2013/04/08 - 2013/04/08
9位(同エリア855件中)
旅猫さん
※2020.04.26 再編集(写真の差し替え、文章の書き直し)の上、改めて公開しました。
旅の最終日は、今回の旅の一番の目的である那智の滝を訪れる。
那智の滝は、落差は133mで直瀑としては日本一の滝。
滝自体が、飛瀧神社のご神体となっているのだ。
今回は、那智駅から路線バスに乗り、大門坂で下車。
そこから熊野古道大門坂を歩いて登り、那智滝から青岸渡寺を通って熊野那智大社へ参拝した。
初めて見る那智の滝の神々しい姿は素晴らしかった。
拝所も貸切状態で、ゆっくりと名瀑を鑑賞することができ大満足。
那智滝でのんびりし過ぎて、熊野那智大社ではゆっくり参拝することができなかったが、今回、熊野三山をすべてを参拝することができて良かった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JR特急 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
8:20発の休暇村南紀勝浦の送迎バスに乗車。
このバスは、宇久井駅経由で紀伊勝浦駅まで行くのだが、運転手さんに那智駅前で降りることができるか訊いてみると、大丈夫だということ。
那智山行きのバスが那智駅前を8:33に通るので、それに乗り換えるために、那智駅前で降ろしてもらった。
那智駅は立派な駅舎で、昔は東京駅からの寝台特急も停車したそうだ。
今は、普通電車しか停まらないような静かな無人駅だった。那智駅 駅
-
バスは、ほぼ時間通りにやってきた。
乗り込んだのは我々だけ。
車内もガラガラで、結局、大門坂バス停で降りたのも我々だけだった。
バス停から少し戻ったところに大門坂への入口があり、少し登って行くと、長閑な風景が広がった。
それにしても、田んぼや民家の石垣がとても立派だ。 -
大門坂の手前にある集落の入口に到着。
そこでは、春の花が出迎えてくれた。
柿の木も新しい葉が出たばかりで、とても瑞々しい感じだ。 -
その集落は、こじんまりとしていた。
中ほどに、赤い欄干のある橋が架かっている。
人影は無く、とても静かで落ちつた雰囲気が漂っていた。 -
大門坂の入口が見えてきた。
そこには大きな杉の木が二本立っていた。
夫婦杉と呼ばれているそうだ。
まるで大門坂に入る関所のようだ。 -
樹齢800年と云われる巨樹で、見上げると圧倒されるような高さだった。
その凛とした姿には、精霊が宿っているかのようだ。
昔の人が畏敬の念を感じだように、現代に生きる私たちも、巨樹に出会うと神々しさを感じる。
心の中で挨拶をしながら、そっと触れさせてもらった。 -
夫婦杉からすぐの右側に石碑が立っていた。
これは、熊野詣に関連する九十九王子の最後にあたる多富気王子があったことを示すものだそうだ。
古の旅人も、ここで旅の終わりを感じたことだろう。 -
さらに歩いて行く。
石畳に木漏れ日が差し込んで良い感じだ。熊野古道 大門坂 名所・史跡
-
ずっと登り坂なのだが、傾斜は緩やかなのできつくはない。
森の中の道なので、空気もひんやりとしていて気持ちが良い。 -
石畳と杉木立が続いている。
世界遺産と言うことで、もっと大勢の人が歩いているかと思ったが、多くの人はそのまま車やバスで登ってしまうようだ。
かなり見通しが利くのだが、人影は見えなかった。 -
歴史に想いを馳せながらゆっくりと登る。
それにしても、京の都から何日も掛けて歩いてきて、この坂を登れば熊野詣も終わると思った時、古の人たちはどのような気持ちになったのだろう。
鉄道とバスを乗り継ぎ、最後の大門坂だけを歩いて登ることに、少し後ろめたさも感じた。 -
ゆっくりと30分ほどかけて大門坂を登り切ると、最後にシャガの花が出迎えてくれた。
花を愛でながら、そこで息を整える。 -
一休みした後、まずは那智の滝を見たいと思い、そちらへと向かう。
途中、熊野らしいと勝手に思った景色に出会った。 -
しばらく歩くと、前の方に滝が見えてきた。
それが那智の滝だった。
まだかなりの距離があったが、それでも迫力がある。
この後、それがほんの一部分だとわかるのだが。 -
滝への入口である飛龍神社の鳥居を潜る。
参道は、鳥居から石段を降りて行く。
苔むした石垣が、歴史を感じさせる。 -
杉木立の中に続く石段を降りて行くと、ついに那智の滝の全貌が姿を現した。
その姿は神々しく、、素晴らしいの一言だった。
まさに白き神そのものだ。那智の滝(那智大滝) 自然・景勝地
-
落差は133mあり、日本一の直瀑である。
まわりの緑との対比も素晴らしい。
その滝は、自体が熊野那智大社の別宮、飛瀧神社の御神体となっている。
本殿どころか拝殿すらなく、直接滝を拝むのである。
日本古来の自然を崇拝する信仰に触れることが出来る場所だった。 -
瀧をもっと近くで見るには、飛龍神社の有料の拝所に上がる必要があるが、せっかくなので行ってみることにした。
拝観料を払って中へ入ると、花山法皇所縁の延命水があり、初穂料100円を払うと、神杯でその霊水を頂くことができる。飛瀧神社 寺・神社・教会
-
拝所へ上がると、そこには誰も居なかった。
貸切である。
那智の滝を貸切で拝むことができるとは夢にも思わなかった。
その場所から望む那智の滝も見事だった。 -
滝の下の方は、水と岩が織り成す美しい光景が。
神が宿る場所に相応しい神秘さも感じる。 -
飛龍神社の社務所に寄ると、絵馬には八咫烏が描かれている。
熊野と言えば、やはり八咫烏だ。 -
御朱印をいただいた後、もう一度那智の滝を拝む。
滝のある那智山には、他にも多くの滝があるらしく、そのうち48の滝には名前を付けられ、滝行の場となっている。
那智の滝は、その中で一の滝と呼ばれているそうだ。
それにしても、何度観ても素晴らしい姿だ。
神が宿ると考えた、古の人たちの想いがよくわかる。 -
那智の滝を参拝した後、熊野那智大社へと向かう。
趣のある石段を登って行くと、途中に平らな場所があった。
そこは、昔の祭祀の跡だそうだ。
歴史の痕跡を観るのは好きである。 -
さらに登って行くと、青岸渡寺の三重塔に出た。
傍らでは、ちょうど桜が満開で、思わぬところで花見が出来た。那智山青岸渡寺 寺・神社・教会
-
三重塔から本堂の方へと歩いて行くと、三重塔と那智の滝が一緒に見える場所があった。
旅行雑誌などでよく見る景色は、ここから撮ったものなのだろう。
なかなかの景色であった。 -
目を転じれば、瓦屋根の向こうに熊野灘が望めた。
思いの外、海が近いのだな。 -
青岸渡寺の本堂で参拝。
本尊の如意輪観世音を祀るその建物は、天正18年(1590)に豊臣秀吉が再建したもので、桃山時代の特徴を色濃く残しているらしい。
秀吉らしく、装飾はかなり煌びやかなものだった。 -
青岸渡寺の境内を抜けると、熊野那智大社の拝殿の前に出た。
熊野三山詣、最後の社である。
鮮やかな朱塗りの拝殿は、平重盛の手植えと伝わる樟の大木に守られているかのようだ。熊野那智大社 寺・神社・教会
-
拝殿の脇には、神の使いである八咫烏を祀る御縣彦社もあった。
八咫烏は、記紀に登場することで知られているが、もちろん詳細は分からない。
とは言え、熊野の象徴と考えられているのは確かなのだろう。 -
那智の滝で時間を使い過ぎたため、バスの時間が迫って来てしまった。
ゆっくり熊野那智大社を参拝したかったのだが、仕方が無いので、那智山のバス停へ向かうことにした。
その途中、参道の石段の上からも素晴らしい景色が望めた。 -
11時45分発の紀伊勝浦駅行のバスに乗車。
そのバスも、乗客は疎らだった。
そして、バスは30分足らずで紀伊勝浦駅前に着いた。 -
紀伊勝浦駅からは、12時23分発の特急『ワイドビュー南紀6号』に乗り、この旅もそろそろ終盤だ。
しばらくすると、車窓には熊野灘が広がってきた。
昨日も、同じような景色を眺めたことを思い出した。 -
列車は、新宮駅に到着。
この駅で、しばらく停車する。
その時間を利用して、ホームに出てみた。
二日前に降り立った時は大雨だったので、初めて見るような感覚だった。新宮駅 駅
-
新宮駅を出ると、列車は紀伊半島の東側を走って行く。
山が海岸線まで迫り、トンネルが多くなった。
それでも、トンネルを出ると、綺麗な海岸が現れたりするので目が離せない。 -
そして、熊野路を抜けると伊勢路へと入り、4時間足らずで名古屋駅に到着した。
熊野での静かな時間が嘘のような駅の喧騒に、旅の終わりを実感する。
名古屋駅からは、16時24分発の『ひかり526号』に乗り換え、一路東京駅へと向かった。名古屋駅 駅
-
富士川鉄橋を渡る手前から、富士山が見えてきた。
西から帰る時、富士山が見えると嬉しくなる。
初日、雨に祟られた熊野への旅も、後半は天気も良く、那智の滝では神が宿る滝を貸切で観ることが出来たりと、終わってみればとても充実した旅だった。
親も喜んでくれたので、思い出に残る良い旅となった。
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この旅行記へのコメント (10)
-
- ころっつさん 2013/07/20 22:12:51
- いやいや立派です。
- 旅猫さま、こんばんは。
私も昨年夏に那智山には行きましたよ。大門坂を歩かれたのですね、そこだけ歩いたことに後ろめたさなんて感じられることはないですよ。
私は真夏だったせいもあり、大門坂をスルーして車で青岸渡寺と那智滝まで直行しましたので…。十分ご立派です。
次行った時には、神倉神社とともに歩いていこうと思っていますが…。
ころっつ
- 旅猫さん からの返信 2013/07/21 08:18:35
- RE: いやいや立派です。
- ころっつさん、こんにちは。
いつもありがとうございます。
ころっつさんも那智へ行かれましたか。
真夏に大門坂を登るのは、私も遠慮したいところです(笑)
でも、他の季節ならぜひ、歩いて欲しいところです。
歴史を感じる石畳と杉木立が、熊野古道の雰囲気抜群ですよ。
神倉神社もぜひ!
あそこの石段やご神体の岩はいいですよ〜
ちょっと登るのが大変ですが。
旅猫
-
- hot chocolateさん 2013/07/19 14:29:00
- 神の宿る滝!
- 旅猫さま、こんにちは〜
相変わらず、西へ、東へと、精力的にお出かけですね。
那智の滝と熊野那智大社は、私にとっても行ってみたいところです。
滝自体がご神体!
やはり、これだけの名瀑ともなると、神々しいものが感じられるのでしょうね。
神が宿る滝・・・拝んでみたいです。
那智の滝を貸切で見る、というか拝めるなんて、何と幸運な!
平安の昔からの歴史を感じる、鮮やかな朱塗の熊野那智大社、立派ですね。
しかも、帰りには、富士山も見ることが出来て、いい旅でしたね。
ところで、最近、旅猫さまの口コミで、裏磐梯のレンゲ沼を拝見しましたが、
他に、中瀬沼探勝路、檜原湖探勝路は行かれましたか・・・?
レンゲ沼はよかったですか?
昨日、裏磐梯から帰ってきましたが、秋の紅葉の時にまた行く予定です。
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2013/07/19 20:36:38
- RE: 神の宿る滝!
- hot chocoさん、こんばんは。
いつもありがとうございます。
旅が趣味なので、まったく苦になりません(^^)
週末にお出かけしてリフレッシュ。
そうすれば、一週間仕事も頑張れますので。
那智滝は素晴らしかったです。
なぜか誰もいなくて、ずっと貸切状態で見てきました。
人がいなかった分、余計神々しさを感じました。
中瀬沼探勝路も歩いてきました。
相変わらず、中瀬沼展望台からの景色は良いですね。
hot chocoさんも行かれたのですか?
レンゲ沼は、ぐるっと回りましたが、それほど感動はしなかったです。
3回目でしたし。
旅猫
- hot chocolateさん からの返信 2013/07/19 23:24:49
- RE: RE: 神の宿る滝!
- 旅猫さま
> 中瀬沼探勝路も歩いてきました。
> 相変わらず、中瀬沼展望台からの景色は良いですね。
> hot chocoさんも行かれたのですか?
> レンゲ沼は、ぐるっと回りましたが、それほど感動はしなかったです。
> 3回目でしたし。
今回は、五色沼の弁天沼の手前で大雨になり、戻りました。
翌日は、12時ごろまで雨が降っていて、その後少しだけ桧原湖畔を歩きました。
なので、中瀬沼探勝路には行けませんでした。
秋の紅葉の時期に、リベンジの旅に出かけます。
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2013/07/20 12:21:58
- RE: RE: RE: 神の宿る滝!
- hot chocoさん、こんにちは。
大雨とは残念でしたね。
私も五色沼を歩いてきましたが、天気が今一つでした。
紅葉の季節の中瀬沼は綺麗ですからね。
ぜひ、リベンジを!
そうそう、デコ平湿原もおすすめですよ。
ワタスゲがとても綺麗でした。
旅行記も、間もなく完成予定です。
旅猫
- hot chocolateさん からの返信 2013/07/21 22:27:53
- RE: RE: RE: RE: 神の宿る滝!
- 旅猫さま
紅葉の中瀬沼、檜原湖探勝路それにデコ平湿原がお勧めですね。
デコ平湿原は、猫魔からは少し遠いようなので、行けるかな・・・?
ワタスゲは初夏ですね。
旅行記、間もなく完成ですか。楽しみです。
私も、裏磐梯の旅行記、明日UPの予定です。
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2013/07/21 22:50:36
- RE: RE: RE: RE: RE: 神の宿る滝!
- hot chokoさん、こんばんは。
> デコ平湿原は、猫魔からは少し遠いようなので、行けるかな・・・?
グランデコスキー場からゴンドラが出ているので、そちらに回れれば楽だと思いますが。
ワタスゲは、たぶん、もう終わりだと思います。
秋は、カラマツの紅葉が見られそうですが、湿原は何もないかもしれません。
裏磐梯の旅行記、楽しみにお待ちしています。
旅猫
-
- rupannさん 2013/07/17 12:45:25
- 滝の涼しさが蘇ります♪
- 写真の神杯〜私もお水を頂いて持ち帰りました〜
旅猫さんには、夏バテという文字はないんでしょうねぇ
相変わらずの健脚に尊敬です〜 by rupann♪
- 旅猫さん からの返信 2013/07/18 01:23:28
- RE: 滝の涼しさが蘇ります♪
- rupannさん、こんばんは。
> 写真の神杯〜私もお水を頂いて持ち帰りました〜
おっ、延命水をお持ち帰りですね(^^)
> 旅猫さんには、夏バテという文字はないんでしょうねぇ
いえ、結構バテたりしますよ。
でも、旅は趣味ですので、まったく苦になりません(笑)
先週末は、強行軍で道北の原生花園巡りをしてきました。
旅猫
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