2023/11/02 - 2023/11/04
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RAINDANCEさん
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佐賀県北西部、県内第二の都市である唐津を訪れました。といっても訪れたのは面積が広大な唐津市のうち市街中心部および虹の松原周辺です。古代から大陸との玄関として栄え、江戸時代は唐津藩の城下町、明治時代以降は石炭の積出港として栄えました。毎年11月2~4日に開催される唐津神社の秋季例大祭「唐津くんち」で知られます。
★ユネスコ無形文化遺産にも登録された「唐津くんち」にあわせて訪問
★くんち以外にも、国の特別名勝/重要文化財を見学
[いただいた郷土料理/ご当地グルメ]
◎唐津バーガー
※唐津市内では「呼子」も訪れましたが、そちらは別旅行記にて。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 2.5
- グルメ
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- レンタカー ANAグループ 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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レンタカーにて、さきの訪問地である呼子から唐津市街へ。「唐津くんち」の前夜祭である「宵曳山(よいやま)」が始まる前に現地入りを目指します。
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海沿いに走るのですが、途上で見かけた「立神岩(たてがみいわ)」に立ち寄り。
立神岩 自然・景勝地
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玄界灘に面して30mの玄武岩石柱が2個、夫婦岩とも言われているそうです。
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唐津市街に入り、夜までには時間があるので市内観光です。まず向かったのは「旧高取邸」、国指定重要文化財の邸宅です。近隣に専用駐車場があり入館者は1時間無料。
旧高取邸 美術館・博物館
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明治時代後期頃の木造建築で、杵島(きしま)炭鉱の経営者であった高取伊好(これよし)氏の邸宅でした。入館料は一般(15歳以上)1人520円でした。
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和風の邸宅ですが洋館も併設しています。近代和風建築の特色をよく残しており、台風で被害を受け廃屋になりそうだったところを、地元の旅館の女将たちが「こりゃいかん!」とばかりに保存に動いたそうです。
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この邸宅で最も特徴的なのは、邸内の大広間に能舞台があるという独特の造り。かなり珍しいそうです。
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続いて、旧高取邸から南へ300mほどにある「旧大島邸」へ。
旧大島邸 名所・史跡
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明治26年(1893年)に母屋が完成したとされ、こちらも当時の和風住宅の特徴をよく残しているという邸宅です。
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唐津の近代化に尽力した大島小太郎氏の旧邸宅とのこと。大島氏は、明治18年に唐津銀行を創立し、鉄道や道路の敷設、市街地の電化、唐津港の整備など、唐津の近代化に貢献したそうです。
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元はここから300mほど西に建ってましたが、小学校の建設に伴い解体されそうになったところ、市民の間で「そりゃいかん!」ということになり、ここに移築保存されたそうです。
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旧大島邸の隣にある「唐津神社」へ。真っ白な鳥居が印象的。現在は朱色の鳥居が多いですが、神社の鳥居は元々は白木を使った穢れなく神聖な白だったそうです。神仏習合の時代に朱色に変わっていったらしい。
唐津神社 寺・神社・教会
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唐津神社の創建は、社伝によると奈良時代の伝天平勝宝7年(755年)とされています。「唐津くんち」は、この唐津神社の秋季例大祭です。
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お祭りの期間中だけに露店がたくさん出ていました。
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唐津市街の中心部をいったん離れ、市街の東に広がる国の特別名勝「虹の松原」へ。
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見事な松原。この松原は上から見るのが良いのですが…その前に寄るところがあります。
虹の松原 自然・景勝地
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松原の中にあるのがこちら「からつバーガー 虹の松原本店」、唐津で4店舗を展開するバーガーショップです。昭和36年(1961年)創業とのことですが、松林の中のキッチンカーが本店?…本店が移動式というのは逆に斬新ですね。
からつバーガー 虹ノ松原本店 グルメ・レストラン
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メニュー。初代オーナーは元々はホットドッグを販売してましたが、佐世保で食べたハンバーガーに魅せられてバーガーを始めたらしい。日本でハンバーガーが初めて作られたのは、1950年頃の佐世保(米軍基地のレシピをもとに)と言われているので、ここは国内ではバーガーの老舗の一つということになりますね。
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スペシャルバーガーにとアイスコーヒー、そしてメニューにでかでかとアピールしていた生絞りみかんジュースとポテトもいただいておきましょう。なんとなく懐かしさを感じるパッケージ。
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チーズ、ハム、タマゴそしてパティをはさんだスペシャルバーガー。ハンバーガーはアメリカで食べ慣れていますが、ここのバーガーも小ぶりながらナカナカの食べ応えでした。
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ランチの後、松原を山上から眺めるべく「鏡山」へ上ります。
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山上の鏡山駐車場に到着。
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山上には「鏡山稲荷神社」があります。が、ここはお参りせず…
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「鏡山展望台」へ。この辺りも玄海国定公園の一部です。
鏡山展望テラス 自然・景勝地
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こちらが展望台。
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この展望台からは、ご覧のように唐津湾と虹の松原を見渡すことができます。素晴らしい眺望。
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呼子でも見た「松浦佐用姫の像」がここにも。こっちの姫はちょっと顔が怖いです。
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山を下り、今回の唐津観光の拠点となるホテル「ホテル&リゾーツ 佐賀 唐津」へ。こちらに2泊します。唐津市街中心部までは徒歩30分ほどです。
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そのエントランス。
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ロビー。
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「唐津くんち」の期間でしたので宿泊料は高騰していました。2名1室素泊まりで1泊4万円越え…おそらく平常時の2~3倍くらいかと…。祭の半年ほど前からホテル予約サイトで探して何とか確保できました。
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客室はおまかせのプランでしたが、ツインの部屋でした。
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客室からは唐津湾(向かいのホテル越しですが)…
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そして「虹の松原」が見渡せるまずまずの眺望。
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客室は普通のリゾートホテル。
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バスルーム。
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宿泊者専用のウエルカムラウンジ「レインボー」では、ドリンクとスナックがフリーです。
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「唐津くんち」の宵曳山(よいやま)まで、ここで寛ぐことに。
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ウエルカムラウンジは14時から18時まで。
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ソフトドリンクだけでなく、ビールやワインも飲み放題。おつまみにはナッツ。
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お子様はうれしい駄菓子の食べ放題。
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ラウンジが閉まる時間まで寛ぎ、日が暮れていく中「唐津くんち」の宵曳山を見に市街へ向かいます。
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ホテルから歩いて15分、宵曳山の曳山(ひきやま)はここで見ると決めていました。宮島醤油前のVカーブです。
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曳山がやってきました!…1番曳山は刀町(かたなまち)の「赤獅子」。各曳山は町が所有し受け継いでいます。
唐津くんち 祭り・イベント
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2番曳山は中町(なかまち)の「青獅子」。
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3番曳山は材木町(ざいもくまち)の「亀と浦島太郎」。このV字カーブ、曳子(ひきこ)が勢い良く曳き操縦係が曳山をドリフトさせながらガガガガガッ!と豪快に曲がっていきます。
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4番曳山は呉服町(ごふくまち)の「源義経の兜」。
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5番曳山は魚屋町(うおやまち)の「鯛」。鯛は14台ある曳山の中で一番人気なのだとか。
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6番曳山は大石町(おおいしまち)の「鳳凰丸」(ほうおうまる)。路面にはドリフトの跡が残ります。この迫力あるターンを見るためにここに集まる観客は多い様です。
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7番曳山は新町(しんまち)の「飛龍」。「くんち」とは「供日(くにち)」が九州の方言で訛ったものらしい。
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8番曳山は本町(ほんまち)の「金獅子」。神輿は江戸時代の寛文年間に始まったと伝えられ、曳山は神輿に供して神を警護する目的で造られたのが始まりらしい。
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9番曳山は木綿町(きわたまち)の「武田信玄の兜」。各曳山の1台あたりの重さは2~4トン、1台あたり曳子200~400人で曳いているそうです。
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10番曳山は平野町(ひらのまち)の「上杉謙信の兜」。
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11番曳山は米屋町(こめやまち)の「酒呑童子と源頼光の兜」。
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12番曳山は京町(きょうまち)の「珠取獅子」(たまとりじし)。
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13番曳山は水主町(かこまち)の「鯱」(しゃち)。
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14番曳山は江川町(えがわまち)の「七宝丸」(しちほうまる)。これで14台すべての曳山が通り過ぎました。この宵山で3日にわたる唐津くんちの火蓋が切られます。この日はこれにてホテルへ。
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ホテルに戻ったらまず風呂です。結構汗をかきました。
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温泉ではありませんが広々とした大浴場でした。
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サウナもあります。
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「ユーリ!!! on ICE」というアニメの舞台は唐津市がモデルらしい。
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今回の佐賀県の周遊旅行もここ唐津で中盤、やや旅の疲れもあり早めに休みにつきます。
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翌朝…この日は唐津くんちの2日目「御旅所神幸(おたびしょしんこう)」の日。早朝5時頃に唐津神社境内で行われる獅子舞「神田(こうだ)かぶかぶ獅子」は、朝起きれなかったので断念。
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昨夜同様に歩いて市街へ。松浦橋から望む松浦川と「唐津城」。
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別名「舞鶴城」、慶長13年(1608年)に豊臣秀吉の家臣である寺沢広高により築城、明治の廃藩置県により廃城そして解体され、昭和41年(1966年)に模擬天守と門および櫓が再建されたそうです。
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途上の吉野家で朝牛セットをかっ込み、唐津神社の参道につづくT字路で曳山を待ちます。
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唐津城マスコットキャラクターの「唐ワンくん」も祭を盛り上げるべく仕事中。
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1番曳山の「赤獅子」が唐津神社を出て、御旅所神幸が始まりました!
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この日は市街をぶらつきながら、最後に「西の浜」に引き込まれる曳山を見に行く予定です。神社の参道に設けられた観光案内所。
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神社参道に出ているたくさんの露店。
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天気も良く気温も高め。歩いてきましたのでのどが渇きました。冷たいサワーでも。
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せっかくホテルを徒歩圏に取りましたので、この日は思う存分酒飲みながらお祭観光です。こんな風に飲みながら街を歩いても罰せられないなんて…日本は酒飲みにとって天国ですね。
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食べ物はそこら中にある露店で。しかし残念ながら、ご当地グルメを扱う屋台がほぼ無いですね。こういう商売では調達や採算を考えるとやはりユニークな食材は難しいのかな。例えば、唐津バーガーや魚ロッケ、イカ焼き、佐賀ラーメンなどがあれば絶対に買うのですが…。
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「旧唐津銀行」がある通りへやって来ました。ここも御旅所神幸のコースです。8番曳山の「金獅子」が通過中。
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ここで少し見ていきましょう。9番曳山の「武田信玄の兜」。
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12番曳山の「珠取獅子」。
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13番曳山の「鯱」。
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曳山が過ぎたところで県指定重要文化財である「旧唐津銀行」の見学です。辰野式と呼ばれる赤煉瓦に白い花崗岩を配した建築。
旧唐津銀行 名所・史跡
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明治45年(1912年)に建てられた煉瓦造で、設計は清水組の田中實氏、そして田中氏の恩師である唐津出身の建築家・辰野金吾氏が監修したとされています。
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辰野氏は明治から大正にかけて活躍し、東京駅丸の内駅舎や日本銀行本店といった日本の主要な近代建築の設計を手掛けたことで知られています。
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さて、御旅所神幸のクライマックスとも言われる曳山引き込みを見るべく「西の浜」へやって来ました。快晴で直射日光がつらく、東側の建物の陰になるフェンス沿いに陣取りました。
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厳密にはここは、西の浜に近い旧大成小学校校庭です。2022年に海側に建っていた校舎が取り壊され昔のように浜の祭が復活したのだとか。かつて校庭で曳山を行っていた頃には、見せ場である砂地にのめり込む曳山との必死の格闘を維持するため、くんち前に校庭を掘り起こして昔の砂浜を再現していたそうです。
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神輿が運びこまれ…
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…神事が始まりました。
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そして、街を周ってきた曳山が順番にこの西の浜に集まってきます。
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まずは1番曳山の「赤獅子」。
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「エンヤー!エンヤー!」の掛け声とともに砂地に引き込み、ぐるっと切り返して後退して定位置へ。
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続いて2番曳山の「青獅子」が登場。
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赤獅子の隣へ引き込まれます。
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そんな感じで順番に次々と引き込まれる曳山。
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人気の「鯛」がやって来ました。
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前後にゆらゆらと…
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…泳ぎながら…
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…引き込まれていきます。
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曳山を引く曳子は、曳山を所有する町内の在住者と町に認められた町外者に限られるとのこと。
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「金獅子」がやって来ました。
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この重たい金獅子、砂の上を引き込むのにかなり苦労していた様子。
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こちらは「上杉謙信の兜」。平野町は女の子の曳子たちがものすごく元気。こうやって、若い人たちが元気に伝統の祭を盛り上げているのを見て、なんだか嬉しくなってしまいました。
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曳山がある町には曳山組織があって、そこが中心となってくんちの年間行事を通じて住民一体となった健やかな町づくりを目指している様です。複雑な現代社会、色々と苦労はあると思いますが続いていってほしいですし、伝統文化をもとに地域が活性化するような動きは日本各地に広がると良いと思います。
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全14台の引き込みが終わりました。昼の休憩に入ると曳山を近くで自由に見学できます。それでは、改めて全14台の曳山を近くで見ていきましょう。
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「赤獅子」は文政2年(1819年)製作。
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「青獅子」は文政7年(1824年)製作。
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「亀と浦島太郎」は天保12年(1841年)製作。
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「源義経の兜」は天保15年(1844年)製作。
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「鯛」は弘化2年(1845年)製作。
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「鳳凰丸」は弘化3年(1846年)製作。
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「飛龍」は弘化3年(1846年)製作。
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「金獅子」は弘化4年(1847年)製作。
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「武田信玄の兜」は元治元年(1864年)製作。
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「上杉謙信の兜」は明治2年(1869年)製作。
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「酒呑童子と源頼光の兜」は明治2年(1869年)製作。
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「珠取獅子」は明治8年(1875年)製作。
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「鯱」は明治9年(1876年)製作。
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「七宝丸」は明治9年(1876年)製作。
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…以上の14台、ひとつの画像にまとめるとこうです。文政2年から明治9年まで57年の間に15台の曳山が製作され、1台(紺屋町の「黒獅子」)が明治時代に壊れてしまい現在14台が現存とのこと。黒獅子が現存すればちょうど15台で画像もピッタリはまったのだが。
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この日の「御旅所神幸」は午後も続き、次の日の「町廻り」(翌日祭)まで祭は続きますが、「宵曳山」と「御旅所神幸・西の浜曳き込み」を見ることが出来たのでもう満足です。
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前日から歩き疲れたこともあり、この後はゆっくりホテルで休み、その後クルマで夕食と買物に出かけたりして過ごしました。
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舞鶴橋から眺める松浦川。唐津は、海・山・川に囲まれた自然豊かな町でした。「くんち料理」が食べられなかったのだけが心残り。
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今回、観光として初めて佐賀県を訪れるきっかけとなったひとつが「唐津くんち」でした。地元を離れた人が「盆正月は帰らずとも『くんち』には帰る」と言われるほど唐津住民・出身者にとって大切なお祭りを体感することができ、私たちも活力を貰えた気がします。”日本の祭”の楽しさを再認識…次はどこの祭を訪ねようかな。
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