2022/05/31 - 2022/06/01
455位(同エリア654件中)
Skunkyさん
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2022年5月の一時帰国での国内一人旅、「初めての北信越一人旅 ①長野 ~善光寺・戸隠村~」の続きです。
5月30日に長野善光寺と戸隠中社を訪れ、2日目の5月31日には立山黒部アルペンルートを通って宇奈月温泉に宿泊、最終日の6月1日は黒部峡谷トロッコ列車で欅平までを往復しました。
黒部ダムの観光放水は6月26日から10月15日まで。今回の日程では残念ながら放水を見ることはできませんでした。また、黒部峡谷トロッコ列車の終点欅平駅から歩いて20分ほどのところにある名剣温泉も、営業開始にぎりぎり間に合わず、日帰り入浴はできませんでした。残念!
それでも、これほど色々な乗り物に一度に乗ることができた今回の旅行は、乗り物に乗るのが好きな私にとっては満足度の高い旅となりました。
※まだ雪が残る黒部ダム・黒部川第4発電所、通称「くろよん」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 新幹線 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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前日訪れた戸隠村で戸隠そばを食べ損ねた私は、長野駅前にある「手打ちそば処 戸隠」さんで、昼食にリベンジそばwを頂いた後、前日、戸隠神社に行ったのと同じ7番のバスのりばで扇沢行きのバスを待っていました。(今となっては何故そのバスのりばだと思い込んでいたのか謎です)
立山黒部アルペンルートで、立山駅までの最終接続となる扇沢駅15:00発の関電トンネル電気バスに乗るためには、長野駅を13:00に出発する扇沢行きの特急バスに乗らないと間に合いません。出発5分前になってもパネルにバスの行き先と番号が出ないので、バスのりばのすぐ後ろにあるバス案内所の方にお聞きしたところ、「扇沢行きのバスは長野駅の反対側のバスターミナルから出発ですよ」と教えて下さいました。
このバスを逃すと今日中に立山駅に辿り着けなくなる! スーツケースを抱えて長野駅を全速力で走り抜けました。これほど真剣に走ったのは何年ぶり!?っていうぐらい。なんとかぎりぎりバスに間に合いました~。やれやれ・・・
あの時バスのりばのすぐ後ろに案内所がなければ、絶対バスを乗り逃していました。本当に助かりました~x
※間に合ったバスからの眺め。山と水田のコントラストが美しい!(余裕ありw) -
扇沢駅に到着。
扇沢 自然・景勝地
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扇沢駅の標高は1,433m。周りを高い山々に囲まれた扇沢の空気は、長野よりかなり冷んやりしています。
※写真は駅に向かって左側 -
山の緑と雲の白、空の青のコントラストが美しい!
※扇沢駅前の大きな駐車場を前にした景色 -
様々な乗り物を乗り継ぐ「立山黒部アルペンルート」は、扇沢駅から高山駅までですが、この日の宿泊先の宇奈月温泉駅まで通しで乗車券を買うことができました。
片道11,440円(2022年5月)。結構なお値段ですが、これにはルートで乗るケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスなど全ての料金が含まれています。(プラス立山駅から宇奈月温泉駅までの料金)
※ルートのメンテナンスを考えれば納得できるお値段です -
イチオシ
早速、今回の旅行の目的、「黒部ダムのダムカード」をゲット!
ダムカードは、扇沢駅の売店か黒部ダムレストハウスの売店で配布しています。ダムカードをもらうには、ダムに行った(行く)証明として、関電トンネル電気バス乗車券か、立山黒部アルペンルート乗車券の提示が必要となります。
※放水見たかったな~ -
扇沢駅15:00発の「関電トンネル電気バス」に乗り込みます。
午後の遅い時間だったからでしょうか。乗客は少なく、混んでいないバスにゆったり乗ることができました。 -
黒部ダムへの玄関口、関電トンネル電気バスのバス乗降ポイント。
黒部ダムは中部山岳国立公園内にあることから、1964年8月の営業運転開始以来、環境に配慮したトロリーバスが運行を続けていました。
トロリーバスとは、運行路線上部に張られた架線から電気を取って走るバスで、親しみを込めて「トロバス」の略称で呼ばれています。関電トンネル「トロバス」は、54年間の長きに渡って人々を運んできましたが、架線の老朽化等により、ついに2018年に運行終了で引退。2019年からはトロバスに代わって電気バスが導入されました。 -
電気バス新車両は、54年間無事故だったトロバスの安全運転への使命感を受け継ぎ、車体のデザインを踏襲しているそうです。ステップの高さも41cmから27cmと低くなり、折り畳み式車椅子にも対応できるようになりました。
※バス車体には「関西電力」の文字関電トンネル電気バス 乗り物
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扇沢駅から16分、バスは黒部ダム駅に到着。
ダム建設の資材輸送のため、扇沢からダムまでの5.4kmを繋ぐ「大町トンネル」が掘られました。工事中、軟弱な地盤から水と土砂と岩石があふれ出す大破砕帯(だいはさいたい)にぶち当たりましたが、当時のトンネル工法の英知を集め、7ヶ月をかけてついに大破砕帯を突破。こうした苦難を重ねて完成したのが、現在、電気バスで扇沢駅から黒部ダム駅まで私たちを運んでくれる「関電トンネル」なのです。
※バスを降りて徒歩で長いトンネルを進むと、ダム上部に出ます。 -
黒部ダム
標高1,454mにある黒部ダムは、通称「くろよん」で知られる黒部川第4発電所の一部です。自動車で気軽に立ち寄ることのできない黒部ダム、「ついに来た!」の感動があります。
一般車でのアクセスは、長野県側は扇沢駅、富山県側は立山駅まで。
171名の殉職者を出し、世紀の難工事と言われた、トンネル工事を中心とする黒部ダム建設における苦闘は、1964年に発表された木本正次の小説「黒部の太陽」に描かれています。また、独立したばかりの石原プロが、石原裕次郎主演でこの小説を同名で映画化し、1968年に公開されました。
※ダム正面の写真は旅行記表紙に使用黒部ダム 名所・史跡
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ダムの上からダム底を覗き込んだところ。
黒部ダムの高さは日本最高の186m。戦後経済復興の本格化に伴う電力不足を受け、1956年7月に工事を開始、工費513億円(当時)、延べ1千万人もの労働力をかけて7年後の1963年6月に完成しました。
※放水時には虹がかかり「神々しい美しさ」だそう -
黒部ダムはアーチ式コンクリ ートダム。堤高、堤頂長、堤体積が日本第1位、総貯水容量は第4位だそう。
美しいアーチ型の白い堰堤(えんてい:河川の水をせき止めるための構造物)でせき止められた黒部湖は、エメラルドグリーンの水を湛えたダム湖です。
※6月1日から11月10日まで、黒部湖を30分で一周するクルーズ遊覧船「ガルベ」が運航されています。黒部湖 自然・景勝地
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黒部ダムを歩いて横断し、黒部湖駅に到着。
黒部湖駅からは「黒部ケーブルカー」で黒部平駅へと向かいます。 -
黒部湖駅きっぷうりば。
立山黒部アルペンルートは、通しでもチケットを買えますが、それぞれの乗り物ごとにチケットを買うこともできます。たとえば、登山客の利用が多い黒部湖畔にある「ロッジくろよん」へは、黒部湖駅か黒部平駅から徒歩となります。
黒部峡谷の断崖絶壁に沿って長い道のりを歩く上級者向け登山道、「下ノ廊下(しものろうか)」を登る登山家たちは、ロッジくろよんから出発される方も多いそう。
※下ノ廊下は毎年のように滑落事故や死亡事故が起こる危険なルートです -
黒部湖駅と黒部平駅をつなぐ「黒部ケーブルカー」は、自然の景観保護と豪雪による被害を避けるため、地下を通る地下式を採用しています。なお、全ルートが地下にある全線地下式のケーブルカーは、日本では黒部ケーブルカーだけだそう。
※標高差400m、最大勾配31度、800mの距離を5分間で昇降します黒部ケーブルカー 乗り物
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黒部平駅に到着。
黒部平駅は標高1,828mにあり、ケーブルカーの駅としては日本一高い場所にある駅です。立山トンネルバスがトロリーバス化されたことで、室堂駅が鉄道駅となるまでは、黒部平駅が日本一高い場所にある鉄道駅でした。
しかし、日本最後のトロリーバス、「立山トンネルトロリーバス」が今年2024年12月1日に廃止されることが決まった今、黒部平駅は室堂駅に代わって、再び日本一高い場所にある鉄道駅に返り咲くことに!?
※写真は黒部平駅のロープウェイ乗降ポイント黒部平 自然・景勝地
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次は「立山ロープウェイ」で大観峰(だいかんぼう)駅に向かいます。
大観峰駅の標高は2,316m。立山ロープウェイは定員80名、秒速5mで黒部平駅との標高差500mを7分で結んでいます。
日本で、途中に支柱が1本もない「ワンスパン方式」を採用しているのは、立山ロープウェイとガーラ湯沢スキー場にある「ランドー」の2か所だけ。なお、全長1,710mの立山ロープウェイは、ワンスパンロープウェイとしては日本最長です。
※標高1,828mまで来ると外はもう冬。6月とは思えない寒さ!立山ロープウェイ 乗り物
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ロープウェイからは、黒部湖を見下ろす素晴らしい景色が広がります。
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大観峰駅を出発。「立山トンネルトロリーバス」で、日本一高い標高にある鉄道駅、室堂駅を目指します。
トロリーバスは、日本語では「無軌条電車線」と翻訳され、鉄道に分類されます。全区間トンネル内を走る立山トンネル「トロバス」は、大観峰駅から、立山黒部アルペンルート最高地点の標高2,450mにある室堂駅まで、3.7kmを10分で結んでいます。
立山トンネルトロバスは、関電トンネルトロバスが2018年に運行を終了し、電気バスを導入して以来、日本国内で唯一のトロリーバス路線として今日まで運行を続けてきました。しかし、修理用部品の調達が困難などの理由から、立山トンネルトロバスも今年2024年12月1日を以って廃止され、翌2025年4月からは電気バスが導入されることが決まっています。
※これで日本からはトロリーバスがなくなります。なんだか寂しいですね。立山トンネルトロリーバス 乗り物
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イチオシ
立山黒部アルペンルート最高地点にある室堂駅に到着しました。
室堂駅から美女平駅までは標高差約1500m。ハイブリッドエンジンを搭載した高原バスが約23kmの距離を50分かけて走っています。
標高2,450mにある室堂平は、世界でも有数の豪雪地帯。室堂駅から徒歩15分ほどのところにある「大谷」は特に積雪が多く、積雪量が20mを超えることもあるそう。このルートを除雪することでできる雪の壁は「雪の大谷」として、有名な観光名所となっています。
バスの中から写真を撮ったので、雪の壁の高さがいまいち伝わりませんが、もう6月になろうという時期に見る高い雪の壁は圧巻です!
※4月中旬~6月下旬には「雪の大谷ウォーク」などのイベントが行われます。雪の大谷 自然・景勝地
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バスはかなりの標高を降りてきました。
立山にはニホンザルの群れが生息しており、この日はたくさんの子ザル達が山を下りてきて、道路標識に登ったり揺らしたりして遊んでいました。
一般車が通れないこのルートを通るのは、サル優先の交通ルールを採用している高原バスのみ。バスの方がサルを避けて通るので、サル達は堂々と道路の上で寝転がっていましたw
※サル天国! -
高原バスで標高977mにある美女平駅まで下りてきました。
いよいよ、扇沢サイドからアクセスした場合の立山黒部アルペンルート最後の乗り物、「立山ケーブルカー」に乗車します。美女平駅と立山駅は標高差500m、立山ケーブルカーは1.3kmの距離を7分で昇降しています。
※かつて黒部ダム建設資材を積んでいた立山ケーブルカーには荷台が付いています美女平 自然・景勝地
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無事、終点「立山駅」に到着することができました!
扇沢駅から立山駅への最終接続だったので、立山駅に着いたのは17:37でしたが、この時間からルートに入る作業員の皆さんに遭遇しました。
私たち観光客が安全に立山黒部アルペンルートを楽しめるのも、見えないところでルートの安全維持に取り組んでいらっしゃる方々のおかげです。感謝の言葉しかありません。
※ありがとうございます!立山黒部アルペンルート立山ケーブルカー 乗り物
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立山駅からは、富山地鉄 (富山地方鉄道) 立山線で寺田駅まで行き、そこから富山地鉄本線に乗り換えて宇奈月温泉駅へと向かいます。
立山駅17:30発の電車は行ってしまったので、次は18:28までありません。立山駅舎内にあるレストラン「アルペン」の営業時間は17:00まで。売店で買った稲荷寿司のお弁当を駅の中のベンチで食べていると、「駅を閉めますので・・・」ということで追い出されてしまいました。でも大丈夫、新緑の季節は、駅の外で過ごすのも気持ち良いです!
※立山駅の駅舎内にはツバメが巣を作っていて、親鳥が休む暇なくヒナに餌を運んでいました立山駅 駅
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外はもう夕暮れですが、車窓からは、まだまだ美しい景色を楽しむことができます。
※富山常願寺川に架かる芳見橋は、富山県道182号線の道路橋梁 -
美しい夕焼けです。明日も晴れそう!
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宇奈月温泉駅に着いたのは夜の9時前。立山駅から乗換駅の寺田駅まで約50分、寺田駅から宇奈月温泉駅は約1時間半の乗車時間でした。
宇奈月温泉駅到着が遅くなることを見込んで、今夜の宿は駅前の「フィール宇奈月」さんに予約済みです。
宇奈月温泉駅に停車しているのは、2022年に運行されていたライチョウ柄の「富山もようトレイン」。「富山もよう」とは、マリメッコやカンペールなどの有名ブランドにも起用されたテキスタイルデザイナー、鈴木マサル氏が、富山の名物や名所をモチーフに手掛けたプロジェクトです。
※富山では、パトカー風にラッピングした路面電車を運行するなど、ユニークな企画が実施されています。宇奈月温泉駅 駅
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おはようございます! 今日も快晴です。
フィール宇奈月さんの「売り」は、オーシャンビューならぬ「トロッコビュー」。大浴場の展望風呂や朝食会場の窓からは、車庫から駅へと向かうトロッコ列車が一望できます。
※美しい山並みとトロッコ列車を眺めながら入る朝風呂は最高ですx黒部峡谷トロッコ電車駅前 フィール宇奈月 宿・ホテル
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フィール宇奈月さんのもう一つの「売り」は朝食です。
朝食は、富山の食材を使った30種類のメニューからなるビュッフェスタイル。特に「ふわふわのだし巻き卵」の評判は高く、朝食で頂くのを楽しみにしていました。問題があるとすれば、ついつい食べ過ぎてしまうことでしょうか。
いただきます!
※展望風呂、美味しい朝食、窓からの眺め・・・これでビールがあれば言う事ナシ!w -
黒部峡谷電鉄、宇奈月駅
フィール宇奈月さんに荷物を預かって頂き、黒部峡谷トロッコ列車に乗車すべく、宇奈月駅にやってきました。富山地鉄の宇奈月温泉駅と黒部峡谷鉄道の宇奈月駅は、徒歩3分ほどの距離。フィール宇奈月さんは2駅のちょうど中間にあります。宇奈月駅 駅
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往復窓なしオープンタイプの自由席で乗車券を購入しました。
宇奈月駅9:21発の列車で欅平駅へと向かいます。欅平駅から20分ほどの距離にある名剣温泉さんの営業開始にぎりぎり間に合わず、残念ながら今回の旅の予定には「名剣温泉で日帰り入浴」を組み込むことはできませんでした。そんなこともあり、欅平での滞在時間を2時間としました。
※復便は欅平駅12:28発 -
イチオシ
トロッコ列車客車を引っ張る電気機関車
黒部峡谷の降雨量の多さや急峻な地形が水力発電に適していたことを受け、1923年、発電所建設の資材運搬用鉄道として、トロッコ電車の敷設が開始されました。トロッコ列車の開通・延伸に伴い、柳河原、黒部川第2、第3、第4と次々と水力発電所が建設されていきました。
資材運搬用だったトロッコ電車は、地元の人々の生活の足としても利用されていましたが、徐々に観光客が乗るようになり、1953年には「黒部鉄道」として旅客輸送へと移行しました。こうして黒部峡谷は、日本でも有数の秘境観光名所となったのです。黒部峡谷鉄道 (トロッコ電車) 乗り物
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トロッコ列車には2種類の客車があり、こちらは窓付きの「リラックス客車」。座席は回転可能なクロスシートです。
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そして、今回私が乗るのは窓がないオープンタイプの「普通客車」。座席は横一列4人掛けです。
黒部峡谷トロッコ列車は、宇奈月駅から終点の欅平駅まで、全長約20km、標高差約380mを約80分で走っています。念の為、長袖のデニムジャケットも持って行ったのですが、やはり標高が上がるにつれて気温はかなり下がっていきました。夏と言えども長袖のトップは必要です!
※写真は欅平駅で撮ったもの -
宇奈月ダム湖と湖面橋
宇奈月駅を出発して最初に見えてくるのが宇奈月ダム。宇奈月ダムは、洪水調節・上水道供給・発電等の複数の機能を持つ多目的ダムで、高さ97mの重力式コンクリートダムです。
宇奈月ダムを越えると、エメラルドグリーンの水を湛えたダム湖と、その水面に映る湖面橋が見えます。
トロッコ列車では、沿線のみどころを案内する車内放送があり、ナレーションは富山県出身の女優・室井滋さんです。
※案内放送は、インバウンドの観光客向けに、スマホアプリで多言語音声でも提供しています。 -
柳橋駅と新柳河原発電所
宇奈月駅から一つ目の駅、柳橋駅に隣接している「新柳河原発電所」は、ダムができたことで水没した柳河原発電所の代わりに1993年に建設されました。湖上に浮かぶ西洋のお城をイメージして造られたそうです。
※壁しか写っていませんが・・・柳橋駅 駅
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猿のつり橋
ダム湖の上流部分、ダムが造られた後もサルが対岸へ渡れるよう、2005年2月に架けられた全長137mの吊り橋です。食料不足でサル達が下流の人里に降りてくるのを防ぐのが目的だそう。
※サル専用なので手すりはありません -
黒薙駅と後曳橋
宇奈月駅から3番目の駅、黒薙駅を出発すると、列車は大きくカーブして後曳橋を渡って進んでいきます。後曳橋は高さ60m、長さ64m。入山者が「思わず後ずさりをする」ことから名付けられたそう。
※黒薙駅からは、ここから徒歩でしか辿り着けない黒薙温泉があります。いつか是非行ってみたいですね。後曳橋 名所・史跡
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黒薙川上流の発電用後曳水路橋
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出し平ダム
更に上流に向かって進むと、出し平ダムが見えてきます。1985年7月完成の出し平ダムは、黒部川水系の発電用ダムでは最も新しく、ダム湖の堆砂を排出する「排砂ゲート」を備えた日本最初のダムとのこと。
トロッコ列車が運行されない冬季には、黒部川上流のダムで働く職員の方々の食料品などは徒歩で届けているそうです。大変な仕事だ・・・出し平ダム 名所・史跡
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出平駅
出し平ダムから少し行くと、ダム湖畔に出平駅があります。出平駅 駅
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猫又駅
黒部川第2発電所、通称「猫又発電所」の業務目的で作られた駅で、関西電力専用駅のため一般客の乗降はできません。
猫又駅から少し下流に、高さ200mの大岩壁があり、猫に追われて逃げてきたネズミも登れずに引き返したことから「ねずみ返しの岸壁」と呼ばれています。猫又は、さらにそれを追ってきた「猫もまた(又)」同じように引き返したという逸話に由来しているそうです。
※駅名に漢字の「猫」が使われているのは全国でここだけだそう猫又駅 駅
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目黒橋
目黒橋は、黒部川第2発電所を繋いでいる鉄道橋で、近代の日本では珍しいフィーレンディール橋という形式が採用されているそうです。
※梯子を横倒しにしたような外観が特徴 -
黒部川第2発電所、通称「猫又発電所」
完成は1936年、小屋平ダムから取水しています。
※通称は「くろに」じゃないんですね -
鐘釣駅
列車はここでスイッチバックします。鐘釣駅 駅
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小屋平ダム
1936年に完成した小屋平ダムは、高さ54.5mの重力式コンクリートダムで、黒部川第2発電所に送水しています。
大量の土砂を上流から押し流す急流、黒部川に建設されたダム湖は、上流から流入する土砂がダム湖に堆積して貯水容量を圧迫する「堆砂」という問題を抱えています。後に建設された出し平ダムや宇奈月ダムのように、排砂ゲートを備えていなかった小屋平ダムのダム湖は、95%以上が土砂で埋まってしまうほどの堆砂に悩まされました。
後日、黒部川水系のダムで連携排砂が行われた時には、公式発表だけでも排砂量は通常の4倍以上になり、大量の汚水や流木が富山湾に流れ込んだそうです。
※水力発電もまた、必ずしも環境に良いとは言い切れない問題を抱えているんですね。 -
ついに終点、欅平駅に到着しました!
欅平駅 駅
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奥鐘橋
欅平駅から徒歩5分ほど。奥鐘橋は、名剣温泉や祖母谷温泉(ばばだにおんせん)へ向かうルート上で、黒部川本流に架かる高さ34mの人道橋。
※それにしても「ばばだに」って・・・w奥鐘橋 名所・史跡
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奥鐘橋を渡ると、巨大な岩をくり抜いて造られた歩道が見えてきます。
手前には、落石や岩に頭をぶつけての事故を防止するため、ヘルメットが用意されています。 -
人喰岩
岩壁をえぐり取って造られた歩道。人喰岩は、黒部川本流沿いの絶壁をコの字型にくり抜いた上級者登山道、「下ノ廊下」の雰囲気を味わえる、一般人向けイントロダクションというカンジでしょうか。
(登山系YouTuberさんが上げている動画を見ると「下ノ廊下」は本当に恐ろしいルートです)
人喰岩は、亀裂が発生・風化しやすい花崗岩地質のため、経年劣化での表面の剥離や落下が進みやすく、これまでに何度もモルタル吹付による補強が行われてきました。直近では2020年に補強工事が行われましたが、吹き付けるモルタルを景観に調和した色と素材にするなど、工夫がされたようです。人喰岩 自然・景勝地
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名剣橋
人喰岩を進むと名剣橋に出ます。
※この時は名剣橋より先は通行止めでした -
黒部川第3発電所、通称「くろさん」
黒部川第3発電所の着工は1936年、1940年に完成しました。欅平駅のすぐ近くにあり、長いホームの端から見ることができます。
黒部川第3発電所の取水先、仙人谷ダムまでの行程には、トンネル掘削時に温度が160度を越し、発破用ダイナマイトの自然発火による爆発事故で多くの犠牲者を出した高熱の断層があります。仙人谷ダムへのトンネル掘削工事の苦難は、吉村昭の小説「高熱隧道」に描かれています。
今年2024年6月30日から、欅平と黒部ダムを結ぶ「黒部宇奈月キャニオンルート」が新たな観光周遊ルートとして一般公開されることが決まりました。高熱隧道、仙人谷ダム、インクラインを通って黒部ダムに出るコースです。
※料金は1泊2日で13万円! 是非行ってみたいけど、これはなかなか手を出せないお値段設定です・・・ -
黒部川第3発電所の少し上流にあるのが新黒部川第3発電所です。
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イチオシ
河原展望台から見た奥鐘橋
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砂防ダム
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猿飛峡へと向かう遊歩道
「猿飛峡(別名・景雲峡)」は、野猿が飛び越えるほど両岸壁が切り立った狭い渓谷ということから名付けられました。奥鐘山と猿飛峡は、下ノ廊下を中心とする、立山、剱岳の山頂と後立山連峰の山頂までの広大な地域の飛地として、国の特別名勝・特別天然記念物「黒部峡谷附猿飛ならびに奥鐘山」に指定されています。
※この時、途中で通行禁止となっていて猿飛峡展望台には行けませんでした猿飛峡 自然・景勝地
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猿飛峡へと向かう遊歩道にも岸壁をくり抜いた場所が。
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ここで熊に遭遇したら逃げ道ないですよね・・・。
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まさに清流。黒部川を流れる水は澄んでいて清らかです。
国土交通省が2023年7月31日に発表した「平成23年の水質調査結果」によると、全国一級河川164河川のなかで、黒部川は2年ぶりに1位に返り咲きました。 -
帰途に着く前に、欅平駅2階にある「レストイン欅」でお昼を頂きました。
富山名物、白エビのかき揚げそばと、地酒「銀峯立山」の小瓶。
いただきます!レストイン欅 グルメ・レストラン
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欅平駅から宇奈月駅、宇奈月温泉駅から富山地鉄本線で北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅に戻ってきました。
黒部宇奈月温泉駅 駅
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黒部宇奈月温泉駅15:24発のはくたか568号で東京に戻り、叔母の家に寄ってから自宅大阪へ戻りました。たった2泊3日の旅でしたが、素晴らしい思い出となりました!
今回の旅行記の2022年5月の時点では、まだ外国人旅行者の入国制限があり、日本人の一時帰国者もJRパスを購入できなかったので、あえてJRを余り利用しないルートで旅の予定を立てました。結果、いろいろな乗り物に乗ることができ、大変満足度の高い一人旅を楽しむことができましたx
次回、2022年12月に戻るまで、一生懸命働いてお金貯めます!
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