2023/09/13 - 2023/09/14
76位(同エリア1210件中)
frau.himmelさん
- frau.himmelさんTOP
- 旅行記571冊
- クチコミ0件
- Q&A回答14件
- 915,638アクセス
- フォロワー134人
後期高齢者のブルージュの旅はまだ続きます。
表題の「冒険の旅」の要素は全くないけど?。
そうなんです。ブルージュは、20日間の波乱万丈の旅で平穏に過ごせた数少ない街だったのです。
運河クルーズを終えて、次は「ドゥ・ハルヴマーン」のビール工場見学です。
最初は美しい静かな街の老舗のビール醸造所だろう、くらいにしか思っていませんでした。
ところがこの家族経営の若い6代目経営者は世界的にも画期的なことをやりました。
旧市街のビール醸造所から郊外のビール瓶詰め工場までの3.3㎞にわたって、地下にビール輸送のパイプラインを通したのです。資金の一部は世界中からのクラウドファンティングで調達しました。そして2016年に世界で例を見ないビールのパイプラインは完成しました。
そのことにより、世界遺産ブルージュの景観の保護、そしてCO2の大幅な削減など、持続可能な都市づくりに貢献しています。
今、この美しい街ブルージュの地下をビールが滔々と流れているんだな~と、不思議な気持ちで街歩きをしました。
- 同行者
- 友人
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
運河クルーズを終えて、昼食代わりのワッフルをいただいて、さあ次はビール工場見学です。
やってきたところはここ。Brouwerij De Halve Maan(ドゥ・ハルヴ・マーン醸造所)。
ここで工場見学をしてその後に出来立てのビールが飲めるのです。
呑兵衛シニア達にとってここは外せません。
ハルヴマーンとはオランダ語で半月(英語:ハーフムーン)のことを言うそうです。
入り口にはハルヴマーンの象徴「半月」のマーク。 -
中に入ります。
そこはレストランのオープンテラスになっています。
ここにもちょっとグロテスクなハルヴマーン(半月)が(右↓)。
それにテントには懐かしの「ブルックス・ゾット」(ブルージュの愚か者・バカ)」の強烈なキャラが。
私は2009年にもここで工場見学をしていますので、実に15年ぶりの再会です。 -
この受付で工場見学ツアーのチケットを買い求めます。
人気の工場見学だと聞いていましたので待たされることを覚悟していましたが、幸い次のガイドツアーに入りこめるようです。 -
時間待ちの間にショップの商品を眺めます。
ずらりときれいに並んだビールの棚。
こんなに種類があるのですね。 -
いろんな商品がありますが、そのほとんどがブルックス・ゾット(ブルージュの愚か者・バカ)のキャラクターが描かれたもの。
この道化師マークの彼は人気者です。
注・文中では、「ブル-ジュの愚か者」より「ブルージュのバカ」が語呂がいいので、それを使っている時もあります。ご容赦を。 -
工場見学のツアーが始まります。
大きなタンクがたくさん並んだ醸造室を通って・・・。 -
屋根裏部屋みたいなところに集まります。
天井の梁にはホップが絡ませてありますし、また雑多なビール造りの古い道具が置いてあります。 -
この方が私たちのガイドさん。
ビールの製造法や歴史などを説明してくれますが、オランダ語やフランス語はチンプンカンプン。 -
言葉が解らないので適当に見て回りますね。
古いビール製造用の道具。 -
ビールサーバー用の真鍮製のタンク?サーバー用のねじ?
古いものって存在感がありますね。 -
次に細くて狭いらせん階段を登って上へ。
正直昇るの怖いです。足を踏み外したら骨折どころか・・・。
後期高齢シニア達は、慎重に慎重に上ります。 -
でも、登った甲斐がありました。
登った先にはこんな美しい景色が待っているのです。ここからブルージュの街が360度眺望できます。 -
真ん中奥は聖サルヴァトーレ大聖堂の塔、右は聖母教会の塔。
中央に運河が通っています。 -
下は愛の湖
-
この屋上からの美しい景色は最高です!
この絶景スポットはブルージュで一番美しいと言われているそうですが、ホント噂通りです。
さきほど鐘楼に上ろうかどうしようかと迷いましたが、無理して鐘楼に昇らなくて良かった。 -
再びツアー開始です。ガイドは壁のパネルを指しながら、醸造所の歴史を説明しています。
ドゥ・ハルヴ・マーンは1856年創業の6代に渡る歴史あるビール醸造所です。
ブルージュには最盛期には32もの醸造所がありましたが、現在はこのハルヴ・マーンが唯一の醸造所になってしまいました。 -
ハルヴ・マーンで製造されている銘柄とラベル。
-
ビールグラスのコレクション。
2009年に訪れた時は、缶ビールのコレクションや、古いポスターのコレクションなどもあり、日本の缶ビール数種、それに大正時代の日本のアサヒビールのポスターなどもありましたが、今回は見当たりませんでした。
https://4travel.jp/travelogue/10476777 -
スチームが通っているいくつもの大きな槽の横を通っていきます。
-
そのお風呂みたいな槽を洗浄している人はよく見るとマネキンですね。
-
ビールに樽はつきものですね。
昔の樽づくりの部品や道具。 -
ここに面白い写真があります。1958年のもの。
新しい樽職人が入社してくると、先輩職人たちの手荒い洗礼を受けなければなりません。
新人は樽の中に詰め込まれたり、樽に入れられ横にしてコロコロ転がされたり。そうやって先輩職人に受け入れられたら、最後はビールで乾杯です。 -
1960年にはビール瓶詰めのオートメーション化。
-
ずらりと並んだ発酵タンク。今は使われていないそうです。
下:ガイドの説明 -
ブルージュには最盛期には32もの醸造所がありましたが、現在はこのハルヴ・マーンが唯一の醸造所になってしまいました。
昔のブルージュ(ベルギー)に存在したビール会社や銘柄の古い看板(だと思います)。 -
その前でガイドはハルヴマーン醸造所の歴史を説明しています。
2010年にはドゥ・ハルヴ・マーンは転機を迎えました。
経営者の企業努力により、世界的に権威のある賞などを受賞し、ハルヴマーンのビールは世界中で飲まれるようになりました。 -
そこでビールも大幅な増産態勢に。
生産性を上げるために郊外に瓶詰工場を開設することになりましたが、中心地の醸造所から郊外までのトラックでの輸送は、歴史的なブルージュの石畳の道路を傷めるだけでなく、景観を損ない、なおかつCO2排出量も多くなり、環境を損ねます。 -
そこで地下にパイプラインをひいて、そこを通して郊外に輸送することを考えました。
しかし問題はそれに要する莫大な資金。
6代目の若い経営者は考えました。TVやフランダース政府にも呼びかけ、クラウドファンティングを通じて投資を募ったのです。
これは大成功でした。
今、ブルージュの旧市街の地下には3.3㎞にも渡ってビールが流れています。
ドゥ・ハルヴマーンは、世界遺産であるブルージュの景観の保護、それにCO2排出量の大幅な削減により、持続可能な都市づくりに貢献しているのです。
地図はパイプラインのルート。
旧市街の醸造所(A)より郊外の瓶詰工場(B)まで最深37m、長さ3.3㎞に渡ってパイプラインが引かれています。 -
再び階段を降ります。
昇るより降りるほうが大変です。
狭い階段の手すりにしっかりつかまって、後ろ向きになって、1歩1歩足元を確認しながら降ります。 -
工場見学ツアーが終わったらお楽しみの試飲タイムです。
このカウンターで入場チケットを見せると、出来立てのビールがグラスに注がれて出てきます。 -
ここでは、ドゥ・ハルヴ・マーン醸造所の二大銘柄、半月マークのストラッフェ・ヘンドリックとブルックス・ゾットをいただきます。
-
ブルックス・ゾットは「ブルージュの愚か者(バカ)」という意味。
あの愛嬌ある道化師のマークです。 -
ビールを飲みながら、Nさんが意味不明なことをつぶやいています。
「ジシンがないからジシンがあるんでしょうね・・・。」
「え?どういうこと?」と私。
「ベルギーには地震がないからあんなに高い棚にたくさん並べても、倒れない自信があるのでしょうね」
あ~~、確かに。
日本ではこんな並べ方をしていたら、震度3で崩れるでしょうね。
それにしても最近日本では地震が続いていますね。
大きな地震が来ないことを願っています。 -
ビールを飲み干して外に出ます。
併設レストランのテラス席ではさっきより大勢の客と、工場見学ツアーを待っている人。
テントには「ブルージュの愚か者(バカ)」のおどけた姿と、右端はハルブマーン(半月)の真剣な顔。
さようなら。 -
ドゥ・ハルヴマーンからぶらぶらしてたくさんの観光客が集まっている賑やかな通りに出ました。
ここはワインガールト通り。
広場の中央に馬が水を飲んでいる像がある馬の水飲み場。 -
馬の水飲み場。
観光に疲れて水飲み場で一休みしている老人夫婦。
ほのぼのとしたいい絵です。 -
近くでは本当に観光馬車の馬が水飲み場で水を飲んでいます。
観光客を降ろして疲れて帰ってきた馬たちですね。
なんか素敵過ぎて絵になります。まず日本では見かけない風景です。 -
こちらも素敵過ぎる~~!
白鳥やアヒルたちが遊んでいる姿。近づいても逃げません。 -
白鳥たちが遊んでいる運河の先には塀で囲まれたべギン会修道院。
橋の上の白い門は修道院の入り口の門。 -
私たちはあちらではなく、こちらの橋を渡ります。
正面に見えるのはべギン会修道院の教会。
ここも素敵ですね~~。
先ほど運河クルーズで通った場所です。
船の上から見る景色も素晴らしかったけど、近くで見る景色はまた格別。 -
ステキ~!キレイ~!と若い女子にかえって感動しているところを無粋ですが、橋の手前にあったこの方を紹介しておきます。
MAURIT SSABB、モーリス・サッベ(1873-1938)。
ブルージュ生まれの教育者・著述家。 -
美しい橋を渡ると、やはりステキです。
木立の中に白い壁の建物が凛とした静寂の中に建っている。
私はここは3度目ですが、何度見ても心が洗われる風景です。 -
ここはべギン会修道院。世界遺産にも登録されています。
ブルージュのべギン会修道院は1245年フランドル伯爵夫人によって創設されました。 -
ヨーロッパ中世のころ、女性は結婚するか修道女になるほか生きていく術はありませんでした。
べギン会とはそんな女性たちの自立支援集団施設。
未婚の女性や未亡人たちが修道女としてではなく、半聖半俗の敬虔なクリスチャンとして共同生活をしながら、働いて自立した収入を得ていました。
ですから実際には修道院ではなく、集合住宅のようなものだったのです。この佇まいはそう言われれば納得できますね。 -
現在は、ベネディクトの修道会によって買い取られ、実際に修道女たちが生活をしています。
-
修道女たちの生活空間ですから、観光客向けにも、静かにするようにとか、枯葉や草をガサガサと踏まないようになどの配慮を求める注意書きがあります。
-
ここは、オードリー・ヘップバーン主演の「尼僧物語」のロケ地としても有名ですね。
1959年の作品ですから後期高齢者たちはもちろん知っています。
あの美しいヘップバーンの尼僧姿が目に浮かびます。 -
べギンホーフの中庭にある教会聖エリザベト教会。
古いレンガ造りの教会です。ハンガリーの聖エリザベトを奉った教会です。
下の写真はミンネワーテル公園側から見た教会。
中に入って見ましょう。 -
今の時間観光客もほとんどいません。
内部は決して豪華ではありませんが、静寂な空間に包まれています。落ち着くぅ~~!
しばらくベンチに座って疲れた足を休めつつ、心洗われる時間を過ごしました。 -
どれくらいぼーっとしていたでしょうか?そのうちに修道女さんたちが入ってこられ、ミサが始まりました。
邪魔にならないようにそっと外に出ました。 -
教会の外には疲れて座りこんでいる若い集団。
よかったね、教会の中で一緒にならなくて・・・。 -
キリスト磔刑像
-
べギン会博物館。
入り口にはオランダ語、フランス語、英語で書かれた看板が。
女性たちが共同生活していた当時の生活を今に伝える博物館。
中には台所や作業所、住居などや資料が展示されているそうです。 -
私たちは博物館をパスして出口(実際は入り口の門)にやってきました。
白い門の上にはハンガリーの聖エリザベトの像が。
この方も有名ですね。 -
橋の上から運河を。
クルーズ船はあの突き当りまで行ったらUターンして引き返します。
では、私たちもいったんホテルへ引き返して、改めて夕食に出直しましょう。 -
べギン会修道院を出て、いったんホテルへ帰り、夕食を摂るためにマルクト広場にやってきました。
感じのよさそうなレストランのオープンテラス席に座ります。 -
喉が渇いた!
まずはビールですね。
せっかくビールの本場ベルギーです、いろんな種類のビールを試してみましょう。
木のスタンドに立てたパウエル・クヴァーク、それにハルヴマーンの「ブルージュの愚か者(バカ)」も。
もう一つは何だったかな、お店の人に薦められたものです。 -
お料理はベルギー名物ワーテルゾーイ。
「Waterzooi」(ワーテルは水、ゾーイは茹でるの意味)はベルギーの郷土料理で、魚介類や鶏肉、野菜などを煮込んだクリームシチューのようなもの。
ムール貝、エビ、それに北海の名物コエビ、サーモンやタラなどの白身魚が入っています。それにパンが付いています。
今日の夕食はこれで十分。美味しかった=。 -
私たちの旅のテーマは、可能な限りその地方の名物料理を味わうことです。
ベルギーではムール貝とこのワーテルゾーイ、それにワッフルを味わいたいと思っていました。
これでクリアしましたね。 -
9月14日朝。
窓の外には聖ヤコブ教会。この景色ともお別れです。
美味しい朝食をいただいて。。。 -
2泊したホテルボターフィスを後にします。
あれ?左の猫の絵、日本語で「きびもち」って書いてありますね。
写真を見て今気が付きました。
何だったんだろう? 気が付いたら入るんだったな~。 -
鐘楼ともお別れ。
-
ここは市立劇場。
劇場の前にはモーツアルトの「魔笛」のパパゲーノの像。 -
劇場の近くから出ているバスで駅に向かいます。
-
バスは駅に到着。
私たちが乗ってきたバス「Lijn」。アントワープ、ゲント、ブルージュの3都市で公共交通機関の共通チケットが使えました。 -
ブルージュ駅。私たちはここからブリュッセルに向かいます。
実は私には一つの解決できていない悩みがありました。
ブリュッセルでこれから起きるで(あろう)トラブルのことを考えると憂鬱になります。
まあ、なるようになるさ!
この旅行記のタグ
関連タグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅
-
2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅 ☆出発からパリ到着まで「詐欺メールに引っかかる」
2023/09/08~
パリ
-
2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅 ☆パリ1日目後半 「いよいよ私も認知症突入か!」
2023/09/09~
パリ
-
2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅 ☆パリ2日目マルシェとシャルトル 今度は不正乗車?
2023/09/10~
パリ
-
2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅 ☆シャルトル大聖堂と豪華フレンチレストラン たまには嬉しかった出来事も
2023/09/10~
パリ
-
2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅☆パリ3日目 ルーブル美術館とサクレクール寺院 だけ!?
2023/09/11~
パリ
-
2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅 ☆アントワープ コインロッカーで荷物が無くなった!
2023/09/12~
アントワープ
-
2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅 ☆アントワープ大聖堂はネロとパトラッシュとともに
2023/09/12~
アントワープ
-
2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅 ☆失意の中で雨のゲント、そしてブルージュで癒される
2023/09/12~
ゲント
-
2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅 ☆ついに「ブルージュの聖母」に会えた
2023/09/13~
ブルージュ
-
2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅 ☆ブルージュで穏やかな時間は流れる 聖サルヴァトール大聖堂
2023/09/13~
ブルージュ
-
2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅 ブルージュの地下 ビールは流れる☆ビール工場見学・べギン会修道院・ワー...
2023/09/13~
ブルージュ
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 2023秋 後期高齢シニアの冒険の旅
0
66