2019/12/30 - 2019/12/31
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norijiroさん
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前日の托鉢僧への寄進は、意地汚く二度寝したことによって見事に失敗した。隙あらば惰眠をむさぼるような煩悩まみれの人生を送っていては、修行僧にも失礼であろう。そこで、再挑戦となるこの日はがっつり早起きし、何ならということでシャワーを浴びて身を清め、一家全員でメインストリートへと勇んで繰り出した。裏通りとは違い、さすがに多数の煩悩仲間……ではなく、善男善女がすでに道路脇に待機している。今朝はここで寄進をさせていただくことにしよう。
『ラオスにいったい何があるというんですか?』には、この寄進について「儀式の力というか、場の力というか、予想を超えて何かしら感じるものが、そこにはあります」と書かれている。何だかよくわからないが、もはやスピリチュアルな域に達するような行為となるのだろうか。これは体験してみなければわかるまい。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 船 タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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托鉢僧を待つ人々。寄進するのは主に炊いたご飯で、竹で編んだおひつに入れられている。これを握り寿司大くらいにつまんで、托鉢僧が抱える鉢に入れていく、というのが基本だ。ちなみに、ご飯はその辺のおばちゃんたちから一つ10000キープ(=ほぼ100円:当時)でいくらでも調達できる。
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ついに托鉢僧が登場。オレンジ色の法衣に身を包んだ僧侶たちが、一列になってやってきた。意外と早足で、寄進しようとすると歩を緩めてくれるが、基本的に止まることはない。タイミングが合わないと、一瞬の躊躇の後にそのまま通り過ぎていってしまうこともある。なかなか難しい。
鉢のなかにはご飯のほかにお菓子も入っていた。おかずは見かけなかったが、どうやって調達しているのだろうか。お菓子でご飯を食べるわけにもいくまい。 -
托鉢僧は所属する寺院ごとにやってくるようで、おおむね年長者から少年の順に並んでいる。恭しくご飯を寄進していると、何だかこちらも非常にありがたい気分になってきた。神社のお賽銭なんかは祈願成就という見返りを期待してしまうが、こちらは見返りなしの100%の善行である分、ご飯の代わりに徳をいただいているようなほんわか気分になってくる。これが、「予想を超えて何かしら感じるもの」なのかもしれない。
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1kgのご飯が入っているというおひつは、結構あっという間に空になる。ご飯売りのおばちゃんはそれを目ざとく見つけ、すぐに代わりを持ってきてくれた。完全にわんこ蕎麦状態だが、もちろんサブスクなんかではないため、清廉な修行僧の真横で世俗の垢にまみれた10000キープ札が飛び交う事態に。わが家は割と最後のほうまでいたためにおばちゃんたちにガッチリとマークされ、おかわりのフィーバータイムとなっていた。
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早朝からの托鉢見学を終えて満足したわれわれはすぐに還俗して煩悩ぐだぐだモードとなり、夕方近くになってようやく再始動となった。まずは前日に前を通ったホー・パバーン(パバーン仏安置祠)へ。
この地の名の由来となったパバーン仏は、ルアンパバーン王国の初代国王が国の守護像として持ち込んだ仏像で、この地を統治する象徴として長年神聖視されてきた。にもかかわらず、何度も国内外に持ち出されてしまい、苦難の末にようやくここへと戻ってきたものだという。総鎮守的なとてもありがたい仏像なので、この街では珍しく撮影禁止である。 -
安置祠の屋根の上には、あのワット・シェン・トーンに並ぶ17本もの尖塔が立てられている。格が違うぜ。ルアンパバーン最上級の扱いといってよい。
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同じ敷地内のルアンババーン国立博物館。ルアンパバーン王国の旧王宮が博物館となっており、王族にゆかりの品々が多数展示されている。こちらを見学するとその繁栄ぶりをうかがい知ることができるのだが、では王族たちはその後どうなったのか。調べてみると、現在のラオス人民民主共和国の建国後に一時は要職に収まるもつかの間。国内の反体制派と結託したとかしないとかで、結局のところ国王と皇太子は「再教育キャンプ」なる恐ろしげなものに送られ、すぐに人知れずご逝去されたらしい。なんともありがちな展開だが、歴史の闇を覗いた気分だ。
王宮博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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続いて、完成に70年を要したという隣の「ワット・マイ」へ。1788年の建立で、当地でもっとも美しい寺院の一つと言われている。
ワット マイ スワナプーマハム 建造物
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見所は本堂正面の黄金のレリーフで、仏教の輪廻が表現されているという。流行りの「転生したら◯◯だった」の元祖? 現世では一介の会社員から特に出世栄達もなさそうなので、来世は異世界で無双できるよう願を懸ける。
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メインストリートをそのまま西へ進んでいくと、見えてくるこの建物。こちらが、ルアンパバーンでもっとも高層の4階建て(!)、「インディゴ・ハウス・ホテル」である。街が世界遺産に指定されたため、このレベルの高さの建築物はもう新築できないらしい。
インディコ ハウス ホテル ホテル
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1階のカフェで一休み。質のよさそうなおしゃれな雑貨も揃っていて、市内最高層の名に恥じない充実ぶりである。
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先ほどの博物館前まで戻り、街並みが一望できるという名所・プーシーの丘を登る。
プーシーの丘 山・渓谷
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「高さ150メートル」とか「328段の階段(+上り坂)」と言われてもピンと来ない方は、この表情で察してください。江の島のエスカーみたいなのできないかな。
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登山の困難にもめげず、夕日を見ようと集まった多数の人々。自分の陣地を確保するのも一苦労である。
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なんとか場所を確保して、日没を眺める。ラオスは夕日がよい。日が沈むのは世界中どこでも変わらないが、ラオスの夕日はなにか訴えかけてくるものがある気がする。朝の清冽な托鉢で1日が始まり、夕映えの古都を眺めながら1日が終わる。苦労して登ったかいがあった。
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夕ご飯はひときわ繁盛していたこちらの麺料理の屋台で。店名不詳だが、ナイトマーケット最西端の交差点付近に出店していた。
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この店のカオソーイ。店ごとに味が違い、個性が光る。こちらはピリッと辛味がきいた大人の味わい。
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明けて翌朝。2019年もついに大晦日である。ラオスはタイと同様に4月に旧正月をお祝いする風習だそうで、1月1日は暦の上での新年にすぎない。なので、あまり年末感はない。
たまには外で朝食を食べようということで、午前中しか営業していないというカオソーイの名店へやってきた。特に固有の店名はないらしく、ガイドブックには「ワット・セーン前にあるカオソーイ屋さん」と紹介されていた。ワットセーン前のカオソーイ屋 地元の料理
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カオソーイ。澄んだスープはかなりあっさりめで、具はやや香草系の味わいが強い。朝ごはんにぴったりだ。結構いろんな店でカオソーイを食べたので、ワインのような座標図風に評価できる自信はついた。
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こちらは肉団子と豚肉をのせた「フー」。どこまでも素朴でやさしい。朝だとほっこりできるが、昼や夜だとややパンチが足りない気もするので、午前中のみという営業方針は理にかなっている気がする。
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朝食後はぶらぶらと街中を散歩。僧侶の少年たちと出会うことも多い。
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少し歩いてやってきたのが、この竹橋。街の南側を通るメコン川の支流にかけられた乾季半年間限定の橋で、対岸に渡ることができる。
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けっこう器用に編み込んであったりして、なかなかの職人芸。手編み風、と言えなくもない。歩くと多少揺れるが、適度にしなやかで要所はがっちりと信頼度は高そうだ。ただ、雨季に川の水かさが増すとさすがにもたないようで、その時期は渡し船が出ているらしい。
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橋の上からの眺めはなかなか風情がある。
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対岸には数軒の土産物店やレストランがある程度であった。わざわざ来てどうということもないのだけれど、観光客も多い街中と違い、ありのままのラオスの姿を少し垣間見ることができる。ちょっと秘境っぽい。
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本日のお昼ご飯は、支流沿いにある「タマリンド」。人気トップクラスのラオス料理レストランである。
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この瓶入りの水はホテルの部屋にも置いてあった。レトロなデザインにグッとくる。どこかで購入できるなら空き瓶を持って帰りたかったが、どう考えても邪魔になるため、なくなく断念。今見てもほしい。
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ソーセージや水牛の干し肉など、名物のおかず5品のセット。味も見た目も洗練されている。竹で編んだおひつに入ったご飯もよい。
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子どもが気に入って食べまくったのが、この店オリジナルの一品である。茎のように伸びているのはレモングラスで、このレモングラスの葉をつぼみのように束ね、中にひき肉を入れて揚げてあった。さっぱりした柑橘系の風味がアクセントとなっていてくせになる。子どもたちの熱烈なアンコールに応えて、この店にはその後もう1回来ました。
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この日からはホテルを移動し、街中から3kmほど離れたメコン川沿いのリゾートホテル「ザ・グランド・ルアンパバーン」へ。ホテルの敷地は旧王族の私邸と庭園だったようで、とにかく広くて静か、そしてコロニアル調の建物は雰囲気がよい。今回、前半は早朝の托鉢見学に備えて街中、後半は郊外でのんびりするというプランで宿を決めたが、なかなかよかった。
ザ グランド ルアンパバーン ホテル
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ここにはでっかいプールがあるぜ。
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大人は明るいうちからプールサイドでビール。リゾートの醍醐味だ。
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宿でしばらく休んだ後は、ふたたび街へ。メコン川の夕景は水墨画にしたいほどの美しさ(描けないが)。
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街中にあるビュッフェスタイルの屋台。壁に一皿盛り放題で20000キープ(200円)とあり、漂うおいしそうなにおいもあいまって、思わず吸い寄せられそうになる。一方、ガイドブックをよく見ると、この類のビュッフェは「安いので若い旅行者に人気があるが、腹痛を起こしたという報告がある」とあり、しかもそのページには「赤痢」「腸チフス」「A型肝炎」などの香ばしい見出しが躍っている。もういい歳なので200円と肝炎のリスクを天秤にかけるつもりもないのだが、20歳くらい若ければチャレンジしたかもしれない。営業している以上、大半は何事もなく済むのだろうけど。
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ということで、結局のところ無難に外国人向けっぽいレストランで夕飯を食べつつ、2019年も終わりが近づいてきた。
明日は現地ツアーに参加する。
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インディコ ハウス ホテル
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