蓼科高原周辺の湖、池、滝めぐり散歩　その２，横谷峡遊歩道編

2024/08/09 - 2024/08/09

蓼科高原周辺には農業用ため池を含め、標高1200mから2100mほどの間に湖や池、滝が点在しています。標高が高いため、市街地よりも気温が6、7度低く、猛暑が続く都心に比べ快適な時間が過ごせます。湖上のボート遊びや原生林と苔の中の散策、運動靴での軽装登山、滝を巡る遊歩道散歩など緑豊かな中を散策することができます。そんなスポットを巡りまとめてみました。
白駒池、蓼科湖、白樺湖、女神湖、蓼科大滝 編と併せてご覧ください。

エリア 茅野(長野)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 自家用車 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

蓼科中央高原の横谷峡入口から300mほど、横谷峡遊歩道の出発地点・乙女滝の手前に祀られている神社です。諏訪神社を勧請して建てられた神社で、武田信玄が炭を積んで塚を築き、軍勢に合図をするために狼煙を上げた場所と伝わっています。その後、坂本養川氏によって水路が開かれ乙女滝ができ、多くの人が神に祈願を達成するために滝で身を清めたとのことです。神社横に建つ説明板から、神社の由来、乙女滝の歴史を知ることができました。

木戸口神社 寺・神社・教会

乙女滝入口に向かう手前にある、玉川地区の農業用水不足を解消するために造られた大河原堰の一部です。この下を流れ落ちる乙女滝を創っています。
写真の上部に写っているのは木戸口神社です。

乙女滝 自然・景勝地

乙女滝への入口です。
ここから横谷観音まで3㎞程の遊歩道が造られています。

乙女滝 自然・景勝地

階段を下ったところに乙女滝が勢いよく流れ落ちています。近くに寄ると涼しく、風が吹くとしぶきがミストのようにかかります。1792年に玉川地区の農業用水不足を解消するために造られた大河原堰の一部が乙女滝です。滝の湯川から取水し、渋川の急峻な崖を落下させ水の勢いを減らす役割の人工滝です。この水と渋川で水を補給して樋で用水を玉川地区へ運んでいます。

乙女滝 自然・景勝地

乙女滝から霧降の滝に向かう横谷峡遊歩道の様子です。
蓼科中央高原を流れる渋川沿いに造られた4㎞程の遊歩道です。途中、乙女滝や霧降の滝、鷲岩、屏風岩、一枚岩、王滝などを眺めながら、緑とさわやかな風の中を散策することができます。3㎞程先にある王滝と終点のおしどり隠しの滝までの1㎞程と、王滝と横谷観音までの15分ほどの道は、遊歩道というよりも登山道といった急坂が続くので、汗びっしょりになることを覚悟で登ることが望まれます。

横谷峡遊歩道 公園・植物園

横谷峡遊歩道横を流れる渋川です。
周辺はマイナスイオンたっぷりです。

横谷峡遊歩道 公園・植物園

乙女滝から20分ほど、渋川に造られた落差5m、幅10mほどの滝です。横谷峡にある乙女滝や王滝、おしどり隠しの滝の中で最もこじんまりしています。標識にはマイナスイオン20000と記されていて、夏は市街地に比べ5.6度気温が低く涼しく、さわやかな風に吹かれ気持ち良いエリアです。
滝の横からは鉄分が多く含まれた温泉が湧き出ています。

横谷峡遊歩道 公園・植物園

説明板には、冬は滝が凍り、みごとな氷の芸術品を創り出すと記載されていました。

横谷峡遊歩道 公園・植物園

霧降の滝からは30分ほどのところを流れ落ちています。滝の手前には簡単な展望台が設置されていて、2段に落ちる落差30m、高さ50mほどの滝が眺められます。横谷渓谷を含め王滝周辺は紅葉スポットとしても知られています。

王滝 自然・景勝地

緑に囲まれ、豪快に流れ落ちる王滝の雄姿です。

王滝 自然・景勝地

かつては王滝から30分ほどでおしどり隠しの滝に行き、橋を渡って御射鹿池まで行くことができましたが、おしどり隠しの滝に架かっていた橋が大雨で流されてしまい、王滝側からおしどり隠しの滝を横切って明治温泉に行くことができなくなってしまいました。

王滝 自然・景勝地

王滝から横谷観音までの15分ほど道はかなり急ですが、シニアの方や子供も登っています。汗びっしょりになる覚悟が望まれます。

王滝 自然・景勝地

王滝展望台から横谷観音に向かう山道の様子です。

横谷峡遊歩道 公園・植物園

横谷峡遊歩道を上ったところに建つ横谷観音堂。
蓼科中央高原の横谷峡入口から遊歩道を1時間ほど歩いたところに、2mほどの木製の観音様が祀られています。陸軍中将だった市瀬源助氏の発願により、昭和12年に造立された観音様で、昭和50年には立派なお堂が建てられました。

横谷観音 寺・神社・教会

穏やかで優しい顔の観音様です。

横谷観音 寺・神社・教会

お堂付近からは横谷峡を見下ろすことができます。
秋は紅葉スポットとして知られています。

横谷峡(横谷渓谷) 公園・植物園

横谷観音から7分ほど、駐車場に造られている展望スポットです。
王滝、横谷峡遊歩道などに向かう人たちが利用する駐車場に造られています。立派な大きな展望台で、展望台からは茅野市街が見渡せますが、横谷観音や王滝に向かう目的の人がほとんどで、展望台を利用する人はあまり見られません。観光施設として駐車場に展望施設が必要だったのか考えさせられます。

横谷展望所 自然・景勝地

現在、おしどり隠しの滝に架かっていた橋が流されてしまい、王滝からおしどり隠しの滝を渡り明治温泉まで行くことができないため、車で湯みち街道を通り御射鹿池を経由し、おしどり隠しの滝に向かいました。

湯みち街道は、武田信玄の時代に、藩主から庶民まで多くの湯治客が渋温泉まで通ったことから名付けられた街道で、道沿いには湯治客の安全を願って造られた66体の観音様が祀られています。

湯みち街道の標高1500m付近に造られている農業用のため池です。日本画家・東山魁夷の緑響くのモデルになった池として知られています。風の穏やかな日には池の周囲に植えられた木々が湖面に映り、池底のチャツツボミゴケとカラマツ林の緑と相まみえとても幻想的な景観を創り出します。最近は広い駐車場も完備されたこともあり多くの観光客が訪れますが、静かな池を堪能したい場合は早朝8時頃に訪れることをおすすめします。

御射鹿池 自然・景勝地

御射鹿池から50mほどの、明治温泉に向かいう小道を通り、おしどり隠しの滝に向かいました。

おしどり隠しの滝 自然・景勝地

御射鹿池の駐車場から400mほど、明治温泉の横を流れ落ちています。落差はあまりありませんが、全長50mほどあり数段にわたって岩肌を下っています。横谷渓谷にある4つの滝のうち一番上流にある滝です。

おしどり隠しの滝 自然・景勝地

横谷渓谷同様、秋は紅葉スポットとして知られています。

おしどり隠しの滝 自然・景勝地