処となっていたので、ここでお昼を食べることにした。
登録文化財の町屋で食べる早なれ寿司 by 旅猫さんべっちんさん グルメ・レストラン
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頼んだのは、紀州肉そばに早なれ寿司が付いたものである。蕎麦は好みではなかったが、寿司はなかなか美味しかった。
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食後、県道の南側の路地に入る。そこには、風情のある木造の町屋が佇んでいた。
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さらに西へと歩いて行くと、趣のある街並みとなった。この辺りは、古い町屋を利用した喫茶や漆器店などが集まっていた。
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江戸時代に建てられた池庄漆器店に目が留まる。漆器が黒江の特産と言うこともあり、覗いてみたかったのだが、見れば買い求めたくなるので、通り過ぎることにする。
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そのすぐ先の左手に、立派な長屋門を構えた旧家があった。尾崎林太郎家住宅で、江戸時代から漆器問屋を営んでいるそうだ。
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表通りに戻ると、『紀州漆器伝統産業会館うるわし館』と言う施設があった。手軽に漆器を観ることが出来るようなので入ってみる。買い求めたくなるものがいくつかあったが、やはり我慢した。
うるわし館(紀州漆器伝統産業会館) 専門店
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今度は、北側の路地に入る。そこは、地元の方が利用する商店街のようだが、多くの店が閉まっているようである。どこの町でも、地元の商店は次々と姿を消している。駐車場を併設した大型商業施設が幅を利かせ、個人商店は勝負にならない。どこも同じような街になってしまうのは寂しい限りだ。
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この船尾界隈は、古風な町屋が多いが、人が暮らしているので、とても生活感がある。しかも、観光地化されていないため、とても風情を感じる。
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船尾を抜けると、国道に出た。その向こう側に、琴ノ浦温山荘園と言う庭園がある。そこは後でゆっくり立ち寄るとして、まずは、その脇にある県立自然博物館に入る。入ってみると、博物館と言うよりは、水族館であった。入ってすぐのところに、薄暗い大水槽があった。
和歌山県立自然博物館 美術館・博物館
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そのすぐ脇に、『ワカヤマソウリュウ』なるものの複製骨格が展示されていた。有田川町で発見された新種で、モササウルス類と言う水生爬虫類の一種だそうだ。古代の生物には関心があるので、これは興味深かった。
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展示は、古風な水族館のようである。凝った展示は無く、小さな水槽がたくさん並んでいる。かつての銚子や松島の水族館を思い出させる。
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館内の一角からは、隣にある温山荘園の一部と、かつての海が望めた。
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多くが埋め立てられてしまっているが、かつての入り江が残り、なかなか風情がある。昔は、景勝の地であったのだろう。
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温山荘園へと向かう。温山荘園は、産業用ベルトなどのゴム製品の製造で名の知れたニッタの創業者である新田長次郎の別荘として、武者小路千家家元名代の木津聿斎により作庭された潮入式池泉回遊庭園だそうだ。
温山荘園 公園・植物園
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主屋に入ると、ここにも雛人形が飾られていた。
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奥の座敷からは、庭園が望める。庭に面して廊下があり、硝子戸が設けられているの、なかなか眺めが良い。
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欄間は、素朴ながらも大胆な意匠である。
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それにしても、木の桟と言うのは良い。
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庭園に出てみる。池が三つあり、まずは二つの池からなる東池を散策。思いのほか広大な庭園で、池もかなり大きい。
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西池は、南北に細長い。あまり水の動きが無いのか、どちらの池もかなり濁っていた。空気を入れるための水車が回っていたが、あまり効果は無いように見える。
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庭園の南端に、浜屋敷と呼ばれる建物があった。その名のとおり、かつては海に面していたのだろうが、今は埋立地が目前まで迫り、水路が見えるだけである。
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西池を、大きな一枚岩の橋で渡る。
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その先に隧道があり、そこを潜ると、かつて別荘専用の浜であった場所に出た。かつては目の前に海が広がっていたのであろうが、今は埋立地ばかりである。
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庭に戻ると、西池の向こうに樹々に包まれた主屋が見えた。
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その手前の石の傍らに、雛人形を描いた石が置かれている。すると、至る所に違う図柄の石が置かれている。たぶん、この季節だけなのだろう。
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主屋の地下にダンスホールの跡があり、そこにも雛飾りが置かれていた。
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ひと通り観て回ったので、宿のある和歌山駅へ向かうことにする。すぐ近くの琴の浦バス停で時間を確認すると、ちょうど出たばかりであった。海南駅行のバスが先に出るようなので行ってみると、時刻表には載っていない。おかしいと思って調べてみると、何と、同じ名のバス停が他の場所にもある。結局乗り遅れてしまい、その別のバス停で次のバスを待つ。そして、3分遅れでやって来た15時3分発のバスに乗り込んだ。
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海南駅からは、15時22分発の和歌山行に乗車。後で分かったのだが、15時3分に、琴の浦から和歌山駅へ向かうバスがあったのだ。
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今宵の宿は、和歌山駅近くの『コンフォートホテル和歌山』である。前に急遽和歌山で泊まった時は、駅前の『ホテルグランヴィア和歌山』だったが、13年前の宿泊料より、今回の方が安かった。
駅からほど近い小奇麗なホテル by 旅猫さんコンフォートホテル和歌山 宿・ホテル
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部屋でしばらく休んだ後、夕食を求めて外に出る。駅前で店を探すと、かなり古風な立ち呑みがあったが、まだ営業前であった。そこで、駅ビルの中を探すと、地下に『城』と言う居酒屋があった。中へ入ると、駅ビルの中とは思えないほど趣のある居酒屋であった。しかも、高齢の女性が三人でやっていて、その応対も、街中の古い居酒屋のようである。先客も、一人呑みの女性だけであった。
城 グルメ・レストラン
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とりあえず、生麦酒と一番人気だと言うタコ唐を注文。料理自体は、少し量が少なめであるが、居酒屋らしい盛り付けでなかなか良い。
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続いて、地酒を頂く。頼んだのは、春限定と言う『車坂 特別純米生酒』。岩出の吉村秀雄商店が醸す酒である。米の旨味もあるが、飲み口は軽やかで、春らしい味わいである。
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肴には、天ぷらの盛り合わせをもらう。海老とキスに野菜天が付き、揚げたてでなかなか美味しかった。
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二杯目のお酒も、同じ酒蔵の『鉄砲隊 純米吟醸原酒』とした。こちらは原酒らしく、しっかりとした味わいである。
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そして、二番人気のタン塩焼きを追加。入口にあった写真で、薄焼きだったので頼んだのだ。個人的に、牛タンは紙のように薄いのが好きなのだ。最近は厚切りばかりなので、久しぶりにタン塩焼きらしいものに出会え、嬉しかった。適当に入った店であったが、雰囲気も対応も良く、お酒も料理も美味しかった。ここは、和歌山の定番としよう。
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この旅行記へのコメント (4)
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- hot chocolateさん 2025/05/09 22:17:47
- 黒江、琴ノ浦
- 旅猫さま
こんばんは。
「紀州路を行く」の旅行記にお邪魔しています。
紀州路、かねてより行ってみたいと思っているのですが、いまだ未踏の地です。
黒江や琴ノ浦という地名すら知りませんでした。
日本は広いですね~。
情緒ある町並みが日本各地に残っていて、日本人だけでなく外国人にとっても、魅力を感じるのでしょうね。
温山荘園の建物や庭園も風情があっていいですね。
このような広大な敷地を持つ別荘を所有していたとは驚きです。
私はお酒が飲めないので、お酒のことは全く分かりませんが、
旅の終わりに、美味しいお酒とお料理に巡り合って有意義な旅でしたね。
そうそう、プロフの猫ちゃん、後ろ姿から、お昼寝姿の猫ちゃんに変わりましたね。
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2025/05/10 06:17:07
- RE: 黒江、琴ノ浦
- hot chocoさん、こんにちは。
書き込みありがとうございます。
紀州は広く、和歌山界隈や熊野、南紀など、それぞれに魅力があります。
黒江や琴ノ浦は、今回の旅の計画を立てていた時に知りました。
多くの人が訪れる観光地ではないですが、なかなか良かったです。
日本は、それこそ津々浦々に多くの魅力的な街が残っています。
山間にも、忘れられたように佇む集落などもあり、旅情を誘います。
とは言え、有名観光地に人が溢れるので、そのような場所は静かです。
今回の旅では、重伝建指定の湯浅の一部は混み合っていましたが、御坊、黒江、琴ノ浦はほとんど観光客の姿はありませんでした。
温山荘園は、とにかく広かったです。
あれが個人の別荘跡とは思えないほどです。
昔のお金持ちは違いますね。
旅の楽しみの一つが、その土地のお酒を呑むこと。
それに、地元の食材を合わせるのが楽しみです。
プロフの猫さん、最近後姿が撮れないので、後ろ姿で寝そべっている写真にしました。
苦肉の策です(笑)
旅猫
-
- ポテのお散歩さん 2025/04/21 03:04:00
- 黒江の街並み
- 旅猫さん こんばんは。
黒江はNHKの、主人公が古民家カフェを訪れる番組で観た事があります。
ちょうど池庄漆器店の数件隣にある古民家カフェでした。
街は立派な家が多いですね。
漆で栄えていたのでしょうね。
温山荘園は初めて知りました。
以前は庭の池と海が近く、堺を感じないような
大きな景色が広がっていたのでしょうね。
和歌山らしい、大らかな庭園に感じます。
夕食ではお気に入りのお店が見つかったようで、
どれも美味しそうです(*^-^*)
ポテ
- 旅猫さん からの返信 2025/04/21 22:51:39
- RE: 黒江の街並み
- ポテさん、こんばんは。
いつもありがとうございます。
その古民家カフェ、かなり有名なようですね。
『古民家カフェ 黒江ぬりもの館』と言う案内板をよく見かけました。
前を通りましたが、入りませんでした。
黒江は、紀州漆器で栄えたようで、職人たちの仕事場が多かったようです。
それは裏通りで、表通りには商人たちの立派な屋敷があったようです。
温山荘園は、今回の旅で初めて知りました。
黒江から近かったので立ち寄りましたが、驚くほど広かったです。
昔のお金持ちは凄いです。
二日目の夜は、偶然入った店がとても気に入りました。
気取らない感じで、寛げました。
旅猫
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