不良夫婦 伊東温泉 あゆの風にて

2024/12/24 - 2024/12/25

12月中に取得しないといけない有休2日を使って伊東一泊を計画。
今回は奥様＠不良夫婦のご希望で温泉浴室付きの客室がある宿を選んだ。
全室源泉掛け流しの浴室があり、朝夕食が良質で、山上からの眺めも良く、静かに過ごせる小規模旅館と評価の高い『あゆの風』。
何とチェックインからチェックアウトまで客室から一歩も出なかったというミニマムな一泊旅行だった。
そういう訳で旅行記の体ではないが、結構好い宿だったのでレポートする。

エリア 伊東温泉(静岡)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 3.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 3.0
• 交通: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

往路
先ずは熱海で昼食を摂った。
熱海の民間駐車場の中には30分停めただけで1日分の駐車料金を請求する不誠実な所もあるが、ここ熱海市営東駐車場は良心的。
休日は混み合うが今日は平日なのですんなり入る事ができた。

本日のランチはここクレール。
随分前から気になっていたが初めての訪問。

レストラン クレール グルメ・レストラン

ランチセットのサラダ。
熱海にしては普通の価格のランチだがサラダは立派な見栄え。
美味しく戴いた。

トマトスープ
フランスパンとチーズを載せてオーブンで焼いてある。
めちゃくちゃ熱かったが味はすこぶる良かった。

ランチの種類が多く迷うが夕食が海鮮なので肉系から選択。
デミグラスソースに自信がおありで推しはビーフシチューだが、次週近しいものを食べるので月並みだがハンバーグにした。
こちらのデミグラスソースは長時間煮込まれておりほぼ完全に酸味が飛んでいる。代わりに濃厚なコクが加わりこれはこれで美味しい。
ハンバーグ自体も厚めで肉汁溢れる出来栄え。
この後にコーヒーが付いて1,980円(2024年12月時点)は立派。
会計時に市営東駐車場の駐車券を200円分頂けて驚いた。
幾つか課題のあるお店(クチコミ参照)だが料理は美味しく戴いた。
ご馳走様でした。

レストラン クレール グルメ・レストラン

さて、伊東に到着。
伊東駅前の道路を300m程南下した場所にあるセブンイレブン 伊東猪戸店の前で右折。
結構な急坂を登った先にあるのがこちら『あゆの風』さん。(以下敬称略)

チェックインは15時からだが、15分ほど早く到着してしまった。
ダメ元で玄関のチャイムを鳴らすと、たまたま準備ができていたようで入館させて頂く事ができた。
無理言って申し訳ない。感謝です。

源泉かけ流しの小さなお宿”あゆの風” 宿・ホテル

こちらが今回宿泊した客室『天つ風』。
スマートフォンの広角で撮影したので歪んだ画だが、そこはご容赦を。
こんな感じで実にシンプルな客室だが、天井が高く閉塞感は全くない。
この部屋は和室だが、ベッドが備わる和洋室もある。

上の写真右側に写っている空気清浄機。
医療関係者の口コミで急激に販売台数を伸ばしたエアドッグ(空気の番犬)がどんと置かれていた。
そもそも伊東の山の上なので要らない気もするが、気になる方にとっては民生で求むる最上の空気清浄機だろう。

客室からの眺望。
この宿は5室全てオーシャンビュー。
二階客室はこれと近しい眺望。
一階は柑橘の植わった庭の向こうに伊東の街がぎりぎり見える眺望のようだ。

風呂場の前にある脱衣所が洗面所とトイレを兼ねる客室設計。
この辺りは旅館というよりペンション的な設計になっている。
旧式だがシャワートイレが備わる。

これが私達の客室に備わる檜の湯舟。
湯に手を入れると46℃くらいはありそうで、奥様＠不良夫婦は硬直状態。
この宿の掛け流しの湯温は41℃あるかないかの温湯(ぬるゆ)だが、最初は加熱した状態で溜めて15時半～16時に一般に適温と言われる42℃前後に下がるようにしているようだ。
ただ旦那＠不良夫婦は48℃前後まで耐性があるので身体を洗ってこのまま湯浴み。
湯治は修行だ。45、6℃は入れると信じれば入れる。･･･しかし流石に熱い･･･。
自分の体温で湯温を下げ、湯舟から出た後に溢れた分だけ温い湯が溜まって幾分早めに奥様＠不良夫婦の適温になった。

掛け流しの様子は動画を参照。少なそうに見えるが4L/min近く掛け流されている。
https://youtu.be/lh2xGaUL63E

小型冷蔵庫完備。
持ち込みOKの一方で館内にはドリンクの自販機がないので、予めマックスバリュかセブンイレブンで一泊分のドリンクや間食は用意しておいた方が無難。

夕暮れ近くになると窓からの景色も紫色に染まる。

夕方6時になり夕食の時間。
建屋・設備はペンションに近いがサービスは旅館。夕食は客室で戴く形。

二つ下の写真に写るサザエまでが卓上に並ぶ。
これは前菜。
どれも美味しかったが、特に右手前のパイ包み焼きが美味しかった。

刺身の舟盛。
マグロよこせと言う方には向かない。
できるだけ伊豆で獲れる魚を選んでいるようで自分は好印象。
実際旨かった。

サザエの壺焼き。
奥様＠不良夫婦は「私、ここ苦手だから取って」と肝を指差す。
いやいや、そこが旨いんだろう。
ま、こっちとしてはウェルカムなんだが。

卓上のものが一旦下げられ、次がかぼちゃのスープ。
和洋折衷です事。
想像に易い味わいだが美味しく戴いた。
この辺りで好い加減腹八分目。

次は魚介。
刺身の量が多くて結構お腹一杯なんですけど･･･。
ところがこれもまた美味しく･･･
こういうのって緩い拷問かも。

もう一品あるらしいが、その前に箸休め。
ミントのシャーベット。
これがさっぱりしてとても良かった。

最後に食事。
いやー、年寄りには重い。
ところがこれがまた好い肉で･･･。
凄く美味しく戴いたが、一方で過剰とも言える満腹度合。胃袋のキャパ一杯一杯使った夕食だった。

･･･と思いきや、最後にブッシュドノエル登場！
忘れてた･･･。今日はクリスマスイブだった。

旦那＠不良夫婦は血糖値が高めでようやく最近ヘモグロビンA1cが正常範囲に入ったばかりなので、本当に申し訳ないが半分くらい戴くに留めた。

全般的に老若男女問わない味付けでとても美味しかったが、ボリュームは若い人向けかな。
ご馳走様と言いつつ、ちょっと横になろう･･･。

夜も更ける。
伊東駅をこの角度から見下ろす夜景は初めて。
伊東には20泊以上しているが、眺望は過去一番だ。
そして、この眺望は湯舟に浸かりながらでも楽しむ事ができる。
そういう訳で何度も湯浴みを楽しんだ。
･･･のだが、旅疲れと湯疲れで12時過ぎには就寝。
おやすみなさい。

解放感のあまり、久し振りにゆっくり寝させて頂いた。
6時間半近く寝たかも。
十分寝て疲れが取れたのが実感できた。

朝風呂に浸かってのんびりしていると電話が鳴った。
朝食の時間。
うーん、立派な朝食だ。

後で気付いたんだが、カメラの設定が昨晩撮った夜景モードのままだった。
白く飛んでいるのはそのせいで、美味しく見えないのが残念。

鯵の干物。
伊豆の朝の定番だ。
予め焼いてあるので、焼き目が付く程度に炙れば良いんだとか。

朝食も和洋折衷。
スクランブルエッグとソーセージなんかもある。

この日はたまたま伊勢海老の頭があったそうで、味噌汁は伊勢海老の頭付き。
海老で出汁を取ると下手をすると海老臭くなってしまうが、この味噌汁は海老から出汁を取っている訳ではなく、薄っすら海老の香りが移る程度で上品な出来栄えだった。

あんなに沢山夕食を摂ったのに朝食は完食。

料理が下げられ、食後のコーヒーを楽しむ。
ご馳走様でした。
料理に関しては量が多過ぎる以外は文句のない出来栄えだったと思う。

窓を開放してこの景色を観ながら朝風呂を楽しむ！
掛け流される温泉は触った感触では40～41℃。
夜通しこの状態で放置していたので、自分のように適温が43℃以上の人にとっては温くて仕方がない。
そこで登場するのが写真左に映っている『加熱スイッチ』。
このスイッチを押すと掛け流しの湯温が70℃以上(もしかすると80℃くらいあるかも)になり、じわじわと熱くなっていく。
源泉温度より20℃以上高いので本格的に加熱しているのだが、耳を澄ましてもボイラー音が全く聞こえないのが不思議だった。

因みにスイッチを押す際に「加速そーち」と言ってしまった人がいるとしたら年寄りを自認すべきだろう。

湯舟に身体を沈めるとざばっと温泉が溢れる。
https://youtu.be/JD-9w1FdddU

源泉かけ流しの小さなお宿”あゆの風” 宿・ホテル

温泉分析書
線路脇の湯端分湯タンクから源泉が供給されている。
供給温度が約50℃で、約300m離れた分湯タンクからの送湯中に湯温が下がって温湯になっているように思う。
湯温の下がりっぷりが激しいので加水も考えられるが、加熱スイッチがあるので加水は合理的ではなくその可能性は低いだろう。

伊東温泉の自分の基準はケイズハウス伊東の岡84号泉で、これと比較すると陽イオン、陰イオン共にかなり少ない。
特に伊東温泉の特徴の一つである塩化物イオンに関しては岡84号泉の1/6程度で、実際浸かった感じも浴感はあっさりしていた。
一方で薄いばかりでもない。メタ珪酸(S2SiO3)の含有率は寧ろ高く、一般に『美肌の湯』を謳う条件とされる湯1kg当たり50mgの含有率に到達している。
塩化物イオンが少ないとは言え良く汗の出る性質はあり、化粧水の成分であるメタ珪酸も豊富。肌当たりも柔らかで、女性向けのお肌の湯と言えるだろう。

チェックアウトは午前11時。
この宿には帳場(フロント)がなく、客室備え付けの電話でチェックアウトする旨伝えると中居さんが客室まで来てくれ、客室で支払いを済ませる。
現金払いのみの対応。

また伺いたい宿ができた。
一泊お世話になりました。
次は伊豆石の湯舟のある客室にお邪魔したい。

源泉かけ流しの小さなお宿”あゆの風” 宿・ホテル

11時まで宿でまったり過ごし、伊東で少し買い物をしたので伊豆多賀でお昼の時間になった。
そういう事でお気に入りの蕎麦屋『多賀』に立ち寄った。
旧い日本家屋を店舗として活用している。
最近テレビで紹介された効果なのか、平日の12時前でも二組待ちの状況。

蕎麦処 多賀 グルメ・レストラン

店内はこんな感じ。
たまたま土間の客席が空いたので一枚。

奥様＠不良夫婦は温かいとろろ蕎麦。
これ、とろろが冷たいので汁の温度が下がってイマイチだったんだそうな。
大人しくせいろ蕎麦にしておけば良かったものを･･･。

旦那＠不良夫婦は王道の『せいろ蕎麦二枚盛り』
一枚の量が少ないのと、蕎麦が旨いのでこれが一番のお薦め。
それ程強く香る蕎麦ではないが、冷たく硬く締まった蕎麦は咀嚼の度に鼻に僅かに抜ける蕎麦の香りが心地好い。
勿論天婦羅を追加する事もできるが、だったらもう一枚蕎麦食っとけ、くらい蕎麦が好い。
あと、余程温かい蕎麦を食べたいという以外は冷たい蕎麦をお薦めする。
蕎麦湯がもう少し濃かったらなー。
今回も美味しく戴きました。ご馳走様です。

これにて今回の伊東一泊の旅は終了。
宿と食い物しか出てこないレポートで恐縮ですが、伊東旅行のご参考にでもなれば。

了