2024/06/11 - 2024/06/12
204位(同エリア976件中)
玄白さん
礼文島、利尻島の旅を終えて、フェリーにて稚内港に定刻通り13:45に着岸。このまま、稚内空港に移動して帰るという手もあったが、日本最北の地に来たので、もう一泊してサロベツ原野、宗谷岬なども見てから帰るという計画に変更した次第。海外旅行並みに長期旅行となったが、おそらく残り少ない人生で、再び日本最北の地を訪れることはないだろうという思いが計画段階で強くなったからである。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 船 レンタカー ANAグループ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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フェリー乗り場からバスで稚内駅まで移動、とりあえず今宵の宿、ドーミーイン稚内にチェックイン後、夕食までの時間、稚内市内見物である。
まずは、日本最北の駅、稚内駅へ。
戦前、稚内北ふ頭から樺太航路があった頃は、連絡船乗り場と結ぶ線路が稚内駅から続いていたが、今は稚内駅が日本最北の終点である。駅構内に当時の面影を残す線路が保存されている。 -
現在の最北端の線路が駅構内から見学できる。
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線路がただ1本しかない最北の駅のプラットホーム。ターミナル駅の賑わいはなく、寂寥感がただよう。
一日の列車本数は旭川行きの特急「サロベツ」が2本、札幌行き特急「宗谷」1本、普通列車4本しかないのである。 -
次に稚内北防波堤ドーム公園を散策。
大きな機関車の動輪が展示されている。終戦時までは稚内と樺太の大泊(現在のサハリン州コルサコフ)を結ぶ樺太航路の船着き場までの列車を牽引していた。戦後は急行「利尻」号を牽引していた蒸気機関車C55の動輪である。
背後には海上保安庁の巡視船「りしり」が停泊していた。 -
海上保安庁巡視船「りしり」
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フェリーターミナル方面に目をやるとちょうど利尻か礼文に向かうフェリーが出航するところだ。
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戦前の樺太と稚内を結ぶ航路があったことを記念するモニュメント。航路の名前は稚泊航路と言って、国鉄の管轄だった。大正12年に航路が開設された。樺太と宗谷岬の間の日本海とオホーツク海を結ぶ宗谷海峡は、濃霧や流氷により、運行が難しい航路だったようだ。
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昭和の大横綱、大鵬は終戦の5年前、1940年に樺太で生まれたが、1945年終戦となり、ソ連の参戦による混乱で、連絡船で小樽に向かう途中だった。ところが大鵬の母の船酔いがひどく、稚内で上陸した。稚内を出航した連絡船は増毛沖で敵国の潜水艦に撃沈されたという。もし、そのまま小樽まで乗船を続けていれば、大横綱、大鵬はいなかったことになる。
生前、大鵬関は何度もここを訪れていたという。 -
稚内の観光名所になっている北防波堤ドーム。稚内港の防波堤としての役割および、桟橋から稚内駅までの乗り換え通路を兼用するため、昭和6年から5年間をかけて建設された。古代ギリシャ建築を彷彿とさせるエンタシスの柱列と優雅な曲線のドームが美しい。
土木学会選奨土木遺産、北海道遺産に指定されていて、ドラマの舞台やCMの撮影地としても活用されている。 -
礼文、利尻でも散々目にしたオオセグロカモメが埠頭で子育てをしている。
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上空を飛び交うオオセグロカモメ
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随分大きく育ったオオセグロカモメのヒナたち
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ビジネスホテル「ドーミーイン稚内」は夕食は別料金なので、近くの海鮮居酒屋へ。
根っからのシーフード大好き夫婦なので、礼文、利尻でもシーフードばかりだったが、またまたシーフードの夕食である。 -
左上:イカ、ホタテ、ボタンエビ、ウニ、タコ、サーモンなど刺身の盛り合わせ
右上:ミズダコのから揚げ
左下:メニューにはなかったが、店の主人のオススメでタラバガニの内子なるものをオーダー。そんなに美味というほどでもなかった。
右下:締めは卵焼きと手巻き寿司 -
イチオシ
酔い覚ましを兼ねて、ふたたび北防波堤ドームへ。ときどきライトアップされるらしいのだが、この日は普通の街路灯のみの照明だった。
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6月12日
翌日は旅の最終日。安い宿泊料金のわりにドーミーインの朝食は、豪華なので、我が家の気に入りのホテルになっている。地方によって、メニューは様々だが、ここでは朝から北海道らしく、いくら、ホタテなどをのっけ放題の海鮮丼を堪能。 -
午前中は、国立公園の一部であるサロベツ原野に行ってみる。サロベツ原生花園で、まずは事前情報を仕入れる。一周1kmほどの木道が整備されている。
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サロベツ原野はサロベツ川下流に広がる泥炭地、湖沼、森林、海岸砂丘を含んだ東西8km、南北27kmの広大な原野である。標高が低い高層湿原は日本最大の湿原である。ここでは数千年かけて泥炭地が形成されてきた。
泥炭は、比較的燃えやすく燃料として活用するために、かつては写真のような大型掘削機を使って採炭されていた。 -
原生花園湿原センター周辺には、イワツメグサがびっしりと咲いている
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よく整備された木道で散策開始
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コバイケイソウ
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エゾカンゾウ
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思ったほど花数は多くない印象である。コバイケイソウがやたら目につく。
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開花し始めたコバイケイソウ
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ハクサンチドリ
利尻、礼文でもよく目にした高山植物である。本来は高山地域に咲く花であるが利尻、礼文と同様、ここでも標高が低い湿地でみることができる。 -
イチオシ
すっくと伸びたコバイケイソウ。コバイケイソウは年によって当たりはずれがある花だが、今年は当たり年のようだ。
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エゾカンゾウ。この花も利尻島でよく見た花だ。
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種類はわからないが、葉っぱを食べているカタツムリ発見
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湿地に咲くカキツバタ
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群生というほどでもないカキツバタ
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開花したコバイケイソウ。わざわざ食べるもの好きはいないだろうが、アルカロイド系の毒を有している。
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期待したほどのいっぱいの花には出会えず、サロベツ原生花園をあとにして宗谷方面に北上する。
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イチオシ
途中、豊富町付近で宗谷本線の踏切を渡る。線路わきには外来植物であるルピナスが咲いている。北米、地中海地方原産で、明治期に日本に入ってきた。
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豊富町の牧場。北海道らしい風景だ。礼文島、利尻島で飲んだ牛乳はすべて豊富町産だった。
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宗谷に向かう途中、豊富温泉の日帰り温泉に立ち寄った。豊富温泉は日本最北の温泉地だが、とても特徴がある温泉なのである。なんと温泉に原油成分が混じっているのである。
大正14年より、石油の試掘を行ったところ、翌年5月に地下約960mの地点より高圧の天然ガスと共に43℃のお湯が噴出したことから開湯した温泉で8軒の温泉宿がある。石油成分がアトピーや乾癬などの皮膚病に効くというので、全国から皮膚病に悩む人たちが来訪するという。
実際に入ってみると、お湯の表面に油膜が浮いているのが良くわかる。 -
ちょうど、昼飯時になったので、ここでランチを摂ることにした。
旅行中、ずっとシーフードばかりだったので、さすがに肉が恋しくなり、オーダーしたのは、鹿肉と鹿肉ソーセージのジンギスカンだ。
ボリュウムたっぷりで、これで¥840、安い! 臭みはまったくなく、柔らかく、ジビエのイメージが変わる美味だった。
朝、ドーミーインで海鮮丼を目いっぱい食べたので、夫婦で一人前がちょうどよい量だった。 -
宗谷岬に到着。
日本最北端の地という有名観光地になっているので、モニュメント「日本最北端の地の碑」の前では、観光バスで来た団体客が記念撮影のために順番待ちの行列している。 -
大陸とサハリンの間の間宮海峡を探検した江戸時代の探検家、間宮林蔵の銅像
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飽きもせずカモメの写真を撮る。羽を広げているのはウミネコ、そのとなりがセグロカモメである。黄色の脚がウミネコ、ピンクがセグロカモメと、足の色で区別がつく。利尻島仙法師海岸の海産物店のオジサンに教えてもらった。
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団体客が立ち去ったので「日本最北端の地の碑」の前で記念撮影。
晴れていれば、遠くサハリンの島影が見えるようだが、この日は曇りで見えなかった。 -
宗谷岬公園の中にはいろいろなモニュメント、記念碑などが散在している。
日本海軍とアメリカ海軍との戦闘で無くなった船舶の乗員、乗客の慰霊碑である。 -
日本海軍戦没者慰霊碑
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あけぼの像
北海道の牛乳生産量100万トン、乳牛50万頭突破を記念して1971年に建てられた。
北海道の牛乳生産量は、コロナ感染で需要が減り、酪農家が疲弊する事態も起きたが、今年は3年ぶりに422万5000tと増産になったらしい -
公園内は、これでもかというほど多くのモニュメントがあり、いささか食傷気味になってきたので、宗谷丘陵の方に行ってみる。
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宗谷丘陵の景観
2~1万年前のウルム氷期に、土の凍結、融解を繰り返し、標高20~400mのエリアになだらかな丘陵と樹枝状に広がった谷が続く周氷河地形が広がってる。明治中期まで森林地帯だったが、大規模な山火事で樹木が一掃され、今は宗谷黒牛の牧場となっている。この独特の景観は北海道遺産に登録されている。 -
風の強い地域なので、大規模な風力発電が行われている日本有数のウィンドファームである。稚内市の60%の電力を賄っているという
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イチオシ
風力発電の経営はユーラス宗谷岬ウインドファームという会社が担っている。この丘陵地帯に57基に風車が建っている。
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なだらかな丘陵が続く景観は、美瑛の丘を連想させるが、この地は美瑛よりはるか北に位置する冷涼な地である。明治の中頃は雑穀やジャガイモの畑作目的で入植・開拓されたが、度重なる冷害のため、政府主導で酪農に転換されたという。
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イチオシ
宗谷丘陵の有名な「白い道」
晴れていれば、遠くに海と空の青、周辺牧草地の緑とのコントラストが美しいフットパスだが、今日はあいにくの曇り空。はるか彼方に見えるはずの利尻富士も見えない。 -
道が白いのは、稚内産のホタテの貝殻を敷き詰めているからである。
使い道がなく産業廃棄物のホタテの貝殻を観光スポットに利用した、なかなかgoodなアイデアである。
そろそろ帰りのフライトの時間が迫ってきたので、稚内空港に向かう。 -
定刻どおりに稚内空港を離陸したANA574便
日本最北の地とのお別れだ。 -
機内からの眺め。離陸後一時間なので、東北地方のどこかの上空である。
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イチオシ
まもなく羽田に着陸。ほぼ同時刻に着陸するであろうJAL機がゲートブリッジの上空を飛んでいるのが見える。
必ずしも天気に恵まれたとは言えず念願の星空撮影などは実現できなかったが、ここでしか見られないという貴重な花々を見たり、新鮮なシーフードを堪能したりした満足の行く日本最北の地への旅であった。
<完>
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